天才!右院堂さんによるコラッツの予想の証明!?
しもまっち
右院堂さんという方から、私のページに次のような書き込みをいただきました。
右院堂 |
2002/11/26 16:40:45 |
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はじめまして、右院堂と申します。 |
彼のコラッツの予想に対する取り組みは非常にユニークです。私も何人か近くにいる仲間に、凄い人がいるよと紹介したのですが、彼の書き込みの内容だけでは、その「天才」性ゆえ、なかなか理解できる人がいませんでした。私も彼のきちんとした証明を見たことがないのでなかなかコメントができないでいるのですが、とりあえず、私なりに彼の手法で感心したことを書きとめておきたいと思います。これを見ただけでも、この証明の手法の簡素でユニークなところがわかると思います。
ポイント
彼の書き込みにある式を少しきれいにかくと次のようになります。
ここで、T式は、すべての奇数の集合と1対1に対応しているというのが彼の主張です(証明済)。わかりやすいように、エクセルで表にしてみました。縦にaの値、横にmの値をとりました。各列の数列は、公差が2m+1の等差数列になっています。
続いて、U式の方は、6n+1 型または6n+5 型の奇数を表しています。これもエクセルで表にしてみましょう。各列に着目すると、2種類の数列が交互に現れていることがわかります。
どんな奇数も3倍して1を加え、その後何回か2で割れば、表Bの数列のどれかになります。この表Aと表Bを見比べていくことによって、右院堂さんの考えが理解できると思います。具体例でやってみましょう。
例えば、ある奇数として、「17」を考えることにしましょう。これは、表Aの2行2列のところに(のみ)現れていることがわかりますね。さて、これを今度は表Bに照らし合わせます。表Bの2行2列目の数は13です。これは、17が、17→52→26→13と変化することを意味します。また、列番号は、2で割る回数を示しています。
次にこの13を表Aから見つけます。1行3列にありますね。これと対応する表Bの値は5です。つまり、13からの変化は5になり、その間2で3回割っているということです。
13→40→20→10→5ですから確かにそうです。
次に5をA表から探します。1行4列にありますね。これに対応するB表の値は1です。
つまり、5からは4回2で割るパターンを経て1に至るということを示しています。
いくつか、具体的な例でやってみて下さい。
このように2つの表をいったりきたりする写像を用いて、コラッツの予想を考えるというのが彼の驚くべき手法です。彼は、この連続写像が、1→4→2→1以外にループしないことをうまく示すことで「すべての奇数は何回かのステップで必ず1に辿りつく」ということを主張しています。
以上、浅はかですが、私なりの理解を述べました。右院堂さんのこのアイデアはとても凄いと思います。わかりやすくまとめられて発表されればいいのではないでしょうか(もうされているかもしれませんが)。
最後に、私が1999.10.31に書いたもので、私のHPにも載っているものですが、一つの疑問を述べておきます。
コラッツの予想を次のようにいいかえることができる。
@すべての自然数はコラッツの操作上必ず周期的である。 Aすべての自然数はコラッツの操作上必ず1→4→2→1の周期を持つ。 |
さて、上のAが証明の重要なポイントで、ここが証明されればコラッツの予想を示したことになるような気がするが、本当にそれでいいのだろうか。
@ については、下図からわかるとおり、奇数を3倍して1を足した後は必ず偶数になり、2で割ることになるので、無限に発散していく系列はありえないと思える。確率的に考えれば確かにそうである。
ただ、ここでは、「発散する系列がない⇔周期的である」ということを前提としているが、これはだいじょうぶなのだろうか。発散せずに、なおかつ周期的にもならずに、異なる自然数を無限に取り続けるということは、ないだろう。でもどうやって証明するのだろうか。