館山・2番目に早い初雪

 2005年12月7日3時過ぎ、館山測候所から初雪の発表。降ったのは02:25〜02:35の10分間で「みぞれを観測」
とのこと。関東地方では前橋に次いで2番目。もちろん関東南部のトップで、平年よりも1ヵ月も早いもの。
1970年の観測開始以来、2番目に早い記録となった。(最早は1970年11月30日)

 レーダー(8日2時30分) 衛星画像(8日3時) 実況天気図(8日3時)
   
 上は初雪を観測した時のレーダーエコー図。館山には小規模なエコーがかかり、周辺にも伊豆諸島北部から 房総沖にエコーがあり、銚子付近にもかかっている。これらのエコーは東北東〜北東へ進んでいた。  ほぼ同じ時間の衛星画像では日本海西部から北陸地方にJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)に対応する帯状の雲 が見られ、これに連なるような形で、関東の東海上にも帯状の雲が東西にのびていた。  地上天気図は大きく見ると西高東低の冬型だったが、能登半島の西と関東の南東海上には低気圧が解析され、 本州付近では等圧線の間隔が開いていた。
 850hPa予想図(7日21時対象) 850hPa予想図(8日9時対象)
  
 図は7日00z初期値の12・24時間後の850hPaの予想図である。日本海西部〜能登半島付近には西よりの風と 北よりの風の収束が見られ、同様の収束は関東南岸〜南東海上にも予想されている。これらの風の収束には地 形がかなり影響を及ぼしている。  冬型の気圧配置の時、北西の季節風は朝鮮半島北部の山岳を迂回し、日本海西部〜中部で合流しやすい。こ の収束域がJPCZと呼ばれるもので、気圧の谷の接近時にはしばしば対流雲が発達し、日本海側に強い雪をもた らす。同じように本州の中部山岳を迂回する季節風は関東沿岸部で合流しやすい。太平洋側のほとんどの地域 が冬晴れでも、関東沿岸部〜静岡県東部で雲が広がる場合、この風の収束によることが多い。  関東南部でこのパターンの降水は珍しくはないが、今年は平年よりも早く強い寒気が流れ込んでいたため、 館山で記録的に早い初雪を観測することとなった。
 館山の実況
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