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二重跳びの指導10のポイント

TOSS茨城NEVER  臼井 崇

 どの子も二重跳びができるようになる10のポイントを紹介。


 二重跳びが全員できるようになるのに一番大切なのは友達ができた時に,一緒に喜んだり,できない子に教えてあげたりする学級全体の雰囲気をつくることである。

 休み時間などに自分で練習をしたり,教え合ったりするようになれば,多くの子は,二重跳びができるようになってくる。

 そこで,まず,二重跳びに意欲的に取り組む子がたくさんでてくる4つのポイントを紹介する。


1 二重跳びリレーをする。

 男女にわけて二重跳びリレーを毎時間2回戦ほど行う。男女にわけて行うほうが盛り上がる。一列に並び,一人ずつ順番に二重跳びを跳ぶ。ひっかかったら,次の子に交代していく。長く跳んでいたチームの勝ちである。

 ただし,「早く終わったほうの負け」ではなく,「遅く終わったほうの勝ち」にしなくてはならない。なぜなら,「早く終わったほうの負け」として,その時点で終わりにすると,勝ったほうは,全員が参加しないままで終わってしまうからである。全員を参加させるためには,「遅く終わったほうの勝ち」として,勝ったほうが終わるまで続けるほうがよい。勝敗は,例えば,「13人対9人で女子の勝ち」のように告げる。

 男女の人数差があるときは,人数をそろえる必要がある。例えば,男子が10人,女子が13人だった場合は,図のように,男子の前から3人が2回跳ぶようにして人数をそろえるとよい。


 男子 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10

   11  12  13

 女子 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13

 二重跳びリレーに勝ちたくて,休み時間に自主練習をしたり,できない子に教えあったりするような子がでてくる。また,二重跳びリレーの時に,自己最高記録を出す子が多い。


2 スーパーとびなわについてくるなわとび級表カードを使う。

 2人組みでペアを作らせて行う。


1.級に合格すると縄跳びにビニルテープを貼る。

2.名簿を掲示し,級に合格するとシールを貼る。

 級ごとにビニルテープの色を決めておくと,ビニルテープは,子供にとって,一種のステータスになる。なわとび級表に合格したくて,休み時間に自主練習をしたり,教えあったりする子がでてくる。


3 小さな進歩を教師が認め,励ます。

 休み時間などに練習をした子や,記録が少しでも伸びた子を認め,教師が一緒に喜ぶ。


4 全員二重跳びができたら,パーティーをすることを告げておく。

 全員できたら,パーティーをする。できない子へプレッシャーをかけるのではなく,温かい雰囲気で教えあったり,励ましあったりしていくことが大切である。


 以上の4つのポイントを押さえて指導しても,二重跳びができない子がいる。そのような子への指導のポイントをさらに6つ紹介する。



5 スーパーとびなわを使う。

 二重跳びができるためには,なわをはやくまわすことが必要である。スーパーとびなわは、ふつうの縄跳びよりも,柄が長く,なわが回しやすく作られているので,二重跳びをするときに,使うようにしたい。
 スーパーとびなわは,東京教育技術研究所(03(3787)6564 FAX03(5702)2384)から販売されている。


6 ジャンピングボードを使う。

 ジャンピングボードを使うと二重跳びが苦手な子でも滞空時間が長くなり,二重跳びができるようになりやすい。ジャンピングボードは耐水ベニヤで作ることができる。


7 長ズボンをはいていてもよいことにする。

 二重跳びに失敗すると,なわとびが足にあたって痛いので,縄跳びをするときは,長ズボンをはいてもよいことにする。


8 準備運動にリズム打ちを取り入れる。

 「跳ぶ」「なわを2回まわす」という2つの動作ができない子もいる。
そこで,まず,

・立ったままのリズム打ち
(立ったまま,太鼓のリズムに合わせて、「タタ」「タタ」と手をたたく)
・ジャンプしてのリズム打ち
(ジャンプをしている間に,2回体の前で手をたたく。目安は連続10回)

をする。次に,縄を使い,以下のことを行う。

・立ったままで,縄を「シュシュン,シュシュン」と音がでるよう2回ずつ回す。
・ジャンプして,縄を回す。(目安は連続10回)


9 30秒間に70回以上の一回旋1跳躍ができるようにする。

 石黒修氏は,二重跳びができる目安として,30秒間で70回以上(楽しい体育の授業1995年12月号p34 石黒氏論文)の1回旋1跳躍という目安を示している。
 毎時間30秒間に1回旋1跳躍70回以上に挑戦させるようにする。

1 30秒間,時間を計って跳ばせる。
2 出席番号順に跳んだ回数を言わせ,記録する。
3 70回以上の子は「合格」,70回未満の子には「よし」と言う。
4 もう一度30秒間,時間を計って跳ばせる。1回目よりも記録が伸びれば合格。
  どうしても,喘息などで体力がなく,記録が伸びない子がいる場合は,黙って,30秒を40秒くらいに伸ばして記録が伸びるようにし,やる気にさせる。
5 出席番号順に増えた回数を言わせる。ほとんどの子が増えているので合格になる。

二重跳びが1回できるようになると,次の太田式スモールステップ指導法も効果的である。

10 二重跳び連続10回できるように,太田式スモールステップ指導法で指導する。

 太田式スモールステップ指導法は,11のステップに分かれ、「易」から「難」へと細分化されている。
○・・1回旋1跳躍を1回跳ぶ ◎・・2回旋1跳躍を1回跳ぶ
ステップ1 ○-○-○-◎
ステップ2 ○-○-○-◎-○-○-○-◎
ステップ3 ○-○-○-◎-○-○-○-◎-○-○-○-◎
ステップ4 ○-○-◎
ステップ5 ○-○-◎-○-○-◎
ステップ6 ○-○-◎-○-○-◎-○-○-◎
ステップ7 ○-◎
ステップ8 ○-◎-○-◎
ステップ9 ○-◎-○-◎-○-◎
ステップ10○-◎-◎      (二重跳び連続2回)
ステップ11○-◎-◎-◎    (二重跳び連続3回)
(楽しい体育の授業(明治図書)2002年2月号裏表紙 太田式スモールステップ)


 10のポイントのうち,特に「30秒間に70回以上の1回旋1跳躍」への取り組みがポイントである。

 私の学級(5年生27人)で,「30秒間に70回以上の1回旋1跳躍」に毎時間挑戦させたところ,半年で全員二重跳びができるようになった。(ただし,3回未満の子が1人)



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