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月組宝塚大劇場公演
『長い春の果てに』
『With a Song in my Heart』

−君が歌、わが心に深く−
                              9月7日 11:00&15:00、9月8日 11:00公演 観劇

      観劇後、あれやこれや雑事に追われておりまして(-_-;)、気がつけばはや一月余り…。
      なんだか観劇の記憶がかな〜り薄れつつあるような…(笑)
      でも日が経つにつれて印象的な事だけがクローズアップされてきて、それはそれでいいんじゃないか
     と自分を納得させつつPCに向かっているおります…。
      これは私と記憶力との戦いだ!(笑)…なんて思いながら今回の観劇報告させて頂きますです。


      まずは『長い春の果てに』からですが…
      このお芝居、良かったですよー、暖かくって…。
      あまり派手さのない、本当に日常的な現代劇なのですが、かえってそれが、登場人物に感情移入
     しやすくて、心動かされるっていう感じでしょうか。
      命、希望、友情…そういう人間にとって大切なものを再認識させてくれるテーマですね。
      登場人物のほとんどが心になにかしら傷を持っていて、エヴァという難病の少女が現れた事に
     よって、それを見つめなおし克服していく。最後はハッピーエンドでよかったね、って清々しい涙が
     流れてきました。
      余談なんですが、私は感情が乏しい(?)のか、一回観ただけではなかなか感動の域まで達しない
     タチのようでして。
      今回も1回目は話の筋を追っていくのに精一杯、2回目でちょっとジーン、でも3回目の観劇では
     ボロボロ状態で、エミクラちゃんの歌を聞いては泣くわ、栄光の場面のワタル君の笑顔を見て泣くわ、
     挙句の果ては主題歌聴いただけで泣いてました(笑)…なんて事はどうでもいい話でしたね。
      ただ少々言わせて頂きますと、あまりにも現実的すぎて話が平坦になってしまったような…メリハリが
     今イチなかったような気がします。
      もうひとつ、それぞれの人物の書きこみ方が浅いかな…。時間的制約もあり、登場人物も映画版と
     比べて多くなっているという事で(ここらへんは各生徒さんに見せ場を与えなきゃいけない宝塚だから
     仕方がないことなんでしょうが)一人一人の役を掘り下げていくのは難しいのかもしれませんけど。
     特にそう思ったのはワタル君ですかね。リカちゃん演じる主人公ステファンにメラメラと敵対意識を
     持っていた人が死に直面して急にいい人に…。まあ、心の底ではきっとステファンに対する友情・信頼
     という気持ちがあって、自分の最期を悟った時にその気持ちに正直になったという事なのでしょうが、
     いかんせん出番が少なすぎて、それを表現する時間がない。そこらへんの所は観客の皆さん、想像
     してね、って事なのかな(笑)
      同じ専科さんでも、幸ちゃんのナタリーは出番も多く、まあまあ感情の変化とか書かれていたので、
     ワタル君のクロードももう少し書き込んで頂きたかったです。
      とにもかくにも(?)『長い春の果てに』、笑いあり(ステファンが夢で見る“ウサギの場面”は結構ツボ
     でしたね)涙あり、疲れている心(なんでしょうか、私(笑))を癒してくれるハートウォーミングな佳作
     だったと思います。
      最後にもうひとつ。主要なお芝居の後で下級生達がいろいろ小芝居をしていまして、それが結構
     ストーリーがあってなかなかおもしろかった←ちょっとオススメです。

      続いてショー『With a Song in my Heart』でーす。
      ワタクシ、岡田先生のショーはわりと好きなんです。(もともと“ショー好き”なんですが)
     岡田先生の作品はショーというよりはやっぱり華やかな“レビュー”って印象が強い。
      で、今回のショーですが、期待していたよりは“う〜ん”って感じでしょうか…。 
      まあ、岡田先生らしく華やかは華やかなんですよね。色彩的にもすごくキレイで(特に『オリエント・
     ファンタジー』がキレイで好きでした、ちょっと派手でしたが)上品だし。
      でも何となくテンポが悪いというか、間延びするというか…。一場面が長すぎるのかな…。   
      とりあえずオープニングは良かった。真ん中にグランドピアノが一台、静止した黒エンビの男役と
     白い衣装の娘役が盆で回ってきて、そのあと華やかに歌い踊る…「う〜ん宝塚」って雰囲気で(笑)
     ただこの時の白い衣装はもう少しドレスっぽい裾がヒラヒラしたスカートの方がより華やかさが増して
     良かったんじゃないかなあ…。 
      で、オープニングは良かったんですがあ、そのあとのツナギの“100歳、100歳”の場面、私は
     どうも…。きりやんが出てるので、あまり悪く言いたくはないのですが…(涙)笑いをとる場面なのかも
     しれませんが、観ていてどう反応していいのか分からなくて困りました。
      その他に好きだった場面というと、きりやんの銀橋ソロで始まる中詰と『すべての山の頂き目指して』
     の場面ってところでしょうか…。
      中詰はドゥワップから始まり、ワタル君を中心とした華やかな場面、しっとりとしたデュエットダンス、
     そして総踊りと結構メリハリがあって良かったですね。(美々杏里さんの歌はやっぱりいいですねえ)
      『すべての山の頂き目指して』は、この曲自体私好きなもんですから(^^ゞ。壮大でホントに素敵な
     曲で、この大合唱はとっても良かった。色彩的にも衣装がキレイなグラデーションになっていてよかった
     です。ただ後ろに子ども達の写真が出てくるのは、まあ、岡田先生の意図はわかるのですが、わたし的
     にはイマイチだったかな…。
      このショーの目玉はやっぱりリカちゃんの“女役”だったのでしょうか?かな〜り色っぽく、
     美しいおみ足を堪能させて頂きましたが(ワタル君の豪快リフトもすごかった)、
     リカちゃん、なんで今こんな事を??っていう気も…。
     もっとキザって男役で踊ってちょうだいよ〜。って心の中では思っておったのですが、
     でもチャイナドレスのスリットから出ていた長い足にホケ〜ッて見とれていた私って一体…(笑)
     ここの場面の男役さんたちは、なかなかワイルドで、掛け声なんかも張り切っちゃってて(他の場面が
     明るいゆったりしたのが多いので“ここぞとばかり”ってカンジ?(笑))カッコよかったですなあ〜。
      リカちゃん中心のもうひとつの場面『少年時代』の方も、なんとも軽い感じで(軽いのがいけないワケ
     ではないですけど)もう少ししっかりリカちゃんのダンスを見たかったような気もするんですよね。
     ちょっと消化不良…。悪ガキ達にわざわざスカートはかせなくても良かったとおもうしぃ。
      そしてもうひとつ文句を言いたい!どうして大階段を使ったダンスがなかったんだ〜〜!?
      宝塚のショーで大階段を使わなくてどうするのだ〜〜!パレードだけのものではないでしょ?

     それではここらで主な出演者への一言コメント
     ★紫吹 淳
      リカちゃん、白衣姿素敵でした〜。ヘアスタイルも今回は自然な感じで下ろしていて“ニュー紫吹”
     でしたね。手術ミスでメスを握れなくなった脳外科医の葛藤も最初の銀橋の切なげな歌で伝わって
     きたし(歌の途中ではいる手術中の会話、あれ結構私好きかも)、エヴァに対して本当に優しくって
     素敵なお医者さまでした。が、エヴァに対する気持ちというのは、どのあたりから愛情に変わって
     いったのだろう…?というのが今イチ分からなかった(これは脚本の問題でしょうか…)
      今回はそれなりに素敵なリカちゃんでしたが、たまには“黒い役”も観てみたいな…トップになって
     しまうとなかなか無理なものなんでしょうかねえ。
      それにしてもリカちゃんはほんっとにスタイルよくってうらやましい!!
     ★映美くらら
      エミクラちゃんハマり役すぎ〜。それに学年の割に芝居心があるし、舞台度胸も充分ですねー。
      今回の役は本当に可愛いかった。エヴァの歌う『世界で一番好きな人』って歌、すごく可愛い
     曲でなんだか胸がキュンってしてしまいました(笑)
      でもエミクラちゃん、14歳の役がそんなに似合ってしまって大丈夫なのかな、この先…。
      ショーではタニちゃんと一緒に一場面もらってて、それがタイかどっかのお姫様っぽいのですが、
     体が華奢なので頭の被り物がやけに大きく見えてしまった。
      それと『エーデルワイス』をうたう役、大人の役のようなのですが、イマイチ大人に見えなかったん
     だよねえ。(ここでどうして同期のみっぽーとチワワちゃんを子供でもってきたんだろ…)
      芝居、ショーとも大人の女性目指して頑張ってほしいもんですな。
     ★汐風  幸
      お芝居の幸ちゃんはさすがに上手〜〜。女役でも全然違和感なく、カッコよい女医さんでしたね。
      別れた人を忘れられない辛さがにじみ出てたわ〜。でもちょっと落ち着きすぎていて、きりやん
     アルノーと並ぶと“姉さん女房”って感じもしましたけど。
      ワタクシ、ナタリーがステファンに向かって言う「明日から新しいドラマが始まるわ。
     『新・ナタリーの恋』、『続・ナタリーの恋』じゃないからあなたは登場しないけど」って台詞が
     ミョーに好きなの(笑)
      最後はめでたくアルノーとご結婚されて赤ちゃんができるナタリーさんですが、ステファンと3年付き
     合って別れて数年、そのあとアルノーと結婚して6年…ナタリーさん結構高齢出産ですね、頑張って
     赤ちゃん産んでね〜、と余計な事を考えてしまいました。
     ★湖月わたる
      
ワタル君のクロードは上にも書きましたが、もう少し出番がほしかったです。
      でも、出ている場面は存在感抜群ですよね。それに役になりきり方がすばらしい!!死ぬ直前の
     演技はメークもあわせてすごく迫力がありました。そのあとの栄光の場面の笑顔がまたいいのよ、
     とっても暖かい微笑でねえ。涙ボロボロでございました(笑)
      ショーでもたくさんの場面に出ていて(黒エンビ姿すてきっ!!)歌もたくさん歌ってましたが、なんと
     いってもやっぱりあのリフトやね。リカちゃんをアクロバットのようにリフトできるのはワタル君ぐらいの
     ものでしょうねえ。力強かったわ〜。でも『少年時代』の女の子にはちょっと引きました…。
     ★汐美 真帆
      ケロちゃんは今回は記者の役。最初はゴシップ記者だったのですが、そんな自分がイヤになって
     医療ジャーナリストに変身(?)悪徳医師クロードを追い詰めていくという設定ですが、やっぱり書きこみ
     が足りないので、今いち中途半端で印象が薄かったかなあ…。いつもながら堅実な演技で破錠は
     ないのですが…。本公演ではなかなかブレイクする役はもらえませんね。(でも『ガイズ』のビッグ・
     ジュールはオイシイ役だったな)
      ショーの方は出番は多いですね。ユウヒ君と銀橋で2人で歌うガンマン、ピストルさばきがカッコ
     よかったです。けど、私はケロちゃんのセクシーなダンスが観たかったなあ…。
     ★大空 祐飛
      ユウヒ君のフローレンス、初の女役どんなんだ〜?とかなり期待して観ましたが、結構さまになって
     ましたね。ゴージャスなお姉さんって感じですか…。やっぱり大きかったですが(笑)きりやんの
     アデレイドを最初に観た時ほど「うわっ、でか…」とは思わなかった(きりやん、ごめ〜ん。でもこれは
     きっとアデレイドは周りが華奢な娘役さんばかりだったからだよお…)最初の出のポロの衣装、
     とても似合ってまして足が長いと再確認させて頂きました。エヴァにオバサン扱いされてムキになる
     所とかかなり笑えたかも。
     ★大和 悠河
      タニちゃんの今回の私のイチオシは、ショーの『オリエント・ファンタジー』のマリン・オフィサーですね。
     白い軍服がなんてよく似合うんでしょ〜。素敵すぎですわ〜〜〜!南の島の女の子達が“王子様が
     現れるわ〜”なんて歌っていますが、ホントにタニちゃんは王子さま♪歌い出すと「ありゃりゃ…」と
     なる時もありますが(でもかなり上達したよね)
      お芝居のブリスは明るく軽い役でしたが、タニちゃんらしく温かみのある人物になってました。フロー
     レンスに振り向いてもらえなくて切なそうな表情のブリス君、可愛かったですね。
     でもねえ、タニちゃんこんな役多いですよね。もうそろそろ違う雰囲気の役もやらせてあげたらいいの
     にねえ。劇団さん、頼むよ〜。一応組内2番手(らしい)なんだから…。
     ★月船さらら
      さららん、大出世ですね。プログラムも写真はちょっと小さいですが一人載り。
     インタビューも載ってるし、かなり“来てま〜す”って感じですよね(笑)
      お芝居の方はかなり良い役です。正義感に燃える青年医師、クロードの不正が許せなくて、告発する
     んですよね。でもクロードの最期の時、あの号泣で「クロードを本当に尊敬していたんだな…」って事が
     伝わってきました。さららんの台詞って何気に「手術」ってのが多かった気がする…。
     手術って言いづらいよねえ。東京公演も噛まずに頑張って台詞言ってね、さららん(笑)
     ★霧矢 大夢
      
えー、トリはやはり霧矢さんでしょう。
      今回のきりやんはご自身も散々言っておられますが、本公演初の大人の役「アルノー」…。
      いつもの元気ハツラツの役とは違って押さえた演技、低めの声で頑張って「大人」してました。(私が
     観たのは前半だったので、まだ「頑張ってる」っていう印象が強かった)
     リカちゃんの同僚には、まあ見えたと思いますが、幸ちゃんのナタリーさんと並ぶと、やっぱりちょっと
     若さが出てしまっていたような気がしますね。幸ちゃんの方が大人っぽすぎたのかなあ…。
     どうしたら「大人」に見えるんでしょうね。色気、包容力…?学年の積み重ねもあるのかもしれません。
     周りの上級生を見て“大人の男”を学んで、東京公演では更に大人になった「アルノー先生」を
     見せて頂きたいですわ〜。私は観られないんですけど(-_-;)
      …などと、ちょっと辛目の意見を書いてしまいましたが、きりやんが出るだけでうれしくなってしまう
     というのも正直な所でして(あ〜、我ながらイタイわ…)きりやんのツナギ姿に「なんてお似合い♪」って
     ウフッてなってしまい、(でも後ろの車のダサさにはちょっとまいった…どうにかならないものかな)
     ナタリーとのキスシーンに「キャー、代わりたい〜〜」と思ったり…どうでもいいですが、『SLAPSTICK』
     に引き続き、またしても女性側から先にキスされてましたなあ…そういうキャラが似合うのか!?(笑)
      私が今回アルノーの中で一番好きだった所は、栄光の場面かなー。しょっぱな歌い出して、
     (ここの曲胸に染み入るような良い曲ですね)幸ちゃんと歌ったあと、ソデにはけていくのですが、
     そこの顔がねえ、なんとも凛々しい!!白衣も良くお似合いで。最初下手で観たので、その時の
     きりやんの顔がとてもよく見えまして、私のハートはドキューンと撃ち抜かれてしまいましたわっ!
      スペインの場面でのタキシードもなかなか着こなせていましたし、「大人の役・初挑戦」はまあ、
     中成功って所でしょうか…。
      ショーの方は、今回は“おお〜っ!!”っていう衝撃はあまりなかったかな(笑)
      銀橋ソロ、初めてだったんですねえ。あまり長くはなかったですが、一人銀橋を渡るきりやん、とても
     楽しそうでこちらまでうれしくなっちゃいました。お衣装は「…」だったんですけど。
     このあとリカちゃんの銀橋ソロに繋がるんですが、きりやんがリカちゃんに軽く挨拶をする所が結構
     ツボでした。きりやんの笑顔ステキっ!
      それと、チャイナガイ、めっちゃカッコよかったですねえ〜〜〜。
     帽子のかぶり方がちょっと斜めっぽくて私好みでしたわ(笑)
     ダンスもキレがよくてさすがダンサー霧矢でしたね。
      ダンスといえば、「すべての山の頂き目指して」の場面、リカちゃんの歌に合わせて、
     きりやんが水色の衣装で踊るんですけど、すごーく伸びやかに、気持ち良さそうに踊っていて
     良かったです。
     上にも書きましたが、この曲好きなので、この場面にきりやんが出てくれてうれしかったー(^○^)
      でも、今回は霧矢ファンとしては、少々消化不良というか…。もちろんソロもあったりしたんだけど、
     次の場面のために途中ではけてしまったり、出ている場面が少なかったり(まあ、これは今までが
     出すぎっちゃあ出すぎだった気もしますが(笑))フィナーレの扱いがイマイチだったりとか。
      まあ、よく考えると(?)今回専科さんも2人いたし、前回の公演のアデレイドちゃんがあまりにも
     扱いがよすぎたんでしょうなあ。これからまだまだうえに上がっていくという楽しみがあって、
     それもまたよし、と、ワタクシ悟りを開きましたわ(な〜に言ってんだか…)


      てなわけで、つらつらと書かせて頂きました〜。
      今回の月組公演、心温まるお芝居と、宝塚らしい華やかなレビューで、日常生活に疲れた心を
     癒すにはもってこいの2本立て!(宣伝隊じゃないよ(笑))
      もう一度観たいなあ…、ってマジ思います。
      東京公演は行けそうにないけれど、中日劇場へは行ってやるぞ〜〜っ!!

      長い感想文、読んで下さってありがとうございましたm(__)m

      おしまい♪


       
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