50周年を連帯の機会に

 
 OB会会長 日吉 信晴(1972年卒)

戸山のフットボールは1950年春の創部以来、半世紀の歴史を刻んできました。タッチフット時代の関東制覇、アメフト転換後の都大会制覇と関東準優勝など栄光の記録は、われわれ戸山でフットボールに汗を流したOBの誇りです。しかし、その間には部員不足などさまざまな事情で廃部寸前に追い込まれたり、活動が沈滞したこともありましたが、その都度、15〜18歳の若いエネルギーがフットボールに高校生活をかけて、危機を乗り越えてきました。こうして、山あり谷ありの50年が戸山フットボールの歴史だったと思います。

50年の歴史は、チームの足跡であると同時に、各代の部員1人1人が心に残した思い出の集大成でもあります。卒業後は、今なおフットボールにたっぷりと漬かっているOBもいれば、フットボールから縁が切れて思い出の中にしか戸山が存在しないOBもいます。戸山とのつながりは、各OBによって千差万別です。だが、あの日あの時、戸山フットボールを背負った部員だったことは、皆共通しています。

先輩の熱き思いは下の後輩に引き継がれ、伝統が形成されます。それでも、半世紀の間、すべての活動を完全に見届けたOBはいません。歳月を経れば記憶もあいまいになり、若い世代は昔の話を知る機会もないまま戸山を卒業していきます。創部50周年を迎えるに当たり、各代の歩んだ道を世代を超えた共通認識にしようと、この「戸山フットボール50年史」編さんを計画しました。年史制作の経費捻出のため、多くの関係者から寄付金・広告料が寄せられました。同時に、各代に原稿の執筆を依頼したところ、1行1行から高校時代の息吹が漂う素晴らしい原稿が届きました。一読して、「みんな、そうだったのだ」と世代を超えた連帯意識が醸成されるならば、OB会としては、何にも勝る喜びです。


 

50周年はOBの努力のたまもの

 顧問 山田 邦吉

創部50周年記念を迎え、心からお祝い申し上げます。私は、平成6年度から顧問を務めており、今年で7年目になりますが,その間、2度の関東大会出場と公立高校の運動部としては、素晴らしい成績を残しています。これも、監督をはじめとするOBの方々の努力のたまものと心から御礼申し上げます。

5月14日に、横浜スタジアムで、大学早慶戦の前試合として早稲田高等学院と対戦、試合終了後、早慶両校から、50周年記念の素晴らしいトロフィーをいただきました。6月3日には恒例となっている伊原杯(今年で4回目)の表彰があり、ラインとバックの中から各1名がその栄誉に預かりました。伊原公男先生は、タッチフットの草創期と、アメフトの転換期に長らく顧問を務められ、部の基礎を築かれました。

その後、国枝、杉谷、桐生先生らが、その発展のため多大の貢献をされ現在に至っております。歴代の先生方のようにはできませんが、ここ3年間は、山田、小尾、津田、小暮の4人で顧問を務めさせていただいております。皆様方のご協力で、戸山高校グリーン・ホーネッツがますます発展いたしますよう祈念しております。