伊豆急8000系改造車両について
※2005年4月4日に営業運転開始編を追加
※編成表など、一部修正。
2004年6月に、東急東横線で新型車両の5000系などの導入によって運用離脱した8000系の一部車両が、伊豆急行へ譲渡されるため、改造工事を長津田工場で行う事になり、改造される車両が、デヤ7200系にサンドイッチとなる形で疎開先の長津田検車区から長津田工場まで、回送されました。
一番最初に回送された車両は、クハ8029+デハ8129+デハ8130+クハ8030の4両で、6月17日に回送されました。
デヤ7200系に牽引され、長津田工場へ回送される8000系。
こちらは、クハ8030の様子。
6月に長津田工場へ回送された車両は以下の通りです。(入場順)
クハ8029+デハ8129+デハ8130+クハ8030
クハ8035+デハ8155
クハ8011+デハ8111+デハ8112+クハ8012
長津田工場へ入場してから数ヶ月が経つと、デハ8155が先頭車化改造され、姿を現すようになりました。
先頭車化改造され姿を現したデハ8155。奥には室内改造中の8000系の姿も見える。
11月下旬頃に、赤帯のままで入場した8000系も赤帯を外し一旦、登場当時の姿となりました。その後、伊豆急カラーとなり、11月30日には、クハ8029+デハ8129+デハ8130+クハ8030の4両が、入場時と同じくデヤ7200系に牽引され、長津田工場を出場し、長津田検車区へ回送されました。
主な改造内容は、片側のみ従来のロングシートから、西武10000系から流用したとみられるクロスシートが設置された他、一部車両にトイレ設置のための準備工事、JR無線アンテナ・JR線対応のATSの取り付け、帯色の取替え等が行われました。また、デハ8155号車は先頭車化改造工事が施工されました。さらに、ワンマン化改造も行われた模様です。
なお、トイレの設置工事は伊豆急行が施行するものと考えられます。
伊豆急行向けの改造工事が終わり、デヤ7200系に連結され、長津田検車区へ出発待ちである
伊豆急カラーとなった8000系。
長津田検車区で留置中の8000系。車番はこの時はまだ、東急電鉄時代と同じままである。
車内の片側がクロスシートとなったのが見える。
12月14日・15日の甲種回送の数日前になると、8000系も改番が行われるようになりました。
※2005年4月4日修正・追加
伊東・熱海方 伊豆急下田方
改番前 |
改番後 |
クハ8029+デハ8129+デハ8130+クハ8030 |
クハ8012+モハ8202+モハ8102+クハ8002(T2編成) |
クハ8035+デハ8155 |
クハ8051+クモハ8151(T11編成) |
クハ8011+デハ8111+デハ8112+クハ8012 |
クハ8011+モハ8201+モハ8101+クハ8001(T1編成) |
※斜字:改番後の車号。
12月13日には、入れ替え作業が行われ、伊豆急行へ譲渡される8000系は長津田のJRと東急の連絡線に入線させるための準備作業が行われました。そして、12月14日に、6両が甲種回送されました。残りの4両(クハ8012以下4両)は12月15日に甲種回送され、八王子で併結し10両編成で伊東まで回送されます。12月14日の回送区間は、長津田から八王子までをDE10−1101号機が牽引しました。
長津田にて、新天地の伊豆急行へ出発を待つ伊豆急8000系。
先頭車化改造が行われたクモハ8151。
DE10−1101号機が8000系を連結しようとするところ。
連結が完了し、出発出来る状態に。
出発待ちをするDE10−1101号機+伊豆急8000系。長年走り続けた東急線ともお別れ。
12月14日はDE10−1101+クハ8001+モハ8101+モハ8201+クハ8011+クモハ8151+クハ8051の順で6両が回送された。(左が八王子寄り)
4両の8000系には、社紋が「IZUKYU CORPORATION」になった。
今回の8000系導入により、JRから113・115系を購入の上、塗色変更などの改造工事を行った伊豆急200系は、順次置き換えられるものと予想されます。
さらに、リゾート21で知られている伊豆急2100系のうち、黒船電車を含む初期車の動向も注目されるところです。
JRから購入した伊豆急200系。最終的には全廃が予想される。
伊豆高原到着編
12月13・14日の甲種回送後、数日間は伊東駅に留置された模様です。その後、伊豆高原電車区まで回送され、改造工事が行われました。改造工事の主な内容は、4両編成の車両にトイレの設置工事、自動密着連結器の取り付けなどです。
今後は、乗務員訓練などが行われるため、営業運転開始はもうしばらく先になる模様です。
※写真はいずれも1月17日に撮影。
伊豆高原電車区に留置されている伊豆急8000系クハ8002。自動密着連結器が取り付けられた。
クハ8002以下の4両編成には、クハ8002にT2編成と記載された。クハ8001以下の4両編成はT1編成で、クハ8051+クモハ8151の2両付属編成はT11編成の模様です。
クハ8002の運転室近くには、ATSの搭載を表す記号が記載された。
T2編成の伊豆急下田方から3両目のモハ8202には、トイレの取り付け工事が行われている。
伊豆高原電車区の様子。奥には入替専用車両として活躍する100系(クモハ103)の様子が見える。
営業運転開始編
4月1日より、伊豆急8000系は乗り入れ先のJR伊東線も含めて営業運転を開始しました。
伊豆急8000系は、ワンマン運転も行えるよう改造が施されており、8000系を充当する伊豆急線内の一部の列車(2両or4両で運転する多くの列車)では、ワンマン運転を開始しました。
なお、8000系営業運転開始によって、伊豆急200系に廃車が発生しました。
営業運転を開始し、JR熱海駅に顔を出した伊豆急8000系。スカートも取り付けられた。
JR伊東線で251系と顔を合わせた伊豆急8000系。
こちらは伊豆急8000系の室内。東急時代と比べて大きく変わっている。
モハ8200に設置された洋式トイレ。
室内に千鳥配置された案内表示装置。
LED行き先表示は、漢字のみとなっている。
伊豆急8000系の営業運転開始に合わせ、伊豆急線各駅には、ワンマン運転に対応するためにミラーが設置された。
運用離脱後、廃車となったJR113系改造の4両の伊豆急200系。
製作者より:伊豆急8000系の営業運転開始に合わせて、このページの更新も終了いたします。ご覧頂きましてありがとうございました。2004年6月の長津田工場入場より約10ヵ月後に、伊豆急8000系は営業運転を開始するようになりました。2005年4月現在も、長津田工場で改造中の8000系は、ありますが順次、入線するものと考えられます。
2005年4月時点では、JR伊東線へ直通する列車は少なく、伊豆急線内の運用が中心となっています。伊豆急8000系ならびに東急8000系に興味がある方は、ぜひ一度、乗車されてみてはいかがでしょうか?
2004年1月30日の東急東横線での営業運転最終日のクハ8035(現:伊豆急8000系クハ8051)
約1年2ヶ月後には大きく様変わりした伊豆急8000系・クハ8051。