概 要

水平線

 平成12年9月26日(火)より,10月5日(木)までの10日間,18名の群馬県教員訪韓研修団の一員として,「日韓学術文化青少年交流事業」に参加させていただきました。この事業は,平成元年より外務省から財団法人日韓文化交流基金が委託を受け実施しているもので,21世紀に向けて世界的視野に立った新しい日韓の友好親善協力関係を築くため日韓両国政府が強調し実施しています。
 今回の研修は,大きく分けて3つの柱によって構成されています。「学校訪問」「ホームステイ」「史跡めぐり」です。
英語授業

 学校関係では,ソウル市の堂山(タンサン)西中学校,釜山(プサン)市の東來(トンネ)女子高等学校,土城(トソン)初等学校の3校を訪問させていただきました。韓国の学校制度は基本的には日本と同じで,6・3・3・4制となっています。一番驚いたのは,英語の授業が小学校3年生から実施されていることで,私の参観させていただいた小学校5年生の授業では,本校の中2レベルの授業を行っていました。また,視聴覚機器が充実しており,どの教室にも大きなモニター,パソコン,プロジェクターが完備されており,教師は,黒板とパソコンにつながったモニターを併用しながら授業を進めていました。小学校では,3年生から本格的なパソコンの授業が始まるそうです。 

 また,中学校では,生徒会役員の生徒たちとの意見交換会も行われました。韓国の中学生の日常の話題は,芸能関係,オリンピック,テレビゲーム,日本のアニメなどで,日本の中学生とほぼ同じようです。日本のイメージを聞いたところ,豊かな国,交通秩序がよい,町がきれい,貯蓄精神がある,アニメの先進国などの答えが返ってきました。また,一番暮らしてみたい国が日本であると答える生徒が多く,日本への関心が高いこともわかりました。また,竹島問題をどのようにとらえているかと質問されたり,校庭に李舜臣(イスンシン。豊臣秀吉が朝鮮出兵を行った際,祖国を守った将軍)の銅像が立っていたり,国の事情が違うことも改めて考えさせられました。 生徒会

 今回の交流事業では,2泊3日のホームステイもありました。韓国のホストファミリーにお世話になり,韓国文化を肌で感じてまいりました。韓国では,集合住宅が多く,床はオンドルという暖房設備が完備されています。私のお世話になったホストファミリーは,ご主人が高校の英語の先生,奥様が日本語の先生と,日常会話はほとんど不自由がありませんでした。しかし,おばあさんや子どもたちは韓国語しか話すことができず,もっともっと話したいという気持ちでいっぱいでした。韓国国際教育振興院の特別講義において「言葉を理解することは,その国の文化を理解することになる。」と教えていただきました。韓国語は,日本と同じ漢字が語源になっており,語順や単語など共通点も多いので,2年間勉強すれば,日常会話はできるようになると講師の先生がおっしゃっていました。韓国は,これまで日本に近くて遠い国でしたが,今回の交流を通して人と人とのふれあいのすばらしさを感じることができました。2002年には日韓共催でサッカーのワールドカップも行われます。日本と韓国がより友好的な関係を築いていけるよう努力したいと思っています。

板門店(パンムンジョム)

 今回の研修では,特別許可をいただいて,板門店(パンムンジョム)の見学もさせていただきました。ここは,軍事分界線上にあり,北朝鮮と韓国の唯一の接点で,双方の共同警備区域になっています。南北軍事会談や北朝鮮への食糧援助などは,この場所を通して行われてきました。実弾の入った銃を持った兵士に護衛されながら,緊張感のある見学できた。左の写真は会談が行われる場所で,机の上のマイクとコードが軍事分界線上に置かれています。同じ民族や家族が離れ離れに暮らしている人達にとって,祖国統一は政治上の問題をこえて切実な願いであるということを実感させられました。ちなみに韓国は,20歳以上に26か月の兵役を課している国だそうです。

 今回の研修では,多くの社会科教師が対象として参加しました。李成桂(イソンゲ)の開いた朝鮮国の都であった景福宮(キョンボックン),百済の都であった扶余(プヨ),新羅の都であった慶州(キョンジュ)などを訪れ,たくさんの貴重な資料を手にすることができました。下の写真は,ユネスコの世界遺産に指定されている仏国寺(プルグクサ)です。上部の建物は,秀吉の朝鮮出兵の際にすべて焼失し,後に再建されたそうです。新羅時代のたいへん貴重な遺産です。これらの韓国の文化遺産を尊重しようとする気持ちを生徒たちに育てていくことも,これからの日韓友好関係を築いていくために大切なことだと思います。

仏国寺(プルグクサ)
 今まで紙面や映像でしかわからなかった韓国の歴史や文化を,今回の研修で自分の目で確かめることができました。生徒にはこのような機会を与えてくれた恩返しとして,授業で少しずつ研修の成果を伝えていきたいと思っています。

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