クラリネットってどんな楽器?ということですが。
分類上は、「木管楽器」に属します。管体が木でできているのですが、
この木はなんじゃいというと、黒檀(グラナディラ)です。
その名のとおり、真っ黒な木です。かなり硬いです。
聞いた話ですが、確か碁盤に使われるのが黒檀だそうです。(不確かな話)
また、中には黒檀ではなく、ローズウッド(茶色)、金属(メタルクラリネット)、
プラスチック(いろいろな色があります)、樹脂(外で吹いても割れない)
などでできているものもあります。
構造ですが。簡単に分けて5つの部分に分けることができます。
1.マウスピース
2.バレル(たる)
3.上管
4.下管
5.ベル
*ただしEsクラリネットには上下管の区別無し。
これらを全部くっつけてひとつの長い管にします。
発音のための機構はマウスピースですが、これに葦でできた、
1枚のリードをリガチャーと呼ばれるネジでぐるぐるとしめて固定します。
リードとマウスピースの間には髪の毛1本分ほどの隙間があり、
この隙間に息を入れることでリードを振動させ音を出しますが、
マウスピースにリガチャーでリードを固定して、バレル以下をつけないと、
ピィ〜ッ!!!という甲高い音がします。これが、バレル以下がつくことで、
甘くまろやかな音色になります。管の中のいろんなところに音が反射して、
倍音(周波数の異なる音の集団)が含まれる割合が異なることによって、
まろやか度が変わってきます。これは主に吹き方とリードの状態によりますが。
一般的に、倍音成分がたくさん含まれるほど、甘くまろやかな音色になります。
クラリネットは実は大家族さんで、いろいろな種類の楽器が存在します。
一般的にオケやブラスバンドで使われるのは、
俗に「ベークラ」というBクラリネット(管の調が変ロ長調)
「アークラ」というAクラリネット(イ長調)があります。
吹奏楽でクラリネットの高音域を担当する「エスクラ」というEsクラリネット(変ホ長調)もいますし、
「ツェークラ」(ハ長調)、「デークラ」(ニ長調)もいます。
この方たちは長さと大きさがちょっと違うだけで、基本的な形は同じです。
さらに、普通のクラリネットさんよりでかい軍団がいます。
アルトクラリネット(調性は変ホ長調)、バスクラリネット(調性は変ロ長調)です。
バスクラにはでかいのとちいさいの、ふたりいます。何が違うかというと最低音が違います。
いとこに当たる存在で、バセットホルンとバセットクラリネットというのがいます。
バセットホルンはアルトクラリネットと似たような形をしています。
ホルンって名前がついてるけどクラリネット一家の一員です。
バセットクラリネットは、アークラの最低音より長3度低いドまで出ます。
これを使うと、モーツァルトのかの有名な、「クラリネット協奏曲」を彼が書いたとおりに演奏できるそうです。
大きさはアークラよりちょっと長くてキーがいっぱいついてます。
クラリネット一家さんは、実はドイツ生まれのものとフランス生まれのものの2家族います。
ちなみに日本で主に使われるのは、フランス生まれの方です(ベーム・システムといいます)
ドイツ生まれのものが、俗にドイツ管といわれるもので、
指が少しフランスさんと異なりますが、仕組みや音色は全然違います。
ドイツさんはかなり深みのある重い音色です。
このドイツ管は、マウスピースにリードをくっつける時に、
リガチャーではなくひもでぐるぐると巻きつけます。マウスピースにもひもの溝があります。
リードも少し小さいです。
ちなみに、クラリネットの現物は、こちらのサイトでご確認ください。
おもしろいですよ。