マタイによる福音書(マタイの証)


第1章

16 ヤコブはマリヤの夫ヨセフの父であった。このマリヤからキリストと呼ばれることを預言者たちが記していたイエスがお生れになった。

18 イエス・キリストの誕生の次第はこのように記されている。母マリヤはヨセフと婚約していたが、まだ一緒にならない前に、聖霊によって身重になった。

第2章

02 「ユダヤ人のメシヤとしてお生れになったお子様は、どこにおられますか。わたしたちは東の方でその星を見たので、そのかたを拝みにきました」。

04 そこで王は祭司長たちと民の律法学者たちとを全部集めて、彼らに問いただして言った。「キリストが生れると預言者たちによって書かれている場所はどこか。」彼はまだ預言者を信じていなかことを、大いに恐れた。
05 彼らは王に言った、「ユダヤのベツレヘムで生まれると預言者によって書かれております。このように彼らは言っています。
06 『主の言葉はわたしたちに現れ、そしてこのように言う。ユダヤの地に横たわるベツレヘムよ。おまえの中からひとりの君が生まれる。彼はユダの君たちの中で、決して最も小さいものではない。あなたがたからメシアが来られ、わたしの民、イスラエルを救うであろう。』」

(イエスの青年時代と幼年時代のことが述べられる。)

23節の後に追加
xx それから、イエスは弟たちとともに成長し、体もたくましくなり、御自分の務めの時が来るのを待っておられた。
xx イエスは父親のもとで働いておられたが、その語ることは他の人々とは異なり、イエスを教えることのできる人はだれもいなかった。教える人を必要とされなかったからである。
xx それから何年もたって、務めの時が近づいた。

第3章

07 なぜ、あなたがたは神から送られた方の説教を受け入れないのか。もし、あなたがたがそれを心から受け入れないなら、あなたがたはわたしを受け入れないのである。そしてあなたがたがわたしを受け入れないなら、あなたがたはわたしが証した方を受け入れないのである。あなたがたは自分の罪を隠すことはできない。
08 悔い改めよ。そして、悔改めにふさわしい実を結べ。
09 自分たちはアブラハムの子孫だ、自分たちだけが父アブラハムの子孫を起すことができるなどと、心の中で思ってもみるな。あなたがたに言っておく、神はこれらの石ころからでも、アブラハムの子を起すことができるのだ。

11 わたしは悔改めのために、水であなたがたにバプテスマを授けている。そして、わたしが来ると証した人はわたしよりも力のあるかたで、わたしはそのくつをぬがせてあげる値うちもない。(わたしはそのかたの場所を満たすことはできない。)わたしが言ったように、このかたが来る前に、わたしはあなたがたにバプテスマを施す。このかたが来ると、このかたは、聖霊と火とによってあなたがたにバプテスマをお授けになるであろう。
12 わたしの証するかたは、箕を手に持って、打ち場の麦をふるい分け、麦は倉に納め、そのかたの時が満ちるときに、からは消えない火で焼き捨てるであろう」。
xx このようにヨハネは来て、ヨルダン川で説教とバプテスマを授けた。そして、自分よりも力のあるかたが後に来て、聖霊と火によってバプテスマを授けると証した。

(イエスは、ヨハネにより水に沈められるバプテスマを受けられる。)

15 しかし、イエスは答えて言われた。「今はあなたからバプテスマを受けさせてもらいたい。このように、あらゆる義を満たすのは、わたしたちにふさわしいことである。」そこで、ヨハネはイエスの言われるとおりにした。
xx そして、ヨハネは水の中に降りて行き、イエスにバプテスマを施した。
16 イエスはバプテスマを受けられると、すぐ水から上がられた。そして、ヨハネが見ると、見よ、天が開かれ、神の御霊が鳩のようにイエスの上に降って来られるのが見えた。
17 また、天からの声を聞いた。「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。彼に聞きなさい。」

第4章

(イエスは、サタンによってでなく、御霊によって導かれた。)

01 さて、イエスは御霊によって荒れ野に導かれた。神とともにいるためである。
02 そして、四十日四十夜、断食をし、神と交わられたのち、空腹になられた。そして、悪魔に試みられるにまかせられた。

05 それから、イエスは聖なる都に連れて行かれた。そして、御霊がイエスを宮の頂上に立たせられた。
06 その時、悪魔がイエスのもとに来て言った。「もしあなたが神の子であるなら、飛び降りてごらんなさい。『神があなたのために天使たちにお命じになると、あなたの足が石に打ちつけられないように、彼らはあなたを手で支えるであろう』と書いてありますから。」

08 そしてまた、イエスは御霊に満たされた。そして、御霊はイエスを非常に高い山に連れて行き、この世のすべての国々とその栄華とを見せられた。
09 すると、悪魔がまたイエスのもとに来て言った。「もしあなたがひれ伏してわたしを拝むなら、これらのものをすべて、あなたにあげましょう。」

(イエスは天使たちを遣わされ、天使たちはバプテスマのヨハネに教えと導きを授けた。)

11 そこで、悪魔はイエスを離れ去った。
12 さて、イエスは、ヨハネが獄に入れられたことを知って、天使たちを遣わされた。そして見よ、天使たちは来て、彼に教えと導きを授けた。

(旧約の預言者たちはイエスについて語った。)

19 イエスは彼らに言われた。「わたしは預言者たちによって書き記されている者である。わたしについて来なさい。あなたがたを、人間をとる漁師にしてあげよう。」
20 すると、彼らはイエスの言葉を信じ、すぐに網を捨てて、イエスに従った。

(イエス、御名を信じる人々の中で癒しを施される。)

23 イエスはガリラヤの全地を巡り歩いて、諸会堂で教え、王国の福音を宣べ伝え、イエスの名を信じる人々の中のあらゆる病気、あらゆる患いをお癒しになった。

第5章(第3ニーファイ第12章より)

01 イエスは、群衆に手を伸ばして、大きな声で言われた。「わたしがあなたがたの中から選んで、あなたがたを教え導き、またあなたがたの僕となるようにしたこの十二人の言葉に注意を払うならば、あなたがたは幸いである。わたしは水であなたがたにバプテスマを施す力をこの十二人に授けた。あなたがたが水でバプテスマを受けた後、見よ、わたしはあなたがたに火と聖霊によってバプテスマを授けよう。あなたがたはすでにわたしを見ており、わたしが実在することを知っているので、わたしを信じてバプテスマを受けるならば、あなたがたは幸いである。
02 さらにまた、あなたがたがわたしに会ったと証し、わたしが実在することを知っていると証するとき、あなたがたのその言葉を信じる人々は、なおさら幸いである。まことに、あなたがたの言葉を信じて、心底謙遜になってバプテスマを受ける人々は、幸いである。彼らは火と聖霊を授かり、罪の赦しを受けるからである。
03 まことに、わたしのもとに来る心の貧しい人々は、幸いである。天の王国は彼らのものだからである。
04 また、悲しむ人々は皆、幸いである。彼らは慰められるからである。
05 柔和な人々は、幸いである。彼らは地を受け継ぐからである。
06 義に飢え渇いている人々は皆、幸いである。彼らは聖霊に満たされるからである。
07 憐れみ深い人々は、幸いである。彼らは憐れみを受けるからである。
08 心の清い人々は皆、幸いである。彼らは神を見るからである。
09 平和をつくり出す人々は皆、幸いである。彼らは神の子と呼ばれるからである。
10 わたしの名のために迫害される人々は皆、幸いである。天の王国は彼らのものだからである。
11 わたしのために人々があなたがたをののしり、また迫害し、またあなたがたに対して偽って悪口を言うときには、あなたがたは幸いである。
12 あなたがたは大きな喜びを得て、非常に喜ぶようになる。天においてあなたがたの受ける報いは大きいからである。あなたがたより前にいた預言者たちも、同じように迫害されたのである。
13 まことに、まことに、あなたがたに言う。わたしはあなたがたを地の塩とする。しかし、もし塩がその塩気を失ったら、地は何によって塩味をつけられようか。その塩はもはや何の役にも立たず、ただ外に捨てられて、人々に踏みつけられるだけである。
14 まことに、まことに、あなたがたに言う。わたしはあなたがたをこの民の光とする。丘の上にある町は隠れることができない。
15 見よ、人はろうそくに火をつけて升の下に置くだろうか。そのようなことはせず、燭台に立てて、家の中のすべてのものを照らす。
16 だから、あなたがたの光をこの民の前に輝かせて、この民があなたがたの善い行いを見て、天におられるあなたがたの父をあがめるようにしなさい。
17 わたしが律法や預言者を廃するために来た、と思ってはならない。わたしが来たのは廃するためでなく、成就するためである。
18 まことに、あなたがたに言う。律法は一点一画もむなしくなることがなく、わたしによってすべて成就するのである。
19 それだから、これらの最も小さいいましめの一つでも破り、またそうするように人に教えたりする者は、決して天国に救われないであろう。しかし、律法が成就するまで、これらの戒めをおこないまたそう教える者は、大いなる者と呼ばれ、天国に救われるであろう。
20 だから、わたしのもとに来て救いを得なさい。まことに、あなたがたに言う。今あなたがたに命じたわたしの戒めを守らなければ、あなたがたは決して天の王国に入れないであろう。
21 昔の人々により、『あなたがたは殺してはならない。殺す者はだれでも、神の裁きを受ける恐れがある』と言われてきたことは、あなたがたの聞いているところであり、またそれは、あなたがたの前に書き記されている。
22 しかし、あなたがたに言う。自分の兄弟に対して怒る者はだれであろうと、神の裁きを受ける恐れがある。自分の兄弟に向かって『愚か者』と言う者はだれでも、議会に引き渡される恐れがある。また、『ばか者』と言う者はだれでも、地獄の火に投げ込まれる恐れがある。
23 だから、あなたがたはわたしのもとに来るとき、またはわたしのもとに来たいと思うとき、兄弟があなたに対して何か恨みを抱いていることを思い出したら、
24 あなたの兄弟のところに行って、まずその兄弟と和解し、それから十分に固い決意をもってわたしのもとに来なさい。そうすれば、わたしはあなたを受け入れよう。
25 自分に敵意を抱いている者と、一緒にいる間に早く仲直りしなさい。そうしないと、いつか彼はあなたを捕らえるであろう。そして、あなたは牢に入れられるであろう。
26 まことに、まことに、あなたに言う。あなたは最後の一セナインを支払ってしまうまで、決してそこから出て来ることはできない。あなたは牢の中にいて一セナインでも支払えるだろうか。まことに、まことに、あなたに言う。『支払うことはできない』と。
27 見よ、昔の人々は、『あなたは姦淫してはならない』と書いている。
28 しかし、あなたがたに言う。情欲を抱いて女を見る者はだれでも、心の中ですでに姦淫を行ったのである。
29 見よ、わたしはあなたがたに、これらのことを決して心の中に入れないようにと命じる。
30 あなたがたは、これらのことを断って自分の十字架を負う方が、地獄に投げ込まれるよりもよいからである。
31 『妻を出す者は離縁状を渡せ』と書かれている。
32 まことに、まことに、あなたがたに言う。だれでも、不貞以外の理由で自分の妻を出す者は、姦淫を行わせるのである。また出された女をめとる者も、姦淫を行うのである。
33 さらに、『偽り誓うな。誓ったことは、すべて主に対して果たせ』と書かれている。
34 しかし、まことに、まことに、あなたがたに言う。一切誓ってはならない。天にかけて誓ってはならない。そこは神の御座であるから。
35 また、地にかけて誓ってはならない。そこは神の足台であるから。
36 また、自分の頭にかけて誓ってはならない。あなたは髪の毛一筋さえ黒くも白くもすることができない。
37 あなたがたの言葉はただ、『はい、はい』『いいえ、いいえ』であるべきだ。それ以上のものから出るものはすべて悪である。
38 また見よ、『目には目を、歯には歯を』と書かれている。
39 しかし、あなたがたに言う。悪人に手向かってはならない。もし、だれかがあなたの右の頬を打つなら、ほかの頬をも向けてやりなさい。
40 あなたを訴えて、下着を取ろうとする者には、上着をも与えなさい。
41 もし、だれかが、あなたを強いて一マイル行かせようとするなら、その人とともに二マイル行きなさい。
42 求める者には与え、借りようとする者を断らないようにしなさい。
43 また見よ、『隣人を愛し、敵を憎め』とも書かれている。
44 しかし見よ、わたしはあなたがたに言う。あなたがたの敵を愛し、あなたがたをのろう者を祝福し、あなたがたを憎む者に善をなし、あなたがたを不当に扱い迫害する者のために祈りなさい。
45 こうして、天におられるあなたがたの父の子となるためである。天の父は、悪い者の上にも善い者の上にも太陽を昇らせてくださるからである。
46 以前律法の下にあったことはすべて、わたしによって成就している。
47 古いものは廃されて、すべてのものが新しくなったのである。
48 わたしや天におられるあなたがたの父が完全であるように、あなたがたも完全になることを、わたしは望んでいる。」

第6章(第3ニーファイ第13章より)

01 イエスは弟子たちに教えて言われた。「まことに、まことに、わたしは言う。あなたがたは貧しい者に施しをしてほしい。しかし、見られるために人々の前で施しをすることのないように注意しなさい。もし、そうしないと、天におられるあなたがたの父から報いを受けることがないであろう。
02 だから、施しをするときには、偽善者たちが人から褒められるために会堂や通りでするように、自分の前でラッパを吹いてはならない。まことに、あなたがたに言う。彼らはその報いを受けてしまっている。
03 あなたは施しをするとき、右の手のしていることを左の手に知らせてはならない。
04 それは、あなたのする施しが隠れているためである。そうすれば、ひそかに見ておられるあなたの父は、公に報いてくださるであろう。
05 また、祈るときには、偽善者たちのようにしてはならない。彼らは人に見せようとして、会堂や大通りのつじに立って祈ることを好む。まことに、あなたがたに言う。彼らはその報いを受けてしまっている。
06 あなたは祈るとき、自分の部屋に入り、戸を閉じて、隠れた所におられるあなたの父に祈りなさい。すると、ひそかに見ておられるあなたの父は、公に報いてくださるであろう。
07 また、祈るとき、異教徒のように無益に繰り返すことはやめなさい。彼らは、言葉数が多ければ聞き入れられると思っている。
08 だから、彼らのまねをしてはならない。あなたがたの父は、求めない先から、あなたがたに必要なものを御存じだからである。
09 だから、あなたがたはこう祈りなさい。『天におられるわたしたちの父よ、御名があがめられますように。
10 御心が天で行われるように、地でも行われますように。
12 わたしたちが自分に負債のある者を赦していますように、わたしたちの負債をお赦しください。 JS 私たちに対して罪を犯した人
13 わたしたちを誘惑に陥らせることのないようにし、悪からお救いください。
xx 王国と力と栄光はとこしえにあなたのものです。アーメン。』
14 もしあなたがたが人の過ちを赦すならば、天におられるあなたがたの父もあなたがたを赦してくださるであろう。
15 もし人を赦さないならば、あなたがたの父も、あなたがたの過ちを赦してくださらないであろう。
16 さらにあなたがたは、断食をするときには、偽善者のように悲しげな顔つきをしてはならない。彼らは断食をしていることを人に知らせようとして、自分の顔を見苦しくする。まことに、あなたがたに言う。彼らはその報いを受けてしまっている。
17 あなたがたは断食をするときには、頭に油を塗り、顔を洗いなさい。
18 それは、断食をしていることを人に知られないで、隠れた所におられるあなたの父に知っていただくためである。そうすれば、ひそかに見ておられるあなたの父は、公に報いてくださるであろう。
19 あなたがたは自分のために、虫が食い、さびがつき、また、盗人らが押し入って盗み出すような地上に、宝を蓄えてはならない。
20 むしろ自分のため、虫も食わず、さびもつかず、また、盗人らが押し入って盗み出すこともない天に、宝を蓄えなさい。
21 あなたの宝のある所には、心もあるからである。
22 体の明かりは目である。だから、あなたが神の栄光にひたすら目を向けるならば、あなたの全身に光が満ちるであろう。
23 しかし、あなたの目が悪を見ていれば、全身に暗闇が満ちるであろう。だから、もしあなたの内にある光が暗闇になるならば、その暗さはどんなに深いことか。
24 だれも、二人の主人に兼ね仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛し、あるいは、一方に親しんで他方をうとんじるからである。あなたがたは、神と富とに兼ね仕えることはできない。」
25 さて、イエスはこれらの御言葉を語り終えると、御自分が選んだ十二人を見て言われた。「わたしが語った言葉を覚えておきなさい。見よ、あなたがたはこの民を教え導くようにわたしが選んだ者だからである。あなたがたに言う。何を食べようか、何を飲もうかと、自分の命のことで思い煩い、何を着ようかと自分の体のことで思い煩ってはならない。命は食物に勝り、体は衣服に勝っていないだろうか。
xx そして、再びあなたがたに言っておく。世にあっても、世にとらわれるな。世はあなたがたを憎み、迫害し、あなたがたを会堂から追い出すだろう。
xx それでも、あなたがたは家から家へ出て行き、人々を教えなさい。わたしはあなたがたの前を行くであろう。
xx そしてあなたがたの天の父はあなたがたの必要を満たされ、食べ物や、着る物、あなたがたが必要とする物は何でも、与えてくださるだろう。
26 空の鳥を見なさい。まくことも刈ることもせず、倉に納めることもしない。それでも、あなたがたの天の父は鳥を養っておられる。あなたがたは、鳥よりもはるかに優れた者ではないか。
27 あなたがたの中のだれが、思い煩ったからといって、自分の背丈を一キュビト伸ばすことができようか。
28 また、なぜ衣服のことで思い煩うのか。野のゆりがどのように育っているか考えてみなさい。野のゆりは働きもせず、紡ぎもしない。
29 しかし、あなたがたに言うが、栄華を極めたときのソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。
30 だから、今日はあって、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神がこのように装ってくださるとすれば、あなたがたの信仰が薄くないかぎり、神はあなたがたにも同じように装わせてくださるであろう。
31 だから、『何を食べようか』『何を飲もうか』『何を着ようか』と言って思い煩ってはならない。
32 あなたがたの天の父は、これらのものがすべてあなたがたに必要であることを御存じだからである。
33 それであるから、世の物を求めずに、まず神の王国を築き、神の義を打ち立てることを求めなさい。そうすれば、これらのものはすべて添えて与えられるであろう。
34 だから、明日のことを思い煩ってはならない。明日のことは明日自身が思い煩うであろう。その日はその日の苦労だけで十分である。」

第7章(第3ニーファイ第14章より)

01 さて、これは、人々に語るようにイエスが弟子たちに教えられた言葉である。「不義に裁いてはならない。自分が裁かれないためである。義にかなった裁きをしなさい。
02 あなたがたが裁くその裁きで、自分も裁かれ、あなたがたが量るそのはかりで、あなたがたも量られるからである。
03 また、あなたがたは人々に言いなさい。『なぜ兄弟の目にあるちりを見ながら、自分の目にある梁を認めないのか。
04 自分の目には梁があるのに、どうして兄弟に向かって、「あなたの目からちりを取らせてください」と言えようか。見よ、自分の目の中に梁があるではないか。』
xx 律法学者、パリサイ人、祭司たちを見よ。彼らは会堂で教えているが、律法や戒めを守っていない。そして、皆、道をはずれて、罪の下にいる。
xx 行って、彼らに言いなさい。『なぜあなたがたは律法や戒めを人々に教えながら、あなたがた自身は堕落の子なのか。
05 偽善者よ、まず自分の目から梁を取りのけなさい。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からちりを取りのけることができるであろう。』
xx 世界に出て行き、『悔い改めなさい。天の王国が近づいたからである。』とすべての者に言いなさい。
06 王国の奥義はあなたがたの内にとどめておきなさい。聖なるものを犬に与えることや、豚の前に真珠を投げてやることは、ふさわしくない。彼らはそれらを足で踏みつけるからである。
xx 世は、あなたがた自身が負うことのできないものを受けることはできない。だから、彼らに真珠を与えてはならない。そうでないと、彼らは向き直ってあなたがたにかみついてくるであろう。
07 人々に神を求めるようこう言いなさい。『求めなさい。そうすれば、与えられるであろう。捜しなさい。そうすれば、見いだすであろう。たたきなさい。そうすれば、開かれるであろう。
08 すべて求める者は与えられ、捜す者は見いだし、たたく者には開かれるからである。』」
xx そのとき弟子たちはイエスに言った。「人々はわたしたちにこう言うでしょう。『自分は正しい。自分はだれにも教えられる必要はない。わたしたちは神がモーセや預言者たちの願いを聞かれたことは知っているが、わたしたちの願いを聞かれることはないでしょう。』
xx そして彼らは言うでしょう。『わたしたちはわたしたちの救いの律法を持っていて、わたしたちはそれで十分です。』」
xx そのときイエスは答えて、弟子たちに言われた。「このように彼らに言いなさい。
xx 『あなたがたのうちで、子供がいて、子供が外に立っていて、「お父さん、中に入って、いっしょに食事をするために家を開けて下さい。」と言うとき、このように言わないだろうか。「息子よ入りなさい。わたしの物はあなたの物なので、あなたの物はわたしの物である。」』
09 あなたがたの中に、自分の子がパンを求めるのに、石を与える者があろうか。
10 魚を求めるのに、蛇を与える者があろうか。
11 このように、あなたがたは悪い者であっても、自分の子供には、良い贈り物をすることを知っているとすれば、天におられるあなたがたの父はなおさら、求めてくる者に良いものを下さらないことがあろうか。
12 だから、何事でも人からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにしなさい。これが律法であり、預言者である。
13 狭い門から入りなさい。滅びに至る門は大きく、その道も広い。そして、そこから入って行く者が多い。
14 命に至る門は狭く、その道は細い。そして、それを見いだす者が少ない。
15 偽預言者に気をつけなさい。彼らは羊の衣を着てあなたがたのところに来るが、その内側は強欲なおおかみである。
16 あなたがたは、その実によって彼らを見分けるであろう。いばらからぶどうを、あざみからいちじくを集める者があろうか。
17 そのように、すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。
18 良い木が悪い実を結ぶことはないし、悪い木が良い実を結ぶこともあり得ない。
19 良い実を結ばない木はことごとく切り倒されて、火の中に投げ込まれる。
20 このように、あなたがたはその実によって彼らを見分けるのである。
21 わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者が皆、天の王国に入るのではなく、ただ、天におられるわたしの父の御心を行う者だけが入るのである。裁きの日は近い。人々はわたしの前に立ち、その行いによって裁かれるであろう。
22 その日には、多くの者がわたしに向かって、『主よ、主よ、わたしたちはあなたの御名によって預言したではありませんか。あなたの御名によって悪霊を追い出し、あなたの御名によって多くの驚くべき業を行ったではありませんか』と言うであろう。
23 そのとき、わたしは彼らにはっきりこう言おう。『あなたがたはわたしをまったく知らない。罪悪を行う者たちよ、わたしのもとから去りなさい。』
24 それで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者を、わたしは岩の上に家を建てた賢い人にたとえよう。
25 雨が降り、洪水が押し寄せ、風が吹いてその家に打ちつけたが、それは倒れなかった。岩を土台としていたからである。
26 また、わたしのこれらの言葉を聞いて行わない者は皆、砂の上に家を建てた愚かな人にたとえられる。
27 雨が降り、洪水が起こり、風が吹いてその家に打ちつけると、それは倒れてしまった。そして、その倒れ方はひどかった。」
28 イエスがこれらの言葉を弟子たちに語り終えられると、群衆はその教えにひどく驚いた。
29 それは律法学者たちのような権威でなく、神から権威を与えられた者のように、教えられたからである。

第8章

10 イエスについてきた人々はこれを聞いて非常に感心した。イエスは言われた、「よく聞きなさい。イスラエル人の中にも、これほどの信仰を見たことがない。

第9章

05 あなたの罪はゆるされた、と言う方が、起きて歩け、と言うより、たやすくない。

(イエスは、パリサイ人たちにバプテスマを施すのをお断りになった。モーセの律法を与えられたのは、イエスであった。)

15節と16節の間に挿入
xx すると、パリサイ人たちがイエスに言った。「あなたはわたしたちが律法全体を守っているのを見ておられるのに、なぜバプテスマをもってわたしたちを受け入れてくださらないのですか。」
xx しかし、イエスは彼らに言われた。「あなたがたは律法を守っていない。もし守っていたら、わたしを受け入れていたはずである。律法を与えたのはわたしだからである。
xx わたしはあなたがたを、バプテスマをもって受け入れることをしない。それはあなたがたにとって何の役にも立たないからである。
xx 新しいものが来ると、古いものは捨てられることになる。

第10章

16 わたしがあなたがたをつかわすのは、羊をおおかみの中に送るようなものである。だから、賢い僕に、またはとのように素直になりなさい。

39 自分の命を求める者はそれを失い、わたしのために自分の命を失っている者は、それを得るであろう。

第11章

13 しかし、襲う者が力を失う日がきた。すべての預言者と律法とが預言したのは、ヨハネの時までこのような状態であるということである。実に、同じだけ、この日の前兆を預言していたのである。
14 そして、もしあなたがたが受けいれることを望めば、まことに、この人こそは、きたるべき、そして、すべての備えをするエリヤなのである。

27 すべての事は父からわたしに任せられています。そして、子を知る者は父のほかにはなく、父を知る者は、子と、子をあらわそうとして子が選んだ者とのほかに、だれもありません。

第12章

15 しかし、イエスは彼らが相談したのを知っておられた。それから、イエスはそこを去って行かれた。ところが多くの人々がついてきたので、彼らを皆いやし、

28 しかし、わたしが神の霊によって悪霊を追い出しているのなら、神の国はすでにあなたがたのところにきたのである。というのは、彼らも神の霊によって悪霊を追い出すからである。彼らに悪霊を追い出す力が与えられ、彼らが悪霊を追い出すのである。

31 だから、あなたがたに言っておく。その犯すすべての罪も神を汚す言葉も、わたしを受け入れて悔い改めるならばゆるされる。しかし、聖霊を汚す言葉は、ゆるされることはない。

xx そのとき、律法学者のある人々がイエスに言った、「先生、すべての罪はゆるされると書かれています。しかし、聖霊を汚す言葉はゆるされることはないとあなたはおっしゃいました。」そして、彼らは尋ねて言った。「これはどういうことでしょうか。」
43 イエスは彼らに言われた。「汚れた霊が人から出ると、休み場を求めて水の無い所を歩きまわるが、見つからない。しかし、人が聖霊を汚すことを言うと、
44 汚れた霊は、出てきた元の家に帰ろうと言って帰って見ると、その家はあいていて、そうじがしてある上、飾りつけがしてあった。良い霊が彼から離れ去っているからである。

第13章

12 おおよそ、受け入れる人は与えられて、いよいよ豊かになるが、受け入るのを拒み続ける人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。

23 また、良い地にまかれたものとは、御言葉を聞いて悟って保ち続ける人のことであって、そういう人が実を結び、百倍、あるいは六十倍、あるいは三十倍にもなるのである」。

30 収穫まで、両方とも育つままにしておけ。収穫の時になったら、刈る者に、まず麦の方を集めて倉に入れ、次に毒麦を集めて束にして焼くばかりにしておけ、と言いつけよう』」。

39 収穫とは世の終りのことで、邪悪な者の滅びである。刈る者は御使たちで、天から送られた使者たちである。
40 だから、毒麦が集められて火で焼かれるように、世の終りと邪悪な者の滅びもそのとおりになるであろう。
41 その日のために、人の子が来る前に、人の子はその使たちと天からの使者たちをつかわし、つまずきとなるものと不法を行う者とを、ことごとく御国からとり集めて、
42 邪悪な者の中に追い出されるであろう。そこでは泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろう。そして、世は火で焼かれるだろう。

49 この世の終りにも、そのとおりになるであろう。この世とは悪の子らのことである。そして、御使たちがきて、義人のうちから悪人をえり分け、
50 焼かれるべきこの世に追い出すであろう。そこでは泣き叫んだり、歯がみをしたりするであろう。

第16章

(「イエスの十字架を負う」という言葉の意味は、不信心を捨てるということである。)

24 それから、イエスは弟子たちに言われた。「だれでもわたしについて来たいと思うなら、自分を捨て、自分の十字架を負って、わたしに従って来なさい。
xx そして、自分の十字架を負う者は、すべての不信心とあらゆる世の欲を捨て、わたしの戒めを守らなければならない。
25 自分の命を救うためにわたしの戒めを破ってはならない。この世において自分の命を救おうと思う者は、来るべき世においてそれを失い、わたしのためにこの世において自分の命を失う者は、来るべき世においてそれを見いだすであろう。
26 それであるから、世を捨てて、自分の(霊的な)命を救いなさい。たとい人が全世界をもうけても、自分の(霊的な)命を損したら、なんの得になろうか。また、人はどんな代価を払って、その(霊的な)命を買いもどすことができようか。

第17章

(二人のエライアスが来ることになっていた。一人は備えをするためであり、もう一人は万事を元どおりにするためである。)

11 イエスは彼らに答えて言われた。「預言者たちが書き記したように、確かに、まずエライアスが来て、万事を元どおりにするであろう。
12 また、あなたがたに言っておく。エライアスはすでに来たのである。彼について、『見よ、わたしは使者を遣わす。彼はわたしの前に道を備える』と書き記されている。しかし、人々は彼を認めず、自分勝手に彼をあしらった。
12 人の子もまた、そのように彼らから苦しみを受けることになろう。
xx しかし、わたしはあなたがたに言う。エライアスとはだれか。見よ、これがわたしの前に道を備えるためにわたしが遣わすエライアスである。」
13 そのとき、弟子たちは、イエスがバプテスマのヨハネと、また別のもの、すなわち、やって来て万事を元どおりにすると預言者たちが書き記している者のことを言われたのだと悟った。

第18章

9節の下に追加
xx 片手とは友人のことである。片足もそうである。片目とは家族のことである。

(幼い子供たちは悔い改めの必要がない。)

11 人の子は、失われた者を救い、罪人を招いて悔い改めさせるために来たのである。しかし、これらの幼い者たちは悔い改めの必要がない。そして、わたしは彼らを救うであろう。

第19章

(幼い子供たちは救われる。)

13 そのとき、イエスに手を置いて祈っていただくために、人々が幼い子供たちを連れて来た。ところが、弟子たちは彼らをたしなめて言った。「その必要はない。幼い子供たちは救われると、すでに主は言っておられる。」

26 イエスは彼らの考えていることを知って言われた、「人にはそれはできないが、もしわたしのためにすべてを捨てるならば、わたしの言うことはなんでも神にはできない事はない」。

28 イエスは彼らに言われた、「よく聞いておくがよい。復活の時が来て、人の子がその栄光の座につく時には、わたしに従ってきたあなたがたもまた、十二の位に座してイスラエルの十二の部族をさばくであろう。

第21章

07 子ろばを引いてきた。そしてその上に自分たちの上着をかけると、イエスはそれにお乗りになった。弟子たちはイエスのあとについて行った。

15 しかし、祭司長、律法学者たちは、イエスがなされた不思議なわざを見、また宮の庭で「ダビデの子に、ホサナ」と叫んでいる神の王国の子供たちを見て立腹し、

(人はキリストを信じる前に、悔い改めなければならない。)

32 …あとになって、あなたがたはわたしを見たとき、心をいれかえて彼を信じようとしなかった。
xx わたしのことでヨハネを信じなかった者は、まず悔い改めなければ、わたしを信じることができないのである。
xx 裁きの日には、ヨハネの説教があなたがたを罪に定めるであろう。
33 もう一つのたとえを聞きなさい。あなたがたが信じないので、わたしはたとえで語るのである。あなたは自分の不義の報いを受けるだろう。・・・

(イエスは、ご自分が隅のかしら石であることを宣言された。福音はユダヤ人に伝えられ、次いで異邦人に伝えられる。イエスが戻って来られるとき、悪人は滅ぼされる。)

45 祭司長たちやパリサイ人たちはこのたとえを聞いたとき、自分たちのことを指して言っておられることを悟った。
xx そして彼らは互いに言った。「この男は自分独りでこの国を奪い取れると思っているのだろうか。」そして、彼らはイエスに腹を立てた。
46 しかし、イエスを捕らえようとしたものの、群衆を恐れた。群衆がイエスを預言者だと思っていることが分かったからである。
xx さて、弟子たちがイエスのもとにやって来ると、イエスは彼らに言われた。「わたしが語ったたとえの言葉に驚いているのか。
xx あなたがたによく言っておく。わたしがその石であり、邪悪な者たちはわたしを捨てる。
xx わたしは隅のかしら石である。これらのユダヤ人はわたしの上に落ちて、打ち砕かれる。
xx そして、神の王国は彼らから取り上げられて、王国にふさわしい実を結ぶ民(すなわち、異邦人)に与えられるであろう。
xx それであるから、この石がだれかの上に落ちかかるなら、その人は粉みじんにされるであろう。
xx したがって、ぶどう園の主人は帰って来ると、その卑劣な悪人どもを殺して、季節ごとに収穫を納めるほかの農夫たちに、まことに終わりの時に、そのぶどう園を再び貸し与えるであろう。」
xx そのとき彼らは、イエスが語られたたとえを理解した。主が天から降ってきて、主のぶどう園であるこの世と世に住む者たちを治められるとき、異邦人も滅ぼされるということである。

第22章

14 招かれる者は多いが、選ばれる者は少ない。招かれる者の全員が礼服を着ているわけではないからである」。

第23章

(天におられる御方は、わたしたちの創造主であられる。)

09 また、地上のだれをも、創造主、あるいは天の父と呼んではならない。あなたがたの創造主であり天の父である御方はただ一人、すなわち天におられる父である。
10 また、あなたがたは教師と呼ばれてはならない。あなたがたの教師はただひとり、すなわち、あなたがたの天の父が送られたキリストである。彼はあなたがたが命を得るために送られたのである。

15 偽善な律法学者、パリサイ人たちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたはひとりの改宗者をつくるために、海と陸とを巡り歩く。そして、つくったなら、自分たちのように彼を以前より倍もひどい地獄の子にする。

24 盲目な案内者たちよ。あなたがたは、ぶよはこしているが、らくだはのみこんでいる。あなたがたは小さな罪を犯さないが、律法全体を守っていないということを人々は知っている。

36 よく言っておく。これらのことの報いは、みな今の時代に及ぶであろう。あなたがたは自身が悪を共にしていながら、自分たちの先祖に対して責める証をしている。あなたがたの先祖は知らないでそのことを行なっていた。しかしあなたがたはそうではない。それであるから、彼らの罪はあなたの頭の上にあるのである。

(ジョセフ・スミス−マタイより)

39 「わたしは言っておく。あなたがたは、『主の御名によって、天の雲の中をすべての聖なる天使たちとともに来られる方に、祝福あれ』と言うときまで、今から後わたしに会うことも、わたしが預言者たちによって書き記された者であるのを知ることもないであろう。」そのとき、主の弟子たちは、イエスが栄光を受けて神の右で冠を受けられた後、再び地上に来られるということを理解した。

第24章(ジョセフ・スミス−マタイより)

01 そして、イエスが神殿から出て行かれると、弟子たちがイエスの言葉を聞こうとして近寄って来て言った。「先生、あなたは、『これらは崩され、荒れ果てるに任されるであろう』と言われましたが、この神殿の建物についてわたしたちにお示しください。」
02 そこで、イエスは彼らに向かって言われた。「あなたがたは、これらすべてのものを見て、それが分からないのか。よく言っておく。この神殿では、その石が一つでも崩されずに他の石の上に残ることはないであろう。」
03 イエスは彼らを後に残し、オリブ山に登られた。そして、オリブ山で座っておられると、弟子たちが、ひそかにみもとに来て言った。「どうぞお話しください。あなたが神殿の滅亡とユダヤ人について言われたこれらのことは、いつ起こるのでしょうか。あなたがおいでになる時や、世の終わり、すなわち、世の終わりである悪人の滅亡には、どのようなしるしがありますか。」
04 そこで、イエスは答えて言われた。「人に惑わされないように気をつけなさい。
05 多くの者がわたしの名を名乗って現れ、『わたしがキリストだ』と言って、多くの人を惑わすであろう。
09 そのとき、人々はあなたがたを苦しみに遭わせ、また殺すであろう。またあなたがたは、わたしの名のためにすべての民に憎まれるであろう。
10 そのとき、多くの人がつまずき、また互いに裏切り、憎み合うであろう。
11 また、多くの偽預言者が起こって、多くの人を惑わすであろう。
12 また、不法がはびこるので、多くの人の愛が冷えるであろう。
13 しかし、確固としていて打ち負かされない者は救われる。
15 エルサレムの滅亡について預言者ダニエルによって言われた荒らす憎むべき者を見たならば、聖なる場所に立たなければならない。読むものは理解しなさい。
16 そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。
17 屋上にいる者は逃げなさい。家から物を取り出そうとして戻ってはならない。
18 畑にいる者は、上着を取りに戻ってはならない。
19 その日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸である。
20 それであるから、あなたがたの逃げるのが冬や安息日にならないように、主に祈りなさい。
21 そのときには、それらの日には、ユダヤ人とエルサレムに住む者に大きな艱難が起こるからである。それは、イスラエルの王国の初めから今に至るまで、かつて神からイスラエルに下されたことがなく、また今後もイスラエルに下されることがないほどの艱難である。
08 しかし、彼らに起こるすべてのことは、彼らに及ぶ数々の悲しみの始まりにすぎない。
22 もしその期間が縮められないなら、救われるものは一人もいないであろう。しかし、選民のためには、聖約に従ってその期間が縮められるであろう。
23 見よ、わたしはユダヤ人について、あなたがたにこれらのことを語った。さらにまた、エルサレムに及ぶそれらの日の艱難の後、だれかがあなたがたに、『見よ、ここにキリストがいる』、また『あそこにいる』と言っても、信じてはならない。
24 それらの日には、偽キリストたちや偽預言者たちも起こって、大きなしるしと不思議を示し、できれば、聖約による選民である真の選民をも惑わそうとするであろう。
06 見よ、選民のために、わたしはあなたがたにこれらのことを語るのである。あなたがたはまた、戦争と戦争のうわさを聞くであろう。あわてないように気をつけなさい。わたしがあなたがたにつげたことはすべて、必ず起こるからである。しかし、まだ終わりではない。
25 見よ、わたしはあなたがたに前もって話した。
26 だから、人々が、『見よ、彼は荒れ野にいる』と言っても、出て行ってはならない。『見よ、奥の部屋にいる』と言っても、信じてはならない。
27 ちょうど朝の光が東から出て、西に照り、全地を覆うように、人の子も来るからである。
28 さて、わたしはあなたがたに一つのたとえを示そう。見よ、死体のある所には、はげたかが集まるものである。それと同じように、わたしの選民は地の四方から集められるであろう。
(06)そして、彼らは戦争と戦争のうわさを聞くであろう。
07 見よ、わたしは、わたしの選民のために語る。民は民に、国は国に敵対して立ち上がり、方々に飢饉と疫病と地震があるであろう。
(12)さらにまた、不法がはびこるので、人々の愛が冷えるであろう。しかし、打ち負かされない者は救われる。
14 さらにまた、この王国の福音は、すべての民への証として、全世界に宣べ伝えられるであろう。それから、終わり、すなわち悪人の滅亡が来るのである。
(15)そして、荒らす憎むべき者について預言者ダニエルによって言われたことが、再び成就するであろう。
29 それらの日の艱難の後すぐに、太陽は暗くなり、月はその光を放つことをやめ、星は天から落ち、天の力は揺り動かされるであろう。
34 よく言っておく。わたしがあなたがたに告げたすべてのことが成就するまでは、これらのことが示されるこの時代は過ぎ去ることがない。
35 天地の過ぎ去る日は来るが、それでもわたしの言葉は過ぎ去ることがなく、すべて成就するであろう。
30 前に言ったように、それらの日に艱難があり、天の力が揺り動かされた後、人の子のしるしが天に現れるであろう。そのとき、地のすべての民族は嘆き、そして力と大いなる栄光とをもって人の子が天の雲の中を来るのを見るであろう。
31 だれでもわたしの言葉を大切に蓄える者は、惑わされることがない。人の子は来て、大きなラッパの音とともに天使たちを先立って遣わすであろう。すると天使たちは、天の果てから果てまで、四方から選民の残りの者を呼び集めるであろう。
32 いちじくの木から、たとえを学びなさい。その枝がまだ柔らかで、葉を出し始めると、夏の近いことが分かる。
33 そのように、わたしの選民は、すべてこれらのことを見たならば、人の子が戸口まで近づいていることが分かるであろう。
36 しかし、その日、その時は、だれも知らない。天にいる神の天使たちも知らない。ただ父だけが知っておられる。
37 人の子の来臨のときも、ちょうどノアの時代と同じようである。
38 人々は、洪水の前の日々のような状態であろう。ノアが箱舟に入る日まで、人々は食べたり、飲んだり、めとったり、嫁いだりしていた。
39 そして、洪水が襲ってきて、すべてのものをさらって行くまで、彼らは気がづかなかった。人の子の来臨もそのようであろう。
40 そのとき、記されていることは成就するであろう。すなわち、終わりの時には、二人が畑にいると、一人は取り去られ、一人は残される。
41 二人が臼をひいていると、一人は取り去られ、一人は残される。
42 わたしは一人に言うことを、すべての人に言う。だから、目を覚ましていなさい。いつあなたがたの主が来るか、あなたがたには分からないからである。
43 このことをわきまえていなさい。家の主人は盗人がいつごろ来るか分かっていたら、目を覚ましていて、自分の家に押し入られるのを許すことなく、用意をしていたであろう。
44 だから、あなたがたも用意をしていなさい。思いがけないときに人の子は来るからである。
45 主人がその家の僕たちの上に立てて、時に応じて食物を備えさせる忠実な思慮深い僕は、一体だれであろうか。
46 主人が帰って来たとき、そのように務めているのを見られる僕は幸いである。
47 よく言っておく。その主人は、彼に自分の全財産を管理させるであろう。
48 しかし、それが悪い僕であって、『主人は帰りが遅い』と心の中で思い、
49 その僕仲間をたたき始め、また酒飲み仲間と一緒に食べたり飲んだりしているなら、
50 その僕の主人は、思いがけない日、気づかないときに帰って来て、
51 彼を厳罰に処し、偽善者たちと同じ目に遭わせるであろう。彼はそこで涙を流し、歯ぎしりをするであろう。
xx このように、『彼らは民の中から絶たれるであろう』というモーセの預言のとおりに、悪人の終わりが来る。しかし、世の終わりはまだであって、それはやがて来る。」

第25章

01 そこで、人の子が来る前の日においては、天国は、十人のおとめがそれぞれあかりを手にして、花婿を迎えに出て行くのに似ている。

第26章

22 (KJ)弟子たちは非常に心配して、つぎつぎに「主よ、わたしですか」と言い出した。

(イエス、聖餐を定められる。)

26 一同が食事をしているとき、イエスはパンを取って裂き、それを祝福して、弟子たちに与えて言われた。「取って食べなさい。これはあなたがたのために贖いとして与えるわたしの体を記念するものである。

28 これは、罪の赦しを得させるようにと、わたしの名を信じるすべての人のために流すわたしの新しい聖約の血を記念するものである。
xx わたしはあなたがたに戒めを与える。あなたがたは、わたしが行うのを見たそのことをあなたがたも努めて行い、最後までわたしのことを証しなさい。
29 あなたがたに言っておく。わたしがやって来て、わたしの父の国であなたがたと共に、新しく飲むその日までは、わたしは今後決して、ぶどうの実から造ったものを飲むことをしない」。

66 あなたがたの意見はどうか」。すると、彼らは答えて言った、「彼は有罪で、死に当るものだ」。

74 (KJ)彼は、ののしり、誓い始め、「わたしはその人を知らない」と言った。するとすぐ鶏が鳴いた。

第27章

(ユダの死について述べられる。)

03 そのとき、イエスを裏切ったユダは、イエスが罪に定められたのを見て後悔し、銀貨30枚を祭司長、長老たちに返して
04 言った。「わたしは罪のない人の血を売るようなことをして、罪を犯しました。」
04 しかし、彼らは言った。「それは、我々の知ったことか。自分で始末するがよい。おまえの罪はおまえにある。」
05 そこで、彼は銀貨を神殿に投げ込んで出て行き、木に首をつった。すると、たちまち落ちて、はらわたが流れ出し、そして死んだ。

28 そしてその上着をぬがせて、紫の外套を着せ、

33 そして、ゴルゴダ、すなわち、埋葬の場、という所にきたとき、

50 イエスはもう一度大声で叫んで、「父よ、終わりました。あなたの御心が行なわれました」と言われ、ついに息をひきとられた。

第28章

(救い主の墓で、二人の天使が女たちを迎える。)

02 すると、大きな地震が起こった。それは主の二人の天使が天から下って、そこに来て石をわきへ転がし、その上に座ったからである。

05 この天使たちは女たちに向かって言った。「恐れることはない。あなたがたが十字架につけられたイエスを捜していることは、わたしたちにわかっているが、