1−1 序文

ルカの序文


ルカ1:1-4(ジョセフ・スミス訳)

わたしたちの間に成就された出来事を書き連ねようと、多くの人が手を着けました。
これらは、最初から親しく見た人々であって、御言葉に仕えた人々が伝えたものです。
わたしは、イエス・キリストの御言葉を伝える者なので、
テオピロ閣下よ、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、ここに、それを順序正しく書きつづって、閣下に献じることにしました。
すでにお聞きになっている事が確実であることを、これによって十分に知っていただきたいためであります。

ヨハネの証


ヨハネ1:1-18(ジョセフ・スミス訳)

初めに御子を通して福音が宣べられた。
福音は言葉であり、言葉は御子とともにあり、御子は神とともにおられ、御子は神から出ておられた。
御子は初めに神とともにおられた。
すべてのものは、この御方によって造られた。
造られたもののうち、一つとしてこの御方によらないものはなかった。
この御方の内に福音があった。
福音は命であり、この命は人の光であった。
光は世の中で輝いている。そして、世はそれに気づかなかった。
神から遣わされた一人の人がいた。
その名をヨハネといった。
この人は証のために世に来た。
すべての人に光について証をし、御子による福音について証をし、彼によってすべての人が信じるためである。
彼は光ではなく、光について証をするために来たのである。
その光は、この世に来るすべての人を照らすまことの光、すなわち神の御子であった。
この御方は世におられた。
そして、世はこの御方によって造られたのに、世はこの御方を知らずにいた。
この御方は御自分の民のところに来られた。
そして、民はこの御方を受け入れなかった。
しかし、この御方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々だけに、この御方は神の子となる力をお与えになった。
この御方は、血すじによらず、肉の欲によらず、人の欲にもよらず、ただ神によってお生まれになったのである。
その言葉は肉体となり、わたしたちの間に住まわれた。
わたしたちはその栄光を見た。
それは御父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。
ヨハネはこの御方について証をし、叫んで言った。
「『わたしの後に来られる御方は、わたしよりも優れた御方である。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この御方のことである。」
初めに言葉、すなわち肉となられた御子がおられ、御父の御心によってわたしたちのもとに遣わされた。
この御方の名を信じる者は皆、この御方の完全を受ける。
わたしたちは皆、この御方の完全を受け、この御方の恵みによってまことに不死不滅と永遠の命を受ける。
律法はモーセを通して与えられ、命と真理はイエス・キリストを通して来たのである。
その律法は、肉の戒めに従って死を扱うものであるが、福音は御父の懐におられる独り子イエス・キリストを通して得られる、無窮の命の力によるものだからである。
神が御子を証されるときのほかは、神を見た者はまだだれもいない。
なぜなら、御子によらなければ、だれも救われないからである。

マタイによるイエスの系図


マタイ1:1-17(ジョセフ・スミス訳)

アブラハムの子であるダビデの子、イエス・キリストの系図。
アブラハムはイサクの父であり、イサクはヤコブの父、ヤコブはユダとその兄弟たちとの父、
ユダはタマルによるパレスとザラとの父、パレスはエスロンの父、エスロンはアラムの父、
アラムはアミナダブの父、アミナダブはナアソンの父、ナアソンはサルモンの父、
サルモンはラハブによるボアズの父、ボアズはルツによるオベデの父、オベデはエッサイの父、
エッサイはダビデ王の父であった。ダビデはウリヤの妻によるソロモンの父であり、
ソロモンはレハベアムの父、レハベアムはアビヤの父、アビヤはアサの父、
アサはヨサパテの父、ヨサパテはヨラムの父、ヨラムはウジヤの父、
ウジヤはヨタムの父、ヨタムはアハズの父、アハズはヒゼキヤの父、
ヒゼキヤはマナセの父、マナセはアモンの父、アモンはヨシヤの父、
ヨシヤはバビロンへ移されたころ、エコニヤとその兄弟たちとの父となった。
バビロンへ移されたのち、エコニヤはサラテルの父となった。サラテルはゾロバベルの父、
ゾロバベルはアビウデの父、アビウデはエリヤキムの父、エリヤキムはアゾルの父、
アゾルはサドクの父、サドクはアキムの父、アキムはエリウデの父、
エリウデはエレアザルの父、エレアザルはマタンの父、マタンはヤコブの父、
ヤコブはマリヤの夫ヨセフの父であった。
このマリヤからキリストと呼ばれることを預言者たちが記していたイエスがお生れになった。
だから、アブラハムからダビデまでの代は合わせて十四代、ダビデからバビロンへ移されるまでは十四代、そして、バビロンへ移されてからキリストまでは十四代である。

ルカによるイエスの系図


ルカ3:23-38(ジョセフ・スミス訳)

イエスは、人々の考えによれば、ヨセフの子であった。ヨセフはヘリの子、
それから、さかのぼって、マタテ、レビ、メルキ、ヤンナイ、ヨセフ、
マタテヤ、アモス、ナホム、エスリ、ナンガイ、
マハテ、マタテヤ、シメイ、ヨセク、ヨダ、
ヨハナン、レサ、ゾロバベル、サラテル、ネリ、
メルキ、アデイ、コサム、エルマダム、エル、
ヨシュア、エリエゼル、ヨリム、マタテ、レビ、
シメオン、ユダ、ヨセフ、ヨナム、エリヤキム、
メレヤ、メナ、マタタ、ナタン、ダビデ、
エッサイ、オベデ、ボアズ、サラ、ナアソン、
アミナダブ、アデミン、アルニ、エスロン、パレス、ユダ、
ヤコブ、イサク、アブラハム、テラ、ナホル、
セルグ、レウ、ペレグ、エベル、サラ、
カイナン、アルパクサデ、セム、ノア、ラメク、
メトセラ、エノク、ヤレデ、マハラレル、カイナン、
エノス、セツ、アダム。アダムは神に作られ、地上の最初の人である。

【解説】
イエスの系図がマタイとルカで違っている理由

マタイのものは,ダビデの王座の正当な継承順位を明確
にした王家の家系を示している。
ルカのものは,長子であることまたは血縁関係の濃淡によって,
ダビデの子孫であることを示す個人的な家系図である。
(「キリスト・イエス」第7章)
イエスの養父ヨセフの父にはヤコブとヘリの2人が書かれているが、
ヤコブはヨセフの実父で、ヘリはマリヤの実父であった。
つまり、ヘリはヨセフの義理の父であった。

福音書の著者


【解説】
マタイはユダヤ人の取税人で,イエスから使徒の一人に召された。
マタイは、同胞であるユダヤ人を対象としてマタイの福音書を記した。
したがって、イエスの生涯と教導の業を通して成就した
メシヤに関する旧約聖書の預言に重点を置いた。

福音書の著者の中で,マルコほど知られていない人物はいない。
彼はパウロやペテロ、その他の何人かの宣教師の同僚として伝道した。
ペテロの指示に従って、救い主の生涯の出来事を記録した。
マルコの福音書は三つの福音書よりも前に書かれたと思われる。

ルカは異邦人(非ユダヤ人)の医者で、使徒パウロとともに旅をした。
救い主の死後、おもに非ユダヤ人を対象としてルカの福音書を記した。
彼は、イエス・キリストが異邦人とユダヤ人両方の救い主であると証した。
救い主の生涯で起こった出来事について目撃者としての証言を記録した。
また、他の福音書と比較して、女性が登場する話をより多く盛り込んだ。

ヨハネはバプテスマのヨハネの弟子で、
後に、イエス・キリストの最初の信奉者の一人、十二使徒の一人となった。
ヨハネの福音書、幾通かの手紙、黙示録を書いた。
ヨハネの福音書で、自分のことを「イエスの愛しておられた弟子」
「もうひとりの弟子」と呼んでいる。
福音を宣べ伝えることに対するヨハネの熱意はとても強く、
多くの人をキリストのもとに導くために、救い主の再臨まで地上に
とどまりたいと望んだ。

ジョセフ・スミス訳とは何か


【解説】
何世紀にもわたって聖書から「分かりやすくて貴い」真理が取り去られて
いるため、主はジョセフ・スミスに、霊感に基づいて聖書を改訂するよう
命じられた。それが「ジョセフ・スミス訳」である。預言者によって
加えられた多くの改訂が、末日聖徒版聖典の付録に含まれている。
マタイ書のジョセフ・スミス訳は、「ジョセフ・スミス‐マタイ」とし
て知られ、高価な真珠に掲載されている。

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