四国旅行 2003 春
2003年のゴールデンウイークは四国を旅行していました。毎回のことなが ら、直前に企画しての旅行です。

小豆島(香川)には遙か昔行ったことはあっても、本島は訪れたことが無いっ てことで四国行きを決めました。

とはいえ、実はどういうように回りたいのかという希望も特にないまま計画 (^^;。いろいろとWEBで情報収集してサイクリングに最適な四万十川を中心 にすえて行動することにしました。

というわけで行程は以下のようになっています。
一日目 主に高知 高知空港→桂浜(坂 本龍馬像) → はりまや橋 →(高知自動車道 南国IC- 大豊IC)→ 大歩危 → →かずら橋 →( 高知自動車道 大豊IC- 須崎東IC)→ 中村
二日目 四万十川 レンタサイクルにて 四万十川散策
三日目 主に愛媛 中村市→足摺岬→竜串→宿毛→宇和島 →松山城→道後温泉→松山空港

一日目

四国到着

ANA561便にて高知空港へ。10分ほど遅れて到着。 着陸間際、土佐湾の山々に雲がたれ込めているのがはっきり と見えました。初日の天候はあんまりよくないです。 まあ、これも事前にわかっていたこと。去年の雨にたたられた 九州旅行の二の舞は避けるべく、週間予報を見てから旅行の予約 をしました。今日は雨だけど、明日あさっては快晴の予定。 さて、ちゃんと予報あたるかな(^^??。

今回も移動はレンタカー。ニッポンレンタカーにてFIT/VITZクラスの車を予約。 FITにあたることを期待してたんですが、用意されたのは三菱のCEDIA。まあ、 運転はしやすかったし、VITZよりもパワーはあったのでよかったかと。 カーナビも予約しておいたのですけど、ちっと取り付け方が強引でエアコン吹 き出し口と時計がふさがってことと、ライトのON/OFFと画面の昼間/夜間モー ドが連動していないのでトンネルで画面がまぶしすぎたってことがちょっと残 念。まあ、無料オプションなのでしかたないか。それに今回もカーナビは大活 躍だったしよしとしよう。
高知空港着陸直前の高知湾の風景 ニッポンレンタカーでかりた三菱のCEDIA
高知空港の手前。山に雲が立ちこめています。 (なんでこの写真が撮れるかってのはおいておいて) 今回借りた車。三菱 CEDIA。諸元はよくわかりませんが、 高速でもパワー不足を感じず、ワインディングでも操作性に 不安はありませんでした。燃費もかなり18km/lほどでなかなかよい。

さあ、早速桂浜へ出発

太平洋を向いて建つ坂本龍馬の像

桂浜海岸は、高知空港から10kmほど西に行ったところにあります。高知市の南 に位置して、浦戸湾の入り口ある海岸です。高知空港がある南国市 から桂浜へは浦戸湾を”浦戸大橋”を渡ってゆきます。ガイドブックには"有 料の橋"と書かれていましたが最近この橋は無料になったようです。

桂浜海岸には坂本龍馬の有名な銅像が海を望んで建っています。まさに”心は 太平洋ぜよ”です。ここからは広く太平洋が見渡せ、この像が建つべき場所と しては一番最適な場所だなと感じます。

何度か台座の新調などされているそうですが、銅像自体は昭和3年に作られた 物とか。おもったより古いものですね。龍馬の意志に感銘をうけた高知の若者 が寄付金を集めて作ったそうです。

坂本龍馬の像から少し陸の方に行くと旧制高知高の”豪気節”の歌碑がひっそ りと建っていました。"この浜よする大濤はカリフォルニヤの岸を打つ" だそ うで、思うことは昔の人も今と変わってないなあと感じました。

さて、今日は行程が詰まっているのでこのあたりで移動。 つぎは高知市の中心部はりまや橋へ。
桂浜に建つ坂本龍馬の銅像。心は太平洋ぜよ この浜よする大濤はカリフォルニヤの岸を打つ。豪気節。旧制高知高校の碑。桂浜の坂本龍馬の銅像の斜め後ろに建っている
桂浜で太平洋に向かって建つ坂本龍馬の像。 "この浜よする大濤はカリフルニヤの岸を打つ"との 碑文。
桂浜展望。太平洋の荒々しい波が打ち寄せています

三大がっかり名所? はりまや橋

はりまや橋といえば、あんまり名誉ではない"日本三大がっかり名所"のメンバ になってしまっているところですが、逆に"どれだけがっかりするのか" と期待してわざわざ行程に追加しました。 はりまや橋は高知の最も中心部にある橋で、江戸時代は商店の播磨屋と櫃屋と の間の私橋だったそうですが、高知の発展に伴い一般の人も通れる橋になり、 また路面電車が通るようになってからはどんどんと拡幅が行われて、しまいには 川が埋め立てられ橋の面影が無くなってしまったそうです。 "がっかり名所"扱いされるようになったのはこのころだったとか。

うーん。でも見た感想では、ちゃんと小さな川は流れているしちっちゃな太鼓橋は 掛かっているし、わざわざ三大がっかりに入れるほどのものでも..という気は しました。まあ、複製したのがよくわかって歴史の重みはあまり感じられない のが残念ですが。

なんでも、あまりに全国から"がっかり名所 がっかり名所"と言われ続けるので ちゃんと再整備しようと数年前に公園化したそうです。というわけで、日本中 どこでもある観光スポットになりました。ちょっとがっかり(^^;

今日の昼飯はちょっと早いけどはりまや交差点のCoCo壱番屋でカツカレー。

さてガイドブックにははりまや橋交差点に"高知西武がある"とあったのですが、 あったのは看板が取り外されシャッターが降りた大きな建物。去年末に閉店に なったようです。 中心部にシャッターが降りた大きな建物がそびえていると 街の雰囲気が寂しくなってしまいますね...。 そういえば"高知東急"は最近聞かなくなりましたが、芸名変えたんでしたっけ?

はりまや橋。もうがっかりさせません はりまや橋交差点。西日本の都市には今も市電が残っている所が多いです。
最近のはりまや橋。きれいな太鼓型の橋にかけ変わっています。「がっかり名所」だったころの橋が見られなくてがっかり。奥に見える時計はからくり時計。12時になると、からくり人形がよさこい節を踊っていました はりまや橋の交差点は高知駅すぐそば。高知の中でも交通の要衝。幅広い道路が交差しています。市電も走っています。むかって左側がかつて「高知西武」があった建物。
そんなこんなで30分ほどではりまや橋を後にして大歩危方面へ。
JR土讃線大歩危(おおぼけ)駅
土讃線 大歩危駅

大歩危・かずら橋

大歩危(おおぼけ)は徳島県を流れる吉野川の上流に位置する峡谷です。 川の流れが急で、ラフティングなどでも有名。

高知市から大歩危方面へは高知自動車道にのって大豊ICで降り 国道32号線を池田・徳島方面へ20kmほど行った辺り。高知市からだと 1時間強の行程。 高知自動車道は四国山脈を横断しているためトンネルだらけ。 おまけに対面通行。そうそう。大豊IC出口は長いトンネルを出てすぐのところに あるので、ぼーとしていると見落すかもしれません。 国道32号は吉野川の谷を縫うようにして走る道。でもそれほどワインディング はきつくないので走りやすい道です。
大歩危峡。V字型の谷の間を吉野川の激流が流れます。こんな雨の日でも何の問題もないように船は出て行きます。こどもの日が近いということもあって、鯉のぼりがいくつも泳いでいました.
大歩危峡を上から俯瞰。雨で水かさは増していましたけど、 船は何の問題も無いかのように観光客を乗せて下っていきました。

大歩危では川下りの船が有名。 行った日は雨が降っているのでかなり流量があったのですが それでも問題なく運行してました。谷の上から見ているとちょっと 怖そう。でもさすが船頭さん、速い川の流れの中をゆったりと船を 下らせていっていました。
かずら橋
かずら橋。ツタと木で出来た橋です。昔は 両岸の集落を結ぶ大事な生活の橋だったそうです。現在は観光用で 渡り賃500円。一方通行(手前から奥へ)です。

かずら橋という橋が大歩危よりも更に山奥に入った祖谷に掛かっています。大 歩危から山道を車で登ること20分ほど。まさに"秘境"といえるところに、あり ました。かずら橋はカズラのつるでできた吊り橋で橋の路面(?)は木の棒を枕 木のように並べただけのもの。渡ってみましたが、木が10cm、隙間15cmぐらい の感じでなかなかスリルがあります。ちょうど雨で片手に傘、もう片手にカメ ラという不安定な体勢で渡り、下は雨で増水した川といなかなかスリリングで した。

もともとは、このあたり平家の落人の集落で、かずら橋も追手が来たときに すぐに橋を切り落とせるためにツタで作っていたとか。 いまはこのかずら橋、ただのツタじゃなくて鋼線で補強しているので落橋 することは無いのでそれは安心。

この祖谷地方はかなりの秘境ですがそれでも徳島や高知に近いこともあってか 結構観光客が集まっていました。定期観光バスはボンネットタイプで雰囲気出 してます。 そうそう。かずら橋の駐車場は有料で200円と書いていましたが係員がいま せん。ラッキーと思いましたが、ぽつっと"お金はここに"と無人のポストが置 いています。人を信じているんですね。逆に"入れなきゃ!"という気分になり ます。仮に不届きものが数割いたとしても、人一人を貼り付けておくよりはトー タルのコスト面でも優れているしいい方式ですね。
かずら橋の途中。足下が空いている。((゚Д゚)))ガクガクブルブルブル ((゚Д゚)))ガクガクブルブルブル ((゚Д゚)))ガクガクブルブルブル
かずら橋を入り口横から望む。ツルと木で出来てるのがわかります。 かずら橋の途中。揺れている橋で、両手がふさがった状態で撮影。 ちょっと怖い

中村の宿へ

かずら橋も見たので一気に今回の宿がある中村市へ直行。 中村市は四万十川の河口近くの街で、四国西南部の中心に なっている所です。

高知自動車道で須崎東まででて、一般道を太平洋岸に沿って一気に中村市まで。 3時間ほどかかり到着。 今回の宿は"ホテル ココモ"。「旅の窓口」で見つけた宿です。 大浴場があって一泊4900円とけっこうお得。どうせ風呂入って 寝るだけなので十分です。 食事は付いてないですけど車があるので 外のファミレスで食べられるし。

二日目

最後の清流 四万十川サイクリング

今日はこの旅の一番の目的、四万十川のサイクリングの日。

四万十川... "最後の清流" とのフレーズで有名で、また平坦な 道が続きサイクリングするのに適している..ということも自転車雑誌などで よく目にしてました。実はこの連休中の旅行計画は最後までどこに行くか 迷っていて(北海道にしようか九州にしようかというようなレベルで迷っていた)、 突然"四万十川"というフレーズが頭の中にポッっとでてきたので行き先を 四国に決めた経緯があるぐらい。

四万十川といえばサイクリング... まあ、四国に輪行するのも面倒くさそう だし、他の観光できないわでレンタサイクルを借りました。 WEBで"四万十川 レンタサイクル"で調べると... "りんりんサイクル"という レンタサイクルではマウンテンバイクを貸してくれるのでここに決定。 一応事前に電話予約をしておく。

りんりんサイクルは、四万十川流域にいくつか事務所があり そのどこでも貸し出し、返却が可能とのこと。土佐くろしお 鉄道の中村駅で借りて四万十川を遡上してJR予土線の江川崎駅 までの間のいくつかの事務所(ステーション)があります。 電車で来て、自転車で別の電車線まで行く..というような旅行も できるような仕組みです。

レンタサイクルを借りる

さて、レンタサイクルの"りんりんサイクル"は午前8:30から午後5:00まで。早 起きをしたのでちょっと宿屋でくつろぐ。そうそう。ホテル"ココモ" の朝飯 (和定食)は四万十川名物、焼き鮎。ちゃんと考えてくれてましたね。テレビ では、4月末から話題になっている"パナウェーブ研究所"こと白装束の集団の 動向を盛んに報道していた。怪しさ爆発でテレビ受けばっちりだけど、メディ アは自制する気は無いのかな?まあこの旅行記とは関係ないけど(^^

さて、8:30になったので歩いて2分ほどの中村駅に向かう。 見事に快晴。なんて行ったって今回の旅行は、週間天気予報を見たうえで、 晴れの日を選んで日程を決めているから晴れるのは当然。そうなんだけれど、 期待以上に快晴。雲一つ無いし、天気予報では午前午後とも降水確率0%。 やったな〜

さて、中村駅で"りんりんサイクル"の事務所を探す。あれれ??駅前にあると いうのになかなか見つからない。近くの観光案内所で聞いてみると... 駅横 の細い路地を指さされる。あ、確かに奥に青い温室のような倉庫が建っている。

あそこか〜。WEBで結構有名だったから大きな事務所かと思いきや、 言い方悪いがまさに掘っ立て小屋(^^; まあ、事務所の人の応対は親切で しっかりしていたから安心。一日借りて1000円です。やす〜い。

中村ステーションはおじいさん2人で管理してました。シルバー人材センタな どから派遣されているのかな?ひとりは子供のころからの阪神ファンらしくて、 ちょうど連勝中だったこともあって"阪神勝ってるし、片岡活躍してるしうれ しいうれしい"ってうれしそうにしてました。

さて、ようやく今日乗る自転車をゲット。微妙にハンドルとサドルの位置が 私の自転車と違うけどまあ、すぐ慣れるか。ちょっとだけ不満だったのは、 ペダルにトゥクリップが付いていないことと、サドルが平たいので尻が いたくなりやすいということ。まあ贅沢は言っていられないか

出発出発〜 中村市街地を抜け四万十川の方へ向かう。 中村市街地の赤鉄橋を越えると四万十川のサイクリングロード。 赤鉄橋を越えずに四万十川を遡上してもいけるのだけど、アップダウンが 大きいらしく、川向こうを行った方がいいとのステーションでのアドバイスがあったのでこちらの道を行くことに。

土手上道なのであまり車も通らない。本当に静かで静かでちょっと離れていても 川のせせらぎと遠くのウグイスの声がはっきりと聞こえてくる。まさに"最後の清流"
土佐くろしお鉄道中村駅 四万十川にかかる赤鉄橋
中村駅から出発
四万十川に出た。この鉄橋を渡り、向こう岸を遡上開始

沈下橋

しばし進むと、川からちょっと離れて山村の畑の中の道になる。畑とあぜ道と 里山という箱庭のような風景の中で遠くに川のせせらぎと野鳥の声が聞こえて くる、という古き良き日本の風景。 やがて周囲が鬱蒼とした林の中の道を進むと再び四万十川と合流。

ここが一つ目の沈下橋"佐田沈下橋"。沈下橋は四万十川の風景の特徴となって いる橋。大雨で川の水位が増したときに水面下に沈むように作られているので、 水面近くに橋が掛かっていて、また沈下したときに水の抵抗が少ないように欄 干がありません。四万十川に沈下橋が多いのは、周囲の人口が少ないために建 設費を確保しづらく、簡単な構造の橋にしたというためらしいですが、逆に観 光資源として人を集めているのはおもしろい巡り合わせです。

今回のサイクリングでも沈下橋は7つ渡りましたが、実は四万十川流域には計 58もの沈下橋があるようです。多いですねえ(リンク:沈下橋一覧表)

沈下橋の真ん中で四万十川の流れをのんびりと見ると目と耳が休まります。四 万十川は周囲が山に囲まれているのに、非常に川幅が広く、ゆっくりとうねっ ているという日本の他の川には無い特徴があります。中国の山水画に出てくる ような印象です。この様な風景が"日本最後の清流"といわれるゆえんかなと思 います。 渡った沈下橋は以下の7つでした。
1 佐田沈下橋 2 三里沈下橋 3 高瀬沈下橋
4 勝間沈下橋 5 口屋内沈下橋 6 岩間沈下橋
7 長生沈下橋
佐田沈下橋。四万十川最長らしい 三里沈下橋。このあたりはカヌーが多い
最初の沈下橋。佐田沈下橋。四万十川の沈下橋の中で一番長いようです。
三里沈下橋。癒される風景ですが、すぐ近くに大規模採石場がありダンプが多いのはちょっと残念
岩間沈下橋。このあたりはカヌーが多い 長生沈下橋
岩間沈下橋。このあたりカヌーが多いです。川が蛇行してちょうどヘアピンになっている部分です 長生(ながおい)沈下橋。ここで今回は引き返しました
佐田沈下橋よりみたパノラマ

狭い国道441号

四国西部地域の大動脈国道441号
四万十川に沿って走っている国道441号線。 見かけは細くても、高知と愛媛を結ぶ重要な国道です。
四万十川と並行して走っている道は国道441号線です。

"国道" といっても山の斜面を縫うようにして走る非常に 狭い道です。拡幅工事は各所で行われていますが、狭いところでは 車が対向できない箇所が多く各所ですれ違いの渋滞が発生していました。

佐田沈下橋までは土手道なのでのんびりと走っていられたのですが、 国道になってからは結構交通量の多さに悩まされたところもあります。 それもそのはずで、この国道441号は四国南西部の要衝である中村市と 四国北西部の要衝 松山を結ぶ産業道路としての位置づけもある道で あったりもします。

こんな不思議な位置づけの国道441号をどんどんと遡上してゆきます。途中で いくつもの沈下橋に出会い、そのたびに橋を渡り中ほどでのんびりとくつろぎ ます。本当、静かで周囲の鳥の声が気持ちいいです。 ゴールデンウイーク中というのに観光客も少なく、のんび〜りと 川の流れを見ていました。

カヌー館を越えて

中村駅を出発して40kmほどでようやく、りんりんサイクルの奥のステーション であるカヌー館到着。名 前の通り、四万十川のカヌーの基地になっているところで、到着したときも数 十ぐらいのカヌーが出ていて、外国人も何人か訪れていたようです。結構カヌー イストの人には四万十川は有名なのかな?

カヌー館の中はカヌー博物館のようにもなっていて、本場エスキモーの アザラシの皮で作ったカヌーなど展示されていて本格的。

江川崎で12時。5時までに中村に戻ればよいのでもうちょっと奥地に 遡上。ちょっと行くとJR予土線の線路と合流します。何本も列車は走ってない んでしょうけど、ちょうどいい具合に2両編成のディーゼル車とすれ違いまし た。予土線も昨日の大歩危付近を通っている土讃線もそうですが、四国の線路 は峡谷の中を通っていることが多いな..

道は土讃線と並行になるあたりから2車線になり、特に不安は感じなく なりました。20分ほど流して次の沈下橋(長生沈下橋)を見てここで 四万十川遡上は終了。大体中村から50km地点ぐらい。 うんうん。十分清流四万十川を満喫。

カヌー館に戻りカレーライスとソフトクリームをぱくつく。 ここで1時。そういや、食器が発泡スチロールだったな。使い捨てかぁ..

向かい風がきつい

四万十川は標高差が少ない(50kmで大体70mぐらい)けれど、 それでも河口に向かってゆくから遡上するよりは楽かな.. と思いきや、向かい風が思いの外きつく、疲れ気味の足には なかなか応える。ちょうど谷になっている部分に海側から風が 吹きこんでくるからどこまで行っても向かい風になってる。

100キロの行程終了

後半はかなりゆっくりしたペースで中村市へ向かう。ペダルにトゥクリップが 無いので引き足が使えず速度が乗らない...。まあ、時間はたっぷりとあるの でのんびりと進む。来るときと同じ道だけど逆から見るとまた違ったように見 えるところもあり、ところどころ休憩しながら写真を撮っていく。

岩間沈下橋付近の蛇行
岩間沈下橋あたりで大きく蛇行する四万十川
四万十川の見栄えがするところは、川が大きくゆったりとヘアピン状に 蛇行している箇所。そこをカヌーがのんびりと下っていくのが まったりとしていていい。

そんな感じでゆっくりと中村市に戻り河原でちょっとのんびりしながら 自転車を返却。4時。

宿に帰って大浴場ですぐに汗を流す。ふー 気持ちいい。 このホテルを予約した甲斐があったというもの。

この日は腹も空いていたので6時前に近くのファミレスに出かけて 大盛りのステーキ食べて早めに寝ました。

三日目

最終日、今日は高知の西側を回って 目的地松山へ抜けるルート。

断崖に建つ灯台・足摺岬

6時に途中で食べればいいやと朝飯も食べずに、中村を出発。四万十川に沿っ て海岸に出てから足摺岬を目指す。足摺岬の尾根部分に沿って道が作られてい る。岬の付け根に鰹で有名な土佐清水港があり、そこから一気に岬の尾根部分 に登ってゆくわけだけどかなりの急勾配。登り切ったと思ったら、こんどは一 気に下る。下りきったところが足摺岬。 到着したのは7:20ごろ。快晴の朝の海。すがすがしい〜。 「岬」というだけあって、断崖絶壁の岩場。台風が上陸した時は さぞかし荒れるんだろうななどと思う。

岬の周りは遊歩道になっていて、灯台にも行けるし、逆の入り江の方にも行け る。灯台と海をセットで見たいのなら、東側の入り江にいくのがいいかと。展 望台になっていて視界を遮るもの無く断崖に建つ灯台と太平洋がセットで見ら れます。

そういえば足摺岬の入り口には、江戸時代にアメリカに渡っていたジョン万次 郎の銅像が建ってました。この地方の人だったんですね。

足摺岬は8:00に出発。けっこう早いペースか? 次の目的地は竜串という鬼の洗濯岩のような奇岩がある 海岸。

地図を見ると、岬の尾根部分を登らなくても 海辺に沿って土佐清水港まで道があることを発見。 近道かと思って進んでみると.... うわ 細い細い。 1.5車線ぐらいしかないうえに激しいワインディング。 おまけに民家も周囲にあるし。ってことでちょっと選択 をしくじりました。 素直に尾根道を行った方が良かったか。

土佐清水までつくと、あとは快適な国道321号線。この道は、番号との語呂合 わせか、太陽がさんさんと降り注ぐ高知のイメージかはわからないですが、 「サニーロード」という愛称で呼ばれています。道幅広いし交通量も少なくか なり快適。

竜の背骨のような岩場・竜串

竜串は土佐清水から西に10kmほどいったところにある "日本初の海中公園"。 竜の背骨のようにも、パイプラインのようにも見える 奇岩がある海岸です。 車は海中公園の方ではなくて東側のドライブインに停めました。 こちらからだと、ちょっと奇岩がある海岸の場所が分かりづらくて、 最初は、「なんてつまらんとこなんだ」なーんてちょっとがっかりして ましたが、後から来た団体さんの後を付けていって、奇岩のある場所を 発見。なるほどーたしかに名物になるわけだ.. というような風景でした。

海中公園の方には海中展望塔ってのが建ってましたが、昔の「未来風の建物」 という感じで歴史を感じさせます。オープンが1972年1月ということで、 大阪万博が終わった直後のころなんですね。

宿毛、宇和島を通って松山へ

竜串を抜けてからは、とくに寄るところも決めずに 一気に松山まで北上。四国の西海岸を一気に走れば すぐに着くかな... とおもいきや結構時間がかかりました。 最初の中継点宿毛。 宿毛は「すくも」と読みます。 太平洋に沈む夕日がダルマのように見えるダルマ夕日で有名な 所らしいですが、夕方でもないのでわかりません(^^。 ただ「道の駅宿毛」の鯉のぼりは太平洋をバックに心地よさそうに 泳いでいました。長距離の一人での運転には目の休まる風景。 宿毛を越えるとだんだんと交通量が増加してきて、 ゆっくりめな速度に落ちてきます。まあ、四国を南北に横断する 道路は数えるほどしかないので交通が集中するのは仕方ないのか.. 宇和島付近では渋滞発生。抜けるのに30分以上掛かりました。 渋滞を抜けてもゆったりゆったりと進んで、松山自動車道に のったのは12時半。 途中の伊予灘サービスエリアで1時頃。遅い朝飯を食べる。 このサービスエリアは高台にあり、松山市街が一望。 見晴らしはかなり良いです。

本当は、時間があれば今治まで足を伸ばしてしまなみ海道の 来島海峡大橋を見てみたかったのだけど、さすがに行っている時間はないや。

伊予灘サービスエリアの隣の松山ICで降り、目的地の松山市へ。 松山では、松山城と道後温泉をみてまわるのだ。

松山城

松山市街の高台に松山城の天守閣がそびえ立っています。もともとお城が高台 にあるため、ロープウエイとシングルリフトが麓から出てます。ものめずらし く雪も降っていないのにシングルリフトで山頂まで移動。

松山城はかなり広く作られていて、市街地を一望できるしのんびりと過ごす には良い場所です。松山城には大正ロマン、明治文豪時代のような 袴を着た「マドンナ」がいて観光客の世話をしています。 なにかの撮影会かと思っていたら、どうやら松山市が主宰している "松山城開城400年記念祭"の企画で"街角案内人" というものだったらしい。 誰でも案内してもらえるらしかった。申し込めば良かったかも。 ほかには、坊ちゃん、巡査さんや赤シャツなどもいるらしいです。

松山城の広場はもちろん無料ですが、天守閣のエリアは有料。500円だった かな?急な階段を上ると、20畳ぐらいの天守閣の上層部に出ます。 広場でも松山市街は一望できましたが、一段と見晴らしはよいです。あっぱれ あっぱれ。

いまはビルが建ち並ぶ四国最大?の都市になっているけれど 400年前はどーんな風景が広がってたんだろ?とふと思いました。 一面田んぼだったのかな?

道後温泉で疲れを取って帰宅

さて、最後は道後温泉。松山城からも歩いていける距離だけれど時間もないの で車で移動。道後温泉横の狭い狭い100円パーキングに車を止め、 道後温泉に入湯。 "神の湯"と"霊の湯(たまのゆ)"の2種類がある。 そういえば、別府の竹瓦温泉や駅前高等温泉でも2種類あったな。 普段来る地元客と観光客用に値段付けがされているのかも

もちろん、霊ノ湯に入湯。霊の湯は温泉だけではなくて、休憩所も付属。休憩 所は男女共用。男の人はここで着替えてください〜 といわれてちょくらどっ きり。まあ裸になるわけじゃなくて、浴衣に着替えるぐらいなんだけど。昔は 男女とも一緒に着替えていたみたいだけどさすがに、いまは女子更衣室は別。 霊の湯の浴室自体はそれ程大きなものではないけれど、 深さが1m以上あり、段差に腰掛けないと大変。 泉質は、それほどきつい成分ではなかった気がする。 後で調べてみたら、”アルカリ系の単純温泉”のよう。 成分としては普通の温泉です。

それでも、この立派な面構えは別府竹瓦温泉以上のものを 感じさせます。まさに千と千尋の湯屋の世界。

そういえば、霊の湯に入ると、特別に天皇専用風呂 も案内してくれます。もう数十年使用していないとの ことですが、ちゃんと整備されていました。

さて、道後温泉で昨日の四万十川サイクリングの疲れもとれたし、 帰路につくか。 飛行場はすぐ近くだし...と思いきや 松山市内大渋滞。 それもそのはず。今日はゴールデンウィークとはいえ 平日。四国有数の都市のそれも夕方だからもううごかんうごかん。 おまけに、道路標識がちょっと分かりづらい。松山市内からすぐ近くの 松山空港なんて需要がありそうだろうに...

というわけで結構時間はすれすれだったが、無事松山空港に 到着。あっという間に東京に到着。

なかなか充実した旅だった。