正しい価値観を家庭で教える10の方法 |
子供たちに優れた価値観を教える最良の場所は家庭です。この価値観は私たちの行動を導くものとなり、善悪の判断を下す際の基準となります。時間やお金の使い方はその人の持つ価値観に左右されます。なにに価値を置くかによって、人生における優先順位は大きく左右されます。 両親は自分たちが何を話し、どのように行動するかによって、子供たちに価値観を教えます。したがって、どのようなことに価値を認めるかについて両親は意思を統一しておく必要があります。正直、礼儀、奉仕などは、あらゆる家庭が価値観の中に加えるべき事柄です。幼い時から道徳的な価値の大切さについて学び、実行している子供は一般的に、成長した後々まで賢明な判断を下すことができるものです。若いときに行なう決断が人生全体に影響を与えることを子供たちに教えてください。 正しい価値観を教えない親は、人生に立ち向かうために必要とされる堅固な基盤を子供たちから奪っていることになります。末日聖徒イエス・キリスト教会のゴードン・B・ヒンクレー大管長はこのように述べています。「家庭はあらゆる真実の徳を育てるために苗床です。家庭で正しい価値観を教わらないと、子供たちはそれをまったく教わらないまま成長することになりかねません。」 この小冊子には、子供たちに正しい価値観を家庭で教える10の方法が提案されています。 |
1 家庭において子供たちに責任を与える |
両親は家族に対して模範を示すとともに、家庭にとってなにが大切かを教える必要があります。子供たちに正しい価値観を教えることは、子供たちが人格を築いていくための堅固な基礎を与えることです。したがって、正しい価値観を教え、それに基づいて自分が生活することによって、あなたは家族と社会の安寧に寄与することになるのです。家庭の中で子供たちを正しい方向に導いていくことは、情緒的に健全で、愛にあふれた、心遣いの行き届いた家庭環境を確立することにつながります。 「聖書」にはこのように記されています。「子をその行くべき道に従って教えよ、そうすれば年老いても、それを離れることがない。」(箴言22:6)幼いうちから子供たちに責任を与えることによって、道徳的な価値観の核となる部分を植え付けることができます。このような価値観を持つ子供は他人から言われたことでなく、自分が正しいと考えることを行ないます。 子供たちを家庭の責任に参加させる必要があります。それらの義務を果たすときに、彼らは自分を管理すること、責任を果たすことを学び、更に労働を重んじる精神を養います。子供たちが自分でできる責任を家の中から探してください。幼い子供たちには小さく、簡単な仕事を与え、成長するに従って大きな責任を与えます。 |
ある両親は、3歳児の息子に自分のおもちゃを片付けたり、ペットの世話をする兄や姉の手伝いをしたりするなど簡単な家事を任せています。8歳の娘にはベッドメイクや皿洗いをする親の手伝いなど、多少複雑な仕事を任せています。このようにして子供たちは幼いときから働くことと責任を持つことを学んでいます。 |
2 子供たちの目標設定を手伝う |
子供たちに自分で人生の進路を決めさせるようにしなければなりません。たとえ若いときであっても、そこで下す決断は将来に大きな影響を与えることを子供たちに教えてください。健康、道徳、教育などに関する決断は、人生に大きな影響を及ぼします。短期目標と長期目標を立てさせることを通して、子供たちに価値のある大切な事柄について教えることができます。
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ある父親は毎年新しい学年に進む前に、子供たち一人一人と年間の目標について話し合っています。父親と子供たちは一緒に、それらの目標が短期目標と家族目標を達成するためにどのように役立つかを評価しています。 |
3 模範によって教える |
特に親子の関係では、行動は言葉よりも説得力があります。あなたの行動は善きにつけ悪しきにつけ子供たちの生涯の行動に大きな影響を与えます。なぜならば、子供たちはあなたを観察して、大人が取るべき行動を学んでいるからです。どのような価値観を持つべきかについてただ単に説教するよりも、子供たちに望んでいる生き方をあなた自身が実行することの方が、大きな影響を与えます。例えば、子供たちと一緒に教会へ行って礼拝することは、子供たちを教会へ送り出すことよりもはるかに力強い印象を与えます。
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4 家族の歴史を研究する |
家族の歴史を教え、親族とのきずなを強めることは、子供たちに帰属感を与えるとともに、自分を正しく理解させることができます。
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ある家族は系図図書館や親戚から情報を収集して、家族歴史を編さんし、家族全員に配りました。この歴史書には先祖の写真、生涯に起きた出来事、系図表、先祖が書いた手紙が収められています。 |
5 家族とともに奉仕する |
人々に奉仕することを通して、両親は基本となる大切な価値観を子供たちに教えることができます。子供たちは奉仕を行なうことによって、親切、犠牲、哀れみ、与えることなどについて貴重な教訓を学ぶことができます。 地元の奉仕団体や慈善団体に連絡して、あなたの家族がどのように参加できるかを尋ねてください。例えば、困窮者のための無料食堂やホームレスの宿泊所で奉仕することができるでしょう。 教会または地域社会を通じて奉仕する機会もあるはずです。例えば、近所に住む病気の人のために子供たちと一緒に夕食を作ったり、老夫婦のために家の中の仕事をしてあげたりすることができるでしょう。 |
6 家族の伝統を築く |
家族の伝統とは、通常、世代から世代へと伝えられてきた家族の定期的な活動またはイベントを指します。休日に実施するのが一般的になっています。家族の伝統は、共通の受け継ぎを持つものとして両親と子供を結びつける上で、家族にとって特別な意味があります。家族の伝統を継続させたり、あるいは新しく始めたりすることによって、自尊心や一致、精神的な安定を養うことができます。また、家族の伝統を通して大切な価値観を心に植え付けることもできます。例えば、キリスト教徒の多くはクリスマスイブに、家族でイエスの誕生の物語を読みます。この伝統は家族の心を一つにして、家族の価値観や宗教上の信仰を強める働きがあります。 |
あなたの家族の伝統について考えてください。 その伝統はなぜ意味があり、また楽しいひとときとなるのでしょうか。 あなたは家族のどのような伝統が好きですか。 あなたは子供たちにどのような伝統を受け継がせたいと思っていますか。 あなたの家族の伝統を通して、どのような価値観が強められるでしょうか。 |
7 メディアを監視する |
テレビやメディアが原因となって、家族が交わる時間が少なくなっています。子供たちの行動や態度、自分に対するイメージ、世の中に対する考え方を形成するメディアの力は日増しに強くなっています。 あなたの子供たちが利用しているメディアに注意を向けてください。聞いているもの、見ているもの、読んでいるものについて子供たちと話し合ってください。メディアが描写している好ましくない好意はどのような結果を招くかについて子供たちに理解させてください。
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8 教えるべき時を察知する |
親としての責任を立派に果たすには観察力を養うことが必要です。子供たちの必要と欲求に関心を払って、生活を管理する方法を教えるべき機会を見逃さないよう注意してください。 日常的に経験している事柄の中から大切な教訓を教えるとができます。イエスに従った人々がたとえ話から大切な原則を理解したと同じように、あなたがふだんの生活の中から教えることによって子供たちは価値のある事柄を理解し、実践することができます。 例えば、子供と一緒に庭を散歩しているときに、適切に世話をすること、悪いものを良いものの中から取り除くこと、正しい生活がもたらす報いなどについて話すことができます。このような教えは子供の心に価値観を植え付け、それは生涯を通じて決断のときに役立つものとなります。
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店を出ようとしたとき、母親は息子がお金を払わずにおもちゃを持って来たことに気づきました。母親は品物を返させるために、すぐに息子を連れて店に戻りました。警備員は正直について少年に話ししました。この母親はそのときこそが教える絶好の機会であることに気づいていました。彼女の対応はすばやくまた効果的でした。彼女は息子に、自分の行いがもたらした結果を直視させたのです。 |
9 譲歩できない価値観に含まれている事柄を決める |
価値観を教えることはあなたにとって基本的な責任の一つです。価値観を効果的に教えるには、子供たちが従わなければならない大切な事柄にどのようなことが含まれるかを決める必要があります。それから、これらの譲歩できない価値観を尊重しなければならないことを子供たちに教えます。これらは家族の関係を円滑にするための基本となる事柄だからです。例えば、ある親は身なりや時間の厳守については、正直であることや親切にすることよりも多少緩やかにしています。
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ある夫婦が家族の祈りは譲歩できないことであると判断しました。毎日特別な時間を家族の祈りのためにささげることによって、この両親は子供たちにこの価値観の重要性を理解させたのです。 |
10 家族の決定に子供たちを参加させる |
選択する力は神が人類にお与えになった最も偉大なたまものの一つです。子供たちを家族の決定に参加させると、彼らは自分の意志で家族の規則を守るようになります。 年齢と責任能力のレベルに合わせて子供たちを家族の決定に参加させてください。これは彼らに自由を与えることになりますが、それによって家族に価値観が損なわれるわけではありません。 家族の規則を決める理由と、規則を守ることによってもたらされる価値を子供たちに説明します。
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