6−1 翌週の第1日(日曜日)
墓が開かれる
紀元33年4月 エルサレム
マタイ28:2-4(ジョセフ・スミス訳)
すると、大きな地震が起こった。それは主の二人の天使が天から下って、そこに来て石をわきへ転がし、その上に座ったからである。
その姿はいなずまのように輝き、その衣は雪のように真白であった。
見張りをしていた人たちは、恐ろしさの余り震えあがって、死人のようになった。
【動画】イエス,よみがえられる
【動画】イエスは墓に置かれる
マグダラのマリヤと他の女たちが墓を訪れる
マタイ28:1,5-8,マルコ16:1-8,ルカ24:1-8,ヨハネ20:1(以上ジョセフ・スミス訳)
さて、安息日が終ったので、マグダラのマリヤとヤコブの母マリヤとサロメとが、行ってイエスに塗るために、香料を買い求めた。
そして週の初めの日に、早朝、日の出のころ墓に行った。
そして、彼らは「だれが、わたしたちのために、墓の入口から石をころがしてくれるのでしょうか」と話し合っていた。
ところが、見ると、石はすでに転がしてあった。(その石は非常に大きかった。)
そして、そこに真っ白な長い衣を着た二人の天使が座っているのを見て、彼女たちは非常に驚いた。
すると、天使たちは言った。「驚くことはない。あなたがたは十字架につけられたナザレのイエスを捜しているのであろうが、イエスはよみがえって、ここにはおられない。イエスをお納めした場所を御覧なさい。
そして、行って、弟子たちとペテロに伝えなさい。イエスはあなたがたより先にガリラヤに行かれる。かねてあなたがたに言われたとおり、そこでお会いできるであろう、と。」
そこで女たちは恐れながらも大喜びで、急いで墓を立ち去り、弟子たちに知らせるために走って行った。
マリヤ、ペテロとヨハネに告げる
ルカ24:9-10,ヨハネ20:2
そこで女たちは走って、墓から帰って、これらいっさいのことを、シモン・ペテロとイエスが愛しておられた、もうひとりの弟子(ヨハネ)のところへ行って、彼らに報告した。
この女たちというのは、マグダラのマリヤ、ヨハンナ、およびヤコブの母マリヤであった。彼女たちと一緒にいたほかの女たちも、このことを使徒たちに話した。
ところが、使徒たちには、それが愚かな話のように思われて、それを信じなかった。
ペテロ、マリヤ、ヨハネ、墓を訪れる
ルカ12:12,ヨハネ20:3-10
そこでペテロともうひとりの弟子(ヨハネ)は出かけて、墓へむかって行った。
ふたりは一緒に走り出したが、そのもうひとりの弟子の方が、ペテロよりも早く走って先に墓に着き、
そして身をかがめてみると、亜麻布がそこに置いてあるのを見たが、中へははいらなかった。
シモン・ペテロも続いてきて、墓の中にはいった。彼は亜麻布がそこに置いてあるのを見たが、
イエスの頭に巻いてあった布は亜麻布のそばにはなくて、はなれた別の場所にくるめてあった。
すると、先に墓に着いたもうひとりの弟子もはいってきて、これを見て信じた。
しかし、彼らは死人のうちからイエスがよみがえるべきことをしるした聖句を、まだ悟っていなかった。
それから、ふたりの弟子たちは自分の家に帰って行った。
救い主、マリヤに現れたもう
マルコ16:9,ヨハネ20:11-17(ジョセフ・スミス訳)
マリヤは墓の外に立って泣いていた。そして泣きながら、身をかがめて墓の中をのぞくと、
白い衣を着たふたりの御使が、イエスの死体のおかれていた場所に、ひとりは頭の方に、ひとりは足の方に、すわっているのを見た。
すると、彼らはマリヤに、「女よ、なぜ泣いているのか」と言った。マリヤは彼らに言った、「だれかが、わたしの主を取り去りました。そして、どこに置いたのか、わからないのです」。
そう言って、うしろをふり向くと、そこにイエスが立っておられるのを見た。しかし、それがイエスであることに気がつかなかった。
イエスは女に言われた、「女よ、なぜ泣いているのか。だれを捜しているのか 」。マリヤは、その人が園の番人だと思って言った、「もしあなたが、あのかたを移したのでしたら、どこへ置いたのか、どうぞ、おっしゃって下さい。わたしがそのかたを引き取ります」。
イエスは彼女に「マリヤよ 」と言われた。マリヤはふり返って、イエスにむかってヘブル語で「ラボニ」と言った。それは、先生という意味である。
イエスは彼女に言われた、「わたしに抱きついてはいけない。わたしは、まだ父のみもとに上っていないのだから。ただ、わたしの兄弟たちの所に行って、『わたしは、わたしの父またあなたがたの父であって、わたしの神またあなたがたの神であられるかたのみもとへ上って行く』と、彼らに伝えなさい 」。
【動画】イエスはよみがえられた
マリヤ、使徒たちに告げる
マルコ16:10-11,ヨハネ20:18
マリヤは、イエスと一緒にいた人々が泣き悲しんでいる所に行って、それを知らせた。
彼らは、イエスが生きておられる事と、彼女に御自身をあらわされた事とを聞いたが、信じなかった。
キリスト、他の女たちに現れるたもう
マタイ28:9-10
すると、イエスは彼らに出会って、「平安あれ」と言われたので、彼らは近寄りイエスのみ足をいだいて拝した。
そのとき、イエスは彼らに言われた、「恐れることはない。行って兄弟たちに、ガリラヤに行け、そこでわたしに会えるであろう、と告げなさい」。
祭司長たち、番人から復活のことを知らされる
マタイ28:11-15
女たちが行っている間に、番人のうちのある人々が都に帰って、いっさいの出来事を祭司長たちに話した。
祭司長たちは長老たちと集まって協議をこらし、兵卒たちにたくさんの金を与えて言った、
「『弟子たちが夜中にきて、われわれの寝ている間に彼を盗んだ』と言え。
万一このことが総督の耳にはいっても、われわれが総督に説いて、あなたがたに迷惑が掛からないようにしよう」。
そこで、彼らは金を受け取って、教えられたとおりにした。そしてこの話は、今日に至るまでユダヤ人の間にひろまっている。
二人の弟子、エマオに行く途中で救い主にまみえる
マルコ16:12-13,ルカ24:13-32
この日、ふたりの弟子が、エルサレムから七マイルばかり離れたエマオという村へ行きながら、
このいっさいの出来事について互に語り合っていた。
語り合い論じ合っていると、イエスご自身が近づいてきて、彼らと一緒に歩いて行かれた。
しかし、彼らの目がさえぎられて、イエスを認めることができなかった。
イエスは彼らに言われた、「歩きながら互に語り合っているその話は、なんのことなのか 」。彼らは悲しそうな顔をして立ちどまった。
そのひとりのクレオパという者が、答えて言った、「あなたはエルサレムに泊まっていながら、あなただけが、この都でこのごろ起ったことをご存じないのですか」。
「それは、どんなことか 」と言われると、彼らは言った、「ナザレのイエスのことです。あのかたは、神とすべての民衆との前で、わざにも言葉にも力ある預言者でしたが、
祭司長たちや役人たちが、死刑に処するために引き渡し、十字架につけたのです。
わたしたちは、イスラエルを救うのはこの人であろうと、望みをかけていました。しかもその上に、この事が起ってから、きょうが三日目なのです。
ところが、わたしたちの仲間である数人の女が、わたしたちを驚かせました。というのは、彼らが朝早く墓に行きますと、
イエスのからだが見当らないので、帰ってきましたが、そのとき御使が現れて、『イエスは生きておられる』と告げたと申すのです。
それで、わたしたちの仲間が数人、墓に行って見ますと、果して女たちが言ったとおりで、イエスは見当りませんでした」。
そこでイエスが言われた、「ああ、愚かで心のにぶいため、預言者たちが説いたすべての事を信じられない者たちよ。
キリストは必ず、これらの苦難を受けて、その栄光に入るはずではなかったのか 」。
こう言って、モーセやすべての預言者からはじめて、聖書全体にわたり、ご自身についてしるしてある事どもを、説きあかされた。
それから、彼らは行こうとしていた村に近づいたが、イエスがなお先へ進み行かれる様子であった。
そこで、しいて引き止めて言った、「わたしたちと一緒にお泊まり下さい。もう夕暮になっており、日もはや傾いています」。イエスは、彼らと共に泊まるために、家にはいられた。
一緒に食卓につかれたとき、パンを取り、祝福してさき、彼らに渡しておられるうちに、
彼らの目が開けて、それがイエスであることがわかった。すると、み姿が見えなくなった。
彼らは互に言った、「道々お話しになったとき、また聖書を説き明してくださったとき、お互の心が内に燃えたではないか」。
【動画】エマオへ続く道に姿を現されるキリスト
ペテロへの現れ、トマスを除いた使徒への現れ
マルコ16:14,ルカ24:33-49,ヨハネ20:19-23
そして、このふたりはすぐに立ってエルサレムに帰って見ると、十一弟子とその仲間が集まっていた。
弟子たちはユダヤ人をおそれて、自分たちのおる所の戸をみなしめていた。
そこでふたりの者は、「主は、ほんとうによみがえって、シモンに現れなさった」と言って、
途中であったことや、パンをおさきになる様子でイエスだとわかったことなどを話した。
こう話していると、イエスが彼らの中にお立ちになった。そして「やすかれ 」と言われた。
彼らは恐れ驚いて、霊を見ているのだと思った。
そこでイエスが言われた、「なぜおじ惑っているのか。どうして心に疑いを起すのか。
わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしなのだ。さわって見なさい。霊には肉や骨はないが、あなたがたが見るとおり、わたしにはあるのだ 」。
こう言って、手と足とをお見せになった。
彼らは喜びのあまり、まだ信じられないで不思議に思っていると、イエスが「ここに何か食物があるか 」と言われた。
彼らが焼いた魚の一切れと蜂蜜の巣をさしあげると、
イエスはそれを取って、みんなの前で食べられた。
それから彼らに対して言われた、「わたしが以前あなたがたと一緒にいた時分に話して聞かせた言葉は、こうであった。すなわち、モーセの律法と預言書と詩篇とに、わたしについて書いてあることは、必ずことごとく成就する 」。
そこでイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心を開いて
言われた、「こう、しるしてある。キリストは苦しみを受けて、三日目に死人の中からよみがえる。
そして、その名によって罪のゆるしを得させる悔改めが、エルサレムからはじまって、もろもろの国民に宣べ伝えられる。
あなたがたは、これらの事の証人である。
見よ、わたしの父が約束されたものを、あなたがたに贈る。だから、上から力を授けられるまでは、あなたがたは都にとどまっていなさい 」。
イエスはまた彼らに言われた、「安かれ。父がわたしをおつかわしになったように、わたしもまたあなたがたをつかわす 」。
そう言って、彼らに息を吹きかけて仰せになった、「聖霊を受けよ。
あなたがたがゆるす罪は、だれの罪でもゆるされ、あなたがたがゆるさずにおく罪は、そのまま残るであろう 」。
【動画】よみがえり,使徒たちの前に御姿を現される主
キリストの生涯と教え
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