歯ブラシをしても虫歯はできる!

けっして歯ブラシをするのは無駄ということではありません。

皆さんが歯ブラシや虫歯予防に対して情報を得るのは何が多いですか?
中には書籍を購入され、勉強している方もいるかもしれませんが、大半の方の情報源はTV、しかもCMなのではないでしょうか?
CMをみていると宣伝の練り歯磨きを使い、新形態の歯ブラシで磨けば虫歯にならないというふうに聞こえます。歯の手入れをきちんとすることで、虫歯はほとんど防げるように感じられます。

CMを信じますか?
 このCMの効果は絶大で、虫歯を作って私たちのクリニックにいらっしゃる患者さんの多くが、「自分は歯の磨き方が悪くて」「よく磨いているのに自分は歯が弱いのだろうか?」「練り歯磨きは何を使えば虫歯ができなくてすむの?」という疑問をお持ちです。
 確かに虫歯予防に歯ブラシはとても大切ですし、日本の口腔衛生の向上には歯ブラシメーカーの貢献は大きいと思います。
 CMの内容はウソではありませんが、話半分といったところで、大事なことが欠落しているのです。

プラークコントロールとシュガーコントロール
虫歯は虫歯菌によって引きおこされるものですから、歯ブラシで歯に付いた歯垢を落とし、菌の量を減らす(プラークコントロール)は虫歯のリスクを減らすには有効です。
 しかしここで大事なのは、かなり上手に磨ける人でも、落とせる歯垢は6割ぐらいだということです。
 特に歯と歯の間などは、完全に歯ブラシが届くわけもなく、菌が残っています。
 デンタルフロスや歯間ブラシなどでさらにその部分の歯垢の量を減らすことは可能ですが、歯垢を0にすることは不可能です。
 つまりお口に中に菌がいることを許容しなくてはならず、菌と上手につきあう方法を考えなくてはならないのです。
 そこでシュガーコントロール(砂糖の摂取の制限)という考え方が重要になるのです。