Grand Kanyon NP
アメリカ西部アリゾナ州とユタ州の間にレイクパウエルという湖がある。この湖を中心に円を描いてみると、その内部に数多くの国立公園、国定公園が含まれている。驚異の大自然と先住民族の歴史、文化を垣間見ることが出来るこの地域は「グランドサークル」と呼ばれ多くの観光客が訪れている。
ラスベガスから車で約6時間、森林地帯を抜けると突然、眼前にグランドキャニオンがその姿を現す。谷底を流れるコロラド川の浸食によって形成されたこの大渓谷は、高低差約1500メートル、長さ約450キロ、幅約10キロにも及ぶ。
Grand Canyon NP

Grand Canyon NP
幾つかのビューポイントを見、更にウエストリムと呼ばれるエリアに行こうとするとゲートがしてあり先にはいることが出来なくなっていた。代替にシャトルバスが運行されている。93年に訪れた時にはこのようなことはなかった。増えすぎた観光客を規制するための処置だ。世界に先駆けて国立公園制度を発足させたアメリカでは、国立公園は単なる物見遊山のための観光地ではない。自然景観の維持・施設の運営・自然への理解を深める取り組みを目的としている。ユネスコ世界遺産にも指定されている自然遺産だ。
Grand Canyon NP

Rainbow Bridge NM
グランドキャニオン上流にコロラド川を堰き止めたダム(グレンキャニオンダム)がある。このダムによって出来た人造湖がレイクパウエルだ。グランドキャニオンから続く渓谷が複雑に入り組み殺伐とした景観が続く。映画「猿の惑星」はここで撮影された。この湖の長さは300キロにも及ぶ。湖畔のマリーナからレインボーブリッジを巡るボートに乗り込む。先住民族ナバホ族が「虹が固まって石になったもの」と言い伝えるレインボーブリッジは世界最大のナチュラルブリッジで、高さ88メートル、差し渡し84メートルある。その形状の美しさからこの地域一帯の穴の開いた岩のナンバーワンとされている。
Rainbow Bridge NM

Monument Valley
モニュメントヴァレーは、ジョンフォード監督作品やCMで度々登場する、青い空と赤茶げた荒野にそびえ立つビュートが拡がるアメリカの原風景とも言える場所だ。ビジターセンターに車を止め展望台に上がるとそこには、三本のビュートが立つこの景色が拡がっていた。
ジョンフォード監督が映画制作中に宿泊していたホテルに宿をとった。部屋からも大平原とモニュメントヴァレーの遠景がのぞめるホテルだ。このホテルに隣接して博物館がり、ナバホの暮らしを再現した部屋のほか、モニュメントヴァレーで撮影された映画に関する展示があり、ジョンフォード監督の映画セットやジョンウェインのスチール写真などもあった。
Monument Valley

Goosenecks SP
グーズネックとはガチョウの首を意味する。その名のとおりコロラド川支流のサンファン川が大きく蛇行する風景を望むことが出来る。わずか100メートルの距離を5キロ近く迂回しているところもある。
アメリカの州境は幾何学的に区切られているが、4州が交わる所は、一点しかない。アリゾナ・ユタ・コロラド・ニューメキシコの4州が交わる地点は4コーナーと呼ばれナショナルモニュメントに指定されている。
Goosenecks State Park

Arches NP
穴の開いた岩が多く集まるアーチーズ国立公園に向かう。ここには1500ものアーチがあると言う。アーチとは「化学的・物理的浸食作用によってできた穴の開いた岩」とされている。数あるアーチの中で一番とされるのが、ユタ州のナンバープレートにも描かれているデリケートアーチ(左の写真)だ。国立公園内は、主な見所を結んで舗装道路が敷かれている。途中のビューポイントからそれらを楽しいんだり、トレイルを歩いてより近くに行くことも出来る。
Arches NP

Dead Horse Point
アーチーズ国立公園、キャニオンランド国立公園の観光拠点はモアブの町になる。この町には中華料理店があり、旅を始めて一週間経った私たちにとって、久々に口にあう料理を十分に堪能することが出来た。
デッドホースポイントは、この地を自然の柵として使っていたカウボーイが、不注意で馬を閉じこめてしまい、渇死させてしまったことから由来している。180度のカーブを描くコロラド川の雄大な景色を望むことが出来る。
Dead Horse Point State Park

Canyonland NP
コロラド川とグリーン川の浸食によって作られたこの地は、「アイランド・イン・ザ・スカイ(天空の島)」と呼ばれる。眺望の雄大さでは、グランドキャニオンを凌ぐかもしれない。
キャニオンランド国立公園を後にし、グリーンリバーの町に宿をとった。アメリカでの宿泊はモーテルが機能的で非常に便利だ。料金も二人で旅するにはリーズナブルだ。グリーンリバーはその名のとおりグリーンリバーのほとりにある小さな町だが、モーテルも数軒あり、ビュッフェをやっているレストランも併設されており、不自由を感じることはなかった。
Canyonlands NP

Bryce Canyon NP
グリーンリバーからキャピタルリーフ国立公園を経由しブライスキャニオン国立公園に向かう。ブライスキャニオン国立公園は、デキシー国有林の中から突然現れる断崖にあり、そこに立ち並ぶ岩の尖塔群が拡がる。夕暮れ時、光によって刻々と表情を変えていく姿は美しい。
この日は、ペングウィッチという小さな町に宿をとった。93年に訪れた時と同じモーテルに泊まり、同じレストランで食事をした。7年の月日が流れているが、ここでは時の流れが遅いのかあのころのままだった。
Bryce Canyon NP

Ceader Breaks NM
ペングウィッチから湖のほとりを抜け、シーダーブレイク国定公園に向かった。シーダーブレイク国定公園は、ブライスキャニオンの出来かけのような風景が拡がっていた。標高が3000メートルを越すので夏でも少し肌寒い。
Ceadar Breaks NM

Zion NP
シーダーブレイクからザイオン国立公園を目指した。巨石群で有名なザイオン国立公園も93年とは様相が変化していた。ナローズと呼ばれるザイオン・キャニオン・シーニック・ドライブの終点に車で行くことが出来なくなっていた。グランドキャニオンと同様に、一般車両の入場を規制していた。そこで、代替のシャトルバスに乗り込みナローズに行った。バージン川の流れをさかのぼると、川幅が細くなり、両側にそびえ立つ垂直の岩盤が迫り、その大きさに押しつぶされそうになる。
Zion NP

Death Valley
デスバレーは「死の谷」だ。標高はマイナス86メートル。海より低いこの地は、真夏には、気温が50度を越えることもある。年間降水量は50ミリに足りない。
デスバレーからカジノの街ラスベガスに向かい旅のフィナーレだ。砂漠の中に突然現れるこの街は、夜きらめくイルミネーションがまぶしいくらい華やかだ。カジノにくり出し、スロットマシーンと格闘し、旅は終わった。
Death Valley NP

N P P
アメリカの国立公園を多く回るのであれば「National Parks Pass」は必需品だ。一つ一つ国立公園で入場料を払っていくよりもかなり割安になる。一年間有効で50US$だった。これ一枚で全ての国立公園と一部の国定公園がまかなえる。
National Parks Pass