救い主はわたしを癒すことがおできになる

神権会のレッスン

救い主はわたしを癒すことがおできになる

ピーター・F・マーズ長老
七十人

2023年4月 土曜午後の部会
リアホナ2023年5月号 ?ページ


【導入】 キリストがわたしたちを罪から贖い、すべての苦しみから癒してくれる。
【お話のまとめ】 モルモン書への証   モルモン書が真実であることが聖霊の力によって明らかにされる。   モルモン書の物語や教えは、救い主の愛と思いやり、憐れみをわたしたちに思い起こ   させ、証している。 救い主がニーファイの民を訪れた話   救い主が天から降ってきて、ニーファイの民を教えた。そして、彼らを哀れんだ。   主は、彼らの苦痛と苦難、試練をすべて知っていた。彼らの病も知っていた。   主はゲツセマネとゴルゴタで激しい苦しみを経験したために、彼らの弱さを見て、   その弱さに応じてどのように救うかを知っていた。そして、彼らを癒した。 マーズ長老の自動車事故の話   家族と出かけ、その帰りの運転中に一瞬居眠りをしてしまい、正面衝突の事故を起こ   してしまった。自分と3人の娘は無事だったが、妻は足と胸骨を骨折し、5か月の息   子は意識がなかった。娘に言われて、息子に神権の祝福を施した。およそ40分後に救   急車が到着するころまでに、息子の意識は戻った。   その晩、娘たちとタクシーで家に帰り、長い夜の間、自分の家族と、相手の車に乗っ   ていた人たちが回復するようにと天父に祈った。幸いにも、時間の経過とともに全員   が回復した。   しかし、事故を起こしたことに対する罪悪感と苦しみから逃れることができなかった。   時々夜中に目が覚めると、その恐ろしい出来事を思い出す。平安を見いだせるように   なるまで、何年も苦しんだ。 キリストの力で癒される   悔い改められるようほかの人を助け、彼らが救い主の哀れみと思いやりと愛を感じら   れるよう助けているときに、救い主がわたしを癒すことができることに気がついた。   救い主の癒しと贖いの力は、犯した罪だけに限らず、予期せぬ失敗にも、判断の誤り   にも、悩みにも、あらゆる試練にも及ぶ。   救い主に頼るようになると、罪の意識や苦しみは徐々に薄れて、代わりに平安と安息   を感じられるようになる。   救い主は、全人類のために贖いをしたとき、自分に従う人々が癒しと強化と贖いの力   に近づける道を開いた。主に聞き、主に従うように努めるすべての人は、これらの霊   的な特権を得ることができる。   解決していない罪の重荷を背負っていようと、遠い昔に人から傷つけられたことで苦   しんでいようと、予期せぬ失敗を犯した自分が赦せなくて悩んでいようと、キリスト   の癒しと贖いの力にあずかることができる。
【補足情報】 キンボール大管長「豊かで満ち足りた人生」(聖徒の道1986年3月号)より   私たちは隣人への奉仕に携わるとき、その行為によって人を助けるばかりでなく、自   分自身の問題を新たな観点から眺めることもできる。関心をほかの人々に向ける時間   が多くなれば、それだけ自分のことをあれこれ思い悩む時間がなくなる。奉仕の奇跡   の中枢に、まさしく自己を捨てる者は自己を見いだすというイエスの約束が存在する   のである。 タッド・R・カリスター「イエス・キリストの贖罪」(リアホナ2019年5月号 85p)より キリストの贖いは4つの障害を克服する   1)肉体の死     ・復活により、死を克服した。     ・復活はすべての人に及ぶ。   2)私達の罪とアダムによる霊の死     ・救い主は、悔い改めるすべての人の罪と背きを克服した。     ・自分をなかなか赦すことのできない人は、救い主の贖いの力に限界を設けている。     ・これは無限の贖いであり、あらゆる罪と欠点にとどまらず、      ほかの人から受けたあらゆる虐待や苦痛をも対象としている。     ・救い主の贖いとその意味の理解を深めるつれて、自分や人を赦したいという      気持ちが強まる。     ・聖霊の影響力を感じたならば、贖いが自分の生活の中で効力を発揮している証拠。     ・赦されていても、しばらくは罪悪感を抱く。罪の記憶はある種の警報となって      いる。再び誘惑に遭ったときに、罪悪感は守りの役割を果たすのであり、罰で      はない。     ・自分の罪を覚えていながら、苦しみや罪悪感から解放される。   3)人の苦難と弱さ     ・キリストはあらゆる苦痛と苦難と試練を受けた。      御自分の心が憐れみで満たされるように、また、御自分の民を彼らの弱さに      応じてどのように救うかを肉において知るためである。     ・主は苦難を取り去ることもあれば、堪え忍ぶ力を与えることもある。      永遠の観点をもたらし、苦難が一時的なものだと理解できるようにすることも      ある。     ・救い主の贖いのおかげで、私達は永遠の観点を持つことができ、試練の意味を      理解し、救いへの希望を抱くようになる。   4)人の欠点と不完全さ     ・贖いにより、救い主は人に能力を授ける力を持っている。      これは「恵み」と呼ばれる。      私達が自分の欠点と不完全さを克服するのを助けてくれる。     ・キリストのもとに来るならば、神の恵みにより、キリストによって完全になる。     ・この効力にあずかるには、二つの経路、方法がある。     ・第1の経路は救いの儀式      儀式により神性の力が解き放たれ、私達がキリストに似た者になるのを助ける。       ・バプテスマ、聖霊の賜物を授かる        私達は清くなり、さらに聖なるものとなる。       ・聖霊の賜物を通して        思いが照らされ、心は和らぎ、神のように考え、感じることができる。       ・伴侶と結び固められる        王位、王国、公国、および力を神からの賜物として受け継ぐ権利を得る。     ・第2の経路は、御霊の賜物       ・キリストの贖いにより、私達には聖霊の賜物とそれに伴う霊的な賜物を        受ける。        御霊の賜物を得る度に、さらに神に似た者となる。       ・神は人の欠点を取り去る賜物を授ける。        不完全な人の義務は、自分を完全にしてくれる賜物を祈り求めること。 人には欠点が多くある。 欠点が多いほうが、神様がそこを埋めてくださり、自分の中に神様成分が増える。 骨折すると骨折した部分が前より強くなるように、 霊的な骨折は、神様成分で補強され、前より強くなる。 罪は必ず私達を神様から遠ざけるが、欠点や弱さは私達を神様に近づける。

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