明日天気になぁれ 感想文
ほんわりほこほこと、リコーダーのどこか懐かしいあったかい音色が
胸にじわんと沁みこんで来ます。
例えばスペシャルなディナーだったり、派手なパーティーだったり。
そんなもんじゃなくて。
ご飯の炊ける、しゅんしゅんという音とほんわりとした匂いだったり
味噌汁の出汁の香りだったり。
何気ない毎日の、あたりまえにあるもので。
だけど、なんとなくうれしくなる、そういうもの。
なんにも特別なことはないし、なんにも凄いことはない。
そんな日々こそが、私たちのこころとからだを育み癒してくれるもの。
生きとし生けるもの。
すべてに平等に日は昇り、日は沈み、また明日がやってくる。
特別でない日々を語るのは、
スペシャルでない出来事を言葉にするのは、
実はとても難しい。
本当は一番身近で、本当は一番大事なことを、
気負いなく、
過度の演出なんて必要もなく、
さらりとなんでもない日々そのもののように唄って聞かせてくれる
ゆずは、やっぱりすごい奴等だと思う。
こどものころに、ふと夕焼け空を見上げて、
妙にお家に帰りたくなって、駆け足で家路を急ぐ。
なんとなく、そんな気持ちを思い出した。
帰れる場所があるから、どこにだって行ける。
特別でない、スペシャルではない…
うつむいた顔を上げると目に入る、いつもの風景があるから。
私たちは進んでいけるんだ。