ソフト・キーボード入力方式

以下の2つはPDA(電子手帳)用にソニー・コンピュータ・サイエンス
研究所の増井俊行氏が開発したものである。これが、インテリジェント紙
の入力方式として主流になるのではないかと個人的に思っている。

・予測候補表示方式(POBox)
  「け」と入力したところで、過去入力した「け」で始まるものを、候
  補として表示する。「研究」「計算」「今朝」など。「研究」を選択
  すると今度はそれに続くものの候補が表示される。「は」「科」「者」
  など。

・ペンスライド方式(PalmKanaKB)
  ある文字にペンを置いて、それを上か下か右か左に動かすことによっ
  て、文字の入力を楽にする。例えば、「せ」にペンを置いて、下に移
  動させると「せん」、右に移動させると「せい」となる。

  右:+い
  上:+う
  下:+ん
  左:拗音化(「か」なら「きゃ」、「く」なら「きゅ」、「こ」なら「きょ」
  ペンタッチの直後にちょっとだけペンを静止させると濁音/半濁音
  さらに長くペンを静止させておくと促音(「っ」)が先頭に追加される。

・ペンスライド方式の私案
  現在のペンスライド方式は、使いにくいので、改良案を考えてみた。

  ・スライド方向に右上、左上、右下、左下、円を追加
    ・右下:濁音  「か」−>「が」
    ・円 :半濁音 「は」−>「ぱ」
    ・左下:拗音  「か」−>「きゃ」
    ・右上:撥音  「か」−>「かん」
    ・上 :促音  「か」−>「かっ」
        「っ」は後ろに付く
    ・右 :長音  「か」−>「かあ」
    ・左 :い、う 「か」−>「かい」
        A音、U音、E音には「い」、O音には「う」
    ・下 :く(き)「か」−>「かく」
        A音、I音、U音、O音には「く」、E音には「き」
    ・左上:つ   「か」−>「かつ」

    *下3つは漢字の音読みが「い」「う」「く」「き」「つ」「ち」
     で終わることが多いため追加。

    例えば、「ぎゃく」を入力するには、
    「か」にペンをおいて、右下、左下、下に連続して動かせばよい。
    (それぞれ、「か」にペンを戻さない)

  ・英字の場合(かっこ内はエスペラントの場合)
    ・円 :大文字化
    ・左 :s
    ・右 :r
    ・上 :h(^)
    ・下 :l
    ・左下:y(j)
    ・右上:n
    ・右下:e(u^)
    ・左上:t

    例えば、「the」を入力するには、
    「t」にペンを置いて、上、右下にペンを動かす。

  ・濁音や半濁音の無い文字には、濁音や半濁音の方向に連続文字を登
   録できる。また、用言の場合には、そのあとのペンのスライド方向
   によって活用する。

   用言の活用
    ・右上:否定  「いく」−>「いかない」
    ・上 :未然  「いく」−>「いこう」
    ・右 :丁寧  「いく」−>「いきます」
    ・下 :接続1 「いく」−>「いき」
    ・右下:接続2 「いく」−>「いって」
    ・左下:過去  「いく」−>「いった」
    ・左 :仮定  「いく」−>「いけば」
    ・左上:命令  「いく」−>「いけ」

   例えば、「な」の円に「なければならない」を登録すると、
   「な」にペンを置いて、○を書くと、「なければならない」と表示さ
   れる。さらにペンを移動させると次のようになる。
    ・右 :「なければなりません」
    ・左下:「なければならなかった」
    ・右、左下:「なければなりませんでした」

  ・よく使う連続文字

    次のようなものをあらかじめ登録しておくと使いがってがよくなるだろう。

    原形  ある        いる       おる        なる
    否定  −         いない(→ない) −         ならない(→ない)
    未然  あろう       いよう      おろう       なろう
    丁寧  あります(→ます) います(→ます) おります(→ます) なります(→ます)
    接続1 あり        い        おり        なり
    接続2 あって       いて       おって       なって
    過去  あった       いた       おった       なった
    仮定  あれば       いれば      おれば       なれば
    命令  あれ        いろ       おれ        なれ

    原形  ない   ます   ません      なければならない
    否定  −    →ません −        −
    未然  なかろう ましょう ませんでしょう  −
    丁寧  −    −    −        なければなりません(→ません)
    接続1 なく   まし   −        −
    接続2 なくて  まして  ませんでして   なければならなくて
    過去  なかった ました  ませんでした   なければならなかった
    仮定  なければ ませば  −        −
    命令  −    ませ   −        −

    原形  だ    です            する       くる
    否定  ではない ではありません(→ません) しない(→ない) こない(→ない)
    未然  だろう  でしょう          しよう      こよう
    丁寧  です   −             します(→ます) きます(→ます)
    接続1 に    −             し        き
    接続2 で    でして           して       きて
    過去  だった  でした           した       きた
    仮定  なら   −             すれば      くれば
    命令  −    −             しろ       こい

    原形  くださる   たい   ほしい   かもしれない   ございます
    否定  くださらない たくない ほしくない −        ございません
    未然  くださろう  たかろう ほしかろう かもしれなかろう ございましょう
    丁寧  −      −    −     −        −
    接続1 くださり   たく   ほしく   かもしれなく   −
    接続2 くださって  たくて  ほしくて  かもしれなくて  ございまして
    過去  くださった  たかった ほしかった かもしれなかった ございました
    仮定  くだされば  たければ ほしければ かもしれなければ −
    命令  ください   −    −     −        −

    そのほか活用するもの
      まいる、いたす、いただく、おもう、かんがえる、ぞんじる、したがう

    活用しないもの
      において、におきまして、について、につきまして、によると、によりますと、
      にかかわらず、かどうか、かいなか、
      とき、ばあい、ところ、ながら、とおり、
      しかし、そして、けれども、すなわち、たとえば、
      わたし、あなた、わたしたち、あなたがた

スライド方式の例

ソフト・キーボード レイアウト

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