みつ夫とペテロ

ペテロとは新約聖書に出てくるキリストの弟子のことである。
みつ夫とペテロはいろいろと似ている点がある。
まず1点は、二人とも最初に選ばれたということである。
次に、仲間たちのリーダーになったということ。
そして、リーダーであるにもかかわらず、
他の仲間よりも多くの失敗をしていること。
最後に、それでもリーダーにふさわしく
立派に成長していったということである。

ペテロは漁師だった。漁をしているところへキリストが来て、
「わたしについてきなさい。人間をとる漁師にしてあげよう」と言った。
彼はすぐさま網を捨ててキリストの弟子になった。
その後、キリストが弟子たちの中から使徒(いわゆる幹部)を
選んだとき、彼は使徒たちの長になった。
しかし、聖書の中には彼のした多くの失敗について書かれている。
キリストが海の上を歩いているのを見て、
自分も海の上を歩こうとしておぼれそうになった。
キリストが夜、ゲツセマネの園で苦しんでいるときに、
居眠りをしていた。
キリストが権力者に捕らえられたときは、恐くなって、
自分はキリストのことは知らないと言って、逃げ回った。

このようにペテロとみつ夫は似ている。
しかし、人一倍正義感の持ち主であるのも共通している。
ペテロは、キリストが捕らえられそうになったとき、
率先して、剣を持って戦い、キリストを守ろうとした。
(剣を納めなさいとキリストにたしなめらてている。)
キリストの亡き後も、命を懸けて、キリストの教えを広めていった。
そして、最後に殉教した。
一方、みつ夫は活動中なんども命を失いそうな経験をしている。
いやになることはあっても、困っている人のことを思うと、
パーマンの仕事を続けていくのである。

この責任感と正義感こそが、二人を大きく成長させていった。
失敗は多かったが、それにも増して大きく成長したのである。
これがみつ夫とペテロの共通点である。

最終回で、バード星の留学生としてみつ夫は選ばれた。
パー子やパーやんは才能豊かな人である。
一方、みつ夫は弱点の多い人である。
なぜ、このようなみつ夫が選ばれたのか。
才能と弱点とは正反対のもののように思えるが、
才能も弱点も人生の中で人に与えられた課題だという点では、
本質的に同じものである。
才能は磨いて大きくすることを期待され、
弱点は克服することを求められる。
みつ夫はこの人生の課題について、
他の誰よりもがんばったという点で、評価されたのである。
マイナス100から0になるのと、
100から110になるのとでは、
前者の方ががんばったのである。
世間的には、0の人よりも、110の人の方が評価される。
しかし、キリストや進歩した異星人のような高いレベル、
たとえば、100億という高いレベルからみれば、
0も110もたいした違いはない。
むしろ、マイナス100から0になったというほうが、
評価が高いのである。

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