亥の子 砥部・久谷の年中行事
亥の子のボウ 右端を手で持って地面をうつ。
2001年11月8日(木)に久谷地区(荏原小学校区)で、同11月10日(土)に砥部地区(麻生小学校区)で、亥の子の行事があった。
亥の子は、旧暦10月亥の日に行われる収穫祭の一つである。この日に田の神が去っていくと信じられている。子どもらが石に縄をつけ、あるいは稲わらを固めた束(写真参照、父兄の方から予備のものを寄贈受けた)で組中を回って門先で地面を打つ、亥の子つきをする。また、猪は多産であることから子孫繁栄を祝うためという。このとき、子どもらは亥の子のうたをうたう。文句は愛媛県下ではいろいろあるが、私たちの校区では、「大黒さん」型の文句である。しかし各組中(地区)では多少の違いもあるようです。
下記の地区のうち、砥部町麻生地区では、亥の子石でうつ。砥部町上原町では1999年まで亥の子石を使っていたが、子どもの数が減ったため現在は「亥の子ボウ」を使っている。荏原小学校区では、すべて「亥の子のボウ」を使っている。
亥の子のうた
A.荏原小学校校区
@ 松山市今市地区
(班長)いせいのうで いのこ いのこ おいのこさん いわいましょ。
一(いち)から始まって 二でにっこり笑って 三で酒つくって 四で世の中よいように
五(いつつ)いつものことくなり 六つ無病息災に 七つなにごとないように
八つやしきをたて広げ 九つこくらをたてならべ 十(とう)でとうさまお祝いだ。
すってんとん すってんとん 来年もお米ができますように はんじょうせい はんじょうせい。 (2001.11.13荏原小5年男子から聞き取り)
A 松山市今市地区のもう一つの亥の子のうた
いちにのさん
えいからやっこー えいやっこー
ことしもほうれい らいねんも−
つづいてほーれい らいねんも−
このいえはんじょせ はんじょせ はんじょせ はんじょせ(2001.11.13荏原小6年男子から聞き取り)
B 松山市高尾田・広瀬地区
(班長)おいのこさんというひとは
一(いち)たらふんまえて 二でにっこり笑って 三で酒つくって 四つ世の中よいように 五(いつ)ついつものことくなり 六つ無病息災に 七つなにごとないように
八つやしきをたてならべ 九つこむらをたて広げ 十(とう)でとうとうおさまった。
おいえがはんじょうするように まだまだはんじょうするように (2001.11.13荏原小6年男子から聞き取り)
B.麻生小学校校区
@ 砥部町上原町
おいのこさーんというひとはー
いっちんたらーふんまえてー にーでにっこりわ−ろ−て− さ−んでさーけつくってーよーんで世の中よいようにー いーつついつものことくなりー むっーつむよーそくさいにー ななーつなにごとないよーに やっーつやしきをたてひろげ ここのつこぐらをたてならべ とーでとうとうおーさめた。
こーのーいーえはんじょうせー こーのーいーえはんじょうせー おいわいやーれやーあれ。 (2001.11.13麻生小5年女子から聞き取り)
A 砥部町麻生
おいのこさん いわいましょ。
1からふっまえて 2でにっこり笑って 3で酒作って 4つ世の中よいように 5ついつものごとくなり 6つ無病息災に 7つ何事ないように 8つ屋敷を広げ立て 9つこくらを立てなおし 10でとうとうおさめた。(2001.11.13 砥部中3年男子から聞き取り)
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