行方の知れない10部族とは

「イスラエルの行方の知れない10部族」または「イスラエルの失われた10支族」
(Ten Lost Tribes of Israel)について

当教会では、以前「失われた」と表記されていたが、
決して、滅んだわけではないので、
今は「行方の知れない」と表記されるようになった。
世間一般では、今も「失われた」が使われている。

・古代イスラエルは内乱が起きて南北二つの王国に分裂した。
 北王国はイスラエル王国、南王国はユダ王国と呼ばれた。
 イスラエルの12部族のうち10部族は北王国に住んだ。
 後に戦争が起き、イスラエルの北王国を成していた10部族は、征服され、
 紀元前721年にアッシリア(現在のイラク北部)に捕囚として連れ去られた。
 それから彼らは北の地へ逃れ、やがて消息を絶った。

・この10部族は終わりの時に戻って来る。

・エフライムとマナセの部族(ニーファイ人、アメリカ先住民)はアメリカ大陸に集合し、
 ユダの部族(ユダヤ人)はエルサレムとその周辺の地域に帰る。
 そして、行方の知れない10部族は、自分たちに約束された祝福を
 エフライムの部族から受ける。
 物理的なイスラエルの集合は救い主の再臨とそれに続く福千年まで完了しない。

・ユダヤ人は聖書を書き記し、ニーファイ人はモルモン書を書き記した。
 行方の知れない部族も聖文を書き記している。
 ユダヤ人はニーファイ人の聖文(モルモン書)を得て、
 ニーファイ人(アメリカ先住民)はユダヤ人の聖文(聖書)を得る。
 ニーファイ人とユダヤ人は、行方の知れない部族の聖文を得て、
 行方の知れない部族は、ニーファイ人とユダヤ人の聖文を得る。
 (2ニフ29:12-13)

・イエス・キリストはイスラエルの行方の知れない部族を訪れた。(3ニフ17:4)

・福音が回復されて宣べ伝えられるとき、天父の業が行方の知れない部族の中で始まる。
 (3ニフ21:26-29)

・モーセがジョセフ・スミスとオリバー・カウドリの前に現れ、
 地の四方からのイスラエルの集合と北の地からの10部族の導きの鍵をゆだねた。
 (教義110:11)

・彼らの北方への旅では、預言者と霊感を受けた指導者によって導かれた。
 彼らは啓示の霊によって導かれ、モーセの律法を守り、
 何世代も前に主から与えられたと裁決をそのまま実施し、
 それから数百年たっても特異な民として存在していた。
 なぜなら、復活した主はアメリカ大陸でニーファイ人を教えた後に、
 彼らを訪れて教え導かれたからである。
 主は明らかに、エルサレムやアメリカ大陸で御自身に従う人々に教えられたのと
 同じ真理を、同じ方法で教えられた。
 そして彼らは主の教えを記録した。
 こうして、『聖書』や『モルモン書』に匹敵する聖典が作成された。

・行方の知れない10部族は現在、どこにいるか不明。まだ啓示されていない。
 主が教えてくださるまで居場所はわからない。

・ヨハネがイスラエルの行方の知れない部族の間で働き、
 民が戻って来て父祖の地を再び所有するための備えをしている。

・10部族の母体は失われたが、世界中に散乱した全12部族を代表する子孫がいる。
 行方の知れない10部族として知られる残りのものは、
 北の諸国から一団となって帰ってくる。

・イスラエルの行方の知れない部族がエフライムの手から祝福を受けるためにシオンに帰る。
 これは、末日聖徒イエス・キリスト教会の大管長の指揮下で起きる。
 大管長が集合に関するもろもろの鍵を所有しているからである。
 10部族は帰ってくると、エフライムのもとへ来て、エンダウメントや結び固めとともに、
 神権を受ける。

・10部族が帰るときには豊かな宝をエフライムの子らに持ってくる。
 彼らの預言者たちとともに、彼らの聖典を携えて帰還する。
 それを彼らは何世紀にもわたって伝えてきた。
 そこには、アッスリアからの奇跡的な脱出や北の地への旅、彼らの歴史、預言者、
 復活後に御姿を現された救い主の記事が載っている。
 彼らの聖典は聖書、モルモン書、末日聖徒の聖典と合する。

・10部族はしばらくの間、シオンの地(アメリカ)で
 エフライム部族(当教会)の中にとどまる。
 彼らは穀物を育て、ぶどうや油を作り、家畜を養い、彼らの魂は潤う園のようになる。
 それぞれの部族から12000人ずつ選ばれ、合わせて144000人で、宣教師に召される。
 彼らは各地に散らされたイスラエルの人々を探し集める。
 その後、10部族はユダとともに彼らの譲りの地を受けることになっており、
 神権の祝福を受けた後でエルサレムに行く。
 ハルマゲドンの戦いのあと、イエスがオリブ山に降られたたとき、
 10部族はシオンを去り、パレスチナに行って、
 先祖に与えられた地を受け継ぐ。

・ジョセフ・フィールディング・スミス大管長は次のように記している。
 「これらの部族が北の地にいるのか、いないのか、わたしには何も言えない。
  彼らは『行方が知れない』のであり、主の御心にかなうときまで発見されないであろう。
  わたしがそれについて知っていることは、主が明らかにされたことだけである。
  主が宣言されたように、彼らは北からやって来るであろう。
  これら行方の知れない民は、現在集められている散乱したイスラエルとは別の民である。」

・1916年10月の総大会で、ジェームズ・E・タルメージ長老は、ここにいる人の
 何人かが、イスラエルの行方の知れない部族の記録を読むと預言した。
 「この各部族は必ず来る。彼らは主にとって失われたのではない。
  彼らはすでに預言されているように必ず連れ出される。
  失われた十部族の記録を生きて読む人たちが現在世の中に住んでいる。
  この場にもその中の幾らかがいるのである。
  また人間にとって失われたがなお再び見いだされる各部族がもたらす記録は、
  キリストが彼らを訪れたもうたことを語るに違いない。」

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