本文へスキップ

インザストリームは慶良間諸島・座間味島にあるダイビングサービスです。

IN THE STREAM

TEL.098-987-3020/昼不在です

〒901-3402 沖縄県島尻郡座間味村座間味369

 

海話TALES OF SEA

1mの間の生と死


命を懸けて何かをしたこと有りますか?本当に生死をかけて・・。


夕方、ケラマハナダイが『本気の求愛』をしてました。普段の求愛行動は、メスを押さえつけるような激しさを感じさせるオスの『示威行為』っぽいのです。しかし、実際に産卵のためにメスを誘っているときは、メスを上に誘い出すかのような華美さと優しさを感じさせる『プロポーズ』です。


プロポーズが成功するとオスはメスを伴い1m程上へ昇りそこで産卵放精を行いもとのグループへとダッシュで戻ります。(1対1です。)


しかしその時は・・産卵放精と同時に『バン』と言う波動と共に50cmばかりの小さなイソマグロがアタックを懸け、どちらか1匹を捕食。当然他の魚はすべて根に隠れて産卵のため逃げ遅れた1匹が捕食されました。
 すぐにイソマグロは泳ぎ去り他の魚たちも根から出てきて何事もなかったかのように元に戻りました。ただ少し離れたところに卵と精子が流されていくのが白くぼんやりと見えているだけ・・。


ケラマハナダイは砂地に根にすみ普段から策餌のため根から3〜4m上を泳いでいます。その距離は襲われても根に戻れる安全圏。卵をより安全なところに放つ為のさらなる1m。彼らはその1mに『自らの死』と『次の生』を賭けているのです。たったの1mの距離に・・。


よく見て下さい。ヤシャハゼの餌を食べるとき穴から離れる10cmを・・クマノミが卵を守る姿を・・オドリカクレエビのダンスを・・ジョーフィッシュが穴から飛び出る1秒間を・・じっと動かないエソやコチの時間を・・タカサゴの周りを回るイソマグロを・・


すべての生物が追い求め、そしてほぼヒトのみが手に入れたもの、それと引き替えに僕らがなくしたものを彼らは持っています。僕らが無くした『1m』の代わりに背負った悩みの答えも持っているはず・・。