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「宝塚狂想曲」寄稿文

「寄稿文」なんて大げさですね(笑)
きりやんのファンサイトを運営しているという関係でフリーライターの赤岩友美子さんから
お声をかけて頂きまして。
まあ、自分の書いた文章が活字になるなんてめったにない事だし、思い出として書かせてもらいました。
オチも何もない拙い文章でありますが(^^ゞ暇つぶしに読んでみて下さい。
ちなみに初版発行は2005年4月でした。

十月某日、著者である赤岩さんより原稿依頼のメールを頂きました。
「きりやんのサイトを運営されているCHIEKO★さんにエキスパートとして原稿を…云々」
エ、エキスパートぉ?ぶんぶん(注・首を横に振っております)、私なんてきりやんファンになってまだ四年、観劇回数も少なけりゃ、入り出待ちもめったに出来ず、そんなおこがましい事とても言えませーん。
が、テーマが"きりやん讃歌"という事なので「それなら書けるじゃーん」てな軽いノリで引き受けてしまいました。
多少(なのか?)不安もありますが、とにかくスタート!

【私はこうしてきりやんにハマった】
私が「霧矢大夢」という生徒さんを知ったのは七年間のブランクを経て宝塚ファンに復帰した六年前。
歌劇誌で名前を見たのですが、その時思ったのは「きりや…なんて読むんだ?」程度(笑)なんとも味気ない出会いでありました。
それから二年、その間にきりやんに興味を持ち始めてはいたのですが、
(私の大好きな「ノバ・ボサ・ノバ」の新公がすごく良かったと言う話がキッカケかな)
ベルリン公演をテレビで観ていた私は、ショーのパレードでスパンの衣装&羽を着けて階段を下りてきたきりやんを見て思ってしまったんですねえ。
「カッコいい…」と。その二日後にはファンレターを書いてました(我ながら素早い行動だ)
そして追討ちをかけたのがその後のバウ公演「更に狂はじ」。
能の衣装に身を包んだ観世元重こときりやんが歌いだした時、私は息をのみました。
「す、すご〜〜〜い!」。きりやんの歌声・歌唱力は本当に衝撃的だったなあ。
おまけになーんて凛々しくて美しいんでしょう!そのあとの舞台はきりやんだけ光って見えましたねえ(ハハハ…)
そして観劇後、ボーっとしている頭で当然のように「よし、きりやんについていくぞ!」と思った次第で…。
ここから私の「きりやん人生」が始まったのですっ!


【きりやんの魅力について考えてみよ〜】
何百人もいるタカラジェンヌの中でどうして私はきりやんが好きなんだろう?その事について少々考えてみました。
「更に狂はじ」できりやんの歌にやられた私ですので、まずきりやんの「歌」が大好きです。
声がねえ、良いんですよ〜。琴線に触れるんですねえ。
他の人の歌を聴いても「上手だなあ…」とは思うんですが、まあそれだけで。
きりやんの歌を聴いてると「うわー、好きだ〜〜」ってしみじみと思うんですよね。
これはもう理屈ではないのかもしれないです。
低音が弱かったり、ストレートに歌いすぎたり、まだまだ勉強の余地はたくさんあると思うのですが(偉そー)でも私にとってきりやんはナンバー1シンガーですね。
ダンスは私は詳しくないのですが、やっぱりバレエをやっていた人はきれいに踊るなあ…と。
ターンする時の軸がしっかりしてるし、キレがいいし、一つ一つのポーズが美しい。
そして何よりもきりやんの脚や腕を上げる角度が実に私好みでして(なんじゃそりゃ)これまた大好きなんですぅ♪
もう一つ、私の大好きなのはきりやんの「目」。
きりやんって「目力」があると思いませんか?すごく意思を持ってる目だと私は思うのですが…。
これは舞台人にとってすごい武器ですよねえ。あの瞳に暗い影や狂気の影が宿ったらめっちゃカッコよさそうだなあ…。
でもダンスなどで相手役さんを見つめる目はとっても優しいんですよねえ。
包み込んでくれるようなあったかい眼差しです。
あ〜、私もあんな目できりやんに見つめてもらいたいよー(なんか一人で突っ走ってるわ…ついて来てね〜)
お茶会などで見せてくれる「おもしろキャラ」もいいですね。さすが大阪人(笑)サービス精神も旺盛かな。
お茶会できりやんが話す関西弁がね、好きなんですよー。
こういう時のきりやんは「きれいなお姉さん」って感じですね。どうしてあんなに鼻が高いんでしょう?うらやましすぎる。
それに細いよねえ…。あの細さがどうして舞台に反映されないんだろうと不思議なのですが…って、こんなこと書いちゃって良かったのかな(笑)
とまあこんな訳で、私はきりやんにラブラブなのでございます、ハイ。


【霧矢大夢―その輝ける舞台―】
…仰々しかったか(笑)さてここからは、私が観たきりやんの舞台を、好き勝手な感想&個人的なエピソードを交えつつ、いくつか振り返ってみようと思いまーす。
☆『ゼンダ城の虜』『ジャズマニア』
新人公演で主役の「ルドルフ」!
きりやんは囚われた王の替え玉にさせられた主人公を溌剌&颯爽と演じていました。
それにしてもかわいい王様でした。(それで良かったのか? 笑)ラブシーンも初々しくてねえ。
でも歌・お芝居はしっかり押えていて、さすが実力派ってカンジでしたね。
お芝居の途中でフェッテを回ってくれて、その美しさにビックリした覚えが…。
きりやんにとって最後の新公だったのですが、その舞台にぎりぎりセーフ(?)で立ち会うことが出来て本当に幸せだったなー。
出待ちをどうしてもしたくて、最終の新幹線に乗り遅れてしまった事も今となっては笑い話です。

☆『「Practical Joke(ワルフザケ)」〜ってことにしといてくれよ〜』
マウロ大好きだ〜〜っ!……おっと、失礼しましたー。
えー、この公演できりやんが演じた「マウロ」は、元々はチンピラで、主人公の男気に惚れ込んで行動を共にして行くという役だったんですが…カッコよかった〜〜♪(ただ今壊れ中)
特に私がお気に入りなのは、お芝居のラストの場面、赤いアロハシャツを着てデッキチェアに座り(ここの脚の開き方が実に男らしかった 笑)
「漁師になる」と話す所〜フィナーレに突入するまでかな。
とにかくきりやんがすごくイイ顔をしてたんですよ。そしてドイル(真琴つばささんが演ってた主人公ね)に向ける笑顔が本当に素敵でー惚れ直してしまったさ…。
このマウロという役は、他の登場人物とちょっと毛色が違っていて、主人公に絡む場面も多いかなりオイシイ、そして重要な役だったと思うのですが、きりやんはとても自然に「無骨で不器用で一本気な男」を演じてましたね。
オマケ…と言っちゃ何ですが、幕開けにはバーテンの役をやっていて(台詞なし)、これが少々オカマちっくで(笑)かなり私的にツボにはまりまして。
きりやんはなかなか小芝居が上手いなーと感心しました。
フィナーレではソロのダンスもあり(もうファンはビックリ+大喜び)きっときりやんにとってはとても勉強になった公演だったでしょうね。


☆「ガイズ&ドールズ」
まさかきりやんが女役をするなんて思いもしませんでした。
本音を言うとネイサンが観たかったんですけどねえ…。
でもでも蓋を開けてみたらあらビックリ、きりやんのアデレイドちゃん可愛いじゃん。(ポスターもきれいに撮れてたしー)
最初に出てきた時は「うーん、ちょっとごっついかなあ…」と思ったのですが、観ているうちにアデレイドがだんだん可愛い健気な女の子に見えてきて、これはやっぱりきりやんの演技力の賜物なんでしょうなあ…。
歌のナンバーもどれも聴き応えがあって(特に「アデレイドの悲嘆」が好きかな)「いよっ、ミュージカルスター!」ってカンジでしたね。
ウエディングドレスもきれいだった〜。
まったくの余談ですが、大劇場と東京公演の間に名古屋でトークショーがありまして、寒い中何時間も並んだのに、私の二人前で「一緒に写真を撮れる整理券」が終わってしまったというちょっと悲しい思い出がありますぅ(泣)

☆『SLAPSTICK』
ファン待望のバウホール単独初主演公演!きりやんの役は映画監督の「マック・セネット」。
一幕目の若い時代は溌剌と、二幕目はちょっと抑えた演技で主人公の映画にかける情熱&苦悩、そしてメイベルに対する切ない想いを好演してました。(おじいちゃん役はご愛嬌ね♪)
この役、あまり自分からは動かないどちらかと言うと受身の役だったんですが、それでもきりやんはちゃんと主役として存在していたのはさすがでしたね。
「真ん中オーラ」がしっかり出てました。
フィナーレナンバーで全員の総踊りの後登場する所は、主演としての存在感があって「きりやんも大きくなったな〜」と嬉しかった。
この公演で私の一番の思い出はと言いますと、初めて最前列で観劇したこと!(笑)
お芝居の中できりやんと紫城るいちゃんが舞台端に座る場面があり、私のすぐそばにきりやんが来てねえ…もうボーっと観ておりました。
シアワセな瞬間だったよ〜。それ以来最前列では観れてませんが。
千秋楽観劇も初めて体験。すごい盛り上がりに感動して「一生きりやんに付いていくぞ」と決意も新にした公演でした。

☆『長い春の果てに』『With a Song in my Heart』
このお芝居好きでしたー。観た後すごく心があったかくなる作品で。
きりやん大人の男の役でしたね。相手役が上級生の汐風幸さんだったので、ちょっと背伸びしてたような気も。
でもラブシーンはかなりドキドキさせてもらいました。(幸ちゃんになりたかったよー)
今ならもっと自然にアルノーができるんじゃないかな〜。今のきりやんでもう一回見たいかも。
この公演は個人的にかなり思い入れがありまして。中日公演があったんですね。通いましたよー、出待ちに。
三週間、本当に楽しかったです。お茶会の記念撮影できりやんの隣に座れたし〜(しっかり部屋に飾ってあります 笑)
千秋楽の日、会社でお昼休みに泣きながらお手紙書いたなー。今思うとちょっと恥ずかしい…。

☆『花の宝塚風土記』『シニョール・ドンファン』
この前に組替があり、組内でのポジションが上がったな〜、と感じた公演でした。
特に思ったのはショーの幕開け、銀橋できりやんがりかちゃんの隣にいた事&お引き摺りの上掛けを着てた事かな。
男役さんを従えて真ん中で歌う場面もあり、本当に月組を引っ張る一人になったなーと。
「会津磐梯山」を歌うきりやんはとっても"いなせ"でしたね。
お芝居ではテーマソング付き(笑)のジョゼッペ。主役さんの付き人(あ、私設秘書でした)だったので出番が多かったですね。
軽いタッチで、間のとり方とかが上手くないとおもしろくない役だと思いましたが、きりやんは軽妙に演じていてさすがでした。

☆『薔薇の封印』
きりやんが復帰できた事、本当に嬉しい公演でした。
役がどうだとか、上手いとか下手とかそんなことより、ただきりやんが舞台に立っている事だけで感動しちゃいましたね。
お茶会でのきりやんの涙が忘れられません。
でも一応感想を(笑)ルイ一四世はきりやんのダンスの上手さを再確認させてもらいました。
やっぱりバレエの基礎に裏付けされたダンスは美しいですねえ。
もう一つの役のクリフォードは、コメディタッチなのは分かるのですが、ちょっと軽すぎなような…(あ、でもこれは演出の問題もアリ?)辛口になっちゃったなあ。
フィナーレではとっぱしで主題歌を歌うと言う大役も頂き、なかなか色っぽい姿を見せて頂きました。
と思ったのはしばらく経ってからで、初見でこの姿を観た時は嬉しくてウルウルしてました。

☆『愛しき人よーイトシキヒトヨー』
耐える男・遠藤和実、渋かったですねえ。苦悩する姿が素敵でした。
歌声がとてもセクシーだったなあ。(いつの間にきりやんはこんな歌い方を習得したのだろう…)
作品的にはちょっと「……」な所もあったのですが、出演者の皆さんのきりやんのバウ復帰作を盛り上げようという気持ちが感じられる熱気にあふれた舞台でしたね。
いい仲間に恵まれてきりやんは幸せ者だー。
バウの千秋楽、ありがたい事に観劇できたのですが、きりやんがバウに戻ってこられた事、楽まで無事にやり遂げられた事に会場全体が感動して泣いていて、なんだか異様な雰囲気に包まれてましたねえ(笑)もちろん私も泣いちゃいました…。

【そしてこれからも…やっぱりきりやん!】
こうして改めてきりやんの舞台を思い返すと、さまざまなタイプの役を私たちに見せてくれてますね〜。
最近では大人の男≠熹ツについてきました。
2〜3年前までは「元気なお兄ちゃんキャラ」で「もっと渋い役を見てみたいぞー」と思ってましたが、やっとそういう役も似合うようになってきて、嬉しい限りです。
でもまだまだ観たい役はいっぱ〜い。
きりやんには舞台人としての可能性がまだたくさん秘められているんじゃないかな〜、と欲深い(笑)私は思ってます。
今だから言える話ですが、昨年きりやんが休演した時、病気が病気だけに「もしかしてこのまま…?」なんて心配をしたことがありました。
でもきりやんは宝塚の舞台に戻ってきてくれた!本当に嬉しかったー。
復帰の舞台を観ながら「きりやんが舞台に立っているのを観るだけで幸せだ」って心から思いました。
「自分らしくマイペースで気負うことなく舞台生活を続けたい」と話しているきりやん、きっとそう思うまでには色々と葛藤などもあったと思いますが、そう決めた彼女を私もあたたか〜く見守っていけたら…って思います。…なんだか母の心境ですね(笑)
そうそう、きりやんの好きな所、一つ書き忘れてましたっ。それは…「笑顔」!きりやんの笑顔は天下一品です。
元気をくれます。きりやんが舞台からその素敵な笑顔を贈り続けてくれる限り、私はずっと付いていくからね。
きりやん大好きだよ〜〜っ!(ちょっと照れるぜ…)

ふー、何とか書き上げました…。こんなんで良かったのかなあ…。
まあ素人の書く事なので大目に見てやって下さい。最後まで拙い文章を読んでくださりどうもありがとうございました、ペコリ。