2004年ゆず冬至の日ライブレポート



2004.12.22 宜野湾市海浜公園野外劇場 沖縄
来ちゃったよ〜、沖縄。
雪の降りそうな東北から、沖縄へ。
気温差20℃。
ありえない(笑)
空港降りた途端に、とってもハワイ気分になる高島でした(笑)
冬至前日、17時定時にとりあえず書類を箱に突っ込んでダッシュ。
だってその新幹線を逃すと、羽田発沖縄行き最終便に間に合わないのだ。
クリスマスイルミネーションの中、なんでこんな大荷物で全力疾走して
るんだろう…と、冷静に考えると笑ってしまう。
しかも、会社から沖縄直行って。
自分のパカさ加減が、とても可愛い(笑)


明けて冬至の日。
会場は、宜野湾市海浜公園野外劇場。

大きなグラウンドでは、大学生だか社会人だかわからないけど、サッカーチーム
のお兄さん達が、真剣に練習している。
じいさんばあさんが、ゲートボールを楽しんでいる…

澄み渡る青空。
暑い日ざし。

なんて素敵な朝…に、小グラウンドに座ってダラ〜っとただ並ぶ私たち(笑)
素敵ね…こんなに待ち時間が楽な冬至なんて、初めてだ。
暖かいって、すごいね。
この気候なら、ゆずだって楽だろう。
凍える空気の中、ギターを弾いて指を痛めることないだろうし、
薄着で風邪を引くこともない。
コンディションは、段違いにいいはず。

遠すぎるけどね。
発表急すぎだし。
パックもないっつーの。
プライベートで割引も無い定価で飛行機乗るなんて、あり得ない話だ。
他人事だったら、確実にバカじゃない?って言うけど、
自分が決断したことなので、別に惜しくはない(笑)
ゆずチームだってさ、スタッフの顎足代出して、機材空輸して、
それで儲けゼロなワケだから、ある意味私たちよりバカな話だ。
しかも紅白控えた過密スケジュールの中。
↑これがJALとかANAと裏で手を組んでたら悪徳だけどさ(笑)

やる方も行く方も、そのバカさ加減を楽しんじゃってるんだから
困ったもんだ。


整列していたグラウンドから、会場に向かう。
丘の向こうに、美しい海。
絵に描いたような真っ白な砂浜。
素敵だわ〜、観光した〜って気分。
↑いや、してないし(笑)

今回は野っ原にステージ組んで地べたに体育座り、ではなく野外だけど
ちゃんとステージと、階段状に客席がある。
いつもと比べ物にならない、いい環境ではないでしょうか。
暖かい沖縄といえど、日陰は寒い。
日向は居られないほど日差し強いのに。
なんなんだこの気温差は…
仕方ないので友達とくっついてブルブルしていたら、のんびりとスタッフの方が
お話していた。

ス「今来ているお客さんに、三人ずつ友達を呼んでもらって、そうすると今700人
  ぐらいだから、2000人にはなるよな」

並んでいる時から、さすがにいつもより人少ないなぁ〜と思っていたが、
開場の12時時点で700人って…少ないよね(笑)
すいません、役に立ちません。
沖縄に3人も友達いないっす(笑)
さあ、ライブ開始まであと2時間の間に、どのくらい人が集まるのでしょうか…

ふたりのマイクが並べられたステージ。
まだまだ時間があるので、スタッフの方がネット張ってバトミントンを楽しんでいる。
完璧オフ状態(笑)
とてもいいカンジ(笑)

とりあえず並んでいたお客さんが入場し終わったところで、山岸マネ登場。
山「皆様、おはようございます。
  本日は、冬至の日ライブ沖縄公演に、沖縄だけでなく全国各地からお集まり
  いただき、ありがとうございます」
↑私の記憶が確かならば、お疲れ様です、みたいなこと言ったような…
あぁ、疲れてるよ、わかってんなら急にこんな遠方にライブ設定すんな!
と、笑いながら突っ込んだような気がする(笑)

彼、とても滑舌が悪く、はっきりしゃべらないので、「〜ですけどぼ〜」みたいに
なっちゃって、とてもいい味出てる(笑)


行け行け、と他のスタッフに押し出されて、退屈しているお客さんの前に数度
現われては、ライブ心得(周囲の人に迷惑にならないように)と、物販してます
ってお知らせと、恒例のミュージックソンの募金やってます、というお決まり前説を
やってくれます。
私は行かなかったから生で見てないんだけど、トイレに立った友達が、
物販に社長が嬉しそうに座って手売りしてたって報告してくれた(笑)
何してんだ、稲葉さん(笑)
そして、ステージをうろうろしてて一番目出っているササさん。
思いっきりジャージ、立派な太鼓腹(笑)
あり得ないそのお姿…
ゆるすぎです(笑)

そのササさんの隣に、イマドキの若者、山岸がうろうろしてると
どう見ても、日曜日のお父さんと息子(笑)

かなりアットホームなカンジなのですが、再び山岸がステージに登場。
手にはバトミントンのラケット。
山「まだライブには時間があるので…僕が持っているのはバトミントンのラケット
  なんですけどぼ〜、今からゆずスタッフによるバトミントン大会をやりたいと
  思います」

ぎゃはは、なんじゃそりゃ(笑)
笑ってたら、小走りに数人のスタッフ登場。
なんと、バトミントン対決は、親子対決!
じゃなくて(笑)
ササさんvs山岸!

ホイッスルが、ピッ!と鳴り試合開始。
…なんともショボい(笑)
ふたりとも下手すぎ(笑)
面白いからいいけど。
最後は、ササさんが打ったサーブが風に煽られて、ネットを越えず自分の
ところに戻ってきちゃって自爆負け(笑)
ふたりの滑稽な動きに爆笑している客席が気になったんだか、舞台袖で
腕組んで試合見ているスタッフとスタッフの間にこそっと隠れて、
ステージをのぞく岩沢厚治。
肩と肩の間から、ちょこんと顔出して(笑)
かわゆ(笑)
すぐ発見されて、キャー☆言われ、速攻見えないところに戻っていく。
隠れ蓑にされたスタッフが、厚治をクルクル指差し、ペナルティ出してました(笑)

盛り上がらないバトミントン大会(大会ったって一試合(笑))の後、再び山岸登場。
山「では、恒例のラジオ体操をしたいと思います」

え?えぇ?ラジオ体操〜??
冬至でラジオ体操…
あり得ない(笑)
今回は席アリだから、出来るんだな。
いつものように全員体育座りだったら、まず立てないし。
待ち時間座りっぱなしだった身体がゴキゴキ言う。
スタッフがとっても楽しそうにラジオ体操している。
きっと奥では全開にゆずも体操しているんだろう。
いい風景だ…


限りなくまったりラジオ体操し、席についていよいよ始まる冬至の日ライブ。
コンクリ打ちっぱなしのステージ後壁に、にゅにゅん、と幕が上り始める。
何かと思えば、「冬至の日ライブ2004 in沖縄」
恒例の北川さん自筆の幕でございました。

ササさん御自ら、厚治の白と黒を運んでくる。
入念にサウンドチェック。
美しいボディ。
ギター見ただけで胸がきゅんとする。
名器はその姿も美しいのです。
…あれ?
北川さんは?
もしかして今回、ギターなし?←そんなワケはない(笑)
ギブソンとタカミネ!
今回も冬至でお目見えのタカミネ。
微笑ましい気持ち。
厚治に比べてけっこうぞんざいにサウンドチェックのギブソン。
タカミネに至っては、ほぼ持ち上げてジャラってしただけっぽい(笑)
ササさん…同じテンションでやってください(笑)

セッティング終了したところでゆず登場。


まず、猫背でひょこひょこと厚治が登場。
被ったキャップを取りながら。
本日のお召し物は、黒長袖の…首元にナナメにボタンみっつついてるTシャツ。
これが、わざとナナメなんだけど、厚治がちっさいのとハープホルダーに引かれる
せいで、ダルッダルで横行っちゃってる様にしか見えない(笑)
相変わらず袖も長いから肘までまくっちゃったりするしね。
もうダルダル以外の何物でもありません。
この人、きっとこの上に黒いパーカーなりジャケットなり引っ掛けて帰るのよ。
間違いない(笑)
も〜…何言ってもムダなのわかるけど、人前に出るんだからもうちょっと
いいもん着てきてください!(笑)
ちなみにもちろんジーパンです。

北川さんは、Narcoticの黒T(可愛い目ドクロロゴ入り)
黒ジャケット。
しっかりジョージコックスの白靴。
ヒゲです(笑)
うっすらヒゲ。
…おしゃれうっすらヒゲ?
田伏みたいなカンジ。
可愛いお顔に、やっぱりヒゲは似合わないと思うのですよ、私。

思わずボソ。
「悠仁…きたない…」
はっ!!
すんません、すんません、心のつぶやきがつい声に出てしまいました(笑)


北「うっし!」
背中向けてステージで気合を入れる悠仁。
ピックくわえて、握手。

北「こんばんは!!」

え…あの…澄み切った青空の下です。
「こんにちは」よ、「こんにちは」(笑)


顔を見合わせ、呼吸を合わせ、ピックを下ろす。
確かめるような、噛みしめるような、ゆっくりとしたフレーズ。
そのフレーズに胸がドキドキと高鳴る。
なんだろう…なんだろう…
とても心地いい、とても胸熱くなるフレーズ。
大きく息を吸い込み、北川さんが口を開く。

ウォ〜オォ、ウォ〜オォオ〜♪

ONE

心地よく青空に吸い込まれていく、悠仁の声。
うわ〜…そう来るか!
ONEツアーでは、とても象徴的に『今までとは違うゆず』の顔を見せていた曲。
こうやってすっぴんで、ゆずっきりで歌うONEは、どんなだろう…
楽しみで楽しみで、ワクワクドキドキが止まらない。

キラキラとしたギターフレーズに、ゆったりとした悠仁の声。
そこに重なる、心地良さそうな厚治の声。

ウォ〜オォ、ウォ〜オォオ〜♪

そこには、華やかなライティングも身体を突き動かすドラムサウンドもないけれど
自信に満ちたふたりの声がある。

ウォ〜オォ、ウォ〜オォオ〜♪

声に、唐突に爆発音が重なる。
うわ、何?
思わず首をすくめると、頭上を戦闘機が飛び去っていく。
きょろきょろと目だけでその姿を追いながら、負けじと声を出すふたり。

青く高い空。
ここは、沖縄なんだってあらためて思う。


ゆっくりとエンドマークを結ぶオープニング。
ふたりの掛け合い。

短く息をついて、悠仁が歌いだす。
かき鳴らすギター。
心地よく歌う悠仁。
厚治の高音が重なる。
遠慮もへったくれもない(笑)
気持ちいいように歌う。

限りなく、ゆずらしい歌。
あらためて、すごくいい歌だなぁ、と噛みしめた。
その歌詞に、そのメロディーが、じんと胸に沁みこんでくる。
北川さんは、前に進む勇気をくれる天才だな。
なんて(笑)頭の悪いことを思った。
こんなの聞かされちゃ、立ち止まってなんていられないさ。
あぁ、大変だったけど沖縄に来てよかった。
心から思った。



少しチューニング。

厚治が優しくギターを奏でる。

桜木町

うわ…
さっきのONEとはまた違う衝撃…
美しいキーボードフレーズを、ギターで。
それはまるでオルゴールのような、暖かい音。
木の楽器って、こんなに優しい音がするんだね。

歌いだした厚治は、すこぶる気持ち良さそう。
だって、その声はどこかに引っかかるワケでも、何かに遮られることもなく
高く高く空に消えていくから。
北川さんが優しく歌う。

ツアー中のステージ上で感じたなんとも言えない緊張感は全然ない。
名曲なだけに、皆が期待しているだけに、北川さんの曲を背負って歌うだけに。
ONEでは随分柔らかくなったけど、夢地図の緊張具合ったらなかったよなぁ。

こんなに、歌うことが心地いい歌なんだよね。
桜木町。
うっとりと、ただ身を任せていたい。
幸せな時間。

ゆず声って、いい。
厚治の声に、悠仁の声が重なる。
暖かいギター。
澄んだハープの音色。
すべてが心地いい。

ゆず、好きだなぁ…
って心から思う。
多分、歌ってる方もね(笑)
聞いててこれだけ気持ちいいんだから、
やってる方はもっと気持ちいいに違いない。

優しく刻む最後のギター。
いつまでもいつまでも悠仁が引っ張ってちっとも締めない。
にこにこにこにこ。
笑いながら、付き合う厚治。
…らぶらぶなんですけど、この人たち(笑)



ゴソゴソと準備。
北川さんが、サイドテーブルからピアニカを持ってくる。
おぉ〜、久しぶり。
ONEツアーではピアニカなかったからね。
大丈夫か?悠仁。
余計な心配をする高島(笑)
厚治が口を半開きにして、北川さんを見る。←いつもの風景(笑)
ギターのボディーを優しく叩く。
トントトン、トントトン♪

手紙

絡み合うピアニカとハープ。
懐かしいわ〜…

トントトン、トントトンって言えば、最近は「夏祭り」だったからね。
後で打ち上げで交わされた会話。
「思わず間違わないのかね。あれ?夏祭りだっけ?手紙だっけ?なんて…」
どっちだっけ〜っっなんて(笑)
いや、でも、夏祭りのトントトン♪は悠仁だけど、手紙のトントトン♪は厚治だから。
「今は厚ちゃんがトントトン♪だから、手紙だ〜っっ」
みたいな(笑)
そこまで頭悪くないだろう、いくらなんでも。
くだらない話だがとても面白かったので書いておく(笑)

片手にピアニカ持って、片手をぐーにして、胸の脇に手を置いて可愛く歌う悠仁。
そんな北川さんを見ながら(もちろん口は半開き(笑))首をうんうんと頷くように
振りながら、ひたすらギターを爪弾く厚治。
だんだん、だんだん顔が下を向く。
しまいにゃマイクより下に顔いっちゃってるんだけど、北川さんの方見てるのよね。
ねぇ、厚治。
あなたは北川さんのどこを見てるの?
お姉さん気になって夜も眠れません(笑)

どうしていいかわからなかった手の置き場を、元気よく歩くように振ることに
した北川さん。
にこにこ歌う。
とても可愛い。

間奏、ふたたびピアニカとハープ。
大きく口を開いて息を吸って、パクっとハープをくわえる厚治がすこぶる可愛い。

ステージ右袖から、よっちゃん登場(笑)
フツーに。
フツーに歩いてくる(笑)

前説やら何やらかにやらはすっかり山岸に任しているが、手紙の郵便屋さん
だけは譲れないらしい(笑)

ご丁寧にななめがけにしていたバックから手紙を取り出し、北川さんに渡す。
北川さんが、フツーに右手を差し出し握手。
そして、くるりと振り返り帰ろうとするよっちゃん。
厚治は何気に忙しい。
ギターにハープ。
身体全部つかってBGM中なのだが、頑張ってギターから手を離して、
握手するように右手をちょっと差し出すも、キレーに無視され、去っていくよっちゃん(笑)
ひどすぎ(笑)
可哀想な厚治…
ふたたび演奏に戻る(笑)

北「前略。
  沖縄県宜野湾市海浜公園野外劇場にお集まりのみなさん、こんにちは」

ちゃんと「こんにちは」が言えている(笑)

こんにちは〜
たる〜く返してみたら…

北「声がちゃいちい。もう一回」

ダメ出しされました(笑)
ちゃいちいって…妙にかわゆい(笑)

北「ようこそ、冬至の日ライブへ。
  前回僕達が沖縄に来たのは、夢の地図ツアーの時でした」

台風のせいで、公演中止になってしまったことを語る悠仁。

北「今日は、僕らの、スタッフの、そして皆の思いが通じて、12月とは思えない
  真っ青な空の下…」

あぁ、いいこと言ってるね、仁ちゃん。…の途端。

北「あたたく…?あたたかく…」

噛む(笑)

思わずハープくわえたまま、ぶっと吹き出す厚治。
笑いの発作がおさまらず、限りなくあやしいハープフレーズ(笑)

北「暖かく(笑)絶好のライブ日和となりました。
  今年は一年間の感謝を込めて、最後まで目一杯歌っていきます。
  みんなも最後まで楽しんでいってください。
  今日は集まってくれてありがとう」

いやいやいやいやいや、何をおっしゃる。
感謝するのはこっちの方です。
思わず身体を正してしまいますわね。
ありがとうございます、ホントに。

そして、お約束の…

北「PS。
  隣でハーモニカとギターをやっている岩沢厚治くん。
  昨日は、よくオリオンビール、二杯で我慢したね」←超優しい口調

何を褒めているんだ(笑)
吹き出す厚治。

北「このライブが終わったら、ゆっくり飲んでください」

わはは、いい。
やっぱり手紙はこれがなくっちゃあ〜。
そしてもひとつ。

北「PS。
  今年も紅白に出場させていただくことになりました。
  僕個人としては、マツケンサンバが生で見れることをとても楽しみにしています」

ウケる客席。
…てことは、やっぱりホールか。と顔を見合すKKP(笑)

北「そんなワケで、みんな紅白は必ずお家で見てください」

何を牽制してるんでしょう(笑)
あ、それ深読みしすぎ?

必ず お家で見てください。
必ず お家で見てください

さて、必ずはどっちにかかってるのでしょうか(笑)


ヘイ!と北川さんのかけ声と共に、一緒に歌う。
まったり。
手紙ってまったりするねぇ…
まったりしていると、パサっとテーブルに置いた手紙が風に煽られて飛ばされる。

目でそれを追いながら、やばいって顔する悠仁(笑)
あぁ〜、あれこっちに飛んできたら争奪戦になるだろうなぁ…
手書きなのかなぁ…
争いが起こることなく、無事手紙はスタッフの手により回収されました(笑)
よかったよかった。



チューニングタイム。
やたらコールがうるさい。
ライブではないですが、コール好きじゃない高島的にちょっと不機嫌(笑)



北「めんそーれ」
コールにちょっと答える悠仁。

北「次やる曲は、すごい久しぶりにやる曲で…CDにも入っていない曲です」

おぉ〜、なんだなんだ?
ざわつく客席。

北「緊張してるんで、静かにしててください」

わはは、可愛い。
いいぞいいぞ(笑)

で、はじめるのかと思えば、やっぱり気になるチューニング。

北「ちょっとチューニングするから、しゃべっててください」

どっちじゃ(笑)
この雰囲気が、冬至ってカンジ。
すごく心地いいわ〜。

真剣な面持ちでのチューニングを終え、満足げにジャラジャラとギターを鳴らす。

北「昔路上時代によく歌っていた歌をやりたいと思います」

ギターの一音に、思わず心臓を押さえた。

春風

ちょっと…反則じゃないっすか、それ…
一言一句聞き逃したくなくって、呼吸すらしたくない。
こういう歌こそ、ゆずの王道だと思う。
「世代を超えた〜」
とかって表現は、なんとなくご大層な気もしてしまうが、まさにゆずは世代を
選ばない、時代を選ばないアーティストだなと、しみじみ思う。

聞き手が、10代なら10代なりの、50代なら50代なりの、
風景が心に浮かぶのではないだろうか。
そんな歌だ。

路上出身のカリスマ、とか、オリンピックの感動を彩る名曲を歌った、とか、
そんなんじゃなくてさ。
こういう、誰しもの心の風景を描き出す魅力こそ、ゆずだと思うのよね…
こういうのを、知って愛してほしいのよね。
一過性に持ち上げて、興味本位で突いて欲しくない。
…ま、突いて欲しくない、の部分が本音かな(笑)

こうして、青空の下で、こんな距離感でゆずを堪能する。
こういう機会を失いたくないんです。


切ない表情で歌う悠仁。
ふわりと重なる厚治の声。

こぼれるため息に、目を閉じれば風に煽られ桜の花びらが舞い散る。
そんな風景が浮かぶ。
頬を伝う涙は、なんの涙なんだろう。
幸せだからかな。

幸せは、幸せのはずなのに…
いつか壊れてしまう時を思い、
とても苦しくなる。
悲しくなる。
この感情は、とても恋に似ている。


叶わないものは、薄紅色の桜吹雪にかき消され淡く甘い思い出となるけれど、
手にしたものにも不安をおぼえてしまうなんて、人間は欲張りな生き物です。




余韻に浸りきって、ぼ〜…っとステージの上のふたりを見つめる。
北川さんがタカミネのギターを手にし、肩にかける。
まるで友達に話しかけるように悠仁が言う。

北「これ、一番最初に買ったギター」

お、言ったよ(笑)

北「岩沢くんがね、見立ててくれたの」

見立ててくれたの、って(笑)
可愛いぞ、悠仁(笑)
照れたように、へへへと笑う厚治。
つられて、ははははと客席から生暖かい笑いが起こる。

岩「一緒にお茶の水行ってね…」

はにかみ笑いの北川さんが乙女です(笑)

岩「これ、いいんじゃないの〜?」←超テキトー(笑)

ホントそう言ってそうで笑える。
いくら〜?
と、どうでもいい質問が飛ぶ。

北「これね、7万円」

あら〜…結構いいお買い物よね、当時の彼らにとっては。

岩「ほろ苦い思い出です」
思わず、あははと笑う悠仁。

岩「思い出のギターです」

悠仁が言うならわかるんだけどさ。
厚治に言われると、また格別にきゅんとする(笑)
また、この口調も男前…
いいなぁ。
惚れるな、こんな風に言われたら(笑)




そんなこそばゆ〜い空気の中、厚治のギターから次の曲が始まる。

岩「ちょっと懐かしい歌です」
旅立ちのナンバー

うわ〜っっっ
これも反則っ。
青空の下で歌うには、ピッタリの歌。
すごくすごく、心地良さそうに目を細めて厚治が歌う。

風が、ふたりの前髪を揺らす。

肩を並べ、共に歌う。
輝く瞳。

若さ。
未知の可能性。
筋道なんてない、まっさらな未来。


ゆずだって大して若くもないんだが(笑)
人が輝くのは、時間的な若さなんかじゃなくて。

至らない自分を越えて、何かを手にしようと動き出した時、
青春は始まるんだと思う。
貪欲に求めて、好きなものをもっと好きになろうとする。

年を重ねた青春ほど、熱くかっちょいいと思うのよね。
昔の歌が、今歌うとまた格別にいいように。

押さえることなく、全開で歌う厚治。

岩「見上げた空に歌おう♪」
にこりと笑って、空を指差す。

のけぞる私。
後ろに落ちるかと思った(笑)
どどど…どうした厚治(笑)
よっぽどご機嫌だったんでしょうか。
自分でやったクセして、えらく照れた顔してる。
あまりに可愛すぎ…
こっちが照れるってば。

青く澄んだ空。
心地よい風。
どこまでも高く高く、ふたりの声が響いていく。

夢見てるのかな、私。
現実とは思えない(笑)

岩「どうもありがとうっ」
短くコミカルに。
照れちゃってもう、可愛いヤツだ(笑)




お水をごくごく。
しばし休憩。
休憩中でも厚治の意識は半分以上北川さん(笑)
一瞬しん、と間が空く。
北川さんがにこにこしたまま、マイクに近づくがまた戻る。
肩すかしにあったように、ガクっとする厚治(笑)

岩「なんかしゃべんのかと思った」
北「いやいや(笑)」
マイク位置の確認?何がしたかったんだ(笑)

ギターを爪弾き出した厚治。
それをちょうどいいBGMにして、北川さんがしゃべる。

北「沖縄の人って、いる?」

はい?その質問おかしくないか?
ここは沖縄です(笑)

はーい、と手を上げるジモティーの皆様。
…結構多い遠征組(笑)

北「ちゅらかーぎー」
にこにこ。
おぼえたての言葉を嬉しそうに使う子供のようだ(笑)

客席のジモティーの皆様から声が飛ぶ。
「ちゅらさん!」
北「ちゅらさん?」
岩「ちゅらさん」
北「ちゅらさん」

もう、その掛け合いのニュアンスすらよくわかりません。
外国語みたいだ(笑)




北「次も、ちょっと久しぶりですが」
岩「ですなぁ」

急に相槌を打った厚治に、笑う悠仁。
岩「久しぶりですなぁ」
北「…普段着なカンジで(笑)」

ピアニカを持って、うろうろする悠仁。
北「これまたちょっと…緊張するな…」
岩「緊張しますか(笑)」
北「ちょっと待って…」
ホントに緊張気味な悠仁。
見てて面白い。

ピアニカの鍵盤に指を置いて確かめる。

北「これか!」
少し身体を厚治に向けて。
岩「それっしょ(笑)」
北「これだな」

面白い…

厚治が笑いながらカウント。
岩「ワン・ツー、さんはい」

街灯

身体を左右に振りながら、可愛くピアニカな悠仁。
楽しそうにれろれろ歌う厚治。
楽しくて、顔が笑う。

悠仁、口がピアニカでふさがってるからね。
リアクション勝負ですよ。
要所要所で、膝折ったり首傾げたり、可愛さアピール(笑)

間奏では、一音ずつ下ってくっていうピアニカアレンジ。
すこぶる歌い出し辛そうな厚治が素敵でした(笑)




しばしチューニング中に、北川さんが話し始める。
北「昨日さ、テレビでさ、あれやってて。
  …冬のソナタ」
岩「…はい」
↑めっさ興味なさそう(笑)

そんな岩沢さんのリアクションに負けず、嬉しそうに話しだす悠仁。
北「俺さ、冬のソナタって、よくライブのMCとかで、美味しいから使わせて
  もらってたんだけど、一度も見たことなくてさ。
  たまたま沖縄来て、完全版っていうのがやってて…」
岩「あ〜、はい」
↑ホント興味なさそう(笑)

北「…何が完全なんだかもわかりませんが(笑)」
岩「あはは」
↑ちょいウケ。やったぞ悠仁(笑)

北「けっこう、いいぞアレ」
岩「純愛?」
北「おぉ。だってね!!」←話したくて仕方ないっつー、ハイテンションぶり(笑)
岩「…すごいっすね」←北川さんのテンションが(笑)
北「僕が見たところは、あの…ヨン様?ペ・ヨンジュンさんが、学生時代なんですよね」
岩「ほう」←興味なさそー(笑)

しかし、えらく遡るな、悠仁。
最初の最初じゃないか(笑)

北「その、相手役の、チェ・ジウさん…ユジン、ユジン」
ウケる客席。

きょとんとしている厚治に北川さんがニコニコ。
北「その役名がユジンて言うんですよ」
岩「あぁ、ユジン…」
北「すごく親近感持ってるんですけど」
やっぱり(笑)

北「ユジンと、ペ・ヨンジュンさんがいて、学生時代につきあってたんですよ」
岩「はぁ」
↑お父さん、ちゃんと聞いてください(笑)

北「で、突然ペ・ヨンジュンさんが死んでしまうんですよ!」
↑仁ちゃんちょっと興奮気味(笑)

北「交通事故で。不慮の事故で。
  それで〜…
  時は経ち、何年か後に…これまさか、ペ・ヨンジュンそっくりの人が街でばったり
  現われたりしないよな〜…と思ってたら、現われた〜!!」
↑大興奮(笑)

その北川さんに笑う厚治。
北「ウソ〜!現われちゃった!すごい!!」
↑だから、興奮しすぎです(笑)

北「とは言え、ユジンも、新しい幸せを歩み始めているワケですよ。
  悲しい過去を捨てて、新しい恋を…
  なんだっけ…サンチュ?」

いやいやいや、サンチュは野菜です(笑)

北「あ、肉包むヤツか。なんだっけ?」

『サンヒョク〜』
声が飛ぶ。

北「フッ…そんないっぺんに言われても」
なんだ、そのフッ、って(笑)
かっこつけんな(笑)

北「サンチョク?」
いやいや、違うから(笑)

『ヒョ!』
北「キョ?」

だ〜か〜ら〜
『ヒョ!』

なんでわかんないんだ、とばかりに声が飛ぶ。
必死に聞こうとしている北川さんですが、まったく聞き取れないご様子。

仕舞いにゃ…
北「いやぁぁぁ〜っっっ」
両手を耳に当てて(笑)

かわゆ…

岩「あぁ〜…リーダー壊れちゃった」
ボソ。
あははは、面白すぎ、厚治。

気を取り直して、マイクに向かう悠仁。
岩「大丈夫っすか?(笑)」
北「大丈夫(笑)わかった、サンキョク」
岩「サンキョク?」
違います(笑)

北「いい、わかった。サンコン」
↑諦めたらしい(笑)

北「…その、サンさんと、ユジンさんが、新たな幸せを、、掴んだワケですよ」
岩「ほぉ」
↑まだ話しの途中だったんだ…(笑)

北「街角でバッタリ逢ったけど、いいわ。
  私は新しい幸せを手に入れたのよ、と。
  そして、仕事も大事なの。これから、ユジンさんはプレゼンに行くの」
↑ユジン入ってない?悠仁。女の子口調(笑)

北「プレゼンて、わかります?」
↑うわ、バカにした質問だ(笑)
 言ってやれ言ってやれ、厚治!

岩「はい、…なんとなく」
なんとなくかよ!!(爆)

北「これこれ、こういう仕事があります、っていうのね。
  で、言ったの。
  そして、社長室にも入ってったの。
  すごい、こう…若者っぽい社長さんでね」
岩「…?」
北「社長さんらしからぬ、若いカンジの…」
岩「あぁ、はいはい」
北「ちょっと、トレンディーなカンジの」
岩「はいはいはい」
↑トレンディーって(爆)ま、一番厚治には伝わりやすかったのか
 けっこう食いついてきた(笑)
 よかったね、仁ちゃん(笑)

北「ま〜さ〜か〜、この、社長みたいな人も、ペ・ヨンジュンじゃないの〜?
  …っていう雰囲気なワケよ。
  でも、まさかそこまでないよな…現われちゃった!!」
岩「へぇぇ〜なるほどね。
  今のでだいたいあらすじがわかりました。途中から見てもわかる」
↑真顔。
 あの、本当にさわりのさわりですから、それ(笑)

北「なんでも、ちょっと遅れて見る、ぐらいの方がいいよね」
↑いやいや、あなたたちはいつも遅れすぎです(笑)

北「岩沢くん、タイタニック見たの相当遅かったですよね」
岩「この間、ラストサムライ見ましたもん」

遅っ(笑)

岩「トム・クルーズのモノマネしようか?」

真顔で突然何を言い出すんだ、厚治(笑)
ビックリ。
大爆笑&大拍手の、北川さんと客席。
思わず、や〜め〜て〜っっと叫ぶ高島(笑)

人差し指と中指を二本立てて…
岩「ハシ!」
↑自信満々

頭抱えて笑う悠仁。
オモロイ。確かに相当面白かったが、似てるか似てないかわかりゃしない(笑)

北「…2点」←優しい(笑)点が入ってる(笑)
岩「ありがとうございますっ」←どうしてそんなに自信満々…

さっさと話を進めようとした悠仁の声に重なるように、もう一回コール。

北「…ほら、もう一回ですって」
岩「んじゃ、もう一回ね。
  …サケっ」

ただの岩沢厚治じゃねーか、それ(笑)
北「それ、ただの日本語おぼえたての外人さんじゃないっすか(笑)」

北川さんのつっこみの方が、ちょっと優しかったようです(笑)

北「まあね、何が言いたかったかって言うと、とはいえ、
  日本も鎖国を止めて150年ぐらいになるでしょ?
  坂本龍馬とか、頑張って」

はい?なんで突然そんな話しに(笑)
たまたま厚治がラストサムライの話ししたから、和な会話になったけど
あんた話してたの冬ソナじゃん(笑)

北「その後にね、悲しい戦争とかがあって、色々なことがあったけども、
  僕達の世代になって、文化を通して色々なコミュニケーションが出来ることは
  素晴らしいことだと思います」

なんとな〜く、まとめちゃった悠仁。
さすがとりとめのない話に終止符打つのは慣れたもんです。
でも、ちょっとこれは強引(笑)

北「しょうもない話をした後だけど、沖縄でどうしても歌いたかった歌を
  歌いたいと思います
  …これも、久しぶりだな」




ジャラン、とギターを鳴らす。

午前九時の独り言

しん、と静まりかえる。
ただ悠仁の歌声だけが、青空に消えていく。
北川悠仁、過渡期の歌。
そんな時代でもあった。
不穏な事件が、沢山起こった。

あれから数年経ち、こうして久しぶりにこの歌を歌う悠仁は、一回りも二回りも
逞しくなったけれど、世の中は相変わらず…いや、あの時よりさらに凄惨な事件が
起こり、戦争は繰り返され、その戦地に日本人が派遣されている。

なんだかとても複雑な思いが交差する。

ただ、あの頃よりも漠然とではなく、しっかりと目を開いて生きている自分がいたり、
利権と欲得にまみれた政治を清浄化しようと躍起になる若い政治家が現われたり、
戦争と平和について、真剣に考える機会が日々あったり…
日本が、この、先の見えない迷路から抜け出そうと足掻き始めている、
そんな気はしないだろうか。

あと数10年経てば、私たちが世の中を支える中心の世代となる。
その時に、何が出来るだろう。
何をせねばならぬだろう。
考えて、動かなければいけないのかもしれない。
他人事ではなくてね。
ひとりひとりが。


向かい合う、悠仁と厚治。
珍しく単音の、少したどたどしい厚治のハープにちょっとドキドキしたが、
それもまた味。
エンドマークを刻む。


ほ、と一息ついて、空を仰いで笑う厚治。

ここで高島、かなりカチンときた出来事が起こる。
客席から「岩ちゃんドンマイ」の声。

すかさず…
岩「言うな!」

言ってから、フォローするように…
岩「もう、忘れてるから。気にするからね…」
笑顔で言ってやることなんてないのに!

本当ムカつく。
何がドンマイだ。
どこが失敗だっていうんだ、今の曲。
確かにちょっとハープの入りを間違えて見失った瞬間があったかもしれないし、
北川さんが歌の途中できっかけをくれるように「岩ちゃん、ここ」なんて一言言ったかも
しれないけどさ。
こんな念仏みたいな歌、入り見失っても仕方ないじゃん
↑どさくさにまぎれて言ってはいけないことを…(笑)
歌が中断したワケでも、ずれたワケでも、全然おかしいことになったワケでもないじゃんよ。
生なんだから、多少あって当たり前だろう。
そりゃあ本人の胸の中には、やっちゃったなぁって思いがあるかもしれんが、
聞いてる分には、ぜんぜん申し分なかった。
それを雰囲気読んで、そんなこと言いやがるなんてサイテーだ。
どうしてわざわざ傷口に塩塗るようなこと、言うの?
どこの誰だかわかんないけどさ。
見てるライブぶち壊すようなこと、言わないで下さい。
ゆずが好きだから、ここにいるんでょ?
来る資格ないです。
同じ客席に座っているだけだけど、ものすごく申し訳ない気持ちでいっぱい。


怒りっていうより、悲しい気持ちになっちゃって、ドスンとテンションの下がる高島。
ごめんね、厚治…
気分切りかえるように、チューニング。
ジャラジャラ〜っと確認にギターをかき鳴らし…
岩「じゃあ〜いきますか」
北「いきますか」
岩「突然始めます。すいません(笑)
  いきますか、ね」

拍手。

岩「いきますよ」

シュミのハバ

よりによってシュミか…
聞きなれたメロディー。
あぁ、テンション上げられない…
そんな簡単に気持ち切りかえられるかよ。
力込めて歌ってる厚治。
余計な心配する必要なんてないのかもしれないけどさ。
本当ごめんね。

北川さんが、客席を煽る。
か〜た〜は〜ば〜、シュミのハバ。
すっぴんでも踊らされるんですかい、シュミのハバ体操(笑)
テンション上がらないものの、やってないと非国民的な雰囲気なので
手だけ動かす。

身体動かすと、少し気分が晴れるから不思議。

ちょっと復活したところで、悠仁と厚治が向かい合う。

ジャジャッジャジャッジャッジャ
いきなり北川さんが激しいカッティング。
え、えぇっっ?

のんきに「そ〜だ〜♪」と歌いだしてる厚治。
ちょ…ちょとちょと今の何よ(笑)
なんでそのタイミングに、そのカッティング(笑)
意味わかんないし、上手くないし(笑)
メチャクチャ可笑しくて、すっかり復活。

歌終わりに厚治が叫ぶ
岩「お上手!」
またまた爆笑☆
そ…それって、体操している客席に言ったの?
北川さんに言ったの?

岩「どうもありがとうっ」
音階を駆け上がるハープ。
すこぶる楽しい気持ちで終了。

はぁ。ありがとう。




北「冬至の日ライブは…今回で何回目になりますかね」
毎回言ってる(笑)
八回目です。
北「昨日の晩、あれを書きました」
後ろの幕を指差す。
北「部屋が墨汁だらけになっちゃってね。ホテルの方、申し訳ございませんでした」
ちゃんと毎回書いてるんだねぇ。
えらいわ、仁ちゃん。
北「(冬至ライブを)始めた時はね、ほとんどお客さんいなかったよね、岩沢さん」
岩「…数人ですよね、確か」
北「数人ですね」
岩「いたか?…いなかったか?」
やたら高い声で自問自答する厚治(笑)
それを真似して、裏返った声で…
北「いたか?いなかったか?」
岩「いた記憶が…友達ぐらいしかない(笑)」
北「あんまり友達がいない中の、友達がいました(笑)」

今日はちゃんと会話になってますね〜
よかったね、仁ちゃん(笑)

北「次の年は、90人」
おぉ〜、拍手の客席。
惰性で拍手すんな、甘やかすな(笑)
そして恒例の、ゆずを150個用意したのに、90個しか使わなかったもんだから、
60個余って、ふたりで仲良く分けてお家に持って帰りましたとさ、のお話。
サイン入れちゃってるから、食べられない。
北「お風呂に、全部入れてね」
岩「コポポポポ…」
北「え〜…じゅーしぃ」
岩「じゅーしぃ(笑)」
北「沖縄の人は、あれでしょ?冬至の日は、ゆずじゃなくてじゅーしぃなんでしょ?」
へぇ、そうなんだ。

北「じゅーしぃ、知ってる人!」
ポツポツ手が上がる。
だから、ここは沖縄なんだってば(笑)
ジモティーは知ってるってば(笑)

北「じゅーしぃは、あれなんなんだろうな。まぜご飯みたいなもんか?」
客席から、そうだとか違うとか食べた〜とかって声があがる。
北「食べた?」
客「食べた〜!」
北「…ま、君が食べようが食べまいが関係ないですけど…」
振ったの、あなたです(笑)

岩「そこで歴史が止まってるじゃないっすか(笑)
  歴史を振り返るんでしょ?」
北「(急に真顔になって(笑))え〜、それから。
  それから、どんどん大きくなっていきまして…
  一度は西部球場でやらしていただいたりとか」
岩「あ〜、はいはい」
↑北さん、大風邪引いたヤツっすね。
 セットでミュージックソンを思い出す(笑)

北「そんなこともありまして、去年から関東以外のところで…神戸でやらさせて
  いただきまして」
↑いきなり去年に飛ぶか(笑)端折りすぎじゃないっすか、リーダー(笑)

北「今日は、関東以外二回目ということで、ここ沖縄を選ばせていただきました。
  ありがとうございます!」

拍手

北「この間は、台風が来てしまって、悔しい思いをしましたけど、岩沢さん…」
岩「そうっすね」
北「岩沢さん、あんまり悔しかったんでね、夕方ぐらいからほとんど記憶がないっていう…」
わははは、やっぱり…
外出れないし、飲むぐらいしかすることないもんね。

北「さぞ悔しかったんでしょうね」
岩「泡盛が、ねぇ…」
北「泡盛が(笑)」
くっくっく…と思い出し笑いのふたり。
やらしいですから、それ(笑)

北「岩沢さん、9時の段階で裸でロビー歩いてましたから」
岩「そうですか(笑)」
北「そうですよ」
岩「まったく憶えてないですから」←清清しくきっぱり(笑)
北「ダメですよ」
岩「ダメっすね(笑)」

北「ま、そんなワケで…←どんなワケっすか(笑)
  今日は、僕ら…そしてスタッフ含めてまた沖縄に来れたことを、本当嬉しく思っています。
  ありがとうございます!」

強風に煽られて、幕を止めていた下の糸が切れる。
一気に風を孕んでブワっと揺れる幕。
幕の上は、よれない様にバーで止めてあるから、上の糸まで切れてバーが落ちたら、
ふたりが危険。
下ろした方がいいよ…
心配。

北「ま、そういうこともあるさ。自然の力には敵わねぇ」
そうさね。

気分を取り直して…
北「そんなワケで、冬至ライブでは、写真とかOKなんですよ、基本的に。
  …みんな、ヘンなトコ流出しないでくださいね(笑)お願いします」
お次は夏色。
夏色フラッシュの解説です。
北「僕が合図したら、パシャっとやっていただくと、僕達から見るとすごく綺麗なんです。
  お客さんからしたら、なんのこっちゃかわからないけれど」
岩「わけのわからない写真が一枚」
北「わははは(笑)」

すべては自己満足のために(笑)
ふたりのために世界はあるの。
頑張って、いいパセリを勤めます(笑)


毎年ここで、コート脱ぐのよね。
寒いから風邪引くから、いいのに〜ってやきもきするのに。
今日はそんな心配なんていらない。
いや〜暖かいって素晴らしい。

夏色

季節外れの夏色ですが、とっても夏色が似合う気候と風景です。
座って聞くのがもどかしい。
こんなにまったりのんびり夏色聞くのって、久しぶり。
ライブ中だと激しすぎて、息切れしてるから(笑)

勢いつけすぎて、北川さんのギブソンがぶっ倒れる。
思わずあっ!と手をのばすけど、届くワケもなく…
びくっと震えて、歌が終わるといそいそギターを確認しに行く悠仁。
ボディーを見て、バックを見て。
大きな傷もなく、ちょっと安心。

大丈夫〜?とかかる声に、
北「おお、大丈夫」
返したものの、その声に元気はない(笑)
その本気でビクビクしている様子に、思わずうひゃひゃと厚治が笑う。

岩「昔ね、路上時代に一個落としたことがある。
  借り物のギターを壊したことがあるんだよね」
北「ササさんのギター」
岩「ササさんのね(笑)」
北「ササさん、すいませんでした」
岩「すいませんでした」

客席の、上〜の上。一番上で柵に寄りかかって見ていたササさん。
大丈夫。
笑顔です(笑)


ポロンボロンと弾いて音を確認。
し〜ん、と悠仁を見つめる会場。


北「タ〜イム!」←地獄の底のような声(笑)
岩「けっこう凹んでるんだよ(笑)」

ちょっと時間かほしいようです(笑)
そんな悠仁の様子を横目で見て、鼻の下を指でこすりながら
厚治が唐突に話し始める。

岩「そうですね、あの、僕と北川くんの出逢いっていうのは〜」

何を言い出すんだ(笑)
珍しく助け舟。
よかったね、仁ちゃん(笑)
ホントに困ったときは助けてくれるのよ、岩沢さんも。

岩「なんですかね…初めて『キタガワユウジン』という名を聞いたのは、
  あの…小学校の、朝会とかなんですかねえ…
  北川さん、なんか読んだんですね。
  朝礼台の前で。
  なんか読んだんですよ。
  『いちねんいちくみ、きたがわゆうじんっ』てね。
  『ゆうじん』ていう、響きがまた、珍しいじゃないっすか。
  ねぇ、それで…『ゆうじ』でいいじゃん、『ゆうじん』って!
  とかね…」
チューニングしながら、北川さんが相槌を打つ。
北「ユジンじゃないっすよ」
岩「ユジンじゃないっす(笑)
  …それが、最初の…
  まあ、全然オチのない話ですけど…」
横目で北川さんを確認。
岩「ま、そうこうしているウチに…」
北「はい!」
唐突に、声を出す悠仁(笑)
ちょっとほっとしたように笑う厚治。
岩「この続きの話は、またいつか」
えぇ〜っっ絶対しないでしょ、あなた(笑)

北「…すいません、もうちょっと」
↑厚治の続きの話が聞きたかったのか?(笑)

岩「…それでね、その…小学校二年生の時の話なんですけど、
  水泳の授業があって…」
北「はい!」
再び話を遮る(笑)
あぁ、私もわかっちゃった。
この後の話し(笑)

岩「この話の続きは、またいつか」
本気のブーイングの客席ですが、今度は話し続けません(笑)
続きは変わって私がお話しましょう。
小学校二年のとき、クラスは違ったのですが水泳の授業の時は合同で、
女子と男子にわかれてお着替えするんです。
その男子のお着替え教室で、北川さんが教壇の前で、
全裸で歌いながら踊っていたそうです。
「バナナが揺れてる南の島で〜♪」
とかって(笑)
その瞬間、厚治少年は思ったそうです。
「こいつ、嫌いだ」
と(笑)

過去の話といえ、嫌いだなんて言われるのは悲しいので、
なかったことにしましょう(笑)
しかし何やってんですか、北川さん(笑)
でも、いるよね…こういうヤツ、クラスにひとりぐらいは。


余計な話をしましたが、レポに戻ります。

ジャラン、と鳴らしてみたもののイマイチ自信のない北川さんに、
自ら音を出してあげる厚治。
その、厚治の音を頼りに合わせる悠仁。
一生懸命合わせて、お伺いを立てるように厚治を見る。
口を半開きの、その北川さんの様子をじっと見ている厚治。
悠仁が顔を上げるたび、うん、と頷いたり、違う、と首を振ったり。

な…なんて、いいシーンなんでしょう。
厚治優しい…
北川さんのチューニングフォローする厚治なんて、初めて見た。
弦一本一本を、丁寧に合わせていく。
ライブだったら、ちゃっちゃとギターチェンジしてお終いだもんね。
冬至ならでは。
すごい幸せ。
手伝ってやるんじゃなくて、見守っているだけなんだけどさ。
暖かいんだなぁ。
この暖かさは愛以外の何物でもない(笑)
こうやって北川さんはスクスク成長したんだろうなぁ。

まるっきり、ステージはふたりだけの世界。
息を潜めて、見守る客席。
ちょっと胸を打たれる。
もちろん歌っているゆすが好きだが、こういうシーンのゆずもものすごく愛しい。
みんな、ゆずが好きで集まった人たちだから。
多分、待てるんだと思う。
私にとっては、待つ、というか、こういうシーンこそメインディッシュであるんだけれど(笑)


ふと顔を上げる厚治。
つられて顔を上げる悠仁。
我に返って照れたような口調。
北「…す…すっごい(笑)」
岩「すっごい地味な作業を(笑)」

ジャラン、と鳴らしてもう少し調整。

岩「今日はね。やたらとしゃべるんですけれど(笑)」
北「今回のツアーはしゃべるとこなかったから」
岩「そうそう」
北「だから、しゃべりたくって(笑)」
岩「そうそう、反動でね(笑)」

本当、どうしちゃったの?って言いたくなるぐらい厚治がしゃべってる(笑)
しかも積極的に(笑)
近年まれに見る快挙じゃないですか?これ。
昨年の冬至の放置プレイに徹していた岩沢厚治に見せてやりたい(笑)
よかったね〜仁ちゃん…
やっぱりさ、MCっていうのは話したいときに話すもんで、ネタも無いのに
苦しんで話すもんじゃないよね(笑)
あるならあるで楽しいんだけど、こういう素敵な反動があるなら、
黙っとけって思う(笑)



北「たまにはね…」
岩「そろそろ、行きましょうよ」←うふふ、なんかこそばゆい(笑)

北「この曲は今年、数え切れないぐらい歌ったんですけれど
  ふたりだけで歌うのは今日がはじめてです。
  頑張って歌うので、よろしくお願いします」

栄光の架橋
すっぴんバージョン、というより、いつものバンドサウンドの曲から、
ふたりの部分を抽出した、というカンジ。
すっぴん用に練りこんでいる時間なんざなかったんでしょう。
ボーカルはいいんだけど、やっぱりサウンド的に物足りない気が
してしまう。
絶対絶対、やれば出来る。
もっと出来る。
もっとかっちょよく、すっぴんでも充分迫力ある、そんなアレンジ…
出来るはずよね。
こんなもんじゃないっしょ、ゆずは。
次に、聞くのを楽しみにしています。




悠仁が、ふと客席の一点を見つめる。
北「あと五分」
振り返れば、「あと五分」のカンペを持った丸山さん。
大ブーイングの客席。

北「丸山さん、完全に悪者ですね(笑)」

ヤダ、絶対ヤダ!の声が飛ぶ。

北「ヤだね」
水飲みながら友達と話すようにしゃべりだす悠仁。
北「どうしようか?
  …飛行機の時間どうする?
  …変える?

  …出来ないなぁ、それは。
  オトナの事情で(笑)」

出来ないんじゃん(笑)

北「でもね、いつもは1時間タイムリミットなんだけど、今日はもうちょっと
  長くやってるから…」
時計を見れば、確かにこの時点で1時間越えている。
かなりまったりやってたからなぁ…
…ていうか、こんな風にしゃべってる間にもう一曲ぐらい歌えるんじゃ
ないっすか(笑)

北「…というワケで、皆様ご了承ください。すいません」
頭を下げる悠仁。
そこにさらに、エ〜っ!とブーイングが重なる。
爆笑の厚治。
岩「ウチのリーダーが頭下げても、エ〜!!ですか(笑)」

…ていうより、あなたは頭下げないんですか(笑)
いや、いらないですけど、別にそんなの(笑)
チンピラの論理っすね。
「オラオラ、ウチの兄貴が頭下げてるってのに、グダグダ抜かすのかコラァ」
みたいな(笑)


北「もうちょっとやるか(笑)」



また逢える日まで
あぁ〜…そう。
そうか(笑)
ちょっと歌わせとかないと、満足しないとの見解でしょうか。
欲張りを言えば「聞かせてくれる歌」が聞きたかったなぁ。
でも、とってもギターアレンジ、ハープアレンジが可愛かった。
ノリノリで可愛さアピールのふたり。
まんまと乗せられて、可愛い〜連発の高島。




北川さんがごきゅごきゅと水を飲む。
空のペットボルトを振ってもう一本、お水をおねだり。
探るような厚治のハープ。
やがてメロディーを刻む。

蛍の光


さらにブーイングをする往生際の悪い人もいたりしますが…

北「まあまあ。最後は笑顔で終わりましょう」
こういう言葉がさらっと出てくるところは、さすがリーダーだと思う。

北「9月5日、夢の地図ツアー沖縄公演が中止になりまして。
  僕らはいかなる状況であっても、ツアーが回れなかったことは初めてだったので
  すごくショックだったんですけれども、来れなかった人は、もっとショックだったと
  思います。だけど、こうしてまた改めて沖縄にこれて、よかったと思います。
  ありがとうございます!」
そして、紅白のこと、来年の横国でのライブの告知、ミュージックソンの募金のこと。

北「今年は結構忙しい1年でしたが、みんなもそれぞれ大変だったと思います。
  来年も、皆さんにとって素晴らしい一年であるよう、音楽を通して願っております。
  そして、今日は遠いところから来た人もいると思うけど、集まってくれてありがとう。
  また逢いましょう!」

曲が終わり、ゆっくりと、ふたりの動きが止まる。




北「てっぺん!!」
爆発的に、動き出す。
ひたすら厚治のギターがかっちょいい!
これこれ。これが見たかった…
煽る北川さん。
テンションが上がるとともに、どんどんどんどんスピードアップ。
苦しいはずなのに、より男前度を増す厚治。
今年最後のゆず納め。
てっぺんで締めるなんて、素敵すぎじゃないですか。
今年は夏色で明けたんだよなぁ。
そりゃあゆずづくしな一年になるハズだよ。

北川さんが飛ぶ。
厚治の激しいストローク。

どっちを見たらいいんだかわからない(笑)
聞きたい、っていうより、見たい歌。
息の合った、ふたりの心の雄叫び。




北川さんをちらっと見る。
目で「いけ」とでも言ってるのでしょうか。
悠仁の目が優しい。

岩「皆様、メリークリスマス!&、よいお年を!!」
可愛い(笑)

北川さんが、上着を脱いで肩にかける。
どこのスタァですか、あなた(笑)

右に行くの?左に行くの?
どっちにハケていいかわからなくて、キョロキョロするふたり。
右に呼ばれて、ひょこひょこ帰っていく厚治。
大物っぷりを発揮して悠々歩く悠仁(笑)
ハケたか…と思ったら、小走りで厚治がステージに戻ってくる。
一緒にステージを振り返る悠仁。
あれ、やっぱりあっちにハケるんだった?
…と思ったら、岩沢さんがキャップをマイクスタンドに忘れたらしい(笑)
照れくさそうに、ポイっとそのキャップを被って、手を振りながら
小走りに帰っていく厚治。
その背中を笑って見つめながら…
ステージサイドに消える瞬間、振り返って投げキッス☆

大物だなぁ、悠仁。
さすがリーダー(笑)



その後、スタッフの皆様がまったく動かないので、もしかしてアンコールあり?
ないよねぇ、まさか…
と、さっさと帰る派の私でさえ、席を立ちあぐねていると、
最後に山岸マネ登場。

山「本日のライブは、ここまでです」

…さっさと言え(笑)
と、他のスタッフの皆様に言われていました(笑)



青空の下、満足満足、お腹いっぱい胸いっぱいで、会場を後にする。
今回はとてもアットホームな冬至でした。
人数も、結局…1100人ぐらい?じゃないかって聞きました。←ウソかも。

面識はないけれど、意外な人たちの意外な一面を知ったりしてね。
なんだか思い出深い冬至となりました。
本当にお疲れ様。

そして、KKPの仲間たち。
素敵な旅をありがとう。
最後にみんなで打ち上げ出来て、とても楽しかった。
嬉しかった。
今年は本当に、色々お世話になりました。
来年も、よろしくね。




旅は素敵だ。
困難なら、困難な方がいい。
苦労した分、ライブが素晴らしいものになるから。
今年最大の「してやられた」は、予想通り…
そのハードルを乗り越え、走りきった達成感と満足感で、
今年最大の、素晴らしい思い出となりました。



ありがとう、ゆず。
ありがとう、スタッフの皆様。
ありがとう、仲間たち。
そして、お世話になったゆずっこの皆様。

  



yuzuライブレポtoptop