縁は異なもの・・・
12日09時・地上天気図12日21時・地上天気図
   
13日09時・地上天気図13日21時・地上天気図
   
 2006年4月12日、華南で前線が発生、 前線上の低気圧は右の4枚の地上天気 図に見られるように発達することなく、 翌13日にかけては比較的足早に東より に進んでいた。  はるか東海上に勢力の強い高気圧が あるので、この後、東進のスピードは 落ちると見ていたが、低気圧が実際に とった進路はちょっと予想がつかない ものだった・・・。 翌日へ
14日09時・500hPa解析図14日09時・地上天気図
   
14日21時・500hPa解析図14日21時・地上天気図
   
  <4月14日>  低気圧は東にある勢力の強い高気圧 に行く手を阻まれ、進み方が遅くなっ た。12〜13日は半日で経度にして7度 ほど東へ動いていたのだが、14日は9 時から21時で3〜4度ほど。  でも、ここまでは予想通り。500hPa は東へ行くほど北上成分の強い流れ。 カムチャッカの南の低気圧から前線が のびているので、こちらに向かって、 北東へ向かうと思っていたら・・・。 翌日へ     戻る
15日09時・500hPa解析図15日09時・地上天気図
   
15日21時・500hPa解析図15日21時・地上天気図
   
  <4月15日>  日本海にあった高気圧が予想よりも 早く北海道の東へ進み、低気圧の通り 道になると思っていた北の前線も東へ 遠ざかってしまった。  低気圧は東の高気圧へブロックされ、 北へ進路を変えたが、北の高気圧にも 阻まれ、さらに動きが遅くなる。この 高気圧を支えるリッジは沿海州〜北海 道で強まる傾向。  そして、中国東北区では上空の気圧 の谷(500hPaで5400gpm 付近の流れ) が急激に深まる。まさか・・・。 翌日へ     前日へ このページのトップへ
16日09時・500hPa解析図16日09時・地上天気図
   
16日21時・500hPa解析図16日21時・地上天気図
   
  <4月16日>  低気圧の北にある高気圧は勢力を強 めながら、カムチャッカの南東海上へ。 500hPa/5400gpm付近の谷はさらに深ま り、次第に渦としてまとまる。対応し て低気圧が発生し、夜には北海道の西 へ進んだ。  上空の流れはさらに北上成分が増し たため、低気圧は真北へ進む。15日か らやや発達傾向を見せていたが、前述 の渦と結びつき、さらに発達。中心示 度は1000hPa を切ってしまった。 翌日へ     前日へ このページのトップへ
17日09時・500hPa解析図17日09時・地上天気図
   
17日21時・500hPa解析図17日21時・地上天気図
   
  <4月17日>  東海上のリッジが強いため、低気圧 は北北西に進路をとる。北海道の西に あった低気圧と一つにまとまりながら サハリン南部へ近づく。上空の渦の直 下に入り、最盛期を迎えた。 翌日へ     前日へ このページのトップへ
18日09時・500hPa解析図18日09時・地上天気図
   
18日21時・500hPa解析図18日21時・地上天気図
   
  <4月18日>  上空の渦の東進とともに低気圧はよ うやく東へと動き始めた。  東へ進路をとるのは14日以来、実に 4日ぶり。この間、2000km近くも北上 したことになる。  低気圧に結びついた渦は、14日には まだバイカル湖の南で、500hPa解析図 (AXFE578 )の画角に入り始めたとこ ろ。では、低気圧が南岸を進んでいた 時にはどこにいたのか?   時間を少し遡ってみると・・・         前日へ このページのトップへ
12日21時・500hPa解析図12日21時・地上天気図
   
13日21時・500hPa解析図13日21時・地上天気図
   
   右は12日21時・13日21時の500hPaと 地上の天気図である(500hPa解析図は AXFE578の代わりにAUXN50より)。  低気圧に結びついた渦は直接、追え ないが、追跡可能な寒冷渦(青い○) から類推すると、図の赤い○印。地上 低気圧(南の赤い○)とは緯度で20度 以上、経度では35度前後も離れている。  普通は出会うことのない両者を結び つけたのは東海上に居座る強いリッジ。 おかげで、南岸を冴えない感じで進ん でいた低気圧は自身の期待以上(?) に発達することができた。しかし、南 岸育ちの身にはオホーツク海の冷たい 水は少々つらかったかもしれない。  まあ、何かを得た時には何かを失っ ているものである・・・って何の話? このページのトップへ