TTL調光+調光補正とマニュアル発光+手動調整についての比較表です。
これを見ていただけると撮れる写真が全く同じであることがわかると思います。
フラッシュ・S2000、2灯
ニコンD7500・
ライト無し
●マニュアル発光は、フル発光から最小発光まで1EVごとに6枚撮っています。
●TTL調光は、ニコンのカメラの露出補正部分、-5~+5の10EV分だけ、1EVごとに11枚撮っています。調光補正・フラッシュの補正分は撮影しても無意味なので割愛。
●キャノンの方は、TTLの-4.5EV~+3.5EVの部分だけ見て下さい。通常は調光補正だけで運用している方は、TTLの-3~+3の部分だけで比較して下さい。
| F8・SS1/250・ISO100 ・ごく普通の撮影の場合 | |||||||||||
| TTL | |||||||||||
| -5EV | -4EV | -3EV | -2EV | -1EV | 0EV | +1EV | +2EV | +3EV | +4EV | +5EV | |
| マニュアル | |||||||||||
| GN3.0(-5.5EV最小発光量) | GN5(-4EV) | GN7.1(-3EV) | GN10(-2EV) | GN14(-1EV) | GN20(FULL) | ||||||
| 解説 | TTLの-3EVより下は、写真の明るさが一緒ですね。ヒストグラムも変わりません。 -3EVで最小発光量に達したためそれより下は同じ最小発光量のままです。 |
TTLの+4と+5は最大発光量に達したため同じです。 | |||||||||
| 解説 | イノンのフラッシュは、マニュアル発光の最小発光量がGN2.4~と4.1と大きいです。TTL調光の方がマニュアル発光よりも最小発光量が少なく出来ます。TTL調光の方が優秀です。 そのためTTL調光の方がよりローキーな写真が撮影できます。 SEA&SEAのD2は最小発光量がGN1なのでこのような差は出ません。 |
マニュアル発光で白い砂地を入れてしまったためよりハイキーに見えますがクマノミの体はTTLの場合と同じくらいでしょうか? これは僕のミスです(^^ゞ |
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| F3.5・SS1/250・ISO100 ・絞り解放の場合 | |||||||||||
| TTL | |||||||||||
| -5EV | -4EV | -3EV | -2EV | -1EV | 0EV | +1EV | +2EV | +3EV | +4EV | +5EV | |
| マニュアル | |||||||||||
| GN3.0(-5.5EV最小発光量) | GN5(-4EV) | GN7.1(-3EV) | GN10(-2EV) | GN14(-1EV) | GN20(FULL) | ||||||
| 解説 | TTLの-2EVより下は、写真の明るさが一緒ですね。ヒストグラムも変わりません。 -2EVで最小発光量に達したためそれより下は同じ最小発光量のままです。 |
クマノミの白い帯は、ここから完全に白飛びしています。 | |||||||||
| 解説 | マニュアルの-5.5EVよりもTTLの-4・-5の方が少し暗いのは、最初の表と同じで最小発光量の差です。 | 写真としては、ハイキー過ぎて崩壊。 | |||||||||
| F22・SS1/250・ISO100・かなり絞った絵コンテの場合 | |||||||||||
| TTL | |||||||||||
| -5EV | -4EV | -3EV | -2EV | -1EV | 0EV | +1EV | +2EV | +3EV | +4EV | +5EV | |
| マニュアル | |||||||||||
| GN3.0(-5.5EV最小発光量) | GN5(-4EV) | GN7.1(-3EV) | GN10(-2EV) | GN14(-1EV) | GN20(FULL) | ||||||
| 解説 | 写真としては、ローキーな絵コンテを超えて、崩壊しています。 | 最大発光量に達しているためTTLで調光補正をかけても同じ明るさです。 | |||||||||
| 解説 | TTLの+4・+5が逆に少し暗いです。 +4が+3より暗いのは、測光のばらつきですね。この写真は暗いイソギンチャクと白い帯と明暗差が大きい写真ですので、TTL的には測光がばらつきやすい条件です。僕はもっとばらつきが出るかと思いましたが・・・説明しにくい精度の良さ(^O^) +5はクマノミの顔が少し小さいです。距離が遠いためアンダーになっています。 |
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ここまで見ていただければわかるように
ニコン・ソニー機では理論的に100%この都市伝説は真っ赤な嘘になります。
上記のようにカメラの露出補正分-5~+5だけでマニュアル発光の調整幅を上回っています。さらに調光補正とフラッシュで-3.5~+1.5の補正幅が余っています。余裕ですね。
それどころか、INONの場合(少なくともS2000では)、最小発光量はマニュアル発光よりもTTL調光の方が小さいため、幅広い表現が可能です。
キャノン機では、やはりマニュアル発光よりも補正幅が小さい部分があります。
しかし-4.5EV~+3.5EV、カメラの調光補正だけの-3~+3EVだけを使う場合でさえ、それ以上は過度の露出オーバーか過度の露出アンダーになっています。
キャノンが-3~+3EV以上を不必要としている理由はこれを見てもらえればわかります。
上記の表の中でキャノンのTTLでは撮れないがマニュアル発光にすれば撮れる写真は、下記です。
もしこれがあなたの絵コンテならば、あなたにはキャノンのTTL調光では撮れない写真があります。そしてその絵コンテが多いのであれば、キャノンのTTL調光はだめです。使い物になりません。マニュアル発光しましょう。
これがあなたの絵コンテですか???撮りたい写真ですか???
晴れ・水深10m。青い自然光量は多め。被写体までの距離、1.5m。
インジケーターで0から少し+の状態。本来自然光だけで適正露出状態です。
強制発光したフラッシュは、TTLで0EVの時最小発光量です。
TTLとマニュアル発光で実際の明るさを比較するとTTLの方が同じEV値ではより明るくなっています。
同じ明るさでは、TTLの方が小さいEV値です。
●マニュアルの場合、機械の内部で、絶対値でGN値が指定されて光ります。どのような状況でも発光状態は同じです。環境には全く左右されません。実際の明るさがEV値のように変わらなくても関係ありません。
●TTL調光は、光りながら測光します。0EVの基準発光量自体が、光ながら測光され決まります。そして調光補正値が+2EVの場合、+2EVになったと思うまで発光続けます。GN値はがいくらであるかは関係ありません。(だと思う・・・。)
通常、この2つは同じです。だから今までの表では、同じでした。
しかし今回の撮影は1.5m離れたフラッシュがほとんど届いていないというフラッシュ撮影にあるまじき条件です。
従って・・・
●マニュアル発光では、GNが増えても、EV値の変化ほど実際の写真の明るさは変化していません。距離が遠いためGN値が上がって発光量が多くなっても、写真はあまり変化していません。
●TTLでは、理論上のGN値関係なく、設定EV値に達したとカメラが判断するまで光ります。従って、発光量が上がって行きます。
これは絶対値指定か、相対値指定かの差ですね。
ええ~~っと・・・
本来、ここはキャノンの調光補正量ではマニュアル発光のようには補正出来ない特殊な例の紹介をするつもりでした。
●TTL調光のフラッシュ発光量がカメラの考える適正露出では最小発光量である場合、調光補正+3.5EVをかけても最大発光量にはなりません。マニュアル発光ではフル発光できますが、TTL調光ではフル発光させられません。
でも、こんな絵コンテ撮りたいですか???のコーナーでしたが・・・
僕も知りませんでしたが・・・TTLでは、発光量が上がるため、最小発光量から+3~+4EVで、最大発光量(フル発光)に達してしまっていますね。
マニュアル発光でもTTL調光でも同じ写真が撮れちゃいましたね。同じように補正出来ちゃいました。逆に困ったけど・・・キャノンユーザーには良いことです。
下に2例上げておきますが、他に違う環境違うデータで数種撮りましたが結果は同じでした。
ただし、マニュアル発光はいつでもこの表と同じですが、TTLの方はカメラメーカーによっても変わる可能性はあるかも?
さて・・・ちょっと困りましたが(^^ゞ
今回の撮影ではありませんでしたが・・・
このような特殊な例では、キャノンの場合、TTL調光+調光補正では最大発光量に到達せず、マニュアル発光のフル発光より、青被りや色の出方が悪くなる可能性はあります。
しかし、これがあなたの撮りたい写真ですか?あなたの絵コンテですか?
| F2.8・SS1/250・ISO100 | ||||||||
| TTL | ||||||||
| -1EV | 0EV(最小発光量) | +1EV | +2EV | +3EV | +4EV(最大発光量) | +5EV(最大発光量) | ||
| マニュアル | ||||||||
| GN3.0(-5.5EV最小発光量) | GN5(-4EV) | GN7.1(-3EV) | GN10(-2EV) | GN14(-1EV) | GN20(FULL) | |||
| 解説 | TTLの-1EV以下は同じため省略 | |||||||
| 上下の写真の明るさ比較は、見た目だけではアバウトなのでヒストグラムでちゃんと比較していますので、まぁ正しいと思います。 | ||||||||
| F5.6・SS1/250・ISO100 | ||||||||||
| TTL | ||||||||||
| -1EV | 0EV(最小発光量) | +1EV | +2EV | +3EV(最大発光量) | +4EV(最大発光量) | +5EV(最大発光量) | ||||
| マニュアル | ||||||||||
| GN3.0(-5.5EV最小発光量) | GN5(-4EV) | GN7.1(-3EV) | GN10(-2EV) | GN14(-1EV) | GN20(FULL) | |||||
| 解説 | TTLの-1EV以下は同じため省略 | |||||||||
| 上下の写真の明るさ比較は、見た目だけではアバウトなのでヒストグラムでちゃんと比較していますので、まぁ正しいと思います。 | ||||||||||
さて気を取り直して・・・次へ・・・
減感・NDフィルター・F値を上げることによる写真の変化。(NDフィルターは減感と同じなので省略)
| F2.8・SS1/250・ISO100 | ||||
| マニュアル発光 GN10(-2EV) |
マニュアル発光 GN14(-1EV) |
減感LO.1 TTL調光+2EV |
F5.6・TTL+2EV | F8・TTL+3EV |
| ●マニュアル発光のフルは白飛びがひどいためGN10とGN14で比較します。 ●比較対象は、僕の適正露出だと思うもの(+2EV~+3EV)を選びました。 |
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| さて、この5枚のどれがきれいでしょうか? 青被りが軽減されているのは? 色の出方が良いのは? |
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| F5.6・SS1/250・ISO100 | ||||
| マニュアル発光 GN14(-1EV) |
マニュアル発光 GN20(FULL) |
減感LO.1 TTL調光+3EV |
F8・TTL+3EV | F11・TTL0EV 近づいて撮影 |
| ●マニュアル発光のGN14とフル発光で比較します。 ●比較対象は、僕の適正露出だと思うもの(+2EV~+3EV)を選びました。 |
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| さて、この5枚のどれがきれいでしょうか? 青被りが軽減されているのは? 色の出方が良いのは? |
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どうですか???
マニュアル発光もTTL調光も全く同じでしょ???
脱会出来ましたかぁぁ~~(^^♪
そもそもこんな説明の前にですね。キャノンもニコンも世界に冠たる2大メーカーですよ。
その製品の性能を疑う前に自分の知識を疑うべきですって・・・
少なくとも取説くらい読んでから・・・ねっ。