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美しい山水の景勝地として名高い桂林を訪ねる旅に出た。今回の旅はこの桂林にどうしても行きたくて止まない父との二人での旅となった。関西から桂林へは広州での乗り継ぎが必要となる。しかし、この年9月アメリカで起きた同時多発テロの影響により、中国国内線での利用客減少によりダイヤが非常に混乱しており2時間程遅れて私たちがようやく桂林に到着した頃にはもう日付が変わろうとしていた。宿に着くと外に出る気力もなく倒れ込むように眠りについた。 朝、目がさめるともう出発時間が迫っていた。身支度をすばやく済ませ、朝食を貪り、どうにか集合時間に遅れずに済んだ。今回は旅行会社主催のツアーに参加しているため今までのように自由気ままな旅は出来そうもないが、ツアーの特性を活かして個人では旅行しにくいこのエリアを堪能できればと思う。 バスに乗り込み漓江沿いの陽堤(ようてい)に向かう。桂林をはじめとするこの一帯はカルスト地形が広がっている。そのため鍾乳洞もかなりの数が確認されている。しかし一般に公開されているものは限られているようだ。そんな中で昨年一般公開されたばかりの鍾乳洞があり、その鍾乳洞を見学することになった。川沿いにバスを一旦止め、船に乗り換え対岸にある鍾乳洞を目指した。 |
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この鍾乳洞内部は三層に分かれているらしく公開されている部分でもかなりの大きさだった。その大きさのためトロッコに乗ったりもした。また、地下水がふんだんにくみ出しておりそれが地底湖を形成している。その湖を、ボートに乗って移動したりとアクティビティーな要素さえ取り入れられていた。 |
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一般に「漓江の川下り」と呼ばれているのは、陽堤から陽朔(ようさく)の区間を呼んでいるようだ。乾季に当たるこの時期は水量が少ない為、全コースでは行われず一部分の往復になっている。川下りは1艘で行われるものではなく、各旅行会社により船が異なるため、かなりの数の船が、同時間に川下りを始める。そのため混雑していた。しかし、船上から流れて行く風景は、地上から眺める風景とは違い、目線が低いので、より一層美しく感じた。 山水画に例えられるこの風景は毎日忙しなく生きている私たち日本人になにか不思議な安らぎを与えてくれるよな感じがする。 |
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川下りを終え、陽朔郊外の高田卿と呼ばれる村に向かった。ここは桂林以上の山水の景勝地として賞賛されているが、日本においては一般的ではない。しかし,その景観は見事な山水美の世界を織り成していた。 この後、樹齢1400年と言われるガシュマルの樹(榕樹古渡 ようじゅこど)、穴の空いた奇岩(月亮山 がっしょうざん)を訪れ、更に1999年に一般公開されたばかりの鍾乳洞(銀子岩 ぎんしがん)を訪れた。この鍾乳洞は、形成年代が比較的若いためその石質が白く輝いている箇所も見られる。年代が古くなるにつれて黒ずんでいくのがよく理解できる。 陽朔の町に戻り、魚をビールで煮こんだものや、有名なビーフンなどこの地の料理を楽しんだ。食後、伝統漁である鵜飼を遊覧船に乗りその様子を楽しんだ。日本での鵜飼とは異なり、勝って気ままに鵜が泳ぎ小魚を捕らえているのが見ることが出来る。船乗り場に戻り「西街」と呼ばれる陽朔のメインストーリートを散策した。こんな田舎町でもインターネットカフェがあった。日本ではこのようにはいかないだろう。 |
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明けてこの日は、まず陽朔市内にある漓江山水が一望できる「山水園」を訪れ、その後「桃源郷」に向かった。ここでは、この地に住む少数民族の伝統的建築物や舞踊を見ることが出来る。湖を小舟に乗り散策して行く。 陽朔の町を離れ、再び桂林へと向かった。まず、パンダや孫悟空のモデルとなった種類の猿がいる「七星公園」、像の鼻に似ているところから命名された「象鼻山 ぞうびさん」を訪れた。その後桂林空港に向かい帰国の途についた。 3泊4日と言う非常に短い旅ではあったが山水美を十分に堪能する事が出来た.個人旅行に対する環境がまだ十分とは言えない中国ではツアーの利用もかなりの利点があったように感じた。個人旅行とは異なった面白味を感じた旅となった。 |
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