「右・左」からできる 『漢字文化』の授業                                                                            TOSS岡山サークルMAK 小野 隆行

1 空書きをする。
今日は、1年生のお勉強から始めます。指をだして。空書きをします。右・左の右。さんはい。つぎ、左。さんはい。
2 「右」という漢字の成り立ち
ノートに右という漢字を書きなさい。 右という漢字のの部分は、人間の体の一部からできています。どこでしょう。
くちの形です。
では、 の部分は、何を表しているでしょう。
右手を横から見た形を表しています。
右手の形と口で「右」という意味になります。では、なぜ、この2つで右という意味になるのでしょう。
予想をノートに書いて持っていらっしゃい。
ごはんを食べるとき、食べ物を口に運ぶ手のことから、右という意味になったのです。

3 「左」という漢字の成り立ち
ノートに左という漢字を書きなさい。
左という漢字のの部分は、何を表しているでしょう。
左手を横から見た形を表しています。
では、エの部分は、何を表しているのでしょう。
工作などをするとき左手に持つ物があるでしょう。算数の時もそう。ものさしの形を表しているのです。

4 体を表す漢字を探す
このように、漢字には、物や人の体からできたものがたくさんあるんです。
今度は、口のように、一字で人の体の一部分を表している漢字を探します。
5つ以上書けたら持っていらっしゃい。
口、目、耳、鼻、手、足、体、舌、指、爪、歯、首、顔、頭、髪、毛、唇、瞼、眉、瞳、尻、項、骨(心、愛)
腕、胃、腸、脳、胸、肺、腹、肌、臓、膝、股、腿、肉

5 共通する部首
この中で、たくさん使われている部首があります。それは何ですか。

「月」です。(にくづき)

この「月」は、お月様の月ではありません。ある漢字が変化した物なのです。
元の漢字は何でしょう。 │
「肉」という字です。
しわのよった、軟らかい肉の形を表しています。
鳥やけものの、肉の一切れの形から、「肉、体、肉体」の意味を表すようになったのです。だから、人の体を表す漢字には、たくさん「月」がついているんだね。
「月」と書いて、「にくづき」と読みます。

【引用・参考文献】
・下村式 唱えて覚える 漢字の本   1年〜6年    下村 昇 著  偕成社
・小学生用 漢字の森             吉田 瑞穂 監修 (株)中央教育図書研究所
・下村式 小学漢字学習辞典        下村 昇 編・著 偕成社
・角川 新字源            小川 環樹・西田 太一郎・赤塚 忠 編   角川書店
・参観日は知的に「漢字文化」の授業(6年生版)   小林 幸雄氏   岡山法則化セミナー2000模擬授業資料


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