シマリスのロシアの印象その1
〜モスクワにおける日本料理店の考察〜
シマリスはある日、友達とモスクワの日本料理店へ行った。
留学5ヶ月目にして、日本料理が懐かしくなってしまったので、
2000円ぐらいでおなかいっぱい食べられるというある店へ行った。
そのときの考察であります。
一般的に、外国においては(シマリスの知るところではヨーロッパ)日本料理というものは概して高級料理である。
日本でフランス料理とかまともに食べると高いのと同じで。
なぜ高いかというと、(シマリスの勝手な解釈ですよ、もちろん)
・とにかくトレンドだから。
・材料費が高い。日本の食材は特殊なものや新鮮さを重視するものが多い。
↑この記述はあとですることにする。
・もちろん材料費だけではなくて物価そのものが高いので、外国に行くとさらに高くなる。
・国によっては、新鮮な生魚を調達することが非常に難しい。(たとえばロシアとかね)
からである。よって、日本料理@外国は高級料理扱いされるのである。
では具体的にどれぐらい予算がかかるのかというと、(モスクワの場合)
店によって大差があるので一概には言えないが、
日本から来た留学生が利用するレベルの店だと、だいたい2000円(500ルーブル、約20ドル弱)くらい。
だけど、ガイドブックに書かれている店だと、最低倍の40ドルから高いところでは100ドルオーバー、
つまりは1万円以上かかる店もあるのである。味もピンきりだという意見もあるけど、
シマリスが行ったところは結構おいしかった。
さて、問題の店の様子だが。
まず、ロシアで日本のスタイルを崩さないためには、いくつかの相違点をクリアしないといけない。
大きく異なるのが、「サービス」に対する概念である。
ロシアは知っての通り、もと社会主義国であるがゆえに、「サービス」というものは必要でなかった。
今は市場経済を導入しているが、やはり人々に根付くサービスという概念はとても小さい。
そんなロシア人が、日本式サービス過剰スタイルをとることができるかというと、
結構難しいのではないだろうかと思われる。
だから、サービスという点だけ取って言うと、日本よりはやっぱり低めになってしまうけど、
ロシアにしてみればかなり進んでいると思われる。
ロシアのサービスに関する考察はあとですることにする。
客層であるが、やはり金持ちが多い。ロシア人のね。
だってみんなおしゃれだったし。なんか金持ってるなぁって言う人ばっかり。
携帯なんか当たり前だし。いや、どこの国でも当たり前かもしれないけど、
ロシアの携帯は日本の新規購入価格と同じぐらいするのである。(下手したら高いかも)
経済水準はもちろん日本のほうが高いので、携帯なんてロシア人には本当に高嶺の花である。
でも、店にはそんなロシア人ばっかりで、ジャカスカ携帯なってるし。
やはり高級料理店なのだろうなぁと。そんなのもっと高いところに行ったら、
ロシア人じゃなくて、外国人しかいないのではなかろうか???
何を頼んだかというと。
1.刺身の盛り合わせ。
2.牛丼
3.カツどん
4.焼きうどん
5.豆腐ステーキ
6.ラーメンサラダ
7.鉄火巻き
8.餃子
が、ご飯系で、
9.カクテル(コーラウイスキーとカミカゼ)
10.お茶(レモン入り煎茶と普通の緑茶)
が飲み物である。
えーと、牛丼以外のすべてはあたりでした。
刺身とか本当に日本で食べるのと変わらなかったし。
微妙にラーメンサラダとかあったりして。でも冷麺みたいでおいしかったよ。
で、牛丼は何がはずれだったかというと。
みなさん、牛丼といえば何を想像しますか?
普通は、牛の薄切り肉とたまねぎをいためて、いとこんなどいれてだしで煮て、
それを熱いご飯の上にぶっかけたものを想像しますよね?
違うのです。ここの牛丼は牛肉の炒め物がご飯の上にのっかっているのです。
友達いわく、「シャシリク*食べてるみたい」だそうな。
*シャシリクとはコーカサス風バーベキューといったところでしょうか。
なんでそういう発想に行くかなぁ。そういうのがロシア人くさいかも。
とまぁ、こんな感じです。めったにこんなコンテンツかけないぞ!というので、
書いてみました。感想、質問などございましたら、
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注:なぜ日本の食材が特殊であるか。
それは、実はほかの国では(アジアの国には似たようなものはあるけど)
みそ、しょうゆ、だし(魚やきのこ、海藻のね)、みりんは使わない。
そもそも大豆をわざわざ発酵させてペースト状にしたものや、
魚とかきのこなどをわざわざ乾燥させて、
それをまたお湯でもどしてスープを作るなどという概念が日本にしかない。
ヨーロッパ諸国では、スープというものはもちろんあるけど、
大概の場合、それはいわゆるブイヨンのことを指します。
みりんにしても、わざわざ甘く味付けをしたお酒を料理に入れるという概念がない。
日本ではそれをごく当たり前のようにやっているけど、
実はこれ、ものすごく特殊です。
ゆえに、日本料理は材料の調達が難しく、特にモスクワのような内陸部では、
新鮮な魚を調達することも難しい状況になります。
刺身、すしは素材の新鮮さが命ですから。
それゆえ、日本料理はコストがかかりすぎるので、高級料理じゃん、という値段しかつかない。
というのが、シマリスの見解です。