宇登呂・真冬日!(2006/5/2)
1日09時・地上天気図 | 1日9時・850hPa天気図
|
 |
 |
1日21時・地上天気図 | 1日21時・850hPa天気図
|
 |
 |
 |
2日09時・地上天気図 | 2日9時・850hPa天気図
|
 |
 |
2日21時・地上天気図 | 2日21時・850hPa天気図
|
 |
 |
 |
 |
2006年5月2日、網走地方東部・宇
登呂の最高気温は-0.4度、季節外れの
真冬日を記録した。
5月に入ってからの真冬日がどのく
らい珍しいことなのか、よく分からな
いけれど、初めて見たような気がする
(意識していなかっただけという話も)。
前日、5月1日―――。
北海道を低気圧が通過、低気圧から
のびる寒冷前線が東北地方をゆっくり
南下した。前線の南側では晴れたうえ
に、南の高気圧から前線に向かって暖
かい空気が入ったため、気温が上昇、
西~東日本は今年一番の暑さとなった
所が多かった。
気象官署で真夏日となったのは
甲府 33.4度
静岡・尾鷲 32.0度
熊谷 31.4度
秩父 30.5度
岐阜 30.3度
萩・与那国島 30.0度
の8ヵ所で、東京も29.4まで上がった。
北日本は朝の冷え込みは弱かったが、
全般に曇りや雨で、日中の最高気温は
平年を下回った所が多かった。
右下は宇登呂の5月1日の気温変化。
地上天気図では低気圧や前線の北側
だが、850hPaは顕著な暖気移流の場で
(根室の1日9時の850hPa気温は3.0
度)、夜中から気温は9度台と高く、
朝方にかけての最低気温は9時過ぎに
観測した 7.5度だった。
晴れ間が出た10時頃から14時頃にか
けては気温が上昇、13:30には最高気
温13.2度を記録した。これは平年より
も2度ほど高い気温である。
気温が急降下したのは16時から17時
で、1時間に約5度も下がった。南西
風の強まりとタイミングが重なってい
ることから、風向きは南よりだが、上
空では寒気移流が始まっていたと推測
される。南西風の吹き出しは21時過ぎ
まで続き、弱まった後、22時過ぎから
は北風に変化した。また、18時過ぎか
らは降水を観測している。
この間も気温は下がり続け、20時前
には0度台、23時には氷点下になった。
21時の根室の850hPa気温は 2.2度と9
時から大きな変化はないが、風向きは
変わり、寒気移流の場に。稚内は-2.3
度と9時より3度ほど下がっていた。
問題の5月2日、前線は南岸まで下
がり、北から高気圧が覆いかぶさる、
いかにも寒々しい気圧配置に変わった。
1日から2日の、各地の850hPa気温
は以下の通りで、一気に空気が入れ替
わったことが分かる。特に米子や館野
では15度前後も急降下した。
----------------------------------
(1日) 9時 21時 (2日) 9時 21時
稚内 1.0 -2.2 -9.4 -4.8
札幌 0.4 0.0 -6.4 -6.6
根室 3.0 2.2 -3.4 -4.4
秋田 5.6 3.8 -1.6 -0.4
仙台 7.0 5.6 5.2 -0.6
輪島 10.0 9.0 6.6 -3.6
館野 14.6 16.0 11.0 2.0
米子 11.6 14.2 4.4 -0.6
潮岬 12.8 13.4 14.2 8.4
福岡 11.8 13.6 9.6 6.4
鹿児島 12.6 14.8 14.2 12.4
----------------------------------
冷たい空気が流れ込んだうえ、曇り
や雨の所が多かったことから、日中の
気温は各地で1日を下回った。
特に、海から冷涼な北東~北の風が
ダイレクトに入るエリアで下がり幅が
大きく、北海道オホーツク海側、東北
太平洋側、関東甲信、北陸~山陰の日
本海側は全般に10度以上低め、所々で
15度以上も下回った。
宇登呂の気温は0:00、0:10の-0.4度
から緩やかに下がり、日中は-1度台で
経過、3月中旬並みの寒さとなった。
数センチの降雪があったものと見られ、
16:50 にはこの日の最低気温-1.7度を
記録している。
真冬日を記録したのは宇登呂だけだ
ったが、北海道オホーツク海側は低気
圧に近い東部を中心に寒気移流が続き、
気温は平年を大幅に下回った。網走の
最高気温は3月中旬並みの 1.2度まで
しか上がらず、最深積雪は3センチ、
降雪の深さ合計は5月としては観測史
上2位となる6センチに達した(1位
は1977年5月3日の18センチ)。
翌3日、低気圧が遠ざかるとともに
寒気移流は少しずつ弱まった。気温は
非常にゆっくりしたペースで上がり、
12:40、ようやくプラスに転じた。約
一日半ぶりのことだった。
このページのトップへ