| こうすれば書ける 評論文指導 TOSS岡山サークルMAK 小野 隆行 |
1 はじめに
評論文を書かせたい。しかし、どうすればいいのか。
闇雲に書きなさいと言っても、書けるわけがない。お手本を見せても、なかなか書けない。
甲本卓司先生に教わったこの方法を使うと、みんなが書けた。
どの子も5枚10枚と評論文を書く方法。
2 5年光村「わらぐつの中の神様」で行った評論文の指導を紹介する。
| 「わらぐつの中の神様」 ○1時 音読、段落確認 ○2時 1の場面 ○3時 2の場面(おみつさんのひとがらについてかかれているところ) (おみつさんのわらぐつは、どんなわらぐつですか。) ○4時 2の場面(大工さんが、おみつさんと結婚しようと思ったのはいつか。) ○5時 3の場面、「対比」 ○6時 主題 ○7時 評論文 ○8時 評論文 |
3 実際の指導
| ○授業のおわり5分間で、まとめをノートに書く。→書く材料をためていく。 |
『先生が言ったこと、出た問題、友だちの意見、自分の考えたことなど、すべて書きなさい』
・1行書けたら1年生レベル。3行書けたら3年生。5行書けたら5年生です。
・3行書けたら、手をさっとあげて、おろしなさい。「1番、2番、3番・・・」と番号を言っていく。
・何行書けたか言いなさい。
これを授業の終わりに必ず行うようにする。何回か続けるうちに、書ける行数も増えていく。
『昨日よりも行数が増えた人?』たくさんの手があがる。しっかりとほめておく。
また、たくさん書けている子には、書いたものを読ませる。書けない子へのヒントとなる。
| ○定型のプロットを示す。 |
書けない子にとっては、何をどのように書いていけばいいのかがわからない。
何をどんな順番でどのように書いていくのかを教師がしめす。
定型があるからこそ、どの子も書けるようになる。
| 「わらぐつの中の神様」評論文 プロット 1 はじめに 2 本論 (1)大工さんが結婚しようと結婚しようと思ったのは、いつか。 (2)対比されているもの (3)主題(作者の伝えたかったこと) 3 結論 |
『自分の書いたノートを見なさい。それを参考にして書きなさい。わからない人は、そのまま写していけばいいんだよ。』
という指示を出す。ノートに書いてあるから書ける。
1枚目が書けた人から、みんなの前で読んでもらう。→書けない子の参考になる。
1枚ごとに書けたら、見せにこさせる。→進行状況チェック、はげまし。
| ○書けない子への手だて |
それでも書けない子もいる。
早い子の文をコピーして、ノートにはらせる。
そして、それをそのまま写させる。「堂々と写しなさい。写していくうちにできるようになる。」
不思議なことに、本当に書けるようになってくる。1枚でもかけたら、うんとほめてあげる。
| ○評論文をレベルアップする手だて |
『授業の時にはわからなかったけど、評論文を書いていくうちにわかるようになったこともあるでしょう。それを必ず書くようにしなさい。』
この指示を出すと、子ども達は評論文を書きながら思考を続けていく。
内容が深くなる。
| ○他の教科での指導 |
・他の教科でも5分間まとめを行う。→書くことの日常化。
・連絡帳を聴写させる。→書くスピードがアップ。
4 結果
全員、原稿用紙5枚以上書くことができた。
時間がきても、まだ書きたいという。
最高10枚。
今まで全然書けなかった子が、原稿用紙5枚も書くのだから自信がつく。
他の教科のノート作業も早くなった。
この単元の市販テスト(正進社)の結果は、以下の通り。
理解 98,9点 言語 92点
評論文を書く前よりテストの点もあがった
| 子どもの評論文 |