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「遊びは終わりだ!!」
庵の八稚女が山崎に炸裂した。
何度となく、山崎の体を刻む庵。
「泣け、叫べ、そして…死ねぇ!!」
爆破。
先程の八稚女とは比べものにならないほどの威力があった。
しかし、彼の攻撃はこれで終わりではなかった。
「馬鹿めぇっ!!」
爆破が終わり、さらに山崎の体を刻む庵。
「ウ〜ッハッハッハァッ!!」
山崎の体が打ち上げられる。
そして、体を仰け反らせ、渾身の力で蒼炎の火柱を上げる。
「ぎゃぁぁぁぁぁ〜っ!!」
山崎の悲鳴。
そのまま彼は立ち上がる事はなかった。
満身創痍の庵。
手は刻んだ山崎の血に塗れていた。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
荒い息遣い。
彼は山崎に近づいた。
まだ彼は死んでいない。
僅かながらも生気が残っている。
この手で山崎を仕留めるまで、彼の戦いは終わらない。
が、その時、庵は突然気を失い、倒れた。
「八神さん!!」
駆け寄るアテナ。
完治していない体で八稚女を放った事により、体が限界を訴えたのだろう。
すぐさま治癒にとりかかる。
山崎の状態を見るキムと拳崇。
「うむ。辛うじて、一命は取り留めているようだ…」
「とりあえず、司令官に連絡入れなあかんな。山崎を連行する応援の要請も
せな」
後始末は急ピッチで進められていった。
基地に戻ったKOFレンジャー。
庵はまだ意識がもどらず、治療室で寝ている。
司令官の部屋には、庵を除く4名が顔を揃えていた。
「とりあえず、山崎確保、ご苦労だった。奴のオロチの気も抜き取り、これ
で八傑集の一角を崩したわけだ」
ハイデルンが言った。
「ブラックに関しては、今、レオナが看病をしている。彼は今回の戦いで相
当傷を負ったから、戦線に復帰するのは当分無理だろう。しばらくは4人で
活動を続ける事になるが、今までどおり、しっかり頼むぞ!」
『はい!!』
一斉に返事をする4人。
とはいえ、八傑集の山崎でさえ、あれほどの力を持っていたのだ。
これが、あと何人もいるかと思うと、素直に自分の未熟さを感じてしまう
4人であった。
しかし、落ち込んでもいられない。
少しでも空き時間を使って、自分のパワーアップを図るしかない。
「とりあえず、この場は解散とする。各自、スケジュール通りに行動するよ
うに…」
『はい!!』
ハイデルンの指示を受けた後、4人は部屋を後にした。
廊下を歩く京。
ふと、何かを思いついた。
「そういや、しばらく親父と会ってないな。いい機会だ。リフレッシュも兼
ねて、道場にでも行ってみるとするか…」
そうつぶやくと、京は足早に道場へと向かっていった。
「山崎がやられただと!?」
男はこの報告に驚いていた。
「KOFレンジャーを侮りすぎてましたか。本当にツメの甘い男です…」
「だから言ったんだ。潰せる時に潰しておけと!」
男は山崎が自分の指示に従わなかった事に腹を立てていた。
「とりあえず、これ以上彼らを調子づかせるわけにはいかないわ。何か考え
ているわけ?」
女が牧師風の男に尋ねた。
「ええ。もう次の手は打ってあります。とりあえず、頭の方をまずは潰して
おきましょう…」
「頭?」
「フフッ。今にわかりますよ…」
牧師風の男は不敵な笑みを浮かべていた。 |
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第4章に続く |
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