相似拡大される11種類のピース

 これは、広島の中原さんが発見したものです。私のほうでその話の紹介と、簡単な証明をしてみました。 

 ヘキソミノは全部で35種類あり、35は、3512+32+52 と分解できる。このことから、35個の全ピースを使って、あるピースと、辺を3倍に相似拡大(面積は9倍)した図形と、5倍(面積は25倍)に相似拡大した図形とに表すことができる(図の左から3つ参照)。


(一方、35=621 ともできることから、あるピースを6倍に相似拡大した図形を、1個のピースを除いて作ることもできる(図の一番右参照))。

これは、35種類のすべてのピースで可能なことではなく、上図のようなピースの他、全部で11種類のピースでしか作ることはできない。


35個の各々のピースを市松模様で塗り分けてパリティチェックすると、上図のように、2−4型のピース11個と、3−3型のピース24個に分かれる。

今、下図のように、3−3型のピースで3倍拡大、5倍拡大の図形を作ったとしよう。このとき、それら2つの図形の白黒の個数は明らかに同数である。

ところが、3−3型のピースは24個で、最初にその1個を使っているから残りは23個である。すると、3倍図形、5倍図形の一方は必ず3−3型のピースは偶数個になってしまう。つまりそこでは、何個かの2−4型のピースと、偶数個の3−3型のピースの組み合わせなので、白も黒もともに偶数個になってしまう。


3倍の図形のセルの個数は9×6=54個、5倍は25×6150個なので、白も黒もどちらも奇数個でなければならないので、これは不合理である。

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