朝日に周囲が照らされ始めてもなお薄暗い古城跡へ続く石畳の階段・・・ 苔むしたでこぼこの石段を滑らぬようゆっくり登り始める。五段位登った所で なにやら上方からこちらへ降りてくる小さい影に気づいた。二十メートルくらい離れ ているだろうか。黒猫だ。まだ若いのだろう細身で小柄”PUMA”のロゴマーク を想わせる。カッコいい。人に慣れているのか長いしっぽを左右に振りながら 堂々と階段中央を歩いてくる。僕から3メートル程の上段まで降りてきた。 「おはようニャン」と声をかける。聞こえないのか何事も無かったかのように僕の 左横をゆっくり歩き過ぎる。 「ったく、無視かよ!」ぶつぶつ独り言を言いながらまた登り始める。 「猫から無視…」ルー大柴ふうに言うと「キャットからスルー」…「キャット…スルー」 「”キャッスル”(castle)・・・お城だけに・・・」おもしろくない黒猫との遭遇の話でした。(^^;)ゞ
