想像を交えながら花びしの歴史を振り返ってみます


   
明治20年代に発行された引き札です.

 花びしは旅館と回漕業を兼ねていたことが分かります.

 門や玄関のあたりの雰囲気は私の記憶しているものと同じですが,右の間口の開いた建物は,何軒かの商家になっていて,その中の一つに釣り具屋さんがあって,子供のときは,よく通いました.

 裏手は桜川の河口になっており,右奥に見えるのは讃岐鉄道の多度津ステーションです.
その直ぐ左に,建物の陰になっていますが,風向計のようなものが三本見えますが,これは,測候所のようです.

 下の写真のように,当時の埋立図や写真などから極めて正確に描かれたものであることが分かります.
讃岐鉄道の駅舎が描かれており,この引き札は,明治25年以降に出されたことが分かります.おそらく明治20年代後半のものでしょう.

   
明治24年ごろの桜川埋立状況略図(多度津町史)
私鉄 讃岐鉄道(明治23年5月開通) 多度津駅 駅舎(多度津町史)
上の引き札に描かれている通りであったことが分かる
私鉄讃岐鉄道の国営移管に伴い,この駅舎もそのまま使用されていたが,大正2年観音寺線(現在の予讃線)により,現在地に新築移転した.
明治25年8月にできた多度津測候所(町立資料館)