5−1 第1日(日曜日)

エルサレムへの勝利の入城


紀元33年4月 エルサレム
マタイ21:1-11(ジョセフ・スミス訳),マルコ11:1-10,ルカ19:28-44,ヨハネ12:12-19

イエスはこれらのことを言ったのち、先頭に立ち、エルサレムへ上って行かれた。
さて、彼らがエルサレムに近づき、オリブ山沿いのベテパゲ、ベタニヤの附近に着いたとき、イエスはふたりの弟子をつかわして言われた、
「向こうの村へ行きなさい。するとすぐ、ろばがつながれていて、まだだれも乗ったことのないろ子ろばがそばにいるのを見るであろう。それを解いてわたしのところに引いてきなさい。
もしだれかが、あなたがたに、なぜそんな事をするのかと言ったなら、主がお入り用なのです。またすぐ、ここへ返してくださいますと言いなさい。そう言えば、すぐ渡してくれるであろう」。
こうしたのは、預言者によって言われたことが、成就するためである。
すなわち、「シオンの娘に告げよ、見よ、あなたの王がおいでになる、柔和なおかたで、ろばに乗って、くびきを負うろばの子に乗って」。
弟子たちは初めにはこのことを悟らなかったが、イエスが栄光を受けられた時に、このことがイエスについて書かれてあり、またそのとおりに、人々がイエスに対してしたのだということを、思い起した。
そこで、彼らは出かけて行き、そして表通りの戸口に、ろばの子がつないであるのを見たので、それを解いた。
すると、そこに立っていた人々が言った、「そのろばの子を解いて、どうするのか」。
弟子たちは、イエスが言われたとおり彼らに話したので、ゆるしてくれた。
弟子たちは、子ろばを引いてきた。そしてその上に自分たちの上着をかけると、イエスはそれにお乗りになった。弟子たちはイエスのあとについて行った。

群衆のうち多くの者は自分たちの上着を道に敷き、また、ほかの者たちは葉のついた木の枝を野原から切ってきて道に敷いた。
イエスがラザロを墓から呼び出して、死人の中からよみがえらせたとき、イエスと一緒にいた群衆が、そのあかしをした。
群衆がイエスを迎えに出たのは、イエスがこのようなしるしを行われたことを、聞いていたからである。
そして群衆は、前に行く者も、あとに従う者も、共に叫びつづけた、「ダビデの子に、ホサナ。主の御名によってきたる者に、祝福あれ。今きたる、われらの父ダビデの国に、祝福あれ。いと高き所に、ホサナ」。

イエスがエルサレムにはいって行かれたとき、町中がこぞって騒ぎ立ち、「これは、いったい、どなただろう」と言った。
そこで群衆は、「この人はガリラヤのナザレから出た預言者イエスである」と言った。
ところが、群衆の中にいたあるパリサイ人たちがイエスに言った、「先生、あなたの弟子たちをおしかり下さい」。
答えて言われた、「あなたがたに言うが、もしこの人たちが黙れば、石が叫ぶであろう 」。

そこで、パリサイ人たちは互に言った、「何をしてもむだだった。世をあげて彼のあとを追って行ったではないか」。
いよいよ都の近くにきて、それが見えたとき、そのために泣いて言われた、
「もしおまえも、この日に、平和をもたらす道を知ってさえいたら………しかし、それは今おまえの目に隠されている。
いつかは、敵が周囲に塁を築き、おまえを取りかこんで、四方から押し迫り、
おまえとその内にいる子らとを地に打ち倒し、城内の一つの石も他の石の上に残して置かない日が来るであろう。それは、おまえが神のおとずれの時を知らないでいたからである 」。


【動画】救い主,エルサレムに上られる



【動画】主のエルサレムへの勝利の入城


あるギリシャ人たちのイエスへの訪問、天からの声


ヨハネ12:20-36

祭で礼拝するために上ってきた人々のうちに、数人のギリシヤ人がいた。
彼らはガリラヤのベツサイダ出であるピリポのところにきて、「君よ、イエスにお目にかかりたいのですが」と言って頼んだ。
ピリポはアンデレのところに行ってそのことを話し、アンデレとピリポは、イエスのもとに行って伝えた。
すると、イエスは答えて言われた、「人の子が栄光を受ける時がきた。
よくよくあなたがたに言っておく。一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる。
自分の命を愛する者はそれを失い、この世で自分の命を憎む者は、それを保って永遠の命に至るであろう。
もしわたしに仕えようとする人があれば、その人はわたしに従って来るがよい。そうすれば、わたしのおる所に、わたしに仕える者もまた、おるであろう。もしわたしに仕えようとする人があれば、その人を父は重んじて下さるであろう。
今わたしは心が騒いでいる。わたしはなんと言おうか。父よ、この時からわたしをお救い下さい。しかし、わたしはこのために、この時に至ったのです。
父よ、み名があがめられますように 」。すると天から声があった、「わたしはすでに栄光をあらわした。そして、更にそれをあらわすであろう 」。
すると、そこに立っていた群衆がこれを聞いて、「雷がなったのだ」と言い、ほかの人たちは、「御使が彼に話しかけたのだ」と言った。
イエスは答えて言われた、「この声があったのは、わたしのためではなく、あなたがたのためである。
今はこの世がさばかれる時である。今こそこの世の君は追い出されるであろう。
そして、わたしがこの地から上げられる時には、すべての人をわたしのところに引きよせるであろう 」。
イエスはこう言って、自分がどんな死に方で死のうとしていたかを、お示しになったのである。
すると群衆はイエスにむかって言った、「わたしたちは律法によって、キリストはいつまでも生きておいでになるのだ、と聞いていました。それだのに、どうして人の子は上げられねばならないと、言われるのですか。その人の子とは、だれのことですか」。
そこでイエスは彼らに言われた、「もうしばらくの間、光はあなたがたと一緒にここにある。光がある間に歩いて、やみに追いつかれないようにしなさい。やみの中を歩く者は、自分がどこへ行くのかわかっていない。
光のある間に、光の子となるために、光を信じなさい 」。イエスはこれらのことを話してから、そこを立ち去って、彼らから身をお隠しになった。

ベタニヤに帰られる


マルコ11:11(ジョセフ・スミス訳)

こうしてイエスはエルサレムに着き、宮にはいられた。そして、すべてのものを見まわり、弟子たちを祝福した後、もはや時もおそくなっていたので、十二弟子と共にベタニヤに出て行かれた。

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