ふたりのビッグ(エッグ)ショー 2001
                   ライブレポート
2001.6.29 東京ドーム 東京


「元気があれば、なんでもできる。
 元気があれば、ふたりでドームだってできる」

やはり広い東京ドーム。
入場して一番の感想は「ひっろ〜…」(笑)
外野席の指定の席に向かえば、なんとまったくのバックステージで、スピーカーをつるす
クレーンのせいで岩沢さんの姿がまったく見えない!
なんてことっ、と思ったら振替席に案内されました(笑)

だだっぴろい東京ドームに、こじんまりとした「ゆず型」のステージ。ぴんと立ち上がっている
ヘタもキュート(笑)

さて、夏のお祭りでは定番になった、イントロダクションの映像ゲストは、なんとキンキンこと
愛川欽也とうつみ宮土里夫妻!
ちゃぶ台にお菓子なんて並んじゃって(笑)「ゆず、今度東京ドームだそうじゃないですか」
「五万五千人ですって!すごいわね」と話している後ろにはハンプティーダンプティーのような
卵の着ぐるみを着たゆずふたりが立っている(笑)←しかもわざと見切れて(笑)
そして「ライブといえば、マナー」「マナーといえば、これ」と携帯電話を取り出し、
「電源を今すぐ切ってね。さあ、バックから出して。じゃあ、一緒に…」
ぽちっと電源を消す…
「はい、消えた!」
ばちん、とちゃぶ台を平手で叩くキンキン(笑)
これか、これがやりたかったのか(笑)
ちょっと気になったのは、キンキンが「悠仁・厚治」とふたりを呼んでいたことと、携帯ダメよ
の話をしているとき、ハンプティー岩沢が、バスケのトラベリングを取るときみたく、
両腕を糸マキマキして指差し、バツ!とやっていたことかな(笑)
なんか水色の蝶ネクタイがキュートでした(笑)

そして、いつものようにラジオ体操後、ゆず歩いて来ました。ステージまで(笑)←後ろからね(笑)
記念すべき第一曲目は「春一番」
ゆきっが〜とけてかわっに〜なってながれていきます〜♪
交互に歌うのね。
なんか聞けて嬉しかった。

そして2曲目は悠仁がつくってきた「新曲」というどこまでパクリでどこまでつくったんだかよくわからない
「ドーム・ボンバーヘッド♪元気があればなんでもできる♪」の歌(笑)

最初の2曲を歌ったときね。
正直言って、うっわ、やっぱドーム無理!って思った。

ウワー…ンとした、ドーム特有の空気の「鳴り」にふたりの声が掻き消されてしまい、全然聞こえてこない。

それが、それがですよ。
いつの間にか…ふたりの声が、呼吸が、存在感が、ドームを包み始める。

まるで氷点下の朝に薄氷がひしひしと張りつめていくような、蚕が細い糸を紡いで繭を作るような…
じわじわと、いつの間にか、私たちの耳に、目に、心に浸透し、東京ドームの天井のあたりの空気までをも
自分たちの「場所」にしていく。
ふたりの声の力…
その、音もなく気配も感じられないような圧倒的な力に包み込まれた瞬間の、あのゾクゾク感。
わかる…よね。きっとみんなも。

曲順なんてまったく覚えちゃいないけど(笑)
懐かしいナンバーから定番のナンバーまで。
特にバラードが嬉しかったです。
「風まかせ」「境界線」「雨と泪」…ずるいです。いっそ(笑)
ずるいよ、ゆず。
すがるような、叫ぶような、囁くような…独特の悠仁のハスキーな声。
ドームの屋根をも、突き破る…というか、押し破ってしまいそうな、岩沢さんの透き通る声…
けっして良質の音ではないけれど、充分私たちの心を、涙腺を破壊するだけのものは伝わってきました。
そして極めつけのズルは「からっぽ」
…これは…。久しぶりに聞いた…
いつも思うんだけど、からっぽの悠仁のタンバリズムはすごい。
よくあの絶妙なタイミングで叩けるもんだ。
その音もまた最高。
シャラララ…と消えていくタンバリンの存在感。
涼やかな音は、まるで光のように、輝いては、すっと消えていく。
ふたりのハーモニー。
切ない。どこまでも切なく…

ノリ系のナンバーでは「人生芸無」
岩沢さんのハープはスゴイ。やっぱスゴイ。
スゴイしか言えない(笑)
あのハープセンスは天才。ベテランのフォークシンガーは数在れど、岩沢厚治は絶対負けてないと
私は思う。厚ちゃんのハープは日本一だと、マジで思ってます。

五万五千人のキャパ。
今のゆずにとっては全然。分相応のキャパだな、と思った。
だって、いらないもん。
ふたりだけで、充分。
「ねぇ」を聞いてそう思った。前回のトビラツアーで、随分バンド色の強いアレンジを聞きなれている
耳にも、自然にすっと入ってきて、ぜんぜん寂しくなんてない。
いらないんだよね。余計なものなんて。

サクラサクの時のように、要所にMC挟みながらのんびり行くのかと思ったら、もう本当に歌いまくり
でしたね(笑)もうちょっとMC聞きたかったかな?(笑)
今日の話題は、悠仁がアリゾナに家族旅行に行った後、父和男が高熱を出してすごく心配したら
母ケイコが「そんなの寝てりゃ治る」と冷たい一言をおっしゃり(笑)悠仁がそりゃないじゃん!と
思ったら、翌日には母の言うとおりケロっと治って朝飯食べてた、という(笑)
愛の力はすごい!の話。
…と、また『手紙』のコーナー(?)があって、得意の「相方の岩沢厚治くんV」(笑)
岩沢さんは、四年ぶりにこの間歯医者に行ったらしい。そしたらなんと前歯の裏に虫歯があったそうで(笑)
悠仁も実は親知らずに虫歯があるので、今度○○歯科に一緒に行こうね♪というネタでした(笑)

岩沢さんが「チー坊」と呼ばれていた(笑)「どこにも『チ』つかないじゃん(笑)」とか言いながら(笑)
あとね、岩沢さんのイヤモニター!
彼は前から耳の形が合わなくて…と言っていたけれど、今回つけていたイヤモニターは単に耳の穴に
突っ込む方式ではなく、フックがついていて耳の上の部分に引っ掛けられるようになってた(笑)
くっ苦労されてるんですね(笑)
なんだか今日の岩沢さんは←岩沢さんネタばっかでごめん(笑)
右サイドだったもんでますます悠仁がよく見えなかったの(笑)
とっても、とっても色が白くて、悠仁と比べても、本当に美白。
二の腕とかも真っ白で、ときめいちゃいました(笑)
で、高島の大好きな…(笑)盛り上がってくると、耳朶が頬が、これまた綺麗なベビーピンクに染まる…
はぁ〜…っ
今日はその首筋までもがほんのりピンクで、とっても私はその首筋を齧りたい気分になった(笑)
吸血鬼になりたくなった…噛み付いてみたいわ〜、あの首筋…
その黒目がちな瞳は、きらきらと艶を含んで、まるで涙が零れ落ちそうな錯覚に陥る(笑)
いやん、厚ちゃん…泣かないでっ!みたいな(笑)泣いてねーよ、みたいな(笑)
ちょっと笑えたのは、前髪がぱっつん一直線だったことかな〜(笑)
いや、でもとっても可愛かったです(笑)
ぱっつんだけど(笑)
悠仁は…長いね、髪(笑)
汗で顔に張り付くとうっとおしいけど、汗かくだけかいちゃえば、がつっとオールパックにできるしね。
本日の悠仁はえらく男前でした。
可愛いっていうより、男前。
今日の「心のままに」もすごく「きた」よ。
すごく良かった。
なんか、色々考えた。色々。自分の今の状況とか、夢とか、希望とか…
進むべき道とか。
ゆずの歌って不思議なのは、ただ「ゆずかっちょいい」「ゆず可愛い」「ゆず大好き」…ってんじゃなくて
本当に心に響いてくると、走馬灯のように自分のことが胸に溢れ出すんだよね。
悠仁の、岩ちゃんの声を聞きながら、ふと本当の自分と向かい合う瞬間を感じる。
いつもの言い訳やら体裁やら逃げなんて関係ない、純粋な自分の心と向き合う瞬間があるんだよ。
なんでだろう?
すごく不思議なんだけれど、その瞬間は、嫌いじゃない。
一曲の間だから、そんなに長い時間じゃないはずなのに、深く深く自分の心を見つめる瞬間…
時間が止まったように感じるのは私だけかな?

…話はレポに戻って、アンコール前の演出…
今回は客電もつきっぱなし。
特別なライティングはまったくないシンプルなステージだったんだけど、大どんでん返しはここから
始まる(笑)
オルゴールタッチの「夕ぐれどき」が流れる中、夕焼けの中に太陽が沈んでいく映像…
そして太陽が沈んでしまうと…ドームの屋根に、月があらわれる!
まるでプラネタリュウム!
やさしい満月と満点の星空。そこに…唐突に浮かぶグラフィックの星座。
点を結ぶと、何になるかと思いきや、岩沢厚治の顔に!
続いて悠仁の顔もあらわれて、ぐるぐるんと一回転。
高島、実はここで位地が戻ったらちゅうでもかますんじゃないかとドキドキしたんだけど(笑)
オチは岩沢さんのホクロがきらり〜んっっと輝く、ってヤツでした(笑)

そして、ゆずはバックステージからセンターステージに移動してのアンコール。
いや〜。すごいねセンターステージ。
本気で音まわり最悪(笑)
こう、じっと聞いていると、岩沢さんの声のやまびこが聞こえてくるの。
ヤッホー、ヤッホー、みたいな(笑)
目を閉じて耳を澄ますと、音が拡散し回っているのがよくわかる。
いっそ面白かった(笑)
本当に目を閉じると亡霊のいる館に迷い込んだんじゃないかってなぐらいホラーな音まわり(笑)
そんなヤッホー状態で聞く「飛べない鳥」は、いっそこの厚治の亡霊を私に憑かせて帰りたいよ、と
マジで思った(笑)
そしてまたヤッホーな「いつか」これも…この環境で聞く歌じゃないね(笑)
さすがに五万五千人。浮かれまくった人たちも多くて、ヘンに叫んだり名前呼んだり、ちっとも静かに
なりゃしない。
今回は私諦め半分だったので、文句を言う気にもならんけど。

そして「シュビドゥバー」
まさか、まさかね。と思ったけど…やってくれました。
生声「シュビドゥバー」!!
これは…かなり感動っっ。
聞こえる!ちゃんと聞こえる!!
すっごく耳を澄まして、聞こえてくる悠仁の声。
精一杯張り上げて、歌うその声。
一生懸命なその声。
愛しさに胸がいっぱいになる。
そして、そこにすっと入り込む岩沢さんの声。
こんなにふたりの声質は違うのに、最上級の紳士淑女のように、すっとふたりの歌声は寄り添うの
です。ごく自然に。美しく。
伸びやかに澄んだ、綺麗な岩沢さんの声。
もう、『絶品』以外のなんとも言いようがない。

で、ラスト。
ラストは、やっぱり。

「てっぺん」

ゆずは、ふたりきりの東京ドーム、最後の曲に、この曲を選択しました。
うん。
…うん。

一緒に声を張り上げて歌いながら、その詞の深さ意味を噛みしめながら。

「最強のバカになってやる」
「本当の勝者になってやる」
「どっかの山のてっぺんで、どっかの誰かが笑ってる…
 僕はそれを見ながら、違う山のてっぺんをめざしてる…」

この歌をつくったときの岩沢さんは、東京ドームという山のてっぺんで、この曲を歌うなんてこと、
考えてもみなかっただろうな。

神様がいるのなら…
もし神様がいるのなら…

それが知りたくて…

彼は、神に出会ったなら、どうするんだろう…
そんなことをいつも頭の片隅に考えます。

求めるものは、
「救い」?
「願い」?

いや、きっと彼は、そうして自分の場所を確認するだけのような気がする。
うん、と頷いて、歩いていくんだとおもう。

ちょっと先で「なにやってんだよ!」と振り返る悠仁を追って、背中を向けて歩いていく。

きっとね。私が神様だったら、そんなふたりの背中を、微笑んで見送ると思う。
彼らには、何もいらない。
ふたりがふたりであれば。
神の慈悲も救いも情けも、ただの「よけいなもの」になる気がする。

「よけいなもの」はいらないって、高島は今日、あらためて感じました。

ふたりには、なにも必要ない。
道はふたりで創るんだから。
ただ、そこにあるのは、ふたりの歩んだ道程が、細く長く確かに、続いているだけ…



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