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海話TALES OF SEA

サンゴの産卵ネタばらし

サンゴの産卵ネタばらし
僕もあと何年サンゴの産卵できるか?という年だし、どうでもいいことは情報公開(^O^)ネタばらしでもしてみよう。えっ大事なこと?、、、それは企業秘密(^O^)
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  • 『望』〜サンゴが読む言葉とは?〜
  • 『望』の何を、サンゴは読んでいるのか?
  • 『有効産卵・無効産卵』
  • もっともらしい仮説とデマ
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『望』〜サンゴが読む言葉とは?〜
2015年の予想から『望』という言葉を使っています。。実は10年以上前から予想に使っていましたが、公表はしていませんでした。そんな望の話・・・。


流石に今はもうあまり見かけなくなりましたが、サンゴの産卵に旧暦を使う人が多くいました。旧暦の何月に産むとか云々・・・。まったくバカな話です。

うちでは旧暦などサンゴの産卵始めて以来一度も使ったことがありません。
旧暦について調べればすぐにわかります。実は太陰暦ですらありません。太陰太陽暦というとても中途半端で不出来な暦なのです。イスラム暦のような完全な太陰暦なら太陽暦と組み合わせて使いようがあったんですが・・・太陰太陽暦にしたことで閏月ができてしまい、使い物にならない誤差の大きい暦になっています。ましてや閏月の扱いは地方によって異なるので地方によって今が何月か異なるという有様・・・。

サンゴが旧暦を読めるとでもいうのであろうか?
オーストラリアのサンゴも旧暦見てるってか!!!
そんな馬鹿なぁぁ〜〜

サンゴに限らず自然は、『暦』は読めません!自然の変化を読むのです。我々ガイドは暦ではなくサンゴが読む言葉を探すのです。

「だって暦って太陽や月の自然の変化を元に作るのじゃないの?」と思うでしょ?
暦を作る際の人間の都合で実際の自然の動きとの誤差が出ます。
太陽暦のように誤差が非常に小さい場合、暦と自然の変化がほぼ一致します。ミドリイシは座間味では5〜6月に産卵し、ある種のサンゴは7時50分頃産卵します。
しかし、旧暦のように誤差が大きい場合『旧暦の5月だから・・・』は、何の意味も持ちません。
まぁこれは昔話。今更、旧暦だとか使ってる人はいないでしょうから・・・(^^ゞ

で、、、『望』の話
実は『満月の日』というものも自然には存在しません。そのような24時間など無いのです。
みんな満月の日を基準にサンゴの産卵を語りますが、それは旧暦を使うのと同じく大きな間違いなのです。なぜならそんな特定の一日など自然には存在しないからです。暦だけに存在する1日なのです。

満月とは月と太陽の黄経差が180度の瞬間だけを指すのです。その満月の一瞬を『望』と呼びます。望を含む1日を暦上『満月の日』と言っているだけなのです。従ってサンゴは満月の日などという暦上の日は読めません。望を読んでいるのです。望がもたらす自然の変化を読んでいるのです。月の満ち欠けの変化は望を境界に変わります。
例えば2015年では、6/3が暦上の満月です。望は6/3午前1:19です。1日を夜の0時で区切るのは暦の都合で自然の変化ではありません。サンゴは1日を真夜中の0時で区切ったりはしません。サンゴにとっては6/3という満月の日は読める言葉ではありません、サンゴが読める言葉は望(6/3午前1:19)なのです。
従って暦上の満月の日を基準にサンゴの産卵を語ることは、旧暦を使うのと同じく実に馬鹿げたことなのです。望という自然の変化が基準なのです

たった1日の差だが、データを分析するにはとても大きな一日なのです。
今、特定の種や特定のグループについては、かなり産卵日が絞れそうです(仮説検証中だけど)そうなるとこの1日は大きな意味を持つのです。たった1日ではなくものすごく大きな1日なのです。

「旧暦の・・・」「中潮なのに・・・」「月齢が・・・」などと言ってる店は信用してはいけません。彼らはサンゴとは違う『暦』という言葉を読んでいます。僕らは、自分たちが分かりやすい言葉を読むのではなく、自然が、サンゴが語る言葉を見つけなければいけないのです。

僕が探している言葉がサンゴの読んでいる言葉であるかどうかは分かりません。ただ僕は人間の作った言葉は読まないようにしています。それはサンゴが絶対読めない言葉だから・・・。

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『望』の何を、サンゴは読んでいるのか?
サンゴの産卵は、望を基準に産卵日を同調させています。
ではサンゴは『望』自体を、読んでいるのでしょうか?
それは、『否』です。望は月と太陽の黄経差が180度の瞬間を指します。サンゴは太陽系の動きは読めるはずもありません。
望が引き起こす自然の変化を読んでいるのです。望を境に起こる自然の変化は潮汐力変化や明暗差です。

明暗差を読んでいるのでしょうか?
しかし雲の多さなどの天気による差が非常に大きく、ホントかよ?と思いませんか?大雨や台風の真っ暗な夜でもサンゴは生みます。水深の深い所のサンゴは、その明暗差を果たして読めるのであろうか?という問題もあります。
が・・・サンゴの見る光が僕らと同じではないかもしれません。
そもそも可視光線ではなく雲量などに左右されにくいUVAを認識するクリプトクロム(光受容体タンパク質)が概月リズムで満月認識しているのならば天気による影響をあまり受けず明暗差で満月を認識できるはずです。(100%居酒屋レベルの仮説)
ただこれはガイドのおっさんレベルでは検証できません(>_<)
(注意)
2007年頃、『クリプトクロムが光を感知し満月を知る、一斉産卵の謎解明』という論文が出て、新聞などでも大きなニュースにもなりました。しかしその論文内容とサンゴの産卵の検証は不十分で、今も、サンゴが満月をどう読み取っているのか?は謎のままです。解明されていません。
この件に関する参考ページ
http://goo.gl/kwgqO4

潮汐力変化をサンゴは読んでいるのでしょうか?
潮汐力変化自体ではなくそれが引き起こす潮位変化を読んでいるのでしょうか?
潮時表に乗っている予想潮位変化と実測潮位変化は気圧・暖水隗などにより変わります。実測潮位変化との関連も疑わしいのではないかと思っています。それは水圧差にも直結しサンゴが読めそうな言葉だからです。これならガイドのおっさんでも検証できそう?

しかし、水族館の水槽内でもサンゴはちゃんと満月基準で産卵します。水槽内には潮位変化・水圧変化がないじゃないか・・・おっと明暗差もUVA変化もないぞ・・・。
謎です。やはり謎です。彼らの読む言葉が何なのか?

と、最近思ってはいますが・・・その実測潮位変化などのデータを今から数十年分集めるには、もうおっさん過ぎるぜ(^O^)
若いガイドさんで、サンゴの産卵を本気でやってる人は、この辺のデータ集めると20年後面白いかもしれないなぁ〜〜と思うだけで、じいさんは仮説の実証や反証をあきらめて、過去のデータで来年からもサンゴの産卵を見るのであった〜〜〜〜

学者さんたちも頑張っているようなので期待〜〜
ドーパミンとサンゴの産卵に関する件
http://www.u-ryukyu.ac.jp/univ_info/announcement/data/press2013091701.pdf


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『有効産卵・無効産卵』

新月のミドリイシの産卵〜〜などという話を見る事があります。お客さんから質問されることもあります。
通常のミドリイシの一斉産卵は、満月前後です。新月に産んでいるミドリイシは新月に産みたかったのでしょうか?

実は新月に限らず満月の一斉産卵以外でミドリイシが産卵しているのは数多く見られています。僕自身も何度も何度も見ています。一斉産卵の1か月後。満月の1週間前・2週間後・新月・一斉産卵の翌日・数日前・・・ただ僕が見たものはいずれも小規模で1群体だけというものが多数です。

このようなイレギュラーとも思える産卵を一斉産卵と同等に扱っていいものなのでしょうか?データ解析上どう扱うべきなのでしょうか?

僕は産卵を『有効産卵』と『無効産卵』の2つに分けて考えるべきだと思っています。
感動的な産卵!!!産卵すれば大成功!!!と思ってしまいますが・・・それが大きな間違いです。生んでいる卵は未受精卵です。受精して初めて産卵が成功なのです。
すなわち同種の他群体と産卵を同調させなければその卵は捨てているのと同じです。

有効産卵とは、同種の他群体と同調した産卵・受精するであろう産卵・意味のある産卵・サンゴが意図した産卵のことを指します。一つの群体だけではなく周りで同種の産卵が複数確認されなければ有効産卵とは言えません。

無効産卵とは同種の他群体と同調せず未受精卵のまま腐るような産卵・意味のない産卵・サンゴとしては間違った産卵を指します。1群体だけの産卵はすべて無効産卵です。ごく少数だけの産卵も無効産卵と言えるでしょう。僕の知る限り一斉産卵から大きくずれた産卵はすべて無効産卵です。新月の産卵という話も無効産卵ではないかと思っています。

無効産卵については同調システムから外れたサンゴ・合図を間違えたリ見逃したサンゴが生むと思われ、そのようなものは産卵予想のデータとして採用してはいけないのです。また、産卵ツアーで狙ってはいけないのです。

下ネタじゃなくまじめな話・・・
人間で考えると無効産卵は、男の子のマスターベーション・女の子の毎月の排卵&生理と同じようなものです。受精卵を生み出しません。
赤ちゃんの出産時期を予想するのにマスターベーションした日や生理の日を基準にしますか?もちろん全く無意味です。受精日以外から出産日は予測できませんよね?
無効産卵を見て喜んでそれを次の産卵に予想に使うというのは、同じくらい無意味なのです。

そんなものをガイドが狙ってはいけません。
もちろんお客さんの立場でも無効産卵は狙う価値もありませんし、そもそも狙えません。

サンゴの産卵に限らず観察データというものには必ずこのような意味のないデータが混じります。データ量が豊富な場合このようなデータは量が少なく正しいデータの中に埋没していくため統計結果に大きな変化はもたらしません。

しかしサンゴの産卵のようにデータ量が少なく有意な統計結果が得られず、データから推測するしかない場合、データの取捨選択が非常に重要で大きな意味を持ちます。
無効産卵と有効産卵、この2つは非常に重要であると・・・僕は推測しています。今のところ、間違ってはなさそうです。

(P.S.もちろん僕が知らないだけで新月をきっかけに一斉産卵(有効産卵)する種類があるのかもしれません。もしそういうの見たことある人はぜひ教えてください〜〜)


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もっともらしい仮説とデマ
2015年のミドリイシの一斉産卵は満月の日(6/3)の2日前と1日前(望の晩と1日前)。満月前に生む確率は高くはないが、別に驚くべきことでもなんでもありません。
2004年にもあったし、1990年代末にもあった(データ記録不確実(>_<)。望の夜の産卵ならば2001年・2014年にも産んでいます。
つまり確率は低めだが過去に何度もある通常の出来事なのです。

しかし、こういう年には必ず、「水温は直前に急上昇したから産卵が早まった。」的なまことしやかやデマが飛び交います。そう、そんな物は語る価値のないデマでしかない!!!
水温や積算水温は、どの満月(望)を基準に産卵するかには使われます。だから毎年座間味では5〜6月なのです。しかし産卵期間中の産卵日の前後を関連付けるデータなどどこにもありません。それどころか反証データの方が数多いのです。積算水温が高いのに産卵日が産卵期間中の後半にずれることは多くのデータがあります。
もしそんなデマが正しければ産卵日予想なんて誰にでも簡単にできるじゃないか〜〜こんな苦労はしないぜ〜
実際ミドリイシじゃない特定のサンゴについては積算水温など全く関係がなく産卵期間中の産卵日が特定できるようなデータが出てきています。(正しいかどうかはいずれ時がたてば分かるが・・・)

水温に限らず天候・降雨を産卵日と関連付ける人がいますが、直前1週間や1カ月の積算水温との関連を示すデータなどうちにはありません、聞いたこともありません。荒れた海況・降雨・台風・大雨でもサンゴは生んでいます。そのような悪条件を避けるというデータはどこにもないのです。


仮説としては・・・
大雨直後は水面の塩分濃度が低下する。
従ってサンゴの卵は生存しにくいのではないか?
ならば、サンゴは生存確率が低い時には生まないのではないか?
結果、「大雨の日はサンゴは生まない」という仮説が出る。

検証としては
*1*
低塩分濃度下での卵の受精・生存確率が低いことを実証しなければならない。そうなければそもそも仮説の動機がなくなる。
*2*
サンゴがどうやって大雨を知るのか?というメカニズム解明が必要になる。明暗差などを感知して曇りでも産まなくなるのか?実際に塩分濃度低下を察知して産まなくなるのか?これは難しそう、産卵日自体も謎だから・・・雨はサンゴが読める言葉なのだろうか?
*3*
当然、実際の天気別に観測データでの裏付けが必要になる。

仮説を立てることは非常に重要です。これは間違いない。
サンゴは卵の受精・生存確率の高い時を選ぶのではないかという仮説は成り立つ。
しかし仮説は実証または反証しなければ意味がない。仮説のままだ。
そして仮説を実証も反証もせず、語るのはプロのガイドのやることではありません。
そんなのはあくまで仮説として居酒屋でやる面白話だ。(僕も居酒屋ではよくやるけど・・・(^^ゞ


水温が低かったから・・・水温が急に上がったから・・・台風だから・・・曇ってたから・・・雨降ったから・・・すべて人間が考えるとありそうな仮説です、しかしこの中にサンゴが読んでいる言葉があるのだろうか?
今の時点では実証されていない居酒屋仮説の域を出ません。
プロのガイドが語るべき事柄ではない。
そしてこの手の話は、サンゴの産卵期間中毎日海に行ってない奴から出てくる。
正直、ちょっとむかつく・・・(大人げないけど・・・(^^ゞ
デマを偉そうに語るな!!!ガイドなら海に行け!!!サンゴの語る言葉を探せ!!!


最近、今までのデータを3つのグループに分けて仮説を立てて検証しています。それなりにデータ数がたまってきたから色々やって見てる(^O^)
そうすると、仮説通りの興味深い傾向が一つのグループには見られる。また反対に残りの2グループには、見事に反証できてしまった(>_<)
将来あるグループの産卵については11日間よりもう少し期間の短い予想が立てられるかもしれない。
ただ20年じゃ絶対的データ数が足りなくて・・・数学的確かさには程遠い(-_-)さてこの仮説は単なるデマになるのか?それとも実証されるのか?

でももう僕もおっさんだ〜
もうそんなに長くサンゴの産卵をできるわけでもない(>_<)
見切り発車だが来年からちょっと仮説に基づく予想を出して検証してみよう〜
ただ、実証できるほどもう長くはサンゴの産卵は出来ないなぁ〜〜
みなさん〜〜僕が爺さんになる前に見に来てね〜〜