歩行者優先/濃
歩行者優先 岩沢厚治
サビだけ先聞きしていたんで、全体を聞いたときちょっと「おや?」と思った。
PV見たときもそう思ったんだけど「地味だな〜」って(笑)
地味ってのは言葉良くないね。
CMではうら若き女子のキラキラのせいか、とても賑やかに聞こえるのだ。
Aメロは、ギター・タンバリンのみというシンプルさ。
サビに向けてドラム・ベース・キーボードが入ってくるけどあくまで添え物。
基本形はとてもシンプル。

歩行者優先、とはよく言ったもので曲のテンポもほてほてと歩いているよう。
どうもね、気持ちが逸り走りたくなるんだけど、わざと大きく息を吸って速度を落とすようなサビ。
変わってるっちゃ、変わってるよね(笑)
勢いでウワ〜っと身近なゴールに駆け込むんじゃなくて、長〜いスパンで歩いていこう、と。
ま、勢いも時には大事だが(笑)
いつもいつも、そんなんじゃ続きゃしないもんね。
だけど実は、歩くテンポというのはごまかしが効かない。
スピードが緩い分、色々見えてくるからね。
ごまかさないでさ、端折らないでさ。
歩いていこうや。
そう言われているような気がする。
明けない夜はないし、移ろいゆく季節は再びまた巡ってくる。
だけど…

全ては始まりと終わりを繰り返しながら…

この一節に、私はどうしても反応してしまうんです。
歩行者優先はとてもポジティブな想いをこめて書いたんだと思うんですよ、岩沢さんは。
だけどこの一節は、何気にとてつもなく寂しい。
もちろん前記したように、辛さ苦しさはいつか笑い飛ばせる、ポジティブな含みが大きいんだろうけど。
だけど、そんな苦しみがいつか癒えるように、今手にしている幸せや楽しさもいつかは終わってしまう
ものなんだ…
と、どこか冷めたような、諦めを感じてしまうんだなぁ。
いつも一歩引いたような岩沢厚治の姿が瞼に浮かんでしまう。
ホント駄目なんですよ、とどこかで厚治が言っていたのを思い出す。

まあね。相方があんな方ですから(笑)
立ち止まってなんて居させてくれるワケないんだけど(笑)


あまり明確なメッセージを発することの少ない岩沢厚治のメッセージソング、なんていう評価が
雑誌では主流ですが、私はあえて、こんな風にとらえてみます。

誰かを応援したい、誰かの背を押してあげたい。
そんなことより、自分自身のための、応援歌なんじゃないかな。
ともすれば立ち止まってしまいそうな、歩くことの意味さえ見失ってしまいそうな自分へ。
絶えず進め、前に進め。
自分自身に言い聞かせながら…

一歩、また一歩。
歩いていく。




寂しいです。
なんだかとても寂しい曲に聞こえてきてしまった(笑)
少し前の厚治ならともかく、今の厚治はそんなに繊細じゃないだろうけど(笑)
でもさ、少し前の自分を思って…少し前の自分への応援歌、なんて…
とても彼らしいと思いませんか?



岩沢厚治
路上時代の未収録曲です。
もう「未収録」じゃないね。
ナゼ今「濃」なのか?
とても勘ぐったりしたけれど、こうやって聞いてみると別に深い意味はないように思う(笑)
ま、たまたま?
縁あって、ってカンジか(笑)
私の中で歩行者優先はさみしんぼソングに位置づけられてしまったので、かえって濃の方が
明るく聞こえたぐらいにして(笑)

夏色じゃないけれど、これも時間もてあましていないと書けない曲ですね。
ゆずの、この悶々とした時期っていうのは実はすご〜く大事だったって、今あらためて思う。
世の中から、ポロリとふたりきり取り残されたような時間の中で色々な素地が出来上がり
色々培った、もちろん愛も育んだ(笑)

アンニュイな世界でありながらとてもポジティブなのは、ひとえにサビの爽快感の賜物だろう。
そして「僕等」という二人称。
「歩き出そう」と、いざなう言葉に孤独感はない。
ひとりじゃないんだよね。

はぐれてはいるが、ひとりじゃない。
コイツが居るからいい。
ふたりで歩いてけばいい。
答えなんて初めから…
答えは風に吹かれてる…
なんの結論を先延ばししてるんだか(笑)
わかってるんだけど。
このままじゃ、いけないとは思うんだけど…
実は心の奥底でもう少しこのスピードで歩いていたいなんて思ったりもしてたりして。
毒づきながら、どこかはしゃいでいるような。

昔のものまねではなく、今フラットな気持ちで。
歌いなおしたこの歌は、どことな〜くラブいかほりがただよってきます(笑)
「あの頃」を甘酸っぱく思い出したりしたのかしらね。
ひとえに只今コンビ円満だからただよってくるんでしょうね…
くんくん。やっぱりにおう(笑)
あ〜、ヤダヤダ(笑)



グッドモーニング 北川悠仁
唯一の北川曲。
ツインギターが美しい。
ライブで聞きたいな、てか、見たいな♪
サビのコーラスが重ねてあってすごく綺麗。
三声?四声?
コーラスラインを追いかけて聞いてしまう。
いいねぇ、大好きなアレンジです。

争いあうことは止めて…

すごく大きな意味にもとれるし、とても身近な愛する人に対する言葉ともとれる。
私は、手をつなぎ共に歩く人に対する歌と聞きたい。
北川悠仁、オトナになりました(笑)




厚治曲がぐるぐるしてて、悠仁曲が大らかに腕を広げてくれている…
新たな展開ですわね(笑)
いいんじゃないですか。
こういうのも全然アリだと思う。
たった3曲入りのシングルですが、盛りだくさん、お腹いっぱい。
とてもステキな一枚です。
選曲もステキ。
とても幸せ。

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