しなの鉄道

しなの鉄道は1997年10月1日に、北陸新幹線(長野新幹線)高崎−長野間の開通によって、並行する信越本線の軽井沢−篠ノ井間(65.1Km)がJR東日本から切り離され、同区間を引き継ぐ形で開業しました。
しなの鉄道は開業後、利便性を考慮して篠ノ井折り返しを行わず、篠ノ井−長野間の信越線への直通運転を行っている他、列車の増発やファンクラブの設立、さらに夏季においてビアトレインの運転を行うなど積極的な経営努力を行っています。
車両はJR東日本より115系1000番台を3両11編成を松本運転所(現:松本車両センター)と169系3両4編成を購入しました。車両基地は開業後に新設された戸倉にあり、月検査等を行っています。全般検査等は屋代にある長野電鉄の工場にて行っています。(検査施行は長野電鉄の関連会社の長電テクニカルサービスが行う)
このうち115系に関しては、しなの鉄道開業日までに塗色変更を全編成で行う事が困難であった事から1編成を除いて長野色のままで、JRのロゴをしなの鉄道のロゴに変えて運転されましたが現在では全編成とも、しなの鉄道のオリジナルカラーに塗り替えられました。また、115系に関しては同社の経営改革の一環として、日中時間帯を中心に軽井沢−上田間にてワンマン運転が行われる事になったため、ワンマン化改造が施されました。主な改造は車外スピーカーの設置等が行われました。
一方で、169系に関してはワンマン化改造は行われず現在では小諸−長野間で活躍しています。また、朝・夕に運転される定員制のライナー列車である快速「しなのサンライナー」「しなのサンセット」号に用いられます。
JR東日本からは長野車両センター所属の115系が乗り入れます。しかし、JR車はワンマン運転に対応していない事から運用が限られています。この事からJR車は現在、小諸−長野間にて活躍しています。
また、西上田にオイルターミナルがあることから、西上田−篠ノ井間には貨物列車(タンク貨車)も走っています。

しなの鉄道色に塗色変更されたしなの鉄道・115系。車番はJR時代と同じ番号が用いられている。3両11編成全てがワンマン化改造が行われ、車内には広告用の液晶モニターが取り付けられた。なお、クハ115に設置されているトイレは、一部の編成を除いて閉鎖されているが、これはしなの鉄道に汚物処理装置が無いためである。

しなの鉄道で活躍する169系。115系と同様に、車番はJR時代と同じ番号が用いられていて、トイレは閉鎖されている。169系は今や貴重な存在となっている。

しなの鉄道へ乗り入れるJR東日本・長野車両センターの115系。列車番号が3000番台の列車に充当される。