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                         プラス思考をうながす道徳の授業

                                                                     TOSS東京西部         
                                        東京都 白石高士

   プラス思考することの大切さを自分の生活と照らし合わせながら考えさせていく授業。脳内革命の話を取り入れながら科学的に話す。授業参観などで行うことが出来る1時間の実践である。

 一人に一枚原稿用紙を配る。ノート代わりに使うためである。一行目に名前を書かせる。

<指示1> 今から先生がいくつか質問をします。AかBかで答えます。自分の考えに近い方はどちらかを考えて書きなさい。あまりじっくり考えるのでなくていいです。

 次の質問をしていく。

<質問>
@先生から放送で職員室に来るように言われた。その時、どう思いますか?              
   A やばい。何か悪いことをしたかな? しかられるかな?           
   B 何だろう?何か連絡かな?ほめられることでもあるのかな?             
A一緒に野球をやっている友達が今度の試合でレギュラーになった。その時?
   A 実力は同じぐらいなのに、ひいきされているんだな。ずるいぞ。
   B 自分の分までがんばって活躍して欲しいな。            
B廊下を走っていたら先生から叱られた。その時?                 
   A 他の人も走っているのに、自分だけ叱られるのは不公平だ!         
   B 廊下を走った自分が悪いんだ。次から気を付けよう。           
C体育でサッカーの試合をしたが負けてしまった。その時?                
   A あいつがミスしたから負けた。そうじゃなかったら勝てた。        
   B まだまだ練習が足りないな。もっと練習して強くなろう。 
D算数の時間に手を挙げて発表したが間違えてしまった。その時?
   A 嫌だな。言わなきゃ良かった。恥ずかしいな。
   B 残念だったな。でもいい勉強になったぞ。今度はがんばるぞ。

 自分でどちらを書いたかを挙手させて聞いていく。私の学級では次のような結果となった。

@ 21人 3人
A 22人 2人
B 10人 14人
C 8人 16人
D 7人 17人
<説明1>人間は物事をよく考えていくプラス思考の人と、悪く考えていくマイナス思考の人に分けられます。今の質問はそれについてのものだったのです。 

「プラス思考っていう言葉を聞いたことあるよ」
というつぶやきが聞こえてきた。どこで聞いたかを尋ねると、テレビで言ってていたと答えていた。最近よく使われているので知っている子もいる。
5,6人が聞いたことあると答えた。

<指示2>さっきの質問でBの方がプラス思考の考え方です。自分はどのぐらいプラス思考をしているのでしょうか。1つを20%としてプラス思考度 を求めてみましょう。

「わー。おれ60%だよ」といった声が聞こえてくる。100%という子は1人いたが、ほとんどは60,80%である。
0%という子はいない。「先生、心理テストみたいだね」と言う子がいた。
もちろん、この程度じゃ心理テストなどとは言えないが身の回りにある出来事についてこうやって考えて、
振り返って見ると結構おもしろいものである。 

<発問1> 人間は生きていく上でプラス思考の方が良いのでしょうか。マイナス思考の方が良いのでしょうか。

 挙手させるとプラス思考に全員が手を挙げた。 

<発問2> そうですね。みなさんが言うように人間が生きていく上でプラス思考の方が良いのです。では、なぜ、プラス思考の方が良いのでしょうか。理由を考えて紙に書きなさい。

子どもたちの反応は次のものである。

・プラス思考の方が自分のためになるから。
・マイナス思考をしていると、もっと悪い方に進んでいってしまうから。
・マイナス思考だとますます落ち込んでしまうから。
・プラス思考だと、よく考えるようになるから。
・マイナス思考だと、そのうち犯罪をおこすようになるから。
・プラス思考の方が気持ちよいから。 

<説明2>みんなが考えてくれたことすべて言えるでしょう。例えば、自分に悪いことが何かあった時「あいつのせいでうまくいかなかったんだ」とか「やらなきゃよかった」といった考え方をするよりも、「自分が成長するために良い経験になった」といった考え方をした方が気持ちよいですよね。それがプラス思考なのです。 

プラス思考をすることがよいことは知っていても、なかなか出来ないところが課題なのである。
いかに前向きに生きていくかをこの授業では見付けさせたい。 

<指示3>では、次の問題を出します。今度は問題ですから、○か×で答えなさい。 

紙に○か×を書かせていく。

<問題>
@「病は気から」ということわざがあるが、本当である。              
A人間は怒ったり、悪口を言ったりすると、病気や早死にを引き起こす毒が出る。   
B人間は心のもちようで病気を防ぐことが出来る。                 
C世のため人のためになる善い行動をすれば健康で長生きできる。          
D「あいついやなやつだ」「意地悪してやろう」などと、悪いことを想像するだけでも 
  体に悪い影響がある。             

自分でどちらを書いたかを挙手させて聞いていく。私の学級では次のような結果となった。

×
@ 20人 4人
A 11人 13人
B 22人 2人
C 21人 3人
D 5人 19人
<説明3>答えは@○、A○、B○、C○、D○、すべて○です。 

特にADについては驚きの声が上がる。

<説明4>人間の心というのは、脳と大きな関係があります。
 人間は良いことをすると、脳の中によいホルモンが出てきます。ホルモンとは、体の調子を整えていくものです。エンドルフィンという名前のホルモンが脳の中に出てきて、よりよい脳にしてくれるのです。小さい頃、お腹が痛くなったりしたとき、家の人に手で触っていてもらうとだんだんと良くなってくることってあるでしょう。その時も、このエンドルフィンというホルモンが脳の中に出てくるのです。簡単な病気ならこれで治るとも言われています。                 しかし、悪いことをしているとどうでしょう。友だちをいじめる、人のものを盗む、悪口を言う、しつこくからかうなど悪いことをすると、脳の中にノルアドレナリンという悪いホルモンが出てきます。実際に悪いことをしなくても、「意地悪してやろう」と想像するだけでもこのホルモンは出てきます。このノルアドレナリンは、自然界では蛇の毒と同じぐらい強いと言われています。そんな悪いものが脳の中にちょっことだけ出てくるのです。ちょっことですからそれで、病気になることはほとんどありません。でも、このような悪いことを毎日毎日続けていたらどうなるでしょう。毎日、毎日、少しずつ毒が出てくるのです。体に良いわけがありませんね。一度出てしまった毒はそのままですから、繰り返していると勉強が覚えられなくなったり、しまいには病気になったりします。怖いですね。      
  だから大人たちは悪いことをすると、怒るのです。「悪いことばかりしていると悪い人になっちゃうよ」とか「うそつきは泥棒のはじまり」とか言いますね。それも、悪いことをしていると本当に困ってしまいますよという意味なのです。    

真剣な顔をして聞いている。このように事実を伝えるときに必ず見せる顔である。事実を伝えていくことの大切さを改めて感じる。

<説明5>悪いことばかり考えていたり、やったりしていると、本当に病気になっちゃうのです。ストレスがたまり過ぎて、胃に穴が空いてしまった大人もいます。また、悩んで悩んで髪の毛が抜けてしまった小学生もいるのです。

心配そうな顔をしている。 

その後、授業の感想を書かせて終了した。

・プラス思考とマイナス思考という言葉は知らなかったけど、プラス思考の方がよいということがよく分かった。
・自分はどっちかというと、マイナス思考で考えている気がする。悪く考えると悪い方にいってしまうような気がするから、プラス思考で考えていきたい。
・よい考え方をしていると、脳細胞が発達してどんどんよくなるけど、悪い考えをしていると、どんどん脳細胞が破壊されて、よい人間になれないなと思った。
・授業をやって、少し自分の未来が心配になった。でも、これからはプラス思考で考えた方がよいことが分かった。

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