キリストに希望を抱く

神権会のレッスン

キリストに希望を抱く

十二使徒定員会会長代理
M・ラッセル・バラード会長

2021年4月 土曜午後の部会
リアホナ2021年5月号  53ページ


【導入】 ・孤独感を癒すのは、「希望」と「帰属意識」である。 ・同居家族のない人、家族の中で自分だけが教会員の人、自分以外がお休み会員の人 ・独身の人々を含め、孤独を感じているすべての人にとって、 イエス・キリストに希望を見いだす助けとなる5つの重要な原則。 ・会員(とくに独身者)が孤独を感じないよう、組織に帰属できるようにする。 愛され、必要とされていることを感じてもらうようにする。
【お話のまとめ】 復活祭の時期にイエス・キリストの栄えある復活に目を向ける。救い主の招きを思い出す。 「すべて重荷を負うて苦労している者は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませ てあげよう。わたしは柔和で心のへりくだった者であるから、わたしのくびきを負うて、 わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたの魂に休みが与えられるであろう。わたし のくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」 救い主の招きは、御自分の教会に属するようにという招きでもある。 イエスは、神が愛に満ちた天の御父であられることを知ってほしいと望んでおられる。 天の御父から愛されていると知ることで、わたしたちは自分が何者であるかを知り、自分 が神の偉大な永遠の家族に属していると知ることができる。 人生の試練に直面したとき、希望と帰属意識を求めて主に心を向けると、新しく可能性と 新しい現実とともに生まれ変わることができる。 キリストに希望を抱くとは、期待していることが将来実現されるという意味だ。このよう な希望は、逆境を乗り越え、霊的に立ち直る力と強さを育み、自分が永遠の御父に愛され、 神の家族に属する神の子供であると知るために不可欠だ。 伴侶がいなくて孤独を感じている人へ。永遠の命は現在の婚姻状態によって決定されない。 すべての会員は福音の律法と儀式に従うことを通してキリストの恵みを受ける。 重要な原則 1)福音の聖約を忠実に守るすべての人々が昇栄の機会を確かに得られる。 2)祝福が授けられる時や方法は明らかにされないが、得られることは約束されている。 3)祝福を待ち望むとは、従順であり続け、主に向かって霊的に成長すること。 4)神は御自分のすべての子供に永遠の命を得る機会を与えてくださる。 5)イエス・キリストを信じる信仰によって、祝福がもたらされる。 現在も永遠にわたっても、永遠の父なる神の子供であることを決して忘れないでほしい。 神は皆さんを愛しておられ、教会は皆さんを求め、必要としている。 皆さんの声、才能、スキル、善意、義が必要だ。
【補足情報】 ・「くびき」について      「くびき」は2頭の馬や牛の首に取り付けて、荷物を引かせるために使われる。   くびきは自分ひとりで負うものでなく、イエス様と二人で負うものである。   くびきは新たな重荷ではなく、自分とイエス様をつなぐものである。   イエス様を信じることで、苦難や試練が来なくなることはない。   しかし、イエス様が一緒に、苦難や試練を負ってくださる。 ・キリストの贖いによる希望   ・聖霊の賜物      聖霊を常に伴侶にできる。      試練や苦難が多いこの世で、神様から直接、慰め、癒し、平安、      導き、助け、力を受けることができる。      自分に起こる、あらゆることに、神様の御業と愛を感じることが      できるようになり、試練や苦難を成長の糧とすることができる。   ・不死不滅      病気になったり、歳を取ったり、死んだりしない完全な体に復活する。      愛する人が亡くなった人、病気や障害を抱えている人の希望となる。   ・永遠の命      神の元に帰ることができ、神と共に永遠にいられる。   ・結び固められた家族      神殿で結び固められることにより、愛する家族と永遠に一緒にいられる。 ・ネルソン大管長が子供の頃、両親はお休み会員だった。   わたしの曾祖父母8人全員がヨーロッパで教会に入り、教会にとても忠実でした。   その後、何人かの先祖は福音にしたがって生活しませんでした。そのため、わた   しがおさないころ、両親はほとんど教会に行きませんでした。   わたしは両親が大好きでした。両親はとても大切な教訓を教えてくれました。幸   せな家族をきずいてくれたことに、どれほど感謝しても感謝し切れません。でも   少年だったわたしは、何かが足りないことを知っていました。家族があまり教会   に集っていなかったからです。ある日、わたしは路面電車に乗って本屋へ行き、   教会についての本を見つけました。わたしは福音について学ぶのが大好きでした。   知恵の言葉について知ると、両親はこの本が教えている生活を送っていないこと   に気づきました。わたしは、両親にしたがってほしいと思いました。そこである   日、わたしは家中のお酒のびんをコンクリートのゆかにたたきつけてわりました。   父からお仕置きを受けるだろうと思っていましたが、父はそのことについて何も   言いませんでした。   わたしは、福音について学びながら大きくなりました。だんだんと、天のお父様   の美しい計画が分かるようになりました。そして、16才のときにバプテスマを受   けました。クリスマスの時季に、わたしはよくこんなひとり言を言いました。   「もうクリスマスプレゼントはいらない!ただ神殿で両親に結び固められたい。」   その夢がかなうまで、何年も待ちました。両親が80才をこえてから、ついに家族   として結び固められました。その日、わたしは大きな喜びを感じました。今でも   毎日、両親がたがいに結び固められ、わたしも両親に結び固められたことをとて   もうれしく思っています。 ・足跡   ある晩、ある人が夢を見ました。   彼が主と共に浜辺を歩いている夢でした。   空の向こうに彼の人生の風景が映し出されていました。   彼はそれぞれの風景で、砂上の2組の足跡に気づきました。   一組は彼のもので、もう一組は主のものでした。   彼の前で、彼の人生の最後の風景が映し出された時、   彼は振り返って砂の上の足跡を見ました。   彼は度々、その人生に沿った足跡が 一組しかないことに気づきました。   それは、彼の人生の中でとても辛く悲しい時でした。   それは彼を本当に悩ませました。 そこで彼は主にその事を尋ねました。   「主よ。あなたは私があなたに従うと決めた時、   一緒に歩んで下さるとおっしゃいました。   しかし、私の最も辛く苦しい時 足跡は一組しかありませんでした。   私があなたを最も必要としていた時、   何故あなたは私から離れたのですか?」   主は答えました。「私の愛する子よ。私はあなたを愛していて、   決してあなたの元を離れたことはありません。   その辛く苦しい時、私があなたを背負ったのです。   あなたが見た足跡は私のものです。」

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