教会設立150周年の宣言


末日聖徒イエス・キリスト教会
大管長会および十二使徒定員会による宣言

1980年4月6日

末日聖徒イエス・キリスト教会は、今から150年前のきょう組織されました。この教会設立150年を記念する日を迎え、私たちは世界中の人々に、教会の発展や教義、使命、それに世の人々にお伝えしているメッセージについて宣言をするものであります。

1830年4月6日、ニューヨーク州フェイヤットにあるピーター・ホイットマーの家に、ほんの一握りの人が集まりました。そして、ジョセフ・スミスを指導者とする6名の人々によって、当教会の正式な設立手続きが執られました。このひなびた場所での慎しやかな出発以来、この業は絶えずまた大胆に発展を続け、多数の国々の人人が、男女を問わずこの教会の教えを受け入れ、バプテスマの水に入っています。現在、教会員の総数は450万になんなんとし、教会はこれまでにない速さで力強く成長しています。末日聖徒の集会は南北中央アメリカはもちろんのこと、ヨーロッパやアジア、アフリカの国々、オーストラリアや南太平洋諸島、その他世界中のいろいろな地域で見られます。またジョセフ・スミスを通じて回復された福音は、現在81力国において46の言語で教えられています。1世紀半前にこの家で開かれた小さな集まりが、現在では1万2千の集会を持つに至っているのです。

私たちはこの回復された福音が、永遠の父なる神と復活したもうた御子イエス・キリストの驚嘆すべき訪れによってこの世に紹介されたことを証します。この比類なき栄光に満ちた顕現は、ペテロが予言した「神が聖なる預言者たちの口をとおして、昔から預言しておられた万物更新の時」(使徒3:21)が始まることを肯げるものでした。この万物更新の時代は、主が来臨したまい、御自らこの世を統治される時への備えの時代なのです。

私たちは、末日聖徒イエス・キリスト教会が回復された教会であり、神の御子がこの地上でそのみ業を行なっておられた時に設立したもうた教会が、そのまま回復されたものであることを厳粛に断言するものであります。この教会は聖なるイエス・キリストのみ名を冠し、イエスを隅のかしら石として使徒と予言者の上に建てられています。また、アロン神権とメルケゼデク神権をもって構成される神権が、古代においてそれを所有した人々の手を通して回復されました。アロン神権はバプテスマのヨハネを、メルケゼデク神権はペテロ、ヤコブ、ヨハネを通して回復されたのです。

私たちはまた、モルモン経が神の賜と権威により世に出され、聖書と共に人類の救い主、贖い主なるイエス・キリストを証するものであることを宣言します。このふたつの書物は、互いに補い合いながら、イエスが神の御子であることを証しているのです。

私たちは、教会の教義と儀式が生きている人々の救いと昇栄のためだけにあるのではなく、死者のためにもあることを証します。この目的のために聖なる神殿が建設され、この世を去った人々のための代理の儀式が大々的に行なわれています。この業を通して、あらゆる時代に生を受けたあらゆる男女が、主の救いの儀式が持つ祝福を受けられるようになるのです。この偉大な無私の奉仕こそ、回復されたイエス・キリストの教会の比類ない特徴と言えましょう。

私たちはまた、家族が神の創造したもうた聖なる組織であり、永遠の父なる神が両親に対して、子供を光と真理の中で育て、「祈ることと、主の前に正しく歩むことと」(教義と聖約68:28)を教える責任を与えておられることを宣言致します。私たちは、夫と妻、親と子の関係が永遠に続くものであることを教えています。そのためには、神が定めたもうた目的のもとに献堂された神殿において、聖なる神権の権能のもとに結婚の儀式を行なわなければなりません。

また私たちは、すべての男女が神の息子、娘であり、その行動についてすべて神に申し開きをしなければならない存在であることを証します。私たちのこの地上での人生は永遠の計画の一部です。ですから死はすべてのものの終わりではなく、ひとつの領域から他の領域への目的ある移行であり、そしてこの移行は世の贖い主の贖罪を通して可能になりました。そしてその別の領域においても、完成に向かって努力し成長する機会が与えられるのです。

さらに私たちは、予言と啓示のみたまが私たちと共にあることを証します。「われらは、すべて神のこれまでに啓示したまいしこと、すべて今啓示したもうことを信じ、なお今より後、神の王国につきて多くの偉大にして重要なることを啓示したもうことを信ず。」(信仰箇条第9条)天は封じられてはいません。神は古えの時代と同様今日も、神の力を受けた予言者を通して、子供たちにそのみ言葉を明らかにしておられるのです。

今日の教会の使命は、初期の時代にそうであったように、キリストの福音を全世界の人々に教え、救い主が昇天の前に、また末日にも告げたもうた戒めに従うよう、人人に勧めることです。主はこう言われました。「汝ら全世界に出で行き、一切の生くる者に福音を説き、わが汝らに与えたる権威を以て働き、御父と、子と、聖霊の名によりてバプテスマを施すべし。」(教義と聖約68:8)

主は予言者ジョセフ・スミスを通して、神聖な警告の言葉を啓示されました。「聴け、汝らわが教会の人々よ。いと高きところに住みて、すべての人を見まもる者の声は告ぐ。曰く、誠にわれ告ぐ、汝ら民よ、遙かなる所より耳を傾けよ。海の島々にある者よ、共に聴け。誠に主の声はすべての人々に及ぶものなれば、一人ものがるる者なし。目として見ざるはなく、耳として聞かざるはなく、心として刺し貫かれざるはなし。また、およそ教えにそむく者たちは大いなる悲しみに刺し貫かれん。そは、彼らの罪悪は公に告げ知らされて、そのかくれたる行為の発かるべきを以てなり。而して、この末の世にわが選びたる弟子たちの口より、すべての人々に警めの声は及ばん。」(教義と聖約1:1-4)

従って、主イエス・キリストを信じる信仰を持つように教え、地上の民に悔い改めを説き、罪の赦しを得させるために水に沈める聖なるバプテスマの儀式を執行し、聖霊の賜を授けるための按手礼を行なうのは、私たちに課せられた義務です。そしてこれらの儀式はすべて神権の権能のもとに行なわれるのです。

この務めを果たすため、私たちは、霊感によって設定された教育と活動のプログラムを支持し、それに従ってそのプログラムを遂行するに適切な施設を建設し、維持していくようにしなければなりません。福音に耳を傾けて福音を受け入れる人々は、このような手段を通じて教義に関する理解を深め、クリスチャンとしての同胞への奉仕を実践することによって自己を磨き上げていくことができるでしょっ。

本日こうして150年にわたる発展の頂に立つにあたり、私たちは、先駆者たちが捧げた大いなる犠牲を思い起こさずにはおられません。真理への証として命を捧げた人も少なくありませんでした。彼らの働きに心から感謝の意を表したいと思います。彼らの信仰に、模範に、この業に対する惜しみない働きと心からの献身に感謝します。彼らはこの業を、命よりも貴いものと考えていました。先駆者たちは私たちに素晴らしい伝統を残して下さいました。そして私たちは、今後の人々の祝福と恵みのために、その伝統をさらに積み重ねていこうと決意しております。そうすることにより後に続く人々は、全世界で忠実な男女が果てしなくその数を増していくといった状態を築き上げることでしょう。

これは神の業です。私たちが建設しているのは神の王国です。昔、予言者ダニエルは、その王国のことを、人手によらず切り出された石が転がり出て全地に満ちると語りました(ダニエル2:31-45参照)。私たちは、世界の至る所に住む心の清い人々に、永遠の真理をお伝えする者として派遣された私たちの宣教師の教えに耳を傾けて下さいますようにお勧め致します。そして研究し学び、彼らの語ることが真実なものかどうかを、御子である主イエス・キリストのみ名によって永遠の父なる神に尋ねて下さい。

「もし誠心誠意でその上キリストを信じながら問うならば、神は聖霊の力によってこの記録が確なものであることをあなたたちに示したもうにちがいない。そして聖霊の力によって一切の事の真実であるかどうかがあなたたちに解る。」(モロナイ10:4-5)

私たちはすべての男性、女性に、罪を捨てて神に立ち返るよう申し上げます。兄弟愛を築き上げるために共に働こうではありませんか。この兄弟愛の本当の意味は、神が私たちの御父であり、私たちが神の子供であることを知った時に、はじめてわかるのです。また神とその御子、救い主なる主イエス・キリストを礼拝しようではありませんか。私たちは、今受けている聖なる神権の権能により、どこにあっても真理を求める人に祝福があるように、また私たちの主を神とするすべての民と国家の上に全能者の御加護があるように、イエス・キリストのみ名により祈ります。アーメン。

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