お姉ちゃん大好き!


 可憐は、お姉ちゃんのことが大好きです。綺麗で優しくって…この世界に
たった一人、可憐だけのステキなお姉ちゃん!小さい頃、可憐はよく男の子
になりたいな、って思っていたんです。そうすれば、お姉ちゃんと結婚でき
るかも、って本気で思っていたから。今はもう、そんなことは無理だってわ
かっているけれど、それでも可憐はお姉ちゃんのことが好きで好きでたまら
ないのです。


 お姉ちゃんはね、とってもステキな人なの!可憐が苦手な数学の宿題でわ
からないところがあっても、優しく教えてくれるし、たまに可憐がお菓子作
りにチャレンジして手こずっていると、手伝ってくれるし、冬の寒い日に可
憐が炬燵に入って本を読みながら居眠りしてしまったときは、背中にそっと
毛布を掛けておいてくれるの。そして目を覚ましたとき、背中に毛布が掛か
っているのに気がつくと、「あ、またお姉ちゃんが掛けておいてくれたんだ…」
と思って、ちょっぴり幸せな気分になれるの。


 あれはもう、可憐が小学校の低学年だった頃…可憐がママにお遣いを頼ま
れたんです。
 お夕飯の支度のために、近所の商店街の、お肉やさんと八百屋さんにお買
い物に行きました。必要なものを書いたメモを片手にお店を回って、家に帰
ってきたら、お財布がなくなっていたんです。ママにはあまりひどくは叱ら
れらなかったけれど…でも、可憐、どうしていいかわからなくなって…もう
半分泣き顔になりながら、家を出て商店街までの道を探して歩こうと思って、
玄関から駆け出そうとしたんです。
 すると後ろから、すっとお姉ちゃんの影。泣き顔の可憐を見ながら
「可憐、一緒に探そう!」
って言ってくれたんです。可憐はその時、何も言わずに一回頷いただけだっ
たけど…ものすごく嬉しかったの。だって、商店街までの道をたった一人で
お財布を探しながら歩くのって、すごく心細いし、見つからなかったらどう
しようと思うと、ものすごく不安で、涙がボロボロ出てきてお財布を探すこ
ともできなくなりそうだったから。
 そして可憐とお姉ちゃんは、真っ赤な夕焼け空の下、商店街までの道を、
お財布を探しながら歩いたんです。家から商店街までは、それほど遠くない
んだけど…でも、まだ小さかった可憐たちにとっては、とても長い道のりに
思えました。そして何度も家と商店街の間を往復してけれど…でも、見つか
らなかったんです。可憐、また泣き顔になってしまったんです。するとお姉
ちゃんが、
「ねえ、交番に行って聞いてみようよ」
と言うと、可憐の手を引っ張って、商店街を駆け抜けて、駅前の交番まで連
れて行ってくれました。可憐、もう、どうしていいかわからなくなっちゃっ
て。お巡りさんにいろいろと尋ねられても、ほとんど何も答えられなくて、
ただただ泣いてばかりいました。でも、お姉ちゃんが私の代わりに、お巡り
さんに説明してくれて。
 そしたらね。届いていたんです!その交番に。交番に届けられた落とし物
は、一度警察署に送られるから、その場では引き取れなかったけど…でも、
見つかったことがわかった途端、可憐ね、急に嬉しくなって、お姉ちゃんに
抱きついちゃった(はあと)
「お姉ちゃん、ありがとう!」
って、心の中でお礼を言いながら。


 お姉ちゃん、今でもあの時のこと、覚えてくれているかな。可憐とだ〜い
好きなお姉ちゃんとの、忘れられない思い出です(はあと)


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