漢字化合物
001 目(罒) → 図
目の形
直 XXX十(まっすぐ) + 001目 + XXX乚(塀:隠す) → 図
隠したものに真っ直ぐ目を向ける→まっすぐ
矗 直 x3
ものがまっすぐたつさま→そびえる
置 137网 + 直
網を真っ直ぐたてる→置く
植 118木 + 直
木をまっすぐにたてる→うえる
殖 034歹 + 直
植物を植えて骨粉を肥料にし殖やす
値 041人 + 直
人が物の本質を直視する→価値
悳 直 + 028心
真っ直ぐな心
德(徳) 186彳 + 悳 → 図
素直な行い→良心的な行い
聽(聴) 029耳 + 214 + 悳
耳を真っ直ぐ向ける→聴く
廳(廰庁) 238 广 + 聽
訴えや事情を聴く所→役所
看 004手 + 001目
目の上に手をかざして見る→よく見る
苜 XXX艹(逆さまつげ) + 001目
ただれた目→良く見えない
夢(梦) 苜 + 229冖 + 夕(095月 参照)
冖は目の覆い、夕は夜を表し現実には見えない夢を表す
蔑 苜 + 戍(132戈 参照) → 図
刃物で傷ついた目→よく見えない→目にもとめない意
見 001目 + 046儿 → 図
人間が直立した状態で見える範囲→見る
現 A32玉 + 見
玉がみえることを示す→あらわれる
規 136矢 + 見
円を描くための矢のような棒で円を描いて見る
→物事の基準(規範)
視 306示 + 見
物を指し示すように気をつけてじっと見る
覺(覚) 010 + 249爻 + 239宀 + 見
上の部分は学と同じで、学ぶ家を示す。
そこで見聞きして覚えること。
相 118木 + 001目
目が木に向かっていることから「相手」
想 相 + 028心
心で相手を思い見る→おもう
霜 099雨 + 相
霜柱がたてに相並びたつことから
箱 121竹 + 相
車の左右に相対して付けた竹製の荷かご
盾 XXX干(目を覆うひさし) + 001目 → 図
目を保護するもの→体を保護する盾→頼りにする
循 186彳 + 盾
頼って従って行く→後について行く、めぐる
眔 001目 + 097水
目からたれる涙
褱 眔 + 169衣 → 図
涙を衣で囲んで隠すさま→ふところに入れる→穴があく
壞(壊) 107土 + 褱
土に穴があいてくずれる→こわれる
懷(懐) 028心 + 褱
ふところに入れて大切にする気持ち→なつかしむ
眉 XXX(まゆ) + 001目 → 図
目の上にまゆがあるさま
媚 056女 + 眉
目に装飾を施した巫女→こびる
002 臣 → 図
うつむいた目の形→主人の前でうつむいたしもべ
臥 002臣 + 041人 → 図
下を見るさま→うつぶせになる
臨 臥 + 206品 → 図
高い所からいろいろなものを見下ろす→のぞむ
監 臥 + 140皿 → 図
水を入れた皿を上から見下ろす。水鏡する。
→よく見る、見張る
鑑 106金 + 監
金属製のかがみ
濫 097水 + 監
水鏡にさらに水を加えてあふれる
艦 166舟 + 監
やぐらの上から見おろす大きな軍船
覽(覧) 監 + 見(001目 参照)
上から見下ろして全体を視野に収める
鹽(塩) 監 + A35鹵(塩土)
監地方の塩土からとれた塩
藍 123艸 + 監
監は集めて引き締める意の音符。
草を集めて絞った染め汁→あい。
臤 002臣 + 005又 → 図
目を伏せてかしこまり緊張するさま
緊 臤 + 168糸
糸を固くひきしめる
堅 臤 + 107土
土を固めて堅くする
賢 臤 + 086貝
財貨の運用にぬかりがない→かしこい
腎 臤 + 036肉
からだをかっちりと引きしめる内臓→腎臓
003 民 → 図
奴隷や臣従の目に針を刺して盲目にした姿。
支配下におかれる人々の意。
昏 003民 + 094日
日が沈んで見えない→くらい夜
婚 056女 + 昏
古代は夜に結婚式をしたので昏を含む
眠 001目 + 003民
目がみえない状態となってねむること
004 手(扌) → 図
物をつかもうとしている手の姿
拶 004手 + XXX(ならぶ) → 図
ならべてすりよせる。挨拶=そばに身をすりよせて
押しあう->会釈する。
005 又(ナヨ) → 図
右手の形。外から輪を掛けたようにかばうの意を含み、
転じて「さらに」の意
友 005又 x2 → 図
各々の手をもって助け合う→助け合う仲間
右 005又 + 023口 → 図
食事を助ける手→みぎ、たすける
佑 041人 + 右
人が外側からかばう→たすける
有 005又 + 036肉
手に肉をかかえるさま→手に物があるから、ある意
賄 086貝 + 有
私有する財貨、人に財貨を贈ること→わいろ
丈 XXX十(木の枝) + 005又 → 図
手に杖を持つ姿。杖で長さを測るので、長さ単位
圣 005又 + 107土
手でまるめた土のかたまり
怪 028心 + 圣
丸いかたまりは異様な感じ→あやしい
A34回(うずまく水) + 005又 → 図
うずまく水中にもぐること
沒(没) 097水 + 殳
水を沿えて、水に沈むことを表す
叉 又 + XXX丶(はさんだ物) → 図
手の指の間に物をはさんだ形→はさむ。Y型の股を
もつもの。
006 ナ → 図
左手の形
左 006ナ + 260工 → 図
工作をする時、定規にそえる手→ひだり、たすける
佐 041人 + 左
人がわきから手を添えてささえる→たすける(補佐)
尋 左 + 右(005又 参照) → 図
左手と右手をのばした長さ→ひろ。
わからない寸法をさぐる→たずねる。
差 112禾 + 左 → 図
穂を手でささえると穂先がそろわない→違い、差
隋 109阜 + 左 + 036肉
祭肉を盛り上げるように供えるので祭肉が崩れ落ちる
→落ちる、だらりとさがる
惰 028心 + 隋
緊張ないだらりと落ちるような気持ち→おこたる(怠惰)
墮(堕) 隋 + 107土
盛り土が崩れ落ちる→おちる(墜落)
隨(随) 020辵 + 隋
崩れ落ちて止まらないように先行者の行くのにまかせて
進む→したがう(追随)
髓(髄) 骨(033冎 参照) + 隨
骨の外わくに従う骨の中の柔らかい部分(骨髄)
007 寸 → 図
手の動作を示す。長さの単位(指1本のはば)。
ちょっと。
村 118木 + 007寸
人がちょっと腰をおちつける木のある所。
肘 036肉 + 007寸
手に関連する体の部分→ひじ
酎 146酉 + 007寸
肘は腕をまわして取り込む意。酒を水がわりに取り込
んで作った濃い酒。焼酎。
討 言(129辛 参照) + 007寸
言葉で知識をつかみとる→たずねる
008 爪 → 図
手で物をつまむさま、転じて、つめの意。
舜 008爪 + 229冖 + 018舛
わくの中で手足がすばやく動く
瞬 001目 + 舜
すばやく目を動かす→またたく
爰 008爪 + XXX干(手と手の間にある棒) + 005又 → 図
手と手の間に物を入れて間を空ける→ゆとり
援 004手 + 爰
ゆとりもたせるため、手助けする
緩 168糸 + 爰
糸の結び目をほどきゆとりをつくる→ゆるやか
暖 094日 + 爰
日差しがたっぷりで暖まる
媛 056女 + 爰
優美なゆとりのあるゆかしい女→ひめ
爭(争) 008爪 + XXX一(手と手で引っ張り合う物) + 005又 → 図
物を引っ張り合う→争う
靜(静) 青(122屮 参照) + 爭
争いをやめ清らかになる→しずか
瀞(淨浄) 097水 + 靜
水で清らかにする→きよい
印 008爪 + 045卩 → 図
左の部分は爪が90度回転した形。人を手で押えてひざ
まずかせる。→上から押すはんこ
抑 004手 + 印
手で抑える
妥 008爪 + 056女
いきり立つ女性を手で押さえて落ち着かせる
→ほどよい所に落ち着く
采 008爪 + 118木
手が木の芽や枝葉を摘み取るさま→とる
採 004手 + 采
一部だけを選んで取る→とる
菜 123艸 + 采
摘み取って食用にする植物→な(野菜)
彩 采 + 207彡
模様をなす色を選んでとりあわせる→いろどり
受 008爪 + 166舟 + 005又 → 図
舟は取り巻いて漏れない意。
漏れないようしっかり手渡しする→うける
授 004手 + 受
手渡して受けとらせる→さずける
奚 008爪 + 168糸 + 285大
ひもでつないで使役する奴隷
鷄(鶏) 奚 + 067鳥
ひもでつないで飼う鳥→にわとり
溪(渓) 097水 + 奚
奚は細いひもの意。細くつながる谷川。
蚤 008爪 + 085虫 → 図
爪でひっかきたくなるかゆい虫→のみ
騷(騒) 066馬 + 蚤
馬がかゆくていらだつ→さわぐ
掻 004手 + 蚤
のみを手のつめでかく
009 廾 → 図
両手をいっしょにそろえた形
共 XXX廿(手に持っている物) + 009廾 → 図
両手に物を持って捧げる→両方の手一緒→ともに
供 041人 + 共
人が物を捧げる→そなえる
洪 097水 + 共
共は一緒になる意。各所から集まった大量の水(洪水)
恭 共 + 028心
目上の人の前に物をささげるときのかしこまった気持ち
→うやうやしい
巷 共 + 077巳
巳は人のふせた姿。人の住む里の公共の通路→世間
港 097水 + 巷
水上の通路→舟の出入りする水路のある港
畀 XXX田 + 009廾
かごをを両手でささえているさま→あたえる
別の説では、先を太くした矢(鏑矢) → 図
→ 比較「矢」
010 → 図
両手でつかむ姿
臾 010 + XXX人(横に引き抜く印)
両手で荷物を持つさま
貴 臾 + 086貝 → 図
両手でかつぐほどの大きな財貨→とうとい
遺 020辵 + 貴
大切な財貨を残してたち去る→わすれる、のこす
潰 097水 + 貴
穴があいてくずれおちる→つぶれる。
舁 010 + 009廾
二人が両手で物をかつぎあげる
興 舁 + 259同
二人が両手を同じく動かして一せいに持ち上げおこす
寅 239宀 + 010 + 136矢 → 図
家の中で両手で矢をまっすぐ伸ばす
→背筋を伸ばし身を正す→つつしむ。
十二支の虎に当てる。
演 097水 + 寅
水を伸ばす→口やしぐさで展開させる(演説、演技)
011 尺 → 図
5本の指をピラミッド型に広げて長さを測る姿
長さの単位(手尺の長さ)
012 丑(尹) → 図
棒を持つさま。十二支の牛に当て原義を失った。
尹は道具を持つ手→王のために労働する人→長官
君 012丑 + 023口 → 図
天地を調和させる棒を持ち、言葉で世をまとめる人
群(羣) 君 + 065羊
羊のまとまり→むれ
郡 君 + 邑(077巳 参照)
村や町のまとまり
013 丸(丮) → 図
しゃがんだ人が両手を差し伸べた姿。
体を丸めることから、丸い意。
014 止 → 図
踏みしめた足が地に付けた跡。元は進む意。
足が止まることから、止まる意
正 304一 + 014止 → 図
一は目標線。足が目標線めがけて真っ直ぐ進む
→真っ直ぐである→ただしい
別の説では、上部の一の部分は甲骨文字では四角形で、
都市を表す。都市を攻撃すること。
乏 正をさかさまにした形 → 図
真っ直ぐ進めない→金が無くて動きが取れない→乏しい
征 186彳 + 正
遠方の目標線を目ざして真っ直ぐ足を進める(遠征)
症 疒(288爿 参照) + 正
病気の外にあらわれた特色。正はただの音符。
政 正 + 139攴
まっすぐに整える→社会を整える仕事→まつりごと
定 239宀 + 正
足を真っ直ぐ家の中に立てて止まる→ひと所に落ち着
いて動かない→さだめる
錠 106金 + 定
金属または薬物を一定の形に固めた物(錠剤)。
かぎをかけ戸じまりをする金具(錠前)。
綻 168糸 + 定
定は外にあらわれる意の音符。布が破れて、中身が外
にあらわれる→ほころびる。
歮 014止 x3
足と足がぶつかってうまく進まない
澁(渋) 097水 + 歮
水のため進みにくい→しぶる(渋滞)
奔 285大 + 歮 → 図
ぱたぱたと急いではしる(奔走)
齒(歯) 014止 + XXX(歯の形) → 図
物をかみ止める前歯→歯
先 014止 + 046儿 → 図
足先は人体の先端にあるので先の意。
洗 097水 + 先
足指の細いすき間に水を通す→あらう
銑 106金 + 先
先は洗の略。まじり物をとり去った金属(銑鉄)
贊(賛) 先 x2 + 086貝
足先を二つ並べて主役を助けて介添え役が並んで進む。
貝は手に持つ礼物。儀式のさい脇から主役を助ける
→すすめる(賛成)、たすける(賛助)、ほめる(賞賛)
市 014止 + 299平 → 図
売り手と買い手が足を止め平衡のとれた価を出す所
延 187廴 + 014止 + XXXノ(のばす) → 図
長くひきのばして進む→のばす
誕 言(129辛 参照) + 延
むやみに引き伸ばした空言→偽り。生まれる意は仮借。
歩 014止(右足) + 014止(左足)
左右の足を交互に出して歩く
渉 097水 + 歩
川をひと足ひと足ふみしめてわたる→わたる。
離れた向こう岸にまで行き着く→相手とかかわる(交渉)
頻 歩 + 025頁
歩は渉の略。水ぎわぎりぎりに顔を寄せる
→間を置かずに物事が起こる(頻発)
捗 004手 + 歩
仕事が一歩一歩と上に進む→はかどる
祉 306示 + 014止
神がそこに足をとめて福を与える→さいわい(福祉)
此 014止 + 043比 → 図
足を並べてもうまくそろわず、ちぐはぐになること。
「これ」「この」の意は仮借。
紫 此 + 168糸
赤と青を混ぜて染めた色がそろわず、ちぐはぐの中間色
となる→むらさき
雌 此 + 068隹
左右の羽をちぐはぐに交差させて尻をかくすめすの鳥
(癶) 014止 x2
左足と右足とがぱっと開いた形→はねる
發(発) 癶 + 135弓 + 138殳 → 図
弓をぱっとはじく→発する
廢(廃) 238广 + 發
家がぱんとはじけて二つに割れてくずれる→すたれる
前 014止 + 166舟 + 127刀 → 図
舟と足がそろって前に進む→まえ。刀を加えて、そろ
えて切る意だったが、前に進む意だけが残った。
剪 前 + 127刀
そろえて切る(剪定)。前が前に進む意だけになったので
この字が作られた。
揃 004手 + 前
手でそろえる→そろえる
煎 前 + 096火
火力を平均にそろえて、なべの上の物をいちように
熱する→いる。にる。
是 XXX旦(まっすぐなさじ) + 014止 → 図
まっすぐ進むさま→正しい(是非)。
「これ」「この」の意は仮借。
堤 107土 + 是
川にそってまっすぐのびている土手→つつみ(堤防)
提 004手 + 是
まっすぐに上に引っ張る→さげる(提灯)、
さしだす(提供)
題 是 + 025頁
まっすぐ正面につき出たひたい→まっさきにつき出した
見出しの文句(標題)
015 足 → 図
ひざ頭から下の部分の足の全形。足りる意
促 041人 + 015足
足を運んで人に迫る→うながす
捉 004手 + 015足
足は、伸縮するあし。手の筋肉をぐっと縮めてつかむ
→とらえる
016 疋 → 図
別々に離れて対をなす足
楚 118木 + 118木 + 016疋
ばらばらに離れた木の枝
礎 105石 + 楚
点々と離して置いた建築の土台石
旋 173 + 016疋
旗がひらりとひとまわりするように、足で歩いてまわる
→めぐる
疎 016疋 + 119束
たばねて合したものを一つずつ別々に離して間をあける
→まばら、うとい
胥 016疋 + 036肉
肉をほぐした塩づけ。肉の繊維が何本にもわかれて並ぶ
意から、あい並ぶ、あい対するの意
婿 056女 + 胥
娘と結ばれてペアをなした男性→むこ
017 夂(夊) → 図
下向きの足の形。足を引きずる。
夏 025頁 + 017夂 → 図
大きな面をかぶり足をずらせて舞う人→盛んなさま
→草木が盛んに茂って大地をおおう季節→なつ
後 186彳 + 167幺 + 017夂
幺はわずかの意。足をひいてわずかしか進めずおくれる
→うしろ
各 017夂 + 023口
祝詞の入った器の上に神の足が降りるさま→いたる。
神は単独で降りてくる→おのおの。
客 239宀 + 各
降りてきた神が家にとどまる→きゃく
額 客 + 025頁
客は大切なものの意。頭の大切な部分→ひたい
洛 097水 + 各
水がぽたりぽたりと落ちるさま
落 123艸 + 洛
水がぽたりと落ちるように植物の葉がおちる→おちる。
格 118木 + 各
それぞれの木の枝がのびて入り混じる→からむ(格闘)。
格子形に木を組む→きまり(規格)、骨組み(骨格)。
絡 168糸 + 各
それぞれの糸が入り混じる→からむ、つなぐ(連絡)
酪 146酉 + 各
各は固まる意。乳を発酵させ固めた乳酸食品。(酪農)
略(畧) 110田 + 各
田におのおの勝手に小道を設ける→うばう(侵略)、
すじ道をつける(計略)、近道する(省略)
路 015足 + 各
神の足が降りる道→みち。
露 099雨 + 路
天から降りてとどまった露。露に当たるようにさらす
→あらわす(暴露)
賂 086貝 + 各
各は、路の意。ある路(ルート)を通してもっていく
財貨→まいない
閣 180門 + 各
各は止まる意。扉が開き過ぎないように止めるくい
→置く、止める、扉止めがあるりっぱな家
复 XXX(腹の膨れた壷を二つ重ねた形) + 017夂 → 図
行きと帰りで同じ道を二回通る
復 186彳 + 复
行って帰る→元にもどる、二度する、仕返す
覆 236襾 + 復
おおわれたものが、ひっくり返り元にもどる
→おおう、くつがえる。
履 040尸 + 復
尸は人をあらわす。人が同じ道を歩いてかえる
→人としての道(履歴)、約束を行う(履行)
複 169衣 + 复
衣を二重にする→かさねる
腹 036肉 + 复
人体でふくれた部分→はら → 図
処 017夂 + 159几
足を止めて床几に腰を落ち着ける→おる、おく、ところ
處(処) 075虍 + 処
処と同じ意。虍はただの音符。
據(拠) 004手 + 處
その場所に座を占めてよりどころにする→よりどころ。
豦は處の省略形。
018 舛 → 図
左右の足が開く姿
夅 舛の変形(左右の足を上下に並べたもの)
降りる姿
降 109阜 + 夅 → 図
段々(阜)を降りる姿
桀 018舛 + 118木
罪人をしばって木の上にのせ、はりつけにしたさま。
高くかかげて目だつ意、かかげる意
傑 041人 + 桀
高く抜け出た人→すぐれて高く抜きん出ている(傑出)
粦 XXX米(鬼火) + 018舛
連なって燃える鬼火
隣 109阜 + 粦
連なった土べいや住居→となり
019 之 → 図
目標物に向けて足を踏み出しまっすぐ進む。ゆく意。
寺 019之 + 007寸 → 図
手足を動かして働く→雑用をつかさどる役所。
漢代に西域から来た僧を鴻臚寺という接待所に泊めた
ため、のち寺を仏寺の意に用いるようになった。
侍 041人 + 寺
身分の高い人の世話する人→はべる(侍従)、さむらい
待 186彳 + 寺
手足を動かして相手をもてなす(接待)→まつ
時 094日 + 寺
寺は働く意。日が進行する→とき。
持 004手 + 寺
寺はとどめる意。手にとどめて持つ。
詩 言(129辛 参照) + 寺
寺はとどめる意。心の中を言葉にしてとどめたもの
特 064牛 + 寺
寺はとどまる意。群れの中でじっとして目だつ牛→特別
等 121竹 + 寺
竹の節の長さが等しくそろっている→ひとしい。
寺はただの音符。
志 019之 + 028心 → 図
心が目標を目ざして進み行く→こころざす
誌 言(129辛 参照) + 志
志はとどめる意。言葉を書物にとめおく→しるす。
芝 123艸 + 019之
すくすく伸び行く植物→きのこ(霊芝)、しば
020 辵(辶) 186彳 + 014止 → 図
ある方向に向って進む
退 020辵 + 094日 + 017夂 → 図
足がとまって進まないことを示す
辷 020辵 + XXX一(平ら)
[国字]平らな地をなめらかに進む→すべる。
021 走(赱) 285大 + 016疋 → 図
大の部分は人が走っている姿。疋は足の形。
022 韋 → 図
ある地点(口)の上下を一つの足が右へもう一つが
左へ進むさま→ぐるりとめぐって歩く
→からだにぐるりと巻きつける「なめしがわ」
緯 168糸 + 022韋
縦糸(経)の間をめぐって行きつ戻りつする横糸(緯)
違 020辵 + 022韋
二人の人が道で右と左とに行き違いになる→ちがう
偉 041人 + 022韋
韋はぐるりと丸い意。丸くりっぱな人→えらい
圍(囲) 235囗 + 022韋
ぐるりと周囲をかこむ
衛(衞) 185行 + 022韋 → 図
城の周囲めぐってまもる
023 口 → 図
人の口。白川説では、祝詞を入れる器。
号 023口 + 274丂
大きな口を空けのどを屈曲させどなる→さけぶ(号泣)
表向きに呼ぶ→名を付ける→呼び名(称号)→印(記号)
號(号) 号 + 虎(075虍 参照)
とらのような太い声でさけぶ
咢 口 x2 + XXX亏
おどろく。口二つは、やかましく話すことを示す。
亏は、人がからだを曲げて、さかさになった姿。
咢は、ごつごつとぶつかる、交差してつかえるという
基本義を持つ。
顎 咢 + 025頁
ごつごつしたあご。
諤 言(129辛 参照) + 咢
ごつごつした言い方。
萼(蕚) 123艸 + 咢
ごつごつした花のがく
甘 023口 + XXX丶(食物) → 図
口に食物を含んで味わう→あまい
某 甘 + 118木
甘い実のなる木→梅。よくわからないの意は仮借。
謀 言(129辛 参照) + 某
よくわからない先のことを言葉で相談する→はかる
媒 056女 + 某
互いに不明な男女の間にたち理解させる→なかだち
甚 甘 + 172匹 → 図
匹は二つが並ぶことで男女の性交を示す。甘(うまい物)
と匹(色ごと)で享楽に身をくずす→はなはだしい
勘 甚 + 037力
奥深くまで徹底して突きつめる→かんがえる、直感
堪 107土 + 甚
すごく重い土の山→その重さにたえる→たえる
紺 168糸 + 甘
甘は含む意。濃い青色を含んだ染め糸の色。
曰 023口 + XXXL(口から出た言葉) → 図
口の中からことばが出てくる→いう、いわく
曷 曰 + 匃(230勹 参照)
匃は、はっと叫んで歩いている人を押さえとどめる意。
はっとどなる→疑問をあらわすことば
白川説では、曰は祝詞を納めた器。匃は死者の骨を集め
たもの。死者の骨に祈り願う→求める、疑問詞なんぞ
喝 023口 + 曷
はっとどなる→しかる
白川説では、祈り求める激しい声→しかる
渇 097水 + 曷
はっとどなって、喉の水気がかれる→かわく
白川説では、曷は尽きる意の音符。水が尽きる→かわく
褐 169衣 + 曷
曷はかわく意。ひからびた繊維の布、色(褐色)
白川説では、祭祀の服→粗衣、その色(褐色)
葛 123艸 + 曷
曷はかわく意。茎がかわいてつる状をなした植物
→くず、つる、かたびら、つづら、かずら。
掲 004手 + 曷
行く手に高く標識をかかげて人を押し止める→かかげる
白川説では、祈りのために木札をかかげるようす
謁 言(129辛 参照) + 曷
目上の人が行くのを押しとどめて願いを訴える
→まみえる(拝謁)
沓 097水 + 曰
流れるようにしゃべる→かさねる
踏 015足 + 沓
ぺたぺたと足ぶみをする→ふむ
哭 023口 x2 + 063犬
犬が口々になく→泣く
喪 哭 + 194亡 → 図
死人を送って口々に泣くこと
別の説では、桑と祭器の象形で儀式を表す。
亡人の儀式。 → 図
器(噐) 023口 x4 + 063犬
儀式に使ういろいろな器を並べたさま
犬は器を清めるための犠牲の犬
菫 XXX廿(動物の頭) + 096火 + 107土 → 図
燃やした動物の頭骨のように、熱気でかわいた土。
水気を出し尽くして粉々になる→細かい、少ない。
白川説では、雨乞いのために祝詞を入れた器を持った
巫祝が焼き殺されるようす。
勤 菫 + 037力
細かい所まで力を出し尽くして余力がない→つとめる
白川説では菫は艱難の意。力はすき。苦労して農作する
→つとめる
謹 言(129辛 参照) + 菫
細かく言動に気を配る→つつしむ
白川説では祈りの言葉によって悪霊を封じる→つつしむ
僅 041人 + 菫
人が少ない→わずか
饉 食(141皀 参照) + 菫
食物が少ない(飢饉)
四 023口 + 218八 → 図
口から出た息が分散するようす。口から息が出るときの
音「シ」が、4を表す音と同じため、4の意となった。
024 舌 128干 + 023口 → 図
口にある棒のようなもの。舌の意
025 頁 → 図
人の頭
面 025頁 + 235囗 → 図
頭の周りを取り囲む形→つら、おもて
麺(麪) 麦(113來 参照) + 面
面は細長いことを表す音符。小麦で作った細長いめん
寡 239宀 + 025頁 + 041人
屋根の下に頭だけ大きい子が一人ぼっち残されたさま
→すくない
煩 096火 + 025頁
火のもえるように頭がいらいらすること→わずらわしい
憂 025頁 + 028心 + 017夂 → 図
頭と心とが悩ましく足も滞るさま→うれえる。
心が沈んだしなやかな姿。
優 041人 + 憂
しなやかにふるまう人→やさしい、すぐれる、
しなやかに演じる人(俳優)。
026 囟(田) → 図
赤ちゃんの頭のひよめき
思 026囟 + 028心
囟(ひよめき)のように微妙に動く心の働き→おもう
細 168糸 + 026囟
糸のように、ひよめきの小さい隙間のように、細い
票 026囟 + 010 + 096火 → 図
死者の頭部を両手に持って焼き、火の粉が浮き上がる
→目だって軽々と浮きあがる→軽くて目だつ札
標 118木 + 票
目印の木のこずえ→こずえ、しるし(目標)
漂 097水 + 票
水面に浮かんでいる→ただよう
甾 XXX巛(髪の毛) + 026囟
まるい頭の上に毛のはえたさま→頭脳
惱(悩) 028心 + 甾
頭脳をなやますこと
腦(脳) 036肉 + 甾 → 図
頭脳。肉を加え人体の部分であることを強調。
027 首 → 図
くびから上の頭部に髪が生えた姿
道 020辵 + 027首
邪気を祓うために異族の首を持って道を進んだことから
導 道 + 007寸
異族の首を手で持って道を導いたことから
県 首をさかさまにした形 → 図
首を切って見せしめのため、高い所からぶらさげること
縣(県) 県 + 系(168糸 参照)
ひもで中間にぶらさげること。
中央政府にぶらさがるひもつきの地方区
懸 縣 + 028心
心が宙づりになって決まらず気がかりなこと
028 心(忄) → 図
心臓の形。心は心臓の作用と考えられていたことから、
心の意。
芯 123艸 + 028心
心臓のように中心にある植物のくきのしん
029 耳 → 図
みみたぶの形
聶 029耳 x3
耳を寄せあってひそひそと話す
攝(摂) 004手 + 聶
耳を寄せ合うように、そろえて手に持つ
取 029耳 + 005又
戦功の印として敵の耳を手で取る→とる
最 234日 + 取
かぶせた覆い中からごく少量を取る→ごく→もっとも
撮 004手 + 最
かぶせた覆い中からごく少量を取る→つまみとる
趣 021走 + 取
さっと取るように足ばやに向かう→おもむく。
心が向くおもしろいもの→おもむき(趣味)。
恥 029耳 + 028心
耳は柔らかい→心が柔らかくいじける→はじらう
白川説では、恥ずかしいと、耳が赤くなるから。
餌 食(141皀 参照) + 029耳
耳は、柔らかい意。柔らかく練ったえさ。
030 自 → 図
鼻の形。自分を言うとき鼻をさすので自分の意
鼻 030自 + 畀(009廾 参照)
はな。畀(ヒ)は鼻息の音の仮借。
息 030自 + 028心
心臓の動きにつれて、鼻からいきをすること。
すやすやと平静に息づく→安息・生息。
生息する→子孫をうむ→むすこ。
臭 030自 + 063犬
におい。くさい。犬の鼻は臭いをよく嗅ぎ分けるから
嗅 023口 + 臭
においをかぐ
臱 030自 + 280穴 + 227方 → 図
自(鼻)と穴(両側にわかれる)と方(両側にはり出る)で、
鼻の両わきに出た鼻ぶたのはし。
邊(辺) 020辵 + 臱
行き詰まる果てまで歩いて行ったその端
→はし、はて、へり、ふち
031 而 → 図
ほおひげが柔らかく垂れ下がったさま。柔らかい意。
指示詞「それ」「その人」接続詞「そして」
「それなのに」の意に転用され、原義を失った。
白川説では、頭髪を切ってまげのない巫祝の姿。
需 099雨 + 031而
雨水にぬれて柔らかくなり動きがにぶる→動かずに待つ
→もとめる(需要)
白川説では、巫祝が雨乞いをすることから、もとめる意。
儒 041人 + 需
性行のしっとりとして柔和な人→教養のある人。
白川説では、雨乞いをする巫祝。孔子が巫祝の出身で
あったので、孔子の教えを儒教と言う。
耐 031而 + 007寸
柔らかいひげのように、切れずにねばり強く耐える
耎(欠) 031而 + 285大
柔らかでゆとりのあること
軟 164車 + 耎 → 図
車が柔らかく動いて手ごたえのない→やわらかい
032 041人 + 207彡 → 図
人間の髪の毛がびっしり生えた姿。
すきまなく充実している意
參(参) XXX厽(3つの玉のかんざし) + 032
三つの玉のかんざしをきらめかせた女性の姿
三つかんざしが不ぞろいであることから、混じる意
→まじわる、仲間にはいる(参加)、まいる(参拝)、
数字の三の代わりにも使う。
慘(惨) 028心 + 參
心の中へ深くしみこんでつらい思いをする→みじめ
診 言(129辛 参照) + 032
すみずみまで調べて判断を下す→みる(診察)
珍 A32玉 + 032
きめ細かくつまった上質の玉→めずらしい
033 冎 → 図
上の骨の穴に下の骨がはまり込んでいる関節の形
骨 033冎 + 036肉
骨の関節に肉体を表わす肉をつけて、ほね全体を表わす
滑 097水 + 骨
骨の関節が動くように水の上を滑らかに動く→なめらか
咼 033冎 + 278口
自由に動く関節。関節の穴。
過 020辵 + 咼
両側にゆとりがあって、さわりなく通過する→すぎる。
勢い余って、行きすぎる→あやまち。(過失)
禍 306示 + 咼
咼は穴を表わす。神のたたりを受けて思いがけない落と
し穴にはまる→わざわい
渦 097水 + 咼
咼は穴を表わす。穴のような水のうずまき。
鍋 106金 + 咼
咼は丸く窪む意。丸く窪んだなべ。
拐 004手 + 咼
咼は曲がりくねってはいりこむ意。曲がりくねった方
法で相手をだます→かどわかす(誘拐)
別 033冎 + 127刀 → 図
骨の関節を刀でばらばらに分解する→わかつ
034 歹 → 図
風雨にさらされ白くなって残った骨の断片
死 034歹 + 042匕
人が倒れ骨だけになる→死ぬ
葬 123艸 + 死 + 123艸
死体を草むす土の中に隠し去る→ほうむる
列 034歹 + 127刀
一連の骨を刀で切り離して並べる→つらねる
例 041人 + 列
同類として並べてみる→たとえる
裂 列 + 169衣
布地を刀で切り離す→さく
烈 列 + 096火
ほのおがいくつにも裂けてもえ広がる→はげしい
035 呂 → 図
背骨が連なった形。似たものが一列になる意
侶 041人 + 035呂
連なる仲間
宮 239宀 + 035呂
連なっている建物
036 肉(月) → 図
動物の肉片に二本の筋がはいった姿
多(夛) 036肉 x2
肉を重ねて、たっぷりと存在する→おおい
移 112禾 + 多
稲の穂が風に吹かれて横へとなびく→横へずれる
→うつる。多はただの音符。
白川説では、稲と肉を供えて災いが他へ移るよう
まじなう→移る。
胃 XXX田(胃袋の形) + 036肉 → 図
いぶくろ。
彙 彖(071豕 参照)の変形 + 胃の変形
彖は豚の意。胃は丸い意。体を丸くしたはりねずみ。
針がたくさん集まっていることから、あつまる意。
肩 XXX戸(かたから手の垂れたさま) + 036肉 → 図
かた。
脊 XXX夫(せぼねのぎざぎざと張ったさま) + 036肉 → 図
せ。
肯 014止 + 036肉
骨の間にはまりこんで止まった肉→思うつぼにはまった
よしきたの意→うなずく(肯定)
肙 XXX○(まるく巻いた虫) + 036肉
まるく巻いた虫→かいこ
絹 168糸 + 肙 → 図
かいこから取る糸→きぬ
036肉 + 143缶
肉をこねる器→まんべんなくこねる
搖(揺) 004手 + → 図
ゆらゆらと固定せず動く→ゆらぐ。はただの音符。
謠(謡) 言(129辛 参照) +
声を長くのばし節をつけてうたう→うた(民謡)。
はただの音符。
037 力 → 図
手に力を込めて筋肉を筋張らせている姿。
白川説では、すきの形。
劦 037力 x3
力を合わせる
協 202十 + 劦
多くの力を合わせて一つにまとめる
脅 劦 + 036肉
両わきから力でからだを挟む→両わきから挟んで脅す
脇 036肉 + 劦
両わきからからだを挟む力んだ腕→わき
加 037力 + 023口
口に手を乗せる→くわえる
架 加 + 118木
支柱の上に横木を乗せ加える→かける
賀 加 + 086貝
財貨を高く積みあげる→物を贈って祝う
肋 036肉 + 037力
力は力んだときにできるすじの意。すじばったあばら。
筋 121竹 + 肋
竹のすじ状の部分→すじ
038 亦 → 図
人の両脇。同一物の連なることを示す「また」
跡 015足 + 038亦
次々と続く足あと→あと(痕跡)
039 要 XXX襾(腰に手をあてている形) + 056女 → 図
腰を紐で締めるさま。
腰は重要な部位なので「かなめ」の意。
「締める」ことから「要求」「要約」の意も。
腰 036肉 + 039要
「肉」を付けて腰そのものを示す。
040 尸 → 図
尻、または横たわる人の姿を表す
尻 040尸 + 273九
曲がりくねった末端の尻を表す。
屍 040尸 + 死(034歹 参照)
死んで倒れた人体
尾 040尸 + 092毛
尻の毛→しっぽ
尿 040尸 + 097水
尻から出る水→しっこ
屁 040尸 + 043比
尻の両壁の並んだすきまからもれ出る屁
展 040尸 + 176 + 169衣 → 図
衣の上に尻を乗せて平に伸ばす
→平に広げ並べる、伸び広がる
040尸 + XXX兀(こしかけ) + XXX冂(台)
尻を台に乗せたさま
殿 + 138殳 → 図
尻になる、しんがりを務める
→でんと尻を据えた建物や人物
尼 040尸 + 042匕
尸も匕も人を表し、人が相並び親しむさま
仏に仕える女性を表すサンスクリット語の
ビクニの音訳の比丘尼から「あま」の意
泥 097水 + 尼
人と人とがからだを寄せてくっついたさまを
表す「尼」より、ねちねちとくっつくどろ
尉 040尸 + 305二 + 096火 + 007寸 → 図
尻の下に物を並べ(二)火のしをかけ押さえる(寸)
→不良のやからを鎮圧して押さえる武官
慰 尉 + 028心
怒りや不安な気持ちを押さえる→なぐさめる
040尸 + 170巾
人が布で尻の汚れをふきとる
刷 + 037力
刀でさっと汚れをこすりとる→こする
犀 040尸 + 129辛
きば(辛)が鋭いのっそりした(尸)動物→サイ
遲(遅) 020辵 + 犀
サイのようにノロノロ歩く→おそい
穉(稚) 112禾 + 犀
成長が遅くて小さい作物→おさない
041 人(亻ク) → 図
少しかがんだひとを横から見た姿
从 041人 x2
前の人のあとにうしろの人がつきしたがう
從(従) 186彳 + 从 + 014止
したがって行くさま→したがう
縱(縦) 168糸 + 從
したがって行く人々は、たてに長く縦隊をつくる→たて
旅 173 + 从 → 図
人々が旗の下に隊列を組む軍旅→たび
坐 从 + 107土
人が地上にしりをつける→すわる
座 238广 + 坐
家の中で人のすわる場所→席
挫 004手 + 坐
坐は、足腰をおりまげてすわること。
ぎざぎざに折る→くじける。
并 从 + 305二 → 図
同じように肩をならべてひっつけたさま→あわせる
併 041人 + 并
人が合わさる→あわせる(合併)
瓶(甁) 并 + A39瓦
二つ並べて上下させる井戸つるべ→水をくむ器、
液体を入れる小口の容器
屏 XXX尸(垂幕) + 并
物を並べて中をおおい隠すさま→ついたて(屏風)
塀 107土 + 屏
[国字]土の遮断壁→へい
餅(餠) 食(141皀 参照) + 并
并は表面を平らにならす意。まるくて平たい食品→もち
众 041人 x3
おおくの人
衆 001目 + 众 → 図
目は臣下を表わす。おおくの臣下、または庶民(大衆)
介 041人 + 218八 → 図
ある人が人々の中に分け入る
→仲立ちする(仲介)、たすける(介護)
界 110田 + 介
田畑の中に区切りを入れて両側に分ける境目→さかい
色 041人 + 240 → 図1 → 図2
二人が体を曲げてくっついているようす
性交→女性の色気→色
后 041人 + 278口 → 図
人体の後ろにあるしりの穴→後ろ→後宮に住むきさき
司 041人 + 278口 → 図
人が小さい穴からのぞく→よく一事を見きわめる→役人
つかさ、つかさどる。
伺 041人 + 司
人が小さい穴からのぞく→うかがう
覗 司 + 見(001目 参照)
人が小さい穴からのぞき見る→のぞく
嗣 023口 + 冊(121竹 参照) + 司
後継ぎを立てる経緯を短冊に記し神前に口で報告する
→つぐ。先人の遺業をつかさどる。
飼 食(141皀 参照) + 司
食べさせてやしなう→かう(飼育)。司はただの音符
詞 言(129辛 参照) + 司
単語や単語のつながり。司はただの音符
及 041人 + 005又 → 図
逃げる人の背に追う人の手が届く→その場、その時に
ちょうど届く→およぶ
扱 004手 + 及
手が届いて物を処理する→あつかう
吸 023口 + 及
口がぴたりと水面に届く→すう
汲 097水 + 及
つるべが水面に届く→くむ
級 168糸 + 及
糸が切れると後から一段また一段とつぎ足す
→一段一段と順序をなす
急 及 + 028心
せかせかと追いつくような気持ち→いそぐ
化 041人 + 042匕 → 図
人が立った状態(左)から座った状態(右)へ
姿を変えること
別の説では、人と上下逆向きの人。
花 123艸 + 化
植物の中で変化する部分→花
貨 化 + 086貝
交易によって何物にも変化するかね
靴 091革 + 化
革靴。化はただの音符。
千 041人 + XXX一(人と区別するための印) → 図
原字は人と同形。人と区別するため横線を入れた。
1000の意味は仮借。
付 041人 + 007寸
手をぴたりと他人のからだにくっつける→つく
附 109阜 + 付
土をくっつけてかためた土盛り。後に付と同じ意。
符 121竹 + 付
両片がぴたりとくっつく竹の割符(約束や紋を記した
竹札を二つに割り、甲乙がその片方ずつを所有し、
後日二つあわせて証拠のしるしとしたもの)
府 238广 + 付
物をびっしりとひっつけて入れる倉→役所(政府)
腐 府 + 036肉
組織がくずれてぺったりとくっついた肉→くさる
鮒 084魚 + 付
群れで、くっ付いて泳ぐ魚→ふな。
企 041人 + 014止
人がつま先立ちして待ちわびる→何かを願って計画する
→くわだてる(企画)
休 041人 + 118木
人が木陰で休息する→やすむ。
亟 305二 + 041人 + 023口 + 005又 → 図
上下二線の間に人を描いて頭上から足先の端までの間を
示し、それに人間の動作を示す口と手とを加え、からだ
の端から端までを緊張させて動作することをあらわす
→たるまない、すぐに
極 118木 + 亟
端から端まで張ったしん柱→いちばんの端→きわみ
041人 + XXX(敷物)
敷物に人が縮んで寝るさま
宿 239宀 + → 図
狭い所に縮んで泊まる
縮 168糸 + 宿
ひもをぎゅっとしめてちぢめること→ちぢむ
042 匕 → 図
しりもちついて倒れた人の姿
北 042匕 + 左右逆の匕 → 図
二人の人が互いに背を向けているようす
→背を向けてにげる(敗北)、背を向ける寒い方角(北)
背 北 + 036肉
背を向ける体の部分→背
旨 042匕 + 甘(023口 参照) → 図
人の口にうまいこってりした食物→うまい。転じて、
さし示した内容・物事→考えや意向→むね(主旨)。
脂 036肉 + 旨
肉のうまい部分→あぶら
指 004手 + 旨
指し示す手の部分→ゆび
詣 言(129辛 参照) + 旨
言葉使いが旨みのあるところまで上達する
→高い所にいきつく→いたる、もうでる
耆 055老 + 旨
年を経てうまみの出たこと→おいる、たしなむ
稽 112禾 + 耆
久しくとどめおいた収穫物→よく考える。
稽古=昔の事を考え調べる→学問、学習をする、
芸事、武道を練習する。
頃 042匕 + 025頁
頭が倒れた形になる→かたむく。
頭をかしげるほどのわずかの時間→しばらく、ころ。
傾 041人 + 頃
かたむく。頃が他の意に転用されたため、この字で
かたむく意をあらわす。
043 比 042匕 x2 → 図
人が二人並んだようす→比べる
皆 043比 + 030自
みんな並んでそろうこと→みんな
階 109阜 + 皆
皆はきちんとそろう意。高さを等分して、きちんと
そろえた段→階段
楷 118木 + 皆
皆は、ととのってそろう意。きちんとそろった模様の
ある木→きちんと整ったやり方。
楷書=かどばらせてきちんと書く書体。
諧 言(129辛 参照) + 皆
言葉をそろえる→調和する。(諧声、諧調)
→やわらぐ、たわむれる。(俳諧)
批 004手 + 043比
手と手を突き合わせる→うつ、ふれる。
突き合わせて良し悪しを決める(批評)。
坒 043比 + 107土
きちんと並んだ土の段
陛 109阜 + 坒
土の段→宮殿の階段
044 立 → 図
人が両足を並べて地面に立っている姿→立つ
竝(並) 044立 x2 → 図
立った人が横に並ぶようす→並ぶ
普 竝 + 094日
並は横に広がる意。日光が広がる→すみずみまで広く
行き渡る(普及)
譜 言(129辛 参照) + 普
普は平らに伸ばす意。記録を平らな図面に書いたもの
替 竝 + 曰(023口 参照)
人から人へと入れ替るさま
位 041人 + 044立
人がある位置にしっかり立つさま→くらい
粒 111米 + 044立
同じ形をして並び立つ米つぶ→つぶ
泣 097水 + 粒
水のつぶ→なみだ
拉 004手 + 044立
立は、両足を地面に付けて立つ意。
両手を物に付けて持つ→両手でひっぱる。
拉致=捕らえて連れ去る。
045 卩() → 図
人がひざまづいている姿
卬 XXX(立った人) + 045卩(それに向かって座った人)
高くたって見おろす人と低くひざまずいて見あげる人
仰 041人 + 卬
高いほうを見あげる→あおぐ。
身分の高い人の命令や言葉→おおせ。
迎 020辵 + 卬
上から来る者を下から出むかえにいく→むかえる。
承 045卩(人) + 006ナ(左手) + 004手 + 005又(右手) → 図
人がひざまずいて両手で捧げ受ける→うけたまわる
丞 045卩(人) + 006ナ(左手) + 005又(右手) → 図
水の中へ落ちた人を両手で助けて上に乗せる
烝 丞 + 096火
火気が高い所へあがる→むす
蒸 123艸 + 烝
草が上へ上へと盛んにのびる。現在は烝と同じ意。
絶 168糸 + 127刀 + 045卩 → 図
刀で糸や人を短い節に切る→たつ
己 卩の変形
ひざまずいた人がくっつくさま
配 146酉 + 己
人が酒つぼのそばにくっついて離れない→くばる、
つれあい(配偶)
妃 056女 + 己
王族の夫に連れ添ってペアをなす妻→きさき
肥 036肉 + 己
己はくっつく意。肉がついて太る→こえる
巽 己 x2 + XXX共(台)
己はくっつく意。物をそろえて供える
選 020辵 + 巽
そろえて見て選ぶ。辵は動詞記号。
045卩 + 005又
人に手をぴたりとつけたさま→つける
服 A41舟 + → 図
「月」は元「舟」。
舟べりにぴたりとつける板→からだにぴたりとつける衣
別の説では、「月」は元「凡」
報 130幸 +
罪人に手かせをはめて罪の仕返しをする→むくいる
夗 045卩 x 2 → 図
膝まづいて拝んでいる人の姿。曲げて押し込める意。
怨 夗 + 028心
心が押し曲げられてかがんだ感じ→うらむ
苑 123艸 + 夗
囲いの中に花や木を押し込めて養う所→その
宛 239宀 + 夗
覆いの下で体を丸くかがめること→まがる、
自分を曲げて相手に合わせる→あてる(宛名)
腕 036肉 + 宛
よく曲がる体の部分→うで
046 儿 → 図
背中の曲がった人、突き出ている人
允 XXX厶(柔らかくくねった形) + 046儿 → 図
なごやかな姿をした人
夋 允 + 017夂
すらりとした人
俊 041人 + 夋
すらりとした人→すぐれる
駿 066馬 + 夋
すらりと背が高く足のはやい馬→すみやか(駿足)
酸 146酉 + 夋
筋骨を柔らげ、スマートにする発酵液→す
唆 023口 + 夋
他人にけしかけるときに、口を細くすぼめて合図する姿
→そそのかす
兒(児) XXX臼(幼児の頭) + 046儿 → 図1 → 図2
子供
克 XXX古(重いかぶと) + 046儿 → 図
人が重さに耐えてがんばるさま→かち抜く
兢 克 x2
克は全身を緊張させた姿。この字を二つ合わせて、
ひどく緊張する意。
元 XXX二(丸い頭) + 046儿 → 図
人間の丸い頭。頭は上端にあるので、先端、はじめの意
頑 元 + 025頁
丸い頭の意から転じて融通の利かない古くさい頭の意
→かたくな(頑固)
完 239宀 + 元
丸くとり囲んで欠け目なく守るさま→まっとうする
院 109阜 + 完
まわりを囲んだ土べい→囲いのある建物
冠 229冖 + 元 + 007寸
頭の周りをまるくとり囲むかんむり
玩 A32玉 + 元
両手をまるめてその中で玉をころがして感触を楽しむ
→もてあそぶ
047 兄 023口 + 046儿 → 図
頭の大きい人→年上の人。
白川説では、儀式に使う器を持った人。
家で儀式を司るのは長兄であることから兄の意。
祝 306示 + 047兄
祭壇でのりとを告げる神職→いわう、のりと
呪(咒) 023口 + 047兄
元は祝と同じ。祝は幸いを祈る場合、呪は不幸を祈る
場合に分用されるようになった。のろう。
況 097水 + 047兄
水が前に比べてますます大きくふえる→ますます、
比べてみたさま(状況)
兌(兑) 218八 + 047兄
衣を開いて脱がす、抜き取る
閲 180門 + 兌
門の前で軍馬などを調べる→改め調べる
悦 028心 + 兌
心を開いて開放する→よろこぶ
鋭 106金 + 兌
金属の矛のさやを取りとがった部分を表す→するどい
税 112禾 + 兌
収穫の一部を抜き取る→みつぐ
説 言(129辛 参照) + 兌
言葉を解き放つ→とく
脱 036肉 + 兌
骨から肉をはなす→ぬぐ
048 弟 → 図
つるが巻き付いた棒の低い所を/で示し、
低い位置を表す。転じて弟を意味する。
第 121竹 + 048弟
巻いたつるは一段一段と段階をなす。
竹の節が一段一段と並ぶことを示す。
→一段一段ともうけた段階・順序
(市) つるの巻いた棒の上端を一印で示した字で上のほうの意。
市場の市(014止 参照)とは別字。
姊(姉) 056女 + → 図
女きょうだいのうち上位の者。
柹(柿) 118木 +
かきの皮を水につけ、その上ずみからしぶをとる。
弔 → 図
棒につるが巻きついてたれたさまを描いたも。
上から下にたれる意を含む。
天の神が下界に恩恵をたれることをいい、
転じて他人に同情をたれること。
049 鬼 → 図
丸くて大きい頭の人の姿。亡霊のイメージ。
塊 107土 + 049鬼
丸い形の土くれ
畏 鬼の変形 → 図
大きな頭をした鬼が手に武器を持っておどす→気味悪
い威圧を感じる→おそれる。
隈 109阜 + 畏
畏は、くぼむ意。土地がへこむ→山や水辺がはいり
こんで奥まった所。くま。すみ。
猥 063犬 + 畏
畏は、くぼむ意。獣のように理性をくずしてしまう
→みだれる。
050 王 → 図
偉大な人の姿。わくを外れて広がる意を含む。
白川説では、大きなまさかりの頭部の形。
閏(閠) 180門 + 050王
暦から余分にはみ出る→うるう
潤 097水 + 閏
水が余分にある→うるおう
019之 + 050王
王の命令を受けたときに行なう、
まさかりに足を乗せる儀式
往 186彳 +
王の命令によって行く
狂 063犬 + 050王
わくを外れて走りまわる犬→くるう
皇 030自 + 050王
自(はな→はじめ)→いちばんはじめの王
旺 094日 + 050王
日の光がさかんに四方に広がる→さかん
051 士 → 図
男の性器が直立した形→一人前の男。
白川説では、小さなまさかりの頭部の形。
仕 041人 + 051士
身分の高い人のそばにまっすぐたつ侍従→つかえる
052 史 XXX中(竹札) + 005又 → 図
竹筒の中に入れる竹札を手に持つ記録係の人→記録
吏 052史 + XXX一(旗印) → 図
旗印を所定の場所にたてる事→役人の仕事→役人
事(亊) 吏の変形
役人が旗印を所定の場所にたてる事→仕事→事
使 041人 + 吏
仕事に奉仕する人→身分の高い人が仕事をさせる→使う
053 父 → 図
手に石斧を持った姿→斧を持って働く父
斧 053父 + 133斤
斧を持った姿(父)と斧(斤)→斧
布 053父 + 170巾 → 図
ぬの(巾)。父はただの音符。
怖 028心 + 布
布(フ)は音符で恐怖の状況で出る音を表す
釜(釡) 053父 + 106金
かま。父はただの音符。
054 久 → 図
背が丸くなってかがんだ老人を表わす→久しい
055 老 → 図
髪が長く腰の曲がった老人が杖をついている姿
056 女 → 図
体をくねらせた女性の姿
姦 056女 x3
女性を集め淫らな行いをする(姦淫)。
女性が集まり、おしゃべりでうるさい→かしましい
嬰 086貝 x2 + 056女
貝のネックレスを付けた女の子→あかご(嬰児)。
貝の首飾りが首にとりまく→とりまく、めぐる。
櫻(桜) 118木 + 嬰
花が木をとりまいて咲く木→さくら。
妾 129辛 + 056女 → 図
刃物で入れ墨をした女奴隷。交接相手。
接 004手 + 妾
交接する→接する、接ぐ
椄 118木 + 妾
接ぎ木
好 056女 + 061子
女性が子どもを大切にかわいがる→このむ
妻 XXX十(髪飾り) + 005又 + 056女 → 図
髪飾りに手を添える女の姿→つま
凄 098冫 + 妻
妻は切る意の音符。切るほどに寒い→すごい。
奴 056女 + 005又
手で労働する女のどれい→奴隷
努 奴 + 037力
女の奴隷がねばり強く力を入れる→つとめる
怒 奴 + 028心
女の奴隷が強く心を緊張させる→いかる
弩 奴 + 135弓
ねばり強い女の奴隷のように力の強い弓→おおゆみ
如 056女 + 023口
しなやかに言う。柔和に従う。「ごとし」の意は仮借。
毋 056女 + XXX一(差し止め) → 図
女性を犯してはならないとさし止めることを一印で
示した→なかれ(禁止の意をあらわすことば)。
057 母 → 図
胸の両脇におっぱいがある女性の姿
苺 123艸 + 057母
次々と子株が生じ苺が増えることから
毎 XXX(頭に髪をゆった姿) + 057母 → 図
どんどん産む→次々と
海 097水 + 毎
どこまでも水がつきない海
梅 118木 + 毎
多くの実をならせ女の安産を助ける木→うめ(産め)
敏 毎 + 139攴
休まずどんどん動く(鋭敏)
繁 敏 + 168糸
ふさふさとしたひも飾り→どんどんふえる、しげる
侮 041人 + 毎
毎は暗い意の音符。人が見えない→人を認めない→侮る
晦 094日 + 毎
毎は暗い意の音符。陰暦の月末で月のない闇夜→みそか
悔 028心 + 毎
毎は暗い意の音符。心が暗い気持ちになる→くやしい
058 身 → 図
女性の身ごもった体。後に単に体の意
別の説では、腹部をあらわす。
059 免 → 図
出産→狭いところをやっと通してもらう→どうにか許す
娩 056女 + 059免
出産そのもの
勉 059免 + 037力
力を入れて狭いところを通り成果を得る
晩 094日 + 059免
暗くて物の見えないころ。免はただの音符。
060 奐 → 図
胎児を両手で抜き取るさま
換 004手 + 060奐
手で中から取り出す→かえる
喚 023口 + 060奐
生まれるとき大声を出す→よぶ
061 子 → 図
両手を広げた子供の姿
孝 055老 + 061子
子が年老いた親を大切にする(孝行)
酵 146酉 + 孝
酒つぼの中で原料が交わって変化が生じる(発酵)。
孝は交わる意の音符。
孔 061子 + XXX乚(曲げて通す) → 図
子は小さい意。小さい穴が通ったさま→あな(穿孔)
字 239宀 + 061子
屋根の下で大切に子を育て増やす。
「人」や「犬」などの基本文字を「文」といい、
「伏」などの合成文字を「字」という。
「文」が親で「字」が子というイメージ。
白川説では、子供が生まれたとき、祖先の霊を祭る
建物で、子の名を付けた。この名を字(あざな)という。
名前は文字に書いたので、文字の意になった。
孚 008爪 + 061子
幼い子を手で大切にかばう→はぐくむ
乳 孚 + XXX乙(つばめ) → 図1 → 図2
中国ではつばめは子授けの使いだと信じられた。
子を育てる→子供を育てる乳。
白川説では、右の部分は母の体で、子供を抱えて
授乳するさまを描いた字。
浮 097水 + 孚
親鳥が卵を抱え込むように、水の上にうく
呆 061子 + XXX八(うぶぎ) → 図
幼児をおむつで包んだ姿。幼児のようにぼんやりする
→あきれる
保 041人 + 呆
子どもをおむつでとり巻いて大切に守る→たもつ
褒(襃) 169衣 + 保
からだを包むうちかけ→報(むくいる)に当て、ほめる意
孟 061子 + 140皿
皿は覆いの意。覆いをおかして子どもが成長する
→勢いよく伸びる先→かしら、はじめ。
猛 063犬 + 孟
押さえをきかずにいきりたって出る犬→たけだけしい
孑 子の変形 → 図
子どもの右腕を切りとったさま→のこり
062 → 図
子を上下逆にした形。体内から出る赤ちゃん
育 062 + 036肉
生まれ出た子に肉を付けさせ大きくする
育 + 139攴
赤ん坊が胎内からするりと抜け出るさま
→ものの通りをよくする
別の説では、「育」は元「鬲」で、土器を並べるさま
徹 186彳 +
するする抜け通るように前進する→貫き通る
撤 004手 +
物をのけて通りをよくする→すてる
062 + 097水
出産時に流れ出る羊水→流れる意
流 097水 + → 図
水が流れるさま
硫 105石 +
火山の噴出物が流れて生じる鉱物→いおう
充 062 + 046儿
赤ん坊が成長して二本足で立つようになる→充実する
統 168糸 + 充
糸巻きの糸が膨れて充実する→一つにまとめる
銃 106金 + 充
元は、金属の斧の柄を差し込む(充)穴。
後に、金属の弾を充填する銃に転用。
棄 062 + XXX(ごみとり) + 009廾 → 図
赤ん坊をごみとりにのせてすてるさま→すてる
063 犬(犭) → 図
上から見た犬の姿
猒 XXX冐(骨付き肉) + 063犬
犬の骨付き肉
厭 237厂 + 猒 → 図
犬の骨付き肉を崖の下に置きお払いをする
壓(圧) 厭 + 107土
土地のお払いをする→おさえる、しずめる
然 036肉 + 063犬 + 096火
犬の脂肪肉を火でもやす→燃やす意。
「そのとおり」の意は仮借。
燃 096火 + 然
然が「そのとおり」の意で使われるようになったので、
火を加え、燃やす意を明確にした。
獄 063犬 + 言(129辛 参照) + 063犬
二匹の犬が争うように言い争う→裁判、牢屋
嶽(岳) 108山 + 獄
獄はとげとげしい意。ごつごつした岩石でできている山
犮 063犬 + XXXノ(犬の後足)
犬が後足をぱっと斜めにはねたさま
拔(抜) 004手 + 犮 → 図
余分な物を払いのけて、その物だけを抜きおこす→ぬく
伏 041人 + 063犬
飼い主に犬が従うさま→地にふせる。
白川説では、人と犬を犠牲として墓に埋めたさま。
埋めるの意味から、隠す、伏せるの意味に用いる。
064 牛 → 図
牛の角と頭とを背後から見た形
犇 064牛 x3
牛がいっせいに走り出す→ひしめく、はしる
牡 064牛 + 051士
「士」は男性器を表す→おす
牝 064牛 + 043比
「比」は女性器を表す→めす
告 064牛 + 235囗 → 図
牛をしばったかせ→くっつける、締め付ける。
つげる意は仮借。
白川説では、上は神に捧げる木の枝、下は祝詞
を入れる器で、神に祈り告げる意。
造 020辵 + 告
ある所まで材料を届けてくっつけあわす→造る
酷 146酉 + 告
舌をきつくしめつけるような強い酒→むごい
件 041人 + 064牛
人が牛を引く行為→事がら
牧 064牛 + 139攴
牛を繁殖させる行い→家畜をかう
牟 XXX厶(声が出るさま) + 064牛 → 図
モウという牛の鳴き声。
白川説では、厶は鼻輪。鼻輪につながったひもを
引いたとき、牛が出す鳴き声。
鉾 106金 + 牟
牟は、押しのける意の音符。押しのけて、無理に突き
かかる武器→ほこ。
眸 001目 + 牟
牟は、押しのける意の音符。まぶたを押しのけて見る
部分→ひとみ。
鴾 牟 + 067鳥
鴾母(ボウボ)という鳥の名。和名は「ふなしうずら」
牟はただの音符。
065 羊 → 図
羊の頭の形。羊は有益なので、「めでたい」
「かっこうがよい」「おいしい」の意を持つ
美 065羊 + 285大
肥え太った羊→美しい
羕 065羊 + 097水
細く流れるきれいな小川
樣(様) 118木 + 羕
きれいな形のくぬぎの木→すがた
洋 097水 + 065羊
羊は広がる意の音符。広い海。
養 065羊 + 食(141皀 参照)
おいしい食べ物→やしなう
羔 065羊 + 096火
まる煮するのに適した小羊
窯 280穴 + 羔
物を焼くための穴→焼き物を焼くかま
祥(祥) 306示 + 065羊
姿のよい羊を神に犠牲とした→めでたいしるし
詳 言(129辛 参照) + 065羊
きれいな言葉→くわしい
鮮 084魚 + 065羊
いきの良い魚と羊の肉→新鮮な
譱(善) 065羊 + 誩(129辛 参照) → 図
裁判の席で原告と被告の二人が神に羊を供え誓う→よい
繕 168糸 + 善
破れた所を糸で縫って直す(よくする)→つくろう
膳 036肉 + 善
ゆたかにそろえた良い食事→ごちそう
羞 065羊 + 012丑
丑は手をちぢめた形。羊の肉を手で細く引きしめる
身が縮まる感じ→はずかしい。羞恥心。
羌 065羊 + 046儿
中国北西部に住んでいた民族の名。
羊を放牧する人
066 馬 → 図
たてがみをなびかせて進む馬の姿
驫 066馬 x3
たくさんの馬の走るようす→とどろき
罵 137网 + 066馬
馬の突進するように、相手かまわずおしかぶせる悪口
→ののしる
067 鳥 → 図
尾が細長く垂れている鳥の姿
鳴 023口 + 067鳥
鳥が鳴く
島(嶋嶌) 067鳥 + 108山
渡り鳥が休む海の小さい山→しま
烏 067鳥 - XXX一(目)
烏は黒いので目の場所が分からない
068 隹 → 図
ずんぐりした鳥→ずっしりして下に落ち着く
推 004手 + 068隹
手に重みをかけて押し付ける→推しはかる
誰 言(129辛 参照) + 068隹
推しはかって相手を問いただす→だれ
錐 106金 + 068隹
重しをかけて穴をあけるキリ
崔 108山 + 068隹
ずっしり盛り上がった山
催 041人 + 崔
細かくせかせかと小刻みに動く→もよおす。
崔は細かい意の音符。
維 168糸 + 068隹
ずっしりした綱→つなぐ、結びつける、糸(繊維)
羅 137网 + 維
つなを編んで作ったあみ→あみで捕らえる(網羅)
唯 023口 + 068隹
言葉で「これ」と指定→これだけ(唯一)
淮 097水 + 068隹
水がずっしりと下に落ち着く
準(凖) 淮 + 202十
まとまった水が落ち着いて平らか(水平)→目安
准 準の省略形
全体を見渡してバランスをとって認める→ゆるす(批准)
雧(集) 068隹 x3 + 118木
木の上で鳥が集まっている→集まる
雜(雑) 169衣 + 集 → 図
いろいろな色の糸を集めて作った衣→まじる
寉 233冂 + 068隹
鳥が高くとぶこと
鶴 寉 + 067鳥
高く飛ぶ鳥→つる
確 105石 + 寉
鶴のように白い石英→硬い、明白な
雚 XXX(口をそろえて鳴くさま) + 068隹
声をそろえて鳴く鳥→合わせそろえる
觀(観) 雚 + 見(001目 参照)
全体を合わせそろえて見る
勸(勧) 雚 + 037力
口々にやかましくいって力づける→すすめる
歡(歓) 雚 + 282欠
からだを曲げてにぎやかに話しあう→よろこぶ
權(権) 118木 + 雚
棒ばかりの重り→重さをになう力(権力)。
雚はただの音符。
罐(缶) 143缶 + 雚
缶は水をくむうつわ→金属製の入れもの。
雚はただの音符。
隻 068隹 + 005又
鳥一羽を手で持つ→ひとつ→船などを数える言葉(一隻)
雙(双) 068隹 x2 + 005又 → 図
鳥ニ羽を手で持つ→二つ並んだもの→ふた
瞿(萑) 001目 x2 + 068隹 → 図
みみずく
矍(蒦) 瞿 + 005又
鳥を手で捕らえるようす
穫 112禾 + 蒦
穀物を取り入れる(収穫)
獲 063犬 + 蒦
動物をつかまえる→える(獲得)
護 言(129辛 参照) + 蒦
言葉で外からとりまくようにかばう→まもる(護衛)
懼(惧) 028心 + 瞿
瞿は鳥が目をきょろきょろさせること。
目をおどおどさせる不安な気持ち→おそれる。
翟 088羽 + 068隹
キジの尾羽が高く抜き出るさま
曜 094日 + 翟
光が抜き出て輝く天体(太陽、月、金星等)
その七つの天体が各曜日に割り当てられた
躍 015足 + 翟
足で高く上がること
濯 097水 + 翟
水の中の衣類を抜き上げることを繰り返して洗濯する
擢 004手 + 翟
手で抜き上げる
奮 285大 + 068隹 + 110田
鳥が大きく翼を張って飛び立つ→力を込める
奪 285大 + 068隹 + 007寸
他人が脇に抱えている鳥を抜き取る→奪う
焦 068隹 + 096火
鳥を火で焼くさま→こげる
礁 105石 + 焦
黒くこげたような海中の岩(暗礁)
進 020辵 + 068隹
鳥が飛ぶように前にすすむ。白川説では、鳥が飛ぶ
方向を見て行軍する道を決めてすすむ。
雟 108山 + 068隹 + 冏(233冂 参照)
頭に長い毛のある鳥を台座に乗せたすがた。
攜(携) 004手 + 雟 → 図
台座に乗せた鳥を手にさげて持って行く→たずさえる
堆 107土 + 068隹
ずっしりと積んだ土→つむ、うずたかい
椎 118木 + 068隹
ずしんと打ちのめす重い木のつち。しい。
雀 少(286小 参照) + 068隹
小さな鳥→すずめ
069 飛 → 図
鳥が翼を左右に開いて飛びあがっていく姿
卂 飛の省略形
迅 020辵 + 卂
飛ぶように行くさま→はやい
蝨(虱) 卂 + 085虫 x2
はやくて見えにくい虫→しらみ
070 舄 → 図
カササギの姿。斥と同音で退く・移す意
潟 097水 + 070舄
海の水が退いて出来たひがた。
寫(写) 239宀 + 070舄
家で靴を履きかえる(足を移す)→うつす意
071 豕 → 図
豚の姿
豚 036肉 + 071豕
ぶた
逐 020辵 + 071豕
豚の尻をつつきながら追いかけて進む→追いかける
家 239宀 + 071豕
家畜(豕)の住む小屋→いえ
稼 112禾 + 家
穀物を取り入れて家の中に蓄えたさま
→うえる、みのり、かせぐ
嫁 056女 + 家
女性が他家に住み着く→とつぐ、よめ
() 218八 + 071豕
ずんぐり太った豚
隊 109阜 +
ずっしりと積み上げた土の集まり→人の集まり
墜 隊 + 107土
重い物がずしんと地に落ちる。
遂 020辵 +
は音符、「追」と同系。
道を奥まで進む→物事を成し遂げる
彖 A66彑(豚の頭) + 071豕 → 図
腹の垂れ下がった豚
縁 168糸 + 彖
織物の両端から垂れた縁飾り→ふち、ゆかり
豙 129辛 + 071豕
毛が針のように立った猪
毅 豙 + 138殳
たてがみ立てるさま→つよい
豖 071豕 + XXX丶(たたくさま)
たたいて去勢された豚
琢 A32玉 + 豖
宝石(玉)をたたいて彫刻する(豖)→みがく、たたく
冢 233冂 + 豖
犠牲のために殺された動物が埋められたようす
塚(塚) 107土 + 冢
犠牲を埋めて土をもった塚
072 亥 → 図
豚の堅固な骨組み→中心にあって固いもの、
ぴんと張って行き渡らせる。十二支の猪に当てる。
該 言(129辛 参照) + 072亥
全体に行き渡らせる言葉。その言葉に当てはまる(該当)
劾 072亥 + 037力
力を込めて相手をとがめ、その緩みを引き締める
骸 骨(033冎 参照) + 072亥
骨組み→骨組みだけ残った死体
核 118木 + 072亥
木の実の硬い芯→物事の中心
刻 072亥 + 127刀
かたい物を刀で彫る→きざむ
073 豸 → 図
けものの姿
貌(皃) 073豸 + XXX皃(あたまと足のある人の姿)
人や動物の姿
074 象 → 図
象の姿。象が巨大で目立つので、姿や形の意。
爲(為) 008爪 + 074象 → 図
象に手を加えて調教するさま。人手を加える→するの意
僞(偽) 041人 + 爲
人間の作為により姿をかえる→いつわる
像 041人 + 074象
人の姿→姿や形
075 虍 → 図
虎の皮の形
虎 075虍 + 046儿
虎の全形
虒(乕) XXX厂(虎の皮) + 虎
虎の皮を剥ぎ取る→除く、交換する、順次入れ替える
遞(逓) 020辵 + 虒
次から次へと送る(逓信)、順順に(逓減)
豦 075虍 + 071豕
虎が豚を襲う
劇 豦 + 127刀
虎が爪(刂)で豚を襲うさま→はげしい
虐 075虍 + 008爪
虎が爪で切り裂く→むごい
075虍 + XXX田(入れ物)
まるいつぼ。虍はただの音符。
盧 + 140皿
まるいつぼ型をした飯器→つぼ、くろい
爐(炉) 096火 + 盧
火を入れるつぼ→炉
慮 + 028心
次々と関連したことをつらねて考える→おもんぱかる
は連なる意の音符。
虜 + 037力
力ずくで捕らえ数珠つなぎにしたとりこ。
は連なる意の音符。
膚 + 036肉
つぼの外側のように肉体を外からおおう皮→はだ
鬳 075虍 + 145鬲
虎などの飾りのついたりっぱな食器
獻(献) 鬳 + 063犬
犬の肉を食器に盛ってさしあげる→たてまつる(献上)
076 龍(竜) → 図
竜を描いた字。筒状の意を含む。
襲 076龍 + 169衣
襲の上部はもとは龍を二つ並べた字で、かさねるの意
衣服を重ねる→かさねる
位を継ぐとき衣を上に重ねる→つぐ(襲名)
位を奪う→おそう(襲撃)
瀧(滝) 097水 + 076龍
太い筒型をなす水流→たき
籠(篭) 121竹 + 076龍
円筒状で長い大蛇のような細長い竹かご
077 巳(巴) → 図1 → 図2
胎児、腹ばいの姿、へび、ぴたりと付ける
邑(阝) 235囗 + 077巴 → 図
□(領地)と巴(人の屈服したさま)で、人民の服従する
領地をあらわす。阝(おおざと)の形となり、町や村、
または場所をあらわすのに用いる。
邕 097水 + 邑
水の堀をめぐらして守った村や建物
雝(雍) 邕 + 068隹 → 図
外わくで囲んで鳥を安全に守る→外部との道をふさいで
内部をなごやかに保つ→やわらぐ、ふさぐ、いだく
擁 004手 + 雍
両腕の中へかかえこむ→いだく
把 004手 + 077巴
手のひらをぴたりとあててにぎる
078 禺 → 図
大頭の人まね猿→似る、似たものが二つ並ぶ
偶 041人 + 078禺
人に似せて造った人形(偶像)、
二つ並ぶ、似た者同士(配偶者)
遇 020辵 + 078禺
歩いていると、ふと両者が出あう→あう(遭遇)
隅 109阜 + 078禺
土を盛り四角く囲んだときに複数できる片隅
愚 078禺 + 028心
猿のように鈍い心→おろか
079 萬(万卍) → 図
二つの大きいはさみを持ったサソリの姿
数字の万の意味は音の借用
厲 237厂 + 079萬
萬は猛毒のさそりで、激しい意。
強い力をこめて激しく研く砥石。
勵(励) 厲 + 037力
強い力をこめること→はげむ
栃(杤) 118木 + 079万
[国字]とち。と(十)×ち(千)=万。
080 鹿 → 図
鹿の姿
慶 080鹿 + 028心 + 017夂
鹿の皮をお祝いに持って行くときのような明るい気持ち
→よろこぶ
麗 XXX(2本の鹿の角) + 080鹿
→ 図
鹿の角がきれいに二本ならんだ姿→ならぶ、うるわしい
麓 林(118木 参照) + 080鹿
鹿は、長くつらなって列をなす意の音符。
長い山のすそにある林→ふもと。
塵 080鹿 + 107土
鹿の群れの走り去ったあとに土ぼこりがたつ→ちり
081 兔(兎) → 図
ウサギの姿
逸 020辵 + 081兔
ウサギがさっと逃げるさま→のがれる
082 鼠(鼡) → 図
ネズミの姿。ひそかに害をなすものの意を含む
083 龜(亀) → 図
亀の姿
龝(穐秋) 112禾 + 083龜
秋に作物を集めて、亀を火でかわかすと収縮するように
作物を火や太陽でかわかして収縮させる
作物を取り入れる季節→あき
愁 秋 + 028心
心が細く引き締まる→うれい
084 魚 → 図
魚の姿。固い芯の骨があるという意味を含む。
漁 097水 + 084魚
水の中の魚をとること
魯 084魚 + 023口
口は祭器。魚を供して神に祈り祭る。
おろか、にぶいの意は仮借。
085 虫 → 図
蛇や長虫の姿。後に虫一般の意となる。
蟲(虫) 085虫 x3
多くのうじ虫。後、虫の字を蟲の略字として用いる
融 145鬲 + 蟲
なべで煮て、うじ虫のようにどろどろにとかす→とける
086 貝 → 図
二枚貝、貨幣の役割
贔 086貝 x3
たくさんの財貨→重い荷物を背負う→鼻息を荒くする
→いかる。荷物を背負ってあげる→ひいきする。
敗 086貝 + 139攴
貝は二つに割れやすい→こわれる、まける
負 041人 + 086貝
背を曲げた人が財貨を背負う→背負う
質(貭) 斦(133斤 参照) + 086貝
斦は目方が釣り合っていること。金銭を借りるときに
その価値に釣り合うだけの物を当てる(質シチ)。
→名目に釣り合う中身が詰まっている(実質)。
買 137网 + 086貝
網ですくうように品物を求める→買う
賣(売) 267出 + 買 → 図
買い集めたものを出す→売る
睦(107土 参照) + 086貝
人々の間で売り買いすること
續(続) 168糸 + → 図
は、財貨をとり引きして次々と流通させること。
續は断絶しないように糸でつないで次々と続くこと。
讀(読) 言(129辛 参照) +
は、途中でしばしばとまる音を含む。
讀はしばし息をとめて区切ること→よむ。
贖 086貝 +
は、物をぬき出してうりかいすること。
贖は財貨を払って物を求めること。金品によって身がら
をぬきとること→あがなう
瀆(涜) 097水 +
は、衆目をごまかして財物をぬきとること。
瀆は水をぬきとる通水溝。どぶの水は汚い→けがす
賓 239宀 + 071豕 + 086貝 → 図
家(家畜)と貝(財貨)で、主人に並ぶ大切な物
→主人と並ぶ大切な客
濱(浜) 097水 + 賓
海に並ぶ場所→浜
得 186彳 + 086貝 + 007寸 → 図
行って財貨を手に入れる→得る
碍 105石 + 得の略
得は、みつかる意。行くてをさえぎるように見える石
→さまたげる
實(実) 239宀 + A37周 + 086貝 → 図
家の中に財宝がいっぱいあるさま→みのる
唄 023口 + 086貝
梵語の音訳文字。貝はただの音符。
梵唄は仏典の偈または頌を調子にあわせて歌うこと。
転じて、一般にうたう意。
087 朋 → 図
ひもで連ねた子安貝→肩を並べ合う仲間
棚 118木 + 087朋
板や棒を並べたもの→たな
崩 108山 + 087朋
山の斜面が両側に並んで落ちること→くずれる
088 羽 → 図
鳥の体をおおう長い毛の姿→はね
習 088羽 + 曰(023口 参照)
鳥がなんども羽を動かす動作をくり返すこと→ならう
(曰は、いうの意に限らず、広く行為を示す。)
翼 088羽 + A25異
もう一つ別のつばさ→一般のつばさ
翌 088羽 + 044立
翼を立て飛び立つ→もう一つ別の方へ→次の
089 角 → 図
水牛や羊の角の生え始めの形。角一般の意。
解 089角 + 127刀 + 064牛
刀で牛の体や角を分解すること
蟹 解 + 085虫
からだの各部分がばらばらに分解するから
衡 185行 + 089角 + 285大
人にけがをさせないよう、牛の大きな角に横にまっすぐ
渡した棒のこと→よこぎ、はかりの横棒
090 皮 XXX(頭のついた動物のかわ) + 005又 → 図
頭付きの獣の皮、手で押しやるか引き寄せてかぶった形
波 097水 + 090皮
水面がななめにかぶさる波
婆 波 + 056女
波が斜めになっているように、腰が曲がって斜めに
なっている年老いた女
破 105石 + 090皮
石でたたいて皮の表面をやぶる
披 004手 + 090皮
皮を手で開く→ひらく(披露)
被 169衣 + 090皮
毛皮の衣をかぶる→かぶる、こうむる
疲 疒(288爿 参照) + 090皮
疲れで体が毛皮のようにぐったり曲がる→つかれる
彼 186彳 + 090皮
皮を向こうに押しやるさま→向こう、あちら
玻 A32玉 + 090皮
玻璃=天然ガラス、水晶。
皮はただの音符。梵語の音訳字。
091 革 → 図
動物の皮をぴんと張って乾かした形
091革 + 096火 + 107土
動物のあぶらを火でもやすさま。かわくこと。
漢 097水 +
水のない銀河をいったが、古くから、湖北省漢水のこと
嘆 023口 + → 図
口が熱くなってかわくことを示す。熱っぽく興奮して
言葉にならず舌打ちだけすること→なげく
難 + 068隹
鳥を火であぶる→火あぶりのようにつらい災害や、
やりづらい事→むずかしい
092 毛 → 図
細く生え出た毛の形。細くかすかなの意を含む
毳 092毛 x3
密生した柔らかい毛(にこげ)
表 092毛 + 169衣
毛皮の毛がある方→おもて、あらわす
俵 041人 + 表
おもてに出して広げ、人に分け与えること。
人に分ける与えるためのわらで編んだふくろ→たわら
耗 148耒 + 092毛
すきを使って毛のように細くする→すりへる(消耗)
093 卵 → 図
多数の卵が丸く連なったさま
094 日 → 図
太陽の形。暖かさに親しむ意を含む。
昌 094日 + 曰(023口 参照) → 図
日のように明るくものをいう→あきらか
唱 023口 + 昌
明白にものをいう→となえる
昔 XXX(敷き重ねる印) + 094日 → 図
時日を重ねる→むかし
惜 028心 + 昔
心中に残り重なって思いがつのる→おしい
耤 148耒 + 昔
すきで土をおこして重ねる
籍 121竹 + 耤
文字を書いた竹札を重ねて保存したもの(書籍)
措 004手 + 昔
手を物や台の上に重ねておく→手をくだす(措置)
錯 106金 + 昔
金属の上に金属を重ねためっき→ふぞろいに重なる
→まじる(交錯)
借 041人 + 昔
金・物・力が足りないとき、それを上に重ねて補助する
→かりる
暴 094日 + XXX(獣の死骸の形) → 図
動物のからだを手で天日にさらすさま→あばく
爆 096火 + 暴
火熱によって中身がむき出しになり外にはじけ出る
→はじける
昆 094日 + 043比
多くの者が日光のもとに並んだこと→なかま、むれ
混 097水 + 昆
多くの液体が一つになって区別がなくなる→まじる
旦 094日 + XXX一(地平線) → 図
太陽が地上にあらわれる→日の出。
目だった物が外にあらわれ出ること。
但 041人 + 旦
意を外にあらわす→ただし
亶 A12 + 旦 → 図
旦はもりあげる意。穀物倉の下の土を盛り上げた土台
→ぶあつい
壇 107土 + 亶
土を盛り上部を平らにした台
昜 094日 + XXX丁(台) + 207彡 → 図
太陽がいろどり美しくのぼるさま
丁は手で持つ祭壇、持ち上げる意を持つことから、
上る太陽を表す。
陽 109阜 + 昜
日の当たる丘→太陽、明るい、はっきりした
場 107土 + 昜
日光の当たる高めの開けた地→平らにした地→ところ
腸(膓) 036肉 + 昜
昜は長くのびる意。長いはらわた。
湯 097水 + 昜
ゆが勢いよく蒸気をあげてわきたつ→ゆ
揚 004手 + 昜
高く上にあげる→あげる
XXX亠(覆い) + 昜
高く上にあがり物にぶちあたる
傷 041人 +
強く物にぶちあたってきずつく→いたむ、きず
瘍 疒(288爿 参照) + 昜
昜は、もちあがる意。皮膚がもちあがる、できもの
→かさ。腫瘍。
095 月 → 図
欠けた三日月の形→月
夕 月の変形 → 図
三日月の姿→月の出る時刻→夕方
夜 038亦 + 夕 → 図
亦は両わきのわきの下。日の出る時を中心にはさんで
月のある時間、よるを意味する。
液 097水 + 夜
夜は間隔を隔てて同じものがもう一つ、もう一つと存在
する意を含む。液は一滴一滴とたれる水。
名 夕 + 023口 → 図
薄暗いやみの中で自分の存在を声で告げる→なまえ。
白川説では、夕は肉、口は祝詞を入れた器。子供が生
まれたとき祭肉を供え祝詞をあげ子の名を付けたから。
別の説では、夕方に行った祭祀。
銘 106金 + 名
金属器にしるした人名や事がら
外 夕 + 307卜
月のかけ方を見て占う。月がかけて残った部分→外側
汐 097水 + 夕
夕のしおの満ち引き→汐(朝のしおの満ち引きは潮)
亙 305二 + 095月 → 図
弦月の上下に線で、月の上端から下端まで→わたる
恆(恒) 028心 + A83亙
月の弦のように張り詰めた心→いつでも緊張してたるま
ない→つね
096 火(灬) → 図
燃え上がる炎の姿。あかりの意も。
炎 096火 x2
盛んに燃えるさま→ほのお
淡 097水 + 炎
あわい。炎はただの音符。
談 言(129辛 参照) + 炎
さかんにしゃべりまくる→かたる
赤 285大 + 096火 → 図
大いにもえる火の色→あか
赫 赤 x2
赤々とほてるさま→あかい、あきらか
嚇 023口 + 赫
赤くなって激怒する→いかる、おどす(威嚇)
赦 赤 + 139攴
ゆるす。赤はただの音符。
光 096火 + 046儿 → 図
人が頭上に火を掲げた姿→ひかり
四方に発散するの意を含む。
() 096火 x2 + XXX乂(かがり火の台) → 図
かがり火。周りをとりまく火。
營(営) + 035呂
周囲をたいまつでとり巻いた陣屋→いとなむ
榮(栄) + 118木
木全体をとりまいて咲いた花→さかえる
螢(蛍) + 085虫
光の輪がまるくとりまいた虫→ほたる
勞(労) + 037力
火を燃やし尽くすように力を出し尽くす
→つかれる(苦労)
灰 005又 + 096火 → 図
手で燃えかすの灰を引き出しているさま→はい
庶 238广 + XXX廿(鍋) + 096火 → 図
家の中で火を集め燃やす→多くの物を集める
→もろもろ(庶民)
遮 020辵 + 庶
道に多くの物を集めて置く→さえぎる
席 庶 + 170巾 → 図
布を集めて作った座ぶとん→すわる所
度 庶 + 005又
手尺で一つ二つとわたって長さをはかる→程度、回数
渡 097水 + 度
川をひと足ずつわたる→わたる
黒(黑) XXX田 + 096火 x2 → 図
田は煙突のすがた。煙突に点々とついたすす→くろい
墨 黒 + 107土
黒い土状をなしたすす→すみ
默(黙) 黒 + 063犬
黒い犬は見分けがつかなくてわからない→だまる
熏 122屮 + XXX田 + 096火 x2 → 図
屮は芽の出るように煙が出る意。田は煙突のすがた。
火をもやして煙をたちこめさせる。薫製を作る。
薫(薰) 123艸 + 熏
香草を火であぶり、においがたちこめる→かおる
勳(勲) 熏 + 037力
かぐわしい努力の実り、賞賛される手柄(勲章)
097 水(氵氺) → 図
流れている水の姿。浸み出て流れるものの意。
益 097水 + 140皿 → 図
上部は「水」が横になった形。水が皿に一杯になるさま
→不足分をたしていっぱいにする→ます
泉 XXX白(まるい穴) + 097水 → 図
まるい穴から水のわき出るさま→いずみ
甲骨文字の丁の部分は、手で持つ祭壇、
持ち上げる意を持つことから、湧き上がる泉。
線 168糸 + 泉
泉は細い意の音符。細い糸→せん。
腺 036肉 + 泉
泉のように液汁を分泌する器官。
永 水の変形 → 図
水が合流するようす。どこまでも永く伸びるさま
詠 言(129辛 参照) + 永
声を長くのばして詩歌をうたう
泳 097水 + 永
ながく水に浮かんでいる→およぐ
永の反転形 → 図
水が分流するようす
派 097水 +
川から支流のわかれ出たすがた→わかれ
脈 036肉 +
細くわかれて通じる血管→細長くつらなったすじ(山脈)
098 冫 → 図
氷の割れ目の形。氷結の意。
冰(氷) 098冫 + 097水
こおった水→氷
冬 XXX夂(食物をぶらさげて貯蔵したさま) + 098冫 → 図
氷結する季節
別の説では、夂は紐の終端で一年の終わりの冬を表す。
終 168糸 + 冬
冬は一年の終わり。糸を終わりまで巻いた糸の玉。
最後までいきつく意。
099 雨 → 図
空から雨足が垂れ、雨粒が落ちてくるさま
雪 099雨 + 彗(201丰 参照) または、XXXヨ(雪片の形)
ほうきで掃くように万物を真っ白く掃き清める
雷 099雨 + 198畾
ごろごろと音が重なる気象現象
電 099雨 + 103申
「申」はいなずまの光が走る姿、電光
靈(霊) 099雨 + 023口 x3 + 巫(260工 参照) → 図
巫(みこ)が雨乞いをしている姿→たましい
屚 A53尸 + 099雨
屋根から雨がもること
漏 097水 + 屚
水がもるようす
霸(覇) 099雨 + 091革 + 095月
空(雨)の白い月の全形(革は全体の皮)→白い。
白から伯(男の長老)の仮借で諸侯のボスの意に用いる。
武力で勝った者。武力で勝つこと。(制覇)
100 云 → 図
雲の形→口の中に息がこもる→言う。
白川説では、雲の下に竜のまいた尾が少し現れている形。
雲 099雨 + 100云
「云」が「言う」意味に転じたため雨を追加
曇 094日 + 雲
太陽が雲に隠れた状態→くもる
魂 100云 + 049鬼
死者の体から離れたもやもやした精気
101 川 → 図
川の水が曲がって流れて行く姿
訓 言(129辛 参照) + 101川
川は難所を貫通して流れる。言葉で難題をほぐして説く
→おしえる
順 101川 + 025頁
ルートに沿って水が流れるように頭を向けて進む
→したがう
巡 020辵 + 101川
川の流れが大地をめぐる→めぐる
巛 川の変形
水流がふさがれあふれ流れる
災 巛 + 096火 → 図
水と火の災難
州 101川 + XXX…(中州) → 図
川の中に中州のできたさま
酬 146酉 + 州
互い酒を飲み交わす→相手のしたことに応じてお返し
をする→むくいる。州はただの音符。
102 气 → 図
立ち上る湯気の姿
氣(気) 102气 + 111米
米をふかすときに出る蒸気→気体
汽 097水 + 102气
お湯を沸かしたときに出るゆげ
乞 气の変形
ふたを押しのけてつかえた息が漏れ出るさま。
のどをつまらせて哀れな声を漏らす→物ごいする
吃 023口 + 乞
口中に息がつかえてものがいえない→どもる
訖 言(129辛 参照) + 乞
ことばがつかえて止まる→おわる、とまる
迄 020辵 + 乞
いきづまりになる→いたる、まで。
103 申 → 図
いなずまが走る姿。または直線を伸ばす姿。
意見や気持ちを外に出して展開する→もうす
神(神) 306示 + 103申
いなずまのように、不可知な自然の力→かみ
伸 041人 + 103申
人が左右の手で腰をのばすさま→のびる
紳 168糸 + 103申
からだをまっすぐ伸ばす帯→高官が用いる礼装用の
太い帯→地位・教養が備わったりっぱな人(紳士)
奄 285大 + 103申
申は伸びる意。伸びたものを、上から大きくおおう。
庵 238广 + 奄
屋根でおおったいおり
俺 041人 + 奄
われ。おれ。奄はただの音符。
掩 004手 + 奄
手でおおう
淹 097水 + 奄
水につけておおう→ひたす
104 天 285大 + 304一 → 図
大は人、一は頭上を示す→高く広がる空
忝 104天 + 028心 → 図
心にべたついて気になること→かたじけない。
天はただの音符。
添 097水 + 忝
薄く紙をはりつけるように、上に水の層を加える→そえる
105 石 237厂 + XXX口(固まったいし) → 図
崖の下に石があるのを表す
磊 105石 x3
石がごろごろしているさま
岩 108山 + 105石
山にある大きな石→いわ
拓 004手 + 105石
手で石をどけて未開の地をひらく(開拓)
石碑の字を写し取る(拓本)
妬 056女 + 105石
女性は焼けた石のように真っ赤になって興奮する
→ねたむ(嫉妬)
106 金 今(203亼 参照) + XXX〃(点々のしるし) + 107土 → 図
点々とした鉱物が、土中に含まれているさま
107 土 → 図
地上に土を盛り上げるさま
社 306示 + 107土
土地神をまつるため土を盛る→やしろ(神社)
→やしろに集まった人々→人の集団(会社)
圭 107土 x2
土を盛ること。天子が土地を授けるとき土を盛った。
→領土所有のしるしの玉器→貴族の持つ礼器→きちんと
かど目がたっているさま→すっきりしたさま
佳 041人 + 圭
すっきりと形よくととのった人→よい
厓 237厂 + 圭
きりたったがけ
涯 097水 + 厓
水辺のがけ、岸→はて、おわり(生涯)
崖(崕) 108山 + 厓
山のきりたったがけ
街 185行 + 圭
きちんと区切りをつけたまちなみ→まち
卦 圭 + 307卜
圭は高くかかげる意。算木をかかげ占う
掛 004手 + 卦
高くかかげて、ぶらさげておく→かける
封 圭 + 007寸
土を集め盛った祭壇や塚→領地(封土)、合わせ閉じて
中が見えないようにする(密封)
垚 107土 x3
うずたかく盛った土
堯(尭) 垚 + 046儿
背のたかい人→たかい
燒(焼) 096火 + 堯
高くほのおや煙をあげてもえる→やく
曉(暁) 094日 + 堯
日が高く上り始める→あかつき。明白にする→さとる。
垔 XXX西(窓) + 107土 → 図
土のかまどの煙が窓から出るようす
煙 096火 + 垔
火がもえてけむりのたつさま→けむり
吐 023口 + 107土
口から外に物を出す→はく。土は吐くときの音を示す。
徒 186彳 + 107土 + 014止
陸地を一歩一歩とあゆむ→歩兵→なかま(生徒)、
むなしい、むだ(徒労)
坴 107土 + 218八(ひろがる) + 107土
土が集まり高くつもって広がったさま。
陸 109阜 + 坴
もりあがって連なる大地→おか
睦 001目 + 坴 → 図
多くの者が仲よく集まること
夌 坴 + 017夂
足の筋肉にすじめを入れるほど力んで丘に登ること
陵 109阜 + 夌
山の背のすじめ、つまり稜線のこと
108 山 → 図
三つの峰がある山の姿
仙 041人 + 108山
山中に住む人(仙人)
炭 108山 + 237厂 + 096火
山の崖から掘り出される石炭→炭全般
峠 108山 + 294上 + 294下
[国字]山道の上りと下りの境になる頂点→とうげ
109 阜(阝) 199 + 202十 → 図
盛り上げた土か丘。
白川説では、神が上り下りするはしごの形。
別の説では、丘とはしごは別の形だった。 → 図
はしごとしては、「降」「陟」等。
丘としては、山を横にした形で「陸」「坂」等がある。
→ 比較「山」
「降」は両足が下を向いていて、はしごを降りる形。
「陟」は両足が上を向いていて、はしごを上る形。
隆(隆) 109阜 + 017夂 + 生(122屮 参照)
阜+夂は降りるさま。生は草が上へのび出るさま。
降りる力に抗して上へもりあがる→盛り上がる(隆起)
110 田 → 図
四角い区切りをつけた田んぼの姿
里 110田 + 107土
田は区切る意。区切りの筋を入れて整理された土地→里
理 A32玉 + 里
宝石の表面に透けて見える筋目→物事の筋道(道理)
厘 237厂 + 里
土地を小さくくぎって整理する→小さい区切り
裏 169衣 + 里
縦横の筋目の模様の布地→衣服のうら地に用いた→うら
埋 107土 + 里
里は隠す意の音符。土で隠して見えなくする→うめる
狸 063犬 + 里
里は隠す意の音符。土の中に身を隠す動物→たぬき
貍 073豸 + 里
里は隠す意の音符。土の中に身を隠す動物→むじな
畝 202十 + 110田 + 017夂 → 図
十は十歩あるいて測る。久は人が背をかがめて歩くさま
農夫が十歩あるいて田畑を区切る→畑地のうね
男 110田 + 037力
耕作に力を出すおとこ
畑 096火 + 110田
[国字]雑草や作物の茎を火で焼いて肥料とするはたけ
農 110田 + 189辰
貝(辰)がらで掘って田畑の土を柔らかくする→たがやす
濃 097水 + 農
水分があって、柔らかくて、こいこと
111 米 → 図
小さな米粒が四方に散らばったさま
匊 230勹 + 111米
手の中に米をまるめてにぎったさま
菊 123艸 + 匊
多くの花をひとまとめにして丸くにぎった形をした花
迷 020辵 + 111米
米は小つぶで見えにくい。見えなくて迷う。
謎 言(129辛 参照) + 迷
迷は、よくわからない意。よくわからないこと→なぞ
類 111米 + 063犬 + 025頁
米はたくさんの植物の代表、犬は種類の多い動物の代表
多くの物の頭かずをそろえて区わけすること→たぐい
112 禾 → 図
稲を示す。穂のある穀物の意。
秝 112禾 x2
二本の稲
兼 秝 + 005又 → 図
二本の稲をいっしょにあわせ持つ→かねる
嫌 056女 + 兼
二本の稲を持つことは嫌な行為。女性が嫌がる→きらう
謙 言(129辛 参照) + 兼
二本の稲を持つことは嫌な行為。言葉で嫌なことを避け
る→つつしむ、へりくだる
廉 238广 + 兼
家の中に寄せあわせた物の一つ一つを区別する→けじめ
(廉潔)。けじめをたてて暴利をおさえる→やすい(廉価)
鎌 106金 + 兼
兼は、集めてまとめる意。草を刈って集める金属製の
道具→かま。
厤 237厂 + 秝
順序よく次々と並べる
暦 厤 + 094日 → 図
日を次々と順序よく配列する→こよみ
歴 厤 + 014止
順序よく次々と足で歩いて通る→通りすぎた跡(経歴)
年 112禾 + 041人 → 図
作物が実って人に収穫される期間→とし
利 112禾 + 127刀
稲束を鋭い刃物でさっと切る→よく切れる→きく
痢 疒(288爿 参照) + 利
便がよく通りすぎる病→はらくだり
梨 利 + 118木
さくさくと歯切れよく切れるなしの実
和 112禾 + 023口
禾は穂のしなやかに垂れたさま→やわらぐ、なごむ
科 112禾 + 153斗
作物をはかって等級をつける→等級、分類(科目)
委 112禾 + 056女
禾は穂のしなやかに垂れたさま。女性が力なく垂れる
→ゆだねる、まかせる。
萎 123艸 + 委
草木がしおれて垂れる→なえる
季 112禾 + 061子
作物のひと実りする三か月間。
黍 112禾 + 097水
水気を吸収して育つ作物→きび
香 黍 + 甘(023口 参照) → 図
きびを煮たときに漂ってくる良い匂い→かおり
113 來(来) → 図
麦の姿
麥(麦) 113來 + 017夂 → 図
遠くから歩いてもたらされた麦→来る
後に「来」と「麦」の意味が逆転した
114 朮 → 図
もちあわ。茎に皮か実がへばりついている姿
術 185行 + 114朮
人が長年くっついて離れない道→伝統的な方法→わざ
述 020辵 + 114朮
旧来の道に離れずに沿っていく。今までのいきさつを
知らせる→述べる。
115 麻 238广 + XXX木(あさの茎) x2 → 図
家の中で麻をよっている姿
摩 115麻 + 004手
手ですりもんで麻の繊維をとる→こする
磨 115麻 + 105石
麻をすりもむように石をこする→みがく
魔 115麻 + 049鬼
麻をこすると手がしびれる。しびれさせる鬼→魔物
116 瓜 → 図
瓜の姿
孤 061子 + 116瓜
瓜が一つ転がっているような一人ぼっちの子ども(孤児)
弧 135弓 + 116瓜
瓜の形のようにまるく曲線をなした弓
117 白 → 図
白いドングリの実。白川説では、白い頭骨。
百 304一 + 117白
100の音を表す白に一を付けて区別した。
伯 041人 + 117白
首長(首長の頭骨には霊力があると信じられていた)
→年長の男、父の兄
拍 004手 + 117白
白は両手を打ち合わせたときの音を表す→うつ(拍手)
迫 020辵 + 117白
両手を合わせたように、ぴたりとひっつく→せまる。
泊 097水 + 117白
水が浅くて舟底が水底にぴたりとひっついて止まる
→とまる(宿泊)
舶 166舟 + 117白
沖に停泊して岸には着かない大きい船。
帛 117白 + 170巾
白い布
綿(緜) 168糸 + 帛
白布を織る糸→わた
錦 106金 + 帛
金糸を織りこんだ絹織物→にしき。
286小 + 117白 + 286小
小さなすきまから、白い光がもれること
隙 109阜 +
土べいのすきま→すき
118 木 → 図
枝葉がかぶさるように付き、根も付けた木の姿
林 118木 x2
木がたくさん生えているはやし
禁 林 + 306示
神域のまわりに林をめぐらし、その中にかってに出入り
できないようにする→ふさぐ、とどめる
襟 169衣 + 禁
胸もとをふさぐ、衣服で首を囲む部分→えり
森 118木 x3
たくさんの木がこみあったもり
末 118木 + XXX一(木のこずえのはし) → 図
木の細く小さい部分→すえ
抹 004手 + 末
末は小さく見えにくい意。こすって見えなくする→こす
って消す(抹消)、塗って見えなくする(塗抹)、すって小
さい粉末にする(抹茶)
未 118木 + XXX一(木のまだのびきらない部分) → 図
木のまだのびきらない部分→まだ…していない
味 023口 + 未
未は細かい意。口で微細に吟味する→あじ
昧 094日 + 未
未は小さくて見えにくいこずえ。
日が暮れて見えにくい→くらい。
妹 056女 + 未
まだ成育しきらぬ若い女→いもうと
魅 049鬼 + 未
未ははっきりわからない意。えたいのしれない人を
まどわす妖怪→人の心をひきつける(魅力)
制 未 + 127刀
刀で必要なだけ若い枝を切りとり、他を切り捨てる
→切りとる、形を整えて定める、かってなふるまい
などを押さえる(制圧)、とり締まるきまり(制度)
製 制 + 169衣
布地をたち切る→物をつくる(製造)
本 118木 + XXX一(木の根の太い部分)
木の太い根もと→もと
鉢 106金 + 本
僧侶の食器(梵語の音訳が鉢多羅)→深くて大きい皿
朱 118木 + XXX一(木の中央を一線でたち切ること)
切り株→切り株の木質部のあかい色
株 118木 + 朱
切り株
殊 034歹 + 朱
株を切るように切断して殺す。特別の極刑であること
から、特殊の意となった。
珠 A32玉 + 朱
あかい色の玉→真珠、丸い粒
樹 118木 + 163壴 + 007寸
木を手で植えるようす→たった木
喿 023口 x3 + 118木 → 図
多くの鳥が木の上でやかましくさわぐ→うわついて
せわしない、軽い
操 004手 + 喿
手先をせわしく動かしたぐり寄せる→あやつる
繰 168糸 + 喿
いそがしく手を動かして生糸をたぐる→くる
燥 096火 + 喿
火気が軽く上にたちのぼってかわく(乾燥)
澡 097水 + 喿
こまめにあらい清める→あらう、すすぐ
藻 123艸 + 澡
澡は表面に水を流すことから、表に浮かぶ意。
水面に浮かぶ水草→も。
乘(乗) 041人 + 018舛 + 118木 → 図
人が両足で木の上にのぼった姿→のる
剩(剰) 乘 + 127刀
予定分を刀で切りとっても、まだ上に残りが乗っている
こと→あまり
埶 118木 + 107土 + 013丸 → 図
木を土に植えて手を加えているさま
藝(芸) 123艸 + 埶 + 100云
植物に手を加える(園芸)→自然素材に手を加える(芸術)
熱 埶 + 096火
木を育てるに必要な暖かさ→あつい。
勢 埶 + 037力
力を加えて他のものを程よい形に整える→いきおい
札 118木 + XXX乚(押えて止める印)
ピンやくぎでおさえてとめる木のふだ
朶 XXX乃(木の枝が垂れる形) + 118木
木の枝のたれたさま→たれる
染 097水 + 朶
木からたれた枝葉を水に漬けて色を染める→そめる
枚 118木 + 139攴
手に持つむち→同じような物をつぎつぎにかぞえる単位
巣 XXX畄(鳥の巣の形) + 118木 → 図
高い木の上の鳥のす
果 XXX田(丸い木の実) + 118木 → 図
木の上にまるい実がなったさま→木の実、結果、はたす
課 言(129辛 参照) + 果
成果をたずねて調べる→調べる(考課)、割り当て(日課)
菓 123艸 + 果
食料として利用される木の実→くだもの、おかし
裸 169衣 + 果
衣服を脱いでからだの中身を外へあらわす→はだか
桑 XXX叒(桑の葉の形) + 118木 → 図
大きな葉をつけたくわの木。
枠 118木 + XXX卆(糸まき)
[国字]糸を巻きつける道具→わく
枼 XXX世 + 118木 → 図
3枚の葉が木の上にある姿
葉 123艸 + 枼
植物の葉っぱ
蝶 085虫 + 枼
葉っぱのように舞う虫→ちょう
119 束 118木 + XXX口(たばねるひも) → 図
たばねた木を、ひもで締め付けて縛った姿
敕 119束 + 139攴
そろえて引き締めて束を作る
整 敕 + 正(014止 参照)
そろえて正す→ととのえる
柬 119束 + 218八 → 図
たばねたものをよりわける→えらぶ
練 168糸 + 柬
生糸を柔らかくして選り分け上質にする→ねる
錬 106金 + 柬
金属をまとめ溶かしてよい部分だけをよりわける(精錬)
速 020辵 + 119束
束は間をつめる意。間をつめて行く→速い
剌 119束 + 127刀
柴の束をなたで刈ろうとしてはね返る→はねる。
「刺」とは別字。
頼(賴) 剌 + 041人 + 086貝
財貨の貸借の責任を他人になすりつける→たよる、
たのむ。剌はただの音符。
瀬(瀨) 097水 + 頼
はげしく水のくだける急流。頼は流れる音をあらわす。
辣 129辛 + 剌
はねるほど切りつける→からい。きつい。辛辣。
勅(敕) 119束 + 037力
力をこめてぐいと締める→臣下がたるまないように
引き締める天子の戒告
120 支 XXX十(竹の枝) + 005又 → 図
竹の枝を手で持って支える姿
枝 118木 + 120支
木の枝
肢 036肉 + 120支
胴体に生じた、枝にあたる手と足
岐 108山 + 120支
枝状にわかれた細い山道→えだみち(分岐)
技 004手 + 120支
細い枝のような細かい手細工→わざ
伎 041人 + 120支
人間の細かいわざ。わざをあやつる人。
121 竹 → 図
竹の枝二本、または小さい笹竹
篤 121竹 + 066馬
竹は周囲を欠けめなくとりまく意。篤は全身に欠けめ
のない馬→ゆきとどいた意(あつい)
冊(册) 121竹 x2 → 図
竹の札を並べてひもで結んだ物。これに文字を書いた。
→書物を数える単位
柵 118木 + 冊
木を並べて作ったへい→さく
扁 179戸 + 冊
戸(薄いとびら)と冊(薄い木の札)で、うすくたいらな意
編 168糸 + 扁
文字を書いたふだを並べひもでつづる→書物などを書い
てととのえる(編集)。糸でつづる→あむ。
遍 020辵 + 扁
平らにのびて行き渡る→あまねく
偏 041人 + 扁
平らにのびて中心から離れる→かたよる
典 冊 + XXX丌(台) → 図
書物を台の上に陳列する→ずっしりとした書物
个 竹の片方 → 図
一本の竹を描いたもの。ものを数えるときのことば。
箇の略字。1ケ、2ケのケは、个の変形。
122 屮 → 図
草の芽の形
卉 122屮 x3
まるくかたまって生えた草花→もろもろの草
生 122屮 + 107土 → 図
土から草の芽が出る→生える
姓 056女 + 生
生まれた血筋。女系祖先にちなむ名。
性 028心 + 生
うまれつきのすみきった心→人や物に備わる本質・
傾向→男女の区別
牲 064牛 + 生
生きたまま神前に供える牛→動物の供え物
星 A09晶 + 生
生え出たばかりのみずみずしい芽のように、澄んで清
らかに光るほし
醒 146酉 + 星
星は澄む意。酔いがやんですっきりと気分が澄む
→さめる。
青 生 + 177井 → 図
井戸にわく水のように清い色。きよい意。
晴 094日 + 青
澄みきった日→はれ
清 097水 + 青
きよらかにすんだ水→きよい
精 111米 + 青
よごれなく精白した米→まじりけをとり去って残った
エキス(酒精)→人のエキスである心(精神)
請 言(129辛 参照) + 青
澄んだ目をまともに向けて応対する→こう
情 028心 + 青
清くすみきった心の動き→心の動き、感情、思いやり
毒 生 + 057母
母が生む→生殖強精剤。刺激が強く常用するとひどい
害を及ぼす→どく
屯 XXX一(地面) + 122屮 → 図
地上に芽を出そうとして出悩むさま→たむろする
鈍 106金 + 屯
金属のかどがずっしりと重くふくれて、とがっていない
こと→にぶい
純 168糸 + 屯
布地の両はしの房がずっしりと垂れたこと。房の糸は
単色で他の色が混じらないので純色の糸→混じらない
頓 屯 + 025頁
ずしんと重く頭を地につける→ぬかずく、とどまる
整頓=整えて落ち着ける。頓挫=ずしんとくじける
萅(春) 123艸 + 屯 + 094日 → 図
日により地中に陽気がこもり草木がはえ出る季節→はる
甫 122屮 + 110田 → 図
苗を育てる畑、つまり苗代→平らに広がる、ぴたりと
くっつく
捕 004手 + 甫
手を対象にぴったり当てる→つかまえる
哺 023口 + 甫
口をぴたりとくっつける→口にふくむ
補 169衣 + 甫
布ぎれを平らにして破れめにぴたりとくっつける
→おぎなう
浦 097水 + 甫
水がひたひたとせまる岸→うら
舖(舗) 舎(296余 参照) + 甫
商品をぴたりと並べて売る所→みせ
尃 甫 + 007寸
手で平らに広げる、手を平らにぴたりと当てる
敷 尃 + 139攴
地面にぴたりと平らに当てる→しく
博 202十 + 尃
多くのものが平らにひろがる→ひろい
縛 168糸 + 尃
ひもをぴたりとすきまなく物に当てる→しばる
溥 097水 + 尃
水が一面にひろがる
薄 123艸 + 溥
草が広くたいらに生えている→うすい。
簿 121竹 + 溥
字を書くために平に広げた竹札→帳面
市 122屮 + 218八 → 図
双葉がぱっと開くさま。市場の市(014止 参照)とは別字。
肺 036肉 + 市
ぱっぱっと開いて息をする内臓→はい
孛 市 + 061子
芽や開くように子どもが発育する→おこる
勃 孛 + 037力
力をこめておこる
123 艸(艹) 122屮 x2 → 図
草二つで不ぞろいにずらっと生えている野草の姿
莫 123艸 + 094日 + 123艸 → 図
大草原のかなたに日が沈む→消えて見えなくなる
幕 莫 + 170巾
おおって見えなくする布→まく
募 莫 + 037力
ないものをあるようにしようと努力する→つのる
墓 莫 + 107土
死者を隠して見えなくする土盛り→はか
慕 莫 + 028心
身近にない物を得たいと求める心→したう
暮 莫 + 094日
日が没して見えなくなる→くれる
膜 036肉 + 莫
動物の諸器官を覆い隠して外から見えなくするまく
模 118木 + 莫
莫はかぶせる意。木で作った型の上に粘土をかぶせ
押しつけて造る鋳型→かた(模型)
漠 097水 + 莫
水がない所(砂漠)
苗 123艸 + 110田
なわしろに生えた細くて弱々しいなえ
描 004手 + 苗
苗は細かい意。細かく手や筆を動かす→えがく
猫 063犬 + 苗
苗は細い意。体がしなやかで細いねこ
朝 123艸 + 094日 + 097水(または 166舟) → 図
草の間から太陽がのぼり、潮がみちてくる時→あさ
潮 097水 + 朝
朝のしおの満ち引き→潮(夕のしおの満ち引きは汐)
嘲 023口 + 朝
口でなぐさみものにする→あざける。朝はただの音符
124 早 → 図
クヌギ、またはハンノキの木の実の姿。その外皮
は黒い染料に用いる→黒→朝の暗い時→早い。
白川説では、さじの形。
草 123艸 + 124早
クヌギの葉。転じて草一般。
卓 041人 + 124早 → 図
早くて目立つ人→ぬきんでる
悼 028心 + 卓
自分より早く死んだ人を思って悲しむ→悼む
125 乇 → 図
草の根が大地に定着した姿。安定したの意。
宅 239宀 + 125乇
定着して住むところ→すまい
託 言(129辛 参照) + 125乇
言葉で頼んで、ひと所にあずけて定着させる→まかせる
126 朿 → 図
植物のぎざぎざにとげが生えたさま→とげ
棗 126朿 x2
とげの多いなつめの木
棘 126朿 x2
とげの多いいばらの木
責 126朿 + 086貝 → 図
貸借についてトゲで刺すように責める
債 041人 + 責
人への借り貸しの責任→清算してない貸借関係(債務)
積 112禾 + 責
端がギザギザになるようにゾンザイに作物を重ねる
→つむ
績 168糸 + 責
横糸を積み重ねて布を織る→つむぐ
漬 097水 + 責
野菜を積み重ねて塩汁につける→つける
策 121竹 + 126朿
竹札を重ねて端がぎざぎざとつかえる短冊
→書きしるした計画書→ふだ、ふみ、はかりごと
刺 126朿 + 127刀
刀でとげのようにさす
127 刀(刂) → 図1 → 図2
曲線状に反った刀
刃(刄) 127刀 + XXX丶(刀のはのある所) → 図
刀のはのある所を丶印でさし示した
忍 刃 + 028心
ねばり強くきたえた刀の「は」。
じわじわと、ねばり強くこらえる心→しのぶ。
認 言(129辛 参照) + 忍
じわじわと対象の特色を心に印象づける→みとめる
召 127刀 + 023口
刀の刃の曲線のように手を半円に描いてまねき寄せる。
口でまねき寄せる→めす。
昭 094日 + 召
光をまねき寄せて、すみまでてらす→あきらか
照 昭 + 096火
火の光でてらす→てらす
招 004手 + 召
手まねきする→まねく
紹 168糸 + 召
糸の端と端とを招き寄せつなぐ→縁をつなぐ(紹介)
沼 097水 + 召
水べがゆるい曲線をなしたぬま
詔 言(129辛 参照) + 召
人を召し出して告げ諭す言葉→みことのり
超 021走 + 召
間にある障害物を曲線を描いて飛びこえる→こえる
到 188至 + 127刀
刀は曲線の意。至は届く意。曲折をへて届く→いたる
倒 041人 + 到
からだが弓なりにそって頭が地にとどく→たおれる
128 干 → 図
先がYの形になった棒。ほす意は仮借。
幵 128干 x2
二つの物の表面をといで高さをそろえたさま→たいら、
そろう
研 105石 + 幵
石の表面をといで平らにすること→とぐ
刊 128干 + 127刀
斧で切る。竹の札に字を書き誤字があれば小刀でけずっ
て訂正したため書物を整えて世に出すのを刊行という。
肝 036肉 + 128干
身体の中心となる幹の役目をする肝臓
汗 097水 + 128干
干は乾く意。乾いて熱したときに出る水液→あせ
杆 118木 + 128干
木の棒→護身用に使えば盾となり、攻撃に使えばこん棒
となる武器
竿 121竹 + 128干
竹の棒→さお
軒 164車 + 128干
車の前部の高くそりあがった部分→屋根の下端の曲がっ
て高くそりあがって張り出した部分→のき
旱 094日 + 128干
干は乾く意。ひでり。天地がかわく。
倝 旱 + 173
太陽が旗のように高くあがるさま→高い、強い、大きい
乾 倝 + 268乙 → 図
乙はのびる意。太陽が高く光がのびて来る→かわく
韓 倝 + 022韋
韋はとりまく意。井戸をとりまく丈夫な板のわく。
朝鮮南部の呼び名。
斡 倝 + 153斗
天上の北斗星が円を描いてめぐる→めぐる。
斡旋は、まわり歩いて人々の間を取り持つこと。
幹 倝 + 128干
中心となる丈夫なみき
厈 237厂 + 128干
干は水際の意。崖型にかどだった水際
岸 108山 + 厈
山の崖が水に臨んでいるあたり→きし
129 辛 → 図
鋭い刃物。刺されると痛いので「つらい」、
刺すような味は「からい」
辡 129辛 x2
刃物で物事を切りわけること
辯(弁) 辡 + 言(129辛 参照)
理屈をわけてのべた議論→のべる(弁護、弁舌)
辨(辧弁) 辡 + 127刀
刀でわける→わける、わきまえる(弁別、弁償)
瓣(弁) 辡 + 116瓜
瓜を切りわける→瓜のなかご、花びら(花弁、安全弁)
言 129辛 + 023口 → 図
祝詞を入れる器に大きな針を添えて、もし誓約を守らな
いときはこの針で入れ墨の刑罰を受けると誓う→いう
誩 言 x2
裁判の席で原告と被告の二人が誓う
音 言 + XXX丶(器が鳴る) → 図
祝詞を入れた器が鳴って神意が示される→おと
暗 094日 + 音
神意が示されるのはまだ暗い時刻→くらい
闇 180門 + 音
神意が示されるのは戸を閉めた暗い中→やみ
意 音 + 028心
器が鳴って示される神の意志→こころ
憶 028心 + 意
口には出さず心で思う→おぼえる
億 041人 + 意
胸いっぱいに考えうるだけ考えた大きな数
臆 036肉 + 意
いろいろな思いで、胸がつかえる
竟 音 + 046儿
人が音楽の一楽章を歌い終わって、区切りをつけたさま
→おわる、境目
境 107土 + 竟
土地の区切り→さかい
鏡 106金 + 竟
銅をみがいて明暗の境目をはっきり映し出すかがみ
章 音 + 202十
ひとまとめをなした音楽の段落。まとまってくっきりと
目だつ
彰 章 + 207彡
区切りをつけてあきらかに目だたせる→あきらか
障 109阜 + 章
平面をあてて進行をさしとめる(障害)。章はただの音符
信 041人 + 言
一度言明したことを押し通す人間の行為→しんじる
這 020辵 + 言
挨拶の言葉を言い出迎える→むかえる→はう
詈 137网 + 言
相手にののしる言葉を押しかぶせる→ののしる
罰 詈 + 127刀
その罪をしかって刀で刑を加える→ばつ
競(竸) 言 x2 + 041人 x2 → 図
二人の人が言葉で言い合って勝つか負けるかやりあう
→きそう
別の説では、冠をかぶった二人の人が並んでいる形、
祭祀に参加する人々。 → 図
129辛 + 118木 → 図
木をナイフで切ったなま木
親 + 見(001目 参照)
ナイフで身を切るように身近に接して見ていること
→おや、したしい
新 + 133斤
切りたての木→あたらしい
薪 123艸 + 新
切った木→たきぎ
辟 040尸 + 023口 + 129辛
尻の穴に刃物を入れて左右に切りさく刑罰。人の処刑
を命じ平伏させる君主→平らに横にひらく
避 020辵 + 辟
中心線から横にさける→さける
壁 辟 + 107土
薄く平らなかべ
癖 疒(288爿 参照) + 辟
胃腸の機能が片寄ってしこりのできる病気、くせ
璧 辟 + A32玉
辟は平らな意。平らな輪の形をした玉→美しいもの、
すぐれたもの。完璧=欠点がなく、すぐれてよいこと
商 129辛 + XXX(高い台) + 023口 → 図
大きな針を台の上に刺して下に祝詞を入れた器を置いて
祈る→神意を問う、神にはかる→取引をする→あきなう
別の説では、は丙(228)
130 幸 → 図 → 解説
手かせの形。運良くそこから逃れて幸いの意。
別の説では、執の字が先にあり、その略字の幸が、
手かせがら解放されたと字と解釈された。
執 130幸 + 013丸
罪人に手かせをして両手で捕まえる→とらえる
摯 執 + 004手
手でしっかり持つ→とる。いたる。
すみまで行き届く。真摯=非常にまじめ。
睪 001目 + 130幸
手かせをはめた容疑者を次々と並べて、犯人を選び出す
面通しのさま
擇(択) 004手 + 睪
次々と並べた中からえらび出す→えらぶ
澤(沢) 097水 + 睪
草地と水たまりが並んだ湿地→さわ
驛(駅) 066馬 + 睪
早馬で公文書を送るため一定の距離をおいて並べた
中継所→えき
釋(釈) A31釆 + 睪
釆はばらばらにわける意で、しこりをばらばらにほぐし、
一つずつわけて一本の線に連ねること→とく
譯(訳) 言(129辛 参照) + 睪
ことばを選んで一つずつ並べつなぐ→他の文句に
いいかえる(翻訳)、そうなった理由やいきさつ(わけ)
131 弋 → 図
くい。縄をつけて獲物を絡めとる棒。
必 131弋 + 218八 → 図
棒切れを伸ばすため両側から当て木をして締めつける
→動く余地がない→そうならざるをえない→かならず
泌 097水 + 必
両側から締めつけて液体をいびり出す→汁が出る(分泌)
祕(秘) 306示 + 必
入り口をしめつけて内容がわからないようにした神秘
なこと→ひそか(秘密)
宓 239宀 + 必
家の戸をぴたりと閉じること
密 宓 + 108山
深く閉じて人の近づけない山→ひそか(秘密)、ぴたりと
ひっついてすきまがない(親密)
蜜 宓 + 085虫
宓は中に封じこめる意。蜂が巣の中に封じこめたみつ
式 131弋 + 260工
棒を工作などに用いる→道具の使い方や行事のしかた
試 言(129辛 参照) + 式
人や物を使って仕事をやらせてみる→こころみる
拭 004手 + 式
人工を加えてきれいにする→ぬぐう
代 041人 + 131弋
同じポスト(弋)に入るべき者が互い違いに入れかわる
袋 代 + 169衣
物を入れかえてはこぶ布の入れ物→ふくろ
貸 代 + 086貝
金品の所有を肩がわりする→かす
132 戈 → 図1 → 図2 → 図3
ほこ。両刃の剣に長い柄をつけた武器。
戊 132戈 + XXXノ(まさかりの刃) → 図
戉(まさかり)に似た武器→ほこ。のち十干の序数に
当てたため、原義は忘れられた。
茂 123艸 + 戊
葉がおおいかぶさる→しげる。戊はただの音符。
戉 132戈 + XXXレ(まさかりの刃) → 図
まさかりのような形をした古代の武器→まさかり
鉞 106金 + 戉
[国字]まさかり。金を付加して意味を強調。
越 021走 + 戉
戉はくびれた形のまさかりで、ぐっとひっかけるの意。
からだをかがめてぐっと足をひっかけ、のりこえる
→こえる
威 戉 + 056女
か弱い女性を武器でおどす→おどす(威嚇)
烕 戉 + 096火
刃物で火だねを切って火をけす
滅 097水 + 烕
水をかけて火をけす→ほろぼす
歳 戉 + 歩(014止 参照)
手鎌の刃で作物の穂を刈りとるまでの時間→1年、とし
戒 132戈 + 009廾
武器を手に持ち、用心して備える→いましめる
誡 言(129辛 参照) + 戒
言葉でいましめる
械 118木 + 戒
手足をいましめる木製のかせ→しかけ(機械)
戎 132戈 + 270甲 → 図
ほこや、かぶとなどの武器→兵士、武器、
えびす(中国の北西方に住む異民族)
賊 086貝 + 戎
凶器で傷つけて財貨をとる→そこなう、ぬすむ(盗賊)
伐 041人 + 132戈
人が刃物で物をきり開く→きる(伐採)
別の説では、人の首を切ることから。
閥 180門 + 伐
勢いを誇る家がら(門閥)
筏 121竹 + 伐
木や竹を切って並べて組んだいかだ
成 132戈 + 175丁 → 図
切って(戈)、釘を打って(丁)、城を作る→なる
誠 言(129辛 参照) + 成
成はかけめない城の意。かけめない言行→まこと
盛 成 + 140皿
成は土をもりあげた城の意。皿に山盛りにする→もる
城 107土 + 成
土を盛って固めた城
戍 132戈 + 041人
兵士が武器を持って警備する→まもる
幾 167幺 x2 + 戍 → 図
幺はわずかな意。人の首と戈の刃の距離がわずか
→もう少し、近い、わずかの幅、はしたの数(いくつ)
機 118木 + 幾
木製の細かい部品、わずかな接触でかみあう装置
磯 105石 + 幾
水ぎわに近い石→水ぎわの石の多い所→いそ
饑 食(141皀 参照) + 幾
食物がわずか→うえる
畿 幾 + 110田
身近な所にある領地→天子の直轄地(近畿)
戌 132戈 + 304一
刃物で作物を刈ってひとまとめに締めくくり収穫する。
十二支の犬に当て原義を失う。
咸 戌 + 023口 → 図
戈でショックを与えて口を封じる、合わせて封じこむ
→おしなべて、みな
感 咸 + 028心
強いショックで心が動く→感じる
憾 028心 + 感
強いショックで残念な感じが心に残る→残念に思う
減 097水 + 咸
水源を押さえ封じて流れの量をへらす→へる
鍼 106金 + 咸
皮膚に強い刺激を与えるはり
或 132戈 + 235囗 → 図
ある領域を区切り、それを武器で守る。
のちに「ある」という意味に仮借された。
惑 或 + 028心
心が狭いわくに囲まれる→まどう
域 107土 + 或
わくに区切られた土地(領域)
國(国) 235囗 + 或
わくで境界を限る→くに
我 112禾 + 132戈 → 図
穀物を刈るのこぎり。われの意味に用いるのは仮借。
義 065羊 + 我
羊をのこぎりで切って犠牲を捧げる
犠牲の羊は欠陥のないものなので義の意
儀 義 + 041人
ほどよく整って手本となる人間の行為(儀法)
議 言(129辛 参照) + 義
かどばって折り目のある話(議論)
蟻 085虫 + 義
規律正しい共同生活を営む虫→あり
羲 義 + XXX兮(犠牲の羊の後ろ足)
のこぎりで羊の後足を折って犠牲をささげる
犧(犠) 064牛 + 羲
姿のととのった牛を犠牲にささげる→いけにえ
餓 食(141皀 参照) + 我
我はごつごつした意。食物が不足して体がごつごつ骨
ばる→うえる
蛾 085虫 + 我
我はくっきりと目だつ意。くっきりと目だつ形や色を
した虫→が
俄 041人 + 我
我は折れ曲がったのこぎり。事態が急に折れ曲がる
→にわかに
峨 108山 + 我
我はぎざぎざののこぎり。山頂がぎざぎざにとがった山
→けわしい
武 132戈 + 014止 → 図
戈を持って足で前進するさま→たけだけしい、戦争
賦 086貝 + 武
武は強制する意。強制的に財貨を徴用する
→みつぎもの、わかつ
戔 132戈 x2
刃物で削りに削って残りすくない→小さい、すくない
淺(浅) 097水 + 戔
水が少ない→あさい
錢(銭) 106金 + 戔
小さな銅片→ぜに
踐(践) 015足 + 戔
小きざみに歩く→ふみ行う(実践)
殘(残) 034歹 + 戔
切りとって小さくなったのこりの骨片→のこる
棧(桟) 118木 + 戔
小さく切った木→短く切った木をかけわたした木の橋
箋(牋) 121竹 + 戔
小さい竹のふだ→幅のせまい紙。付箋、便箋。
戠 音(129辛 参照) + 132戈
音を出さずに刃物で目印を付ける意
織 168糸 + 戠
糸を組んでおりめを目だたせる→布をおる
識 言(129辛 参照) + 戠
目印や名によって区別して知る→見わける(識別)
職 029耳 + 戠
耳できいてよく識別すること→識別が必要な仕事(職業)
幟 170巾 + 戠
目じるしのためにたてる布→のぼり
224才 + 132戈
たちきる
栽 + 118木
植物のむだな枝葉を切って、ほどよく育てる(栽培)
裁 + 169衣
布地をたちきる(裁断)
載 + 164車
車の荷がずるずると落ちないように縄でとめる→のせる
戴 + A25異
は切り止める意。異は物を持つ意。
物を持って頭の頂上に止めおく→いただく。
鐵(鉄鐡銕) 106金 + + 呈(214 参照)
呈はまっすぐの意。まっすぐに物を切りおとす鋭利な
金属→てつ
133 斤 → 図1 → 図2
石斧の刃を物に近づけて切ろうとしている姿→斧
斦 133斤 x2
斤は重さを計る重りに用いたおの。二つ並べて
目方が釣り合っていることを示す。
斥 133斤 + XXX丶(おのでたたき割るさま)
おのでたたき割る→わる、さける、しりぞける(排斥)
訴 言(129辛 参照) + 斥
切りこんで言う→うったえる
匠 231匚 + 133斤
ものさしや刃物を使って細工する→たくみ
兵 133斤 + 009廾
武器(斤)を手に持つさま→兵隊
折 004手 + 133斤
手におのを持って切る→おる
誓 折 + 言(129辛 参照)
きっぱりと言いきる→ちかう
逝 020辵 + 折
ふっつりと折れるようにいってしまう→死にゆく(逝去)
哲 折 + 023口
言動が明快に断ち切れる→あきらか、賢い
析 118木 + 133斤
木をおので細かに切りわける→複雑な事がらをひとつ
ずつわけて明らかにする(分析)
近 020辵 + 133斤
おのの先端がちかづいたさま→ちかい
祈 306示 + 133斤
目ざす所に近づこうとして神にいのる
134 矛 → 図1 → 図2
ほこ。危険を排して突き進む意。
敄 134矛 + 139攴
困難を無理に打開する
務 敄 + 037力
困難を打開するために力を尽くす
霧 099雨 + 務
務は手さぐりして進む意。手さぐりして進む水気→霧
柔 134矛 + 118木
ほこの柄にする弾力のある木→やわらかい
135 弓 → 図
木を曲げて弦を張った弓の姿
弱 135弓 x2 + 207彡 x2 → 図
模様や飾りのついた柔らかい弓→柔らかい→よわい
鰯 084魚 + 弱
[国字]陸にあげるとすぐに弱ってしまう魚→いわし
溺 097水 + 弱
水でぬれて、柔らかくぐったりとなる→おぼれる
引 135弓 + XXX|(直線状にひくさま)
弓を一直線に引くさま→ひく
射 135弓 + 136矢 + 007寸 → 図
弓に矢をつがえている姿→いる
謝 言(129辛 参照) + 射
矢を射て弓の緊張がゆるむ→言葉で負担や緊張をとく
→あやまる
躬 身 + 135弓
からだを弓形に曲げる
窮 280穴 + 躬
曲がりくねって先がつかえた穴→いきづまる、きわまる
136 矢 → 図
まっすぐな矢の形。矢のように急速な意味を含む
医 232匸 + 136矢
矢をしまいこむ容器
殹 医 + 138殳
しまいこみ隠す動作
醫(医) 殹 + 146酉
酒つぼに薬草を封じこみ薬酒をかもす→いやす
() 237厂 + 136矢
幕をたらした的(厂)と矢。的をねらいうかがう意
侯 041人 + → 図
弓の射手→近衛の軍人→軍功ある重臣に与える爵位
候 041人 + 侯
身分の高い人のきげんや動静をうかがう→うかがう
(斥候)、わずかに表面に出たきざし(兆候)
喉 023口 + 侯
侯は穴をあらわす音符。口から空いた穴→のど。
疾 疒(288爿 参照) + 136矢
矢のようにはやく進む(疾走)、急に進行する病気(疾病)
白川説では矢が刺さり病床にふせる
嫉 056女 + 疾
女の急に怒り出すヒステリー→ねたむ(嫉妬)
族 173 + 136矢
旗の下に矢を集めて置いたさま→同じ物を集めてグルー
プにまとめる→血族集団
別の説では、旗は軍旗で軍隊のこと→グループ
短 136矢 + 191豆
矢とたかつきのように比較的短い寸法の物→みじかい
知 136矢 + 023口
矢のようにまっすぐに物事の本質をいい当てる→しる
雉 136矢 + 068隹
矢で捕らえる鳥→きじ
137 网(罒) → 図
魚を捕らえる網
岡 137网 + 108山 → 図
网は硬く真直ぐな意。上部が平らで硬く高い台地→おか
鋼 106金 + 岡
硬い金属→はがね
剛 岡 + 127刀
刀の材料にする鋼→かたい、つよい
綱 168糸 + 岡
丈夫でかたい太づな→つな
138 殳 XXX几(羽を立てるさま) + 005又 → 図
手で立てる動作。動作することを示す動詞記号。
設 言(129辛 参照) + 138殳
人に言いつけて、道具を用いて、儀式の場所を設置する
→もうける
投 004手 + 138殳
先方のある所に立つように投げること。
役 186彳 + 138殳
遠くに行って仕事をすること→無理に働かせる(使役)
疫 疒(288爿 参照) + 役
いやおうなく各人に割り当てられる、つらい流行病
股 036肉 + 138殳
体を立てる肉体の部位→もも
139 攴(攵) XXX卜(棒) + 005又 → 図
小さな木の棒を手に持つ姿。動詞記号
散 XXX(麻の実や皮をはぐさま) + 139攴 → 図
植物の皮や実をばらばらにそぎとるさま→散らす
140 皿 → 図
さらの形
血 140皿 + XXX一(血のかたまり)
深い皿に祭礼にささげる血のかたまりを入れたさま→血
昷 XXX日(上ぶた) + 140皿 → 図
ふたをふせて皿に物を入れたさま
温 097水 + 昷
ふたをした皿の中で水気がこもって、むっとあたたかい
盍 去(285大 参照) + 140皿
皿にふたをかぶせたさま→おおう
蓋(葢盖) 123艸 + 盍
むしろや草ぶきの屋根をかぶせる→おおう、ふた
141 皀() → 図
皿に盛ったごちそう
食 203亼 + 141皀 → 図
ごちそうを寄せ集め食べること
飾 食 + 041人 + 170巾
布に人手を加えきれいにする。食はただの音符。
飮(飲) 食 + 282欠
食べ物を口の中に入れること→のむ
倉 食 + 278口
食糧となる新穀や青草を入れる納屋→くら
青草の青い色の意も含む。
創 倉 + 127刀
刃物で切れめをつけること→きずつける(創傷)。
素材に切れめを入れるのは、工作の最初の段階である
ことからはじめるの意(創始)。倉はただの音符。
即 141皀 + 045卩 → 図
人が食卓についているようす。→そばにつく。
また、すぐ食べられる状態なので「すぐさま」の意。
節 121竹 + 即
即は食卓でひざを折るさま→ひざのような竹のふし
既 141皀 + A08旡 → 図
「旡」は満腹な状態。ごちそうを食べつくしたようす
→つきる(皆既)、すでに(既婚)
概 118木 + 既
升の中にいっぱいになった穀物を平らにする
木の棒。平らにする→おおよそ、おおむね
慨 028心 + 既
心がいっぱいになり、なげくようす
卿 045卩 + 141皀 + 045卩 → 図
ごちそうをはさんで向かい合った二人
→供宴、供宴する位の高い人
郷(鄕) 卿 + 邑(077巳 参照)
村落の向かい合ったさま
饗 郷 + 食(141皀 参照)
向かい合って会食する
響 郷 + 音(129辛 参照)
音が向かい側に伝わる
142 鼎 → 図1 → 図2
ふたつの取っ手と三本の脚の付いたかなえの姿
員 XXX○(丸い形) + 142鼎 → 図
丸い形の器→まるい形の物→物を数える単位→人員
圓(円) 235囗 + 員
丸いかこい→まるい
韻(韵) 音(129辛 参照) + 員
まろやかに調和している音節や字音
匂 韵の右側の字を書きかえた
[国字]におう。よい響き→よい香り。
損 004手 + 員
丸い穴を開けて窪める→そこなう
具 142鼎 + 009廾 → 図
食物を鼎にそろえてさし出す→そろえる、ひとそろい、
そろえた用具
算 121竹 + 具 → 図
そろえてかぞえる竹の棒→かぞえる
則 142鼎 + 127刀 → 図
鼎にスープや肉を入れ、そばにナイフをそえたさま。
そばにくっついて離れない→常によりそう法則。
側 041人 + 則
人のそば→かわ
測 097水 + 則
物さしや基準をそばに付けて水の深さをはかる→はかる
眞(真) A19匕 + 142鼎 → 図
さじで容器に物をみたす→うそや欠けめがなく充実し
ている→まこと
白川説では、行き倒れの人の姿。死者は変化しない
永遠の者となったので、「まこと」の意。
愼(慎) 028心 + 眞
心が欠けめなくすみずみまでゆきとどく→つつしむ
白川説では、行き倒れになった人をつつしんで、
葬ったので「つつしむ」意。
鎭(鎮) 106金 + 眞
欠けめなくつまった金属の重し→重みをかけておさえる
→しずめる(鎮圧)
白川説では、行き倒れになった人の霊のいかりを、
祈りでしずめたので、「しずめる」意。
填 107土 + 眞
土を穴に詰めて満たす→うずめる
貞 307卜 + 142鼎 → 図
鼎を使って占い神意を問う→問う。
神意は正しい→正しい→誠実で行いがただしい。
偵 041人 + 貞
人が問う→ようすを探る(偵察)
143 缶 → 図
ほとぎ。酒や水を入れた胴太細首の土器。
匋 230勹 + 143缶
粘土をわくの中に入れて、まんべんなくこねること
陶 109阜 + 匋
粘土をこねて焼いてつくった器
144 畐 → 図
腹の丸くふくらんだ、酒のたっぷり入るとっくり
富 239宀 + 144畐
家の中にいい酒がいっぱいある→富んでいる
福(福) 306示 + 144畐
神に酒を供え幸いを求める→さいわい
幅 170巾 + 144畐
丸くふくらんだヒザに当てる布。ヒザ当ては布の横はば
のままの寸法→はば
副 144畐 + 127刀
とっくりを刀で二つに分ける→わける。
二つに分けて一つを正とし他の一つを副とする→ひかえ
145 鬲 → 図1 → 図2
穀物を入れる蒸し器と水入れとが分離している土器
隔 109阜 + 145鬲
土地が離れている→へだてる
146 酉 → 図
酒だる、酒つぼの形。十二支の鶏に当てる。
酒 097水 + 146酉
酒だるに入った液体→さけ
酋 酉の変形 → 図
酒がかもされ酒だるから香りが漏れ出す姿。古い酒
醜 酋 + 049鬼
酋は引きつる意。鬼のような引きつった顔→みにくい
尊 酋 + 007寸
礼式用の酒器を手に持つ姿。形よく上品→たっとい
遵 020辵 + 尊
酒器を捧げて巡行する→したがう
猶(犹) 063犬 + 酋
酒つぼから酒気が細く長くのび出るように手足と体を
のばす動物→のばす→そこまでのばしてもなおの意
147 鬯() → 図
儀式用の杯に手を添えた姿。杯に酒と香草が入って
いる。→香草。香酒。
鬱(欝) 林(118木 参照) + 143缶 + 229冖 + 147鬯 + 207彡
缶(かめ)と冖(閉じ込める)と鬯(香草)と彡(周囲に放
つ香り)で、酒に香りを付けるため、かめに閉じ込め
た草。林を加え、木々が一定の場所にとじこめられて、
こんもりと茂る意。こもる。ふさがる。
148 耒 → 図
畑を耕す鋤の形
149 臼 → 図
まんなかが曲がりくぼんだ臼の姿
舊(旧) 萑(068隹 参照) + 149臼
萑はみみずく。臼は鳥を捕まえるわな。わなにはまって
動けなくなる→長く留まる→ふるい
舀 008爪 + 149臼 → 図
うすの中でこねる
稻(稲) 112禾 + 舀
うすの中でこねて、ねばらせる米→いね
臽 041人 + 149臼
臼は穴。穴の中へ人がおちこむ。
陷(陥) 109阜 + 臽
阜(土もり)を加え、土の穴におちる→おちいる
臿 128干 + 149臼
臼(うす)の中に干(きね)の棒をさしこむ
插(挿) 004手 + 臿
手でさしこむ→さす
毀 149臼 + 107土 + 138殳
臼と殳で、臼で米をひきつぶすこと。「土」を加えて
壁や堤に穴をほってこわす。毀損=物を傷つけこわす
150 午 → 図
交差して上下に動くきねの姿。
前半と後半が交差する位置(正午)
別の説では、紐の象形
卸 150午 + 045卩 → 図
人がきねで堅い物を柔らかく突きならす
→荷馬車から物を移して抵抗や負担を取り去る→おろす
御 186彳 + 卸
馬を穏やかにならして行かせる→うまくおさめる
許 言(129辛 参照) + 150午
上下にずれや幅を持たせて、これでよしと言ってゆるす
庚 150午 + 010 → 図
両手で杵を持っている姿→硬い心棒
康 庚 + 111米
杵で突いて精米する→体が良い状態(健康)
糠 111米 + 康
精米したあとの抜け皮→ぬか
唐 庚 + 023口
杵で突くように、うそをつく(荒唐)。
中国の国の名前に音を当てた→から。
糖 111米 + 唐
穀物を煮てつくる甘味料。唐はただの音符。
庸 庚 + 262用
棒を手にもって突き通す→もちいる、やり方(中庸)
151 其 → 図
四角い箕の形→四角い、きちんとしている
箕 121竹 + 151其
竹を編んで作った四角い農機具
旗 173 + 151其
四角い旗
期 151其 + 095月
月のきちんとした満ち欠け→日時
基 151其 + 107土
土を四角く固めた家の土台
棋(棊) 118木 + 151其
四角いゲーム盤
碁 151其 + 105石
四角い盤に石を並べるゲーム
欺 151其 + 282欠
四角い面で威嚇し、人をしゃがませる
152 西(覀) → 図
ざる→振り分ける、散らす、垂れ落ちる。
日の垂れ落ちる方向(西)
別の説では、入れ物の形。 → 図
口の開いた入れ物の形と閉まった入れ物の形がある。
152西 + 009廾 + 045卩
人がぬけさる動作
遷 020辵 +
そこからぬけ出て中身が他所へうつること→うつる
栗 152西 + 118木
西は、ざるの形。くりの実がはじけて、ざるのような
形をした、いがが木の上に残っているさま。
慄 028心 + 栗
栗の針がさすように、ひりひり連続して刺激する感じ
→ふるえる。おそれる。
153 斗 → 図
酒をくむ柄の付いたひしゃくの姿。ます。
料 111 米 + 153斗
穀物をますに落として入れ、かさをはかる
154 勺 → 図1 → 図2
ひしゃく→一部分を取り出す、目立たす
酌 146酉 + 154勺
酒壷から汲み上げる→お酌する
杓 118木 + 154勺
木のひしゃく
約 168糸 + 154勺
糸に結び目を付けて目立たす→結び目を締める
→引き締める、短くまとめる、およそ
的 117白 + 154勺
ドングリの実を目立たせ狙う→まと
釣 106金 + 154勺
針金を使って魚を海から取り上げる→つる
灼 096火 + 154勺
目立つようにあかあかと火が燃える
芍 123艸 + 154勺
目立つようにあざやかな花が咲く草→芍薬
155 巨 → 図
直角を測る定規に取っ手の付いた形
両端がへだたったことから巨大の意に転用
拒 004手 + 155巨
手で押しやって隔てを作る→こばむ
距 015足 + 155巨
他の指と間が隔たった鳥の蹴爪→間が広くあくこと
156 兩(両) → 図
左右に対をなして皿が等しく釣り合うはかりの姿
→ふたつ、両方の意
157 帚 → 図
ほうきの形
箒 121竹 + 157帚
竹で作ったほうき
掃 004手 + 157帚
ほうきで掃除する
婦 056女 + 157帚
掃除などの家事を行う女性→妻
歸(帰) 199 + 014止 + 157帚
はもとに戻るの意。
女性がとついで、ほうきを持ち、家事に従事し、
あるべきポストに落ち着く。
後に止(あし)を加えて歩いてもどるの意に。
157帚 + 005又 → 図
ほうきですみずみまで掃き進める
侵 041人 +
人が他人の領域に進み入る
浸 097水 +
水が進み入る
寢(寝) 239宀 + 288爿 +
家の寝台のある部屋に入り寝る
158 單(単) → 図
左右に耳の付いた薄くて平べったいはたきの姿
→一重であり薄い意
別の説では、狩猟で使用された二股の道具。 → 図
獸(獣) 158單 + 235囗 + 063犬
單は小動物をたたくはたき。囲いの中に追いつめて捕ら
える動物→けもの
戰(戦) 158單 + 132戈
はたきでぱたぱたとたたくように、武器でぱたぱたと
敵をなぎ倒す→いくさ
彈(弾) 135弓 + 158單
はたきの平面が上下に動くように、弓の弦を上下に動
かす→ひく、はじく
禪(禅) 306示 + 158單
單はたいらの意。たいらな土の壇の上で天をまつる儀式
159 几 → 図1 → 図2
脚付きの台
机 118木 + 159几
木で作った台→つくえ
飢 食(141皀 参照) + 159几
食べ物にうえる。几はただの音符。
肌 036肉 + 159几
体のはだ。几はただの音符。
160 聿 → 図
筆の先から点々としずくがしたたるさま
畫(画) 160聿 + 110田 → 図
ある面積を区切って筆で区画を記す→えがく(絵画)、
くぎり(区画)
書 160聿 + A23者
者は定着させる意の音符。
筆で字をかきつけて紙や木簡に定着させる→かく
晝(昼) 160聿 + 094日
日の照る時間を、ここからここまでと筆でくぎって書く
さま→ひる
肅(粛) 160聿 + A14 → 図
筆を持って深い淵のほとりに立ち身のひきしまるさま
→引きしめる(粛正)、つつしむ(粛然)
筆 121竹 + 160聿
毛の束をぐっとひきしめて竹の柄をつけたふで
盡(尽) 160聿 + 097水 + 140皿 → 図
筆の先からしずくが皿に垂れ尽くすさま→つくす
律 186彳 + 160聿
人間の行いの基準を筆で箇条書きにするさま→きまり
津 097水 + 160聿
水が少なく尽きようとして垂れる→うるおす、
しめった浅瀬
建 187廴 + 160聿
聿は筆を真っ直ぐ立てたさま。体を真っ直ぐ立てて
堂々と歩く→たてる
健 041人 + 建
人が体を真っ直ぐ立てて堂々と歩く→すこやか(健康)
鍵 106金 + 建
筒型のじょうまえにつきたてるかぎ。
161 爾(尓) → 図
柄が付き、両側にひも飾りが垂れた印鑑の形
下地にくっつけて印を押すことから、そばにくっついて
いる人や物をさす指示詞それ・なんじの意。
璽 161爾 + A32玉
宝石が付いた印鑑→皇帝の印
彌(弥) 135弓 + 161爾
弭の代用で使われる。爾は意味に関係ない。弭は末端
まで届く意→わたる。遠くまで衰えない→いよいよ。
162 樂(楽) → 図
ヤママユが木の上に二つの繭を作った姿。
白川説では、柄のある手鈴の形。手鈴で奏でる音楽。
音楽をたのしむことから、たのしいの意。
藥(薬) 123艸 + 162樂
手鈴を振って病魔をはらったので癒す意。
病気を癒す草で、くすりの意。
163 壴 → 図
台の上に太鼓を立てた姿
鼓 163壴 + 139攴
太鼓を棒でたたくさま→つづみ、ぽんぽんたたく(鼓動)
喜 163壴 + 023口
音楽を奏してよろこぶこと
彭 163壴 + 207彡
太鼓の張った腹をたたいてぱんぱんと音をたてる
膨 036肉 + 彭
肉体が太鼓のように張ってふくれる
豈 壴の変形 → 図
神楽の太鼓をたてた姿→にぎやかな軍楽
あに(指示・強調を加えて反問する語)の意は仮借。
164 車 → 図1 → 図2
二輪のくるま
轟(軣) 164車 x3
多くの車が往来する→とどろく
連 020辵 + 164車
いくつも車がつらなって進む→つらなる
軍 230勹 + 164車
戦車で円陣をつくってとりまく→軍隊の集団
運 020辵 + 軍
戦車がとりまくように、ぐるぐるまわる→はこぶ
揮 004手 + 軍
戦車がとりまくように、手を回す→ふるう
輝 光(096火 参照) + 軍
光の中心をまるくとりまいた光→かがやく
庫 238广 + 164車
車や兵器を入れて屋根をかぶせたくら
斬 164車 + 133斤
車をおので切る→鋭い刃が割りこむ
漸 097水 + 斬
水分がじわじわとさけめにしみこむ→すこしずつ
暫 斬 + 094日
仕事の中間に割りこんだ少しの時間→しばらく
毄 164車 + XXX凵(車輪の軸止め) + 138殳
車輪と軸止めとがかちかちとうち当たる
撃 毄 + 004手
かちんとうち当てる動作→うつ
165 凡 → 図
平で四角い板、または舟に張る帆の姿。
広い範囲を覆うことから、一般の意。
別の説では、容器の形。
帆 170巾 + 165凡
舟に張る布製の帆
汎 097水 + 165凡
水面が帆のように広がる→ただよう、あまねく
風 165凡 + 085虫 → 図
帆のようにゆれ動いて生き物に刺激を与えるかぜ
嵐 108山 + 風
山の清らかな風→山から吹く激しい風→あらし
鳳 165凡 + 067鳥 → 図
風にはためく帆のような大きな鳥→おおとり
166 舟 → 図
丸木をくりぬいて造った舟の姿
兪 166舟 + 296余 → 図
木を刃物でくりぬいて船をつくる→抜きとる意
愉 028心 + 兪
心中のしこりを抜きとる→たのしい(愉快)
愈 兪 + 028心
病気や心配の種が抜きとられて心が気持ちよくなる
癒 疒(288爿 参照) + 愈
病気がくりぬいたようにぬけてくれる→いえる(治癒)
諭 言(129辛 参照) + 兪
疑念やしこりをえぐりとって説く→さとす(教諭)
喩 023口 + 兪
例を引いて疑念やしこりを抜き去る→たとえる(比喩)
輸 164車 + 兪
ある所の品物をぬき出して車で運ぶ→うつす(輸出)
167 幺 → 図
細い生糸→細やか、小さい、かすか
幼 167幺 + 037力
細くなよなよして力がない状態→幼い
玄 XXX亠(糸の先端がわずかにのぞいているようす) + 167幺
→ 図
糸の先が少しだけ出ている→よく見えない
→暗い色、奥深い
弦 135弓 + 玄
弓の細い糸→つる
舷 166舟 + 玄
ふなべり。船の中心軸に対して、ふなべりは弓の弦に
当たるので舷という。
畜 玄 + 110田
栄養分をたくわえて作物をやしない育てる黒い土
→たくわえる、やしなう(牧畜)
別の説では、田の部分は物が入った袋の形。
上部の玄は袋の口を締めるひも。 → 図
蓄 123艸 + 畜
越冬のさい、たくわえる野菜→たくわえる
幽 167幺 x2 + 108山
山中がほの暗くかすかにしか見えない
→かすか、よく見えない
茲 123艸 + 167幺 x2
小さい芽がどんどん並んで生じる→しげる
慈 茲 + 028心
小さい子を育てる親心→いつくしむ
滋 097水 + 茲
小さいものがどんどんふえるよう水分や養分を与える
→増す、しげる、うるおす、活力を与える(滋養)
磁 105石 + 茲
砂鉄をどんどん引き寄せてふくらむ鉱物(磁石)
167幺 x4 + XXX(糸を切っているようす)
糸をばらばらに切る
繼(継) 168糸 +
切れた糸をつなぐ→つぐ
斷(断) + 133斤 → 図
ずばりと糸のたばをたちきる→たつ、ことわる
168 糸 → 図
細かい繊維を寄り合わせてできた糸
絲(糸) 168糸 x2
糸を二つ並べたもので、よりいと
094日 + 絲 → 図
絹糸を日光にさらすこと
顯(顕) + 025頁
顔を明るみに出して見せる→あきらか、あらわす
濕(湿) 097水 +
生糸を柔らかくするため水に沈めてぬらす→しめらす
系 XXXノ(引きのばす) + 168糸 → 図
糸をつないでのばす→つながり
係 041人 + 系
ひもでつなぐ→かかり
別の説では、人の首にひもを付けてた形。捕虜を係留
すること。 → 図
孫 061子 + 系
子の系統をひく一段と小さい子→まご
遜 020辵 + 孫
孫は小さい意。小さくなって退く→へりくだる
索 XXX(麻の茎から繊維をはぎとるさま) + 168糸 → 図
一本ずつはなれた細い繊維→細い引きづな→ひく(検索)
素 241垂 + 168糸 → 図
ひとすじずつ離れてたれた原糸→もと、未加工のもの
繭 XXX(桑の葉) + 168糸 + 085虫
虫の糸がまるまってできたまゆ
169 衣(衤) → 図
衣服の左右の襟を合わせ、後ろの襟を立てた姿
哀 169衣 + 023口
思いを胸中に抑え口を衣に隠してむせぶ→あわれむ
依 041人 + 169衣
人が衣のかげをたよりにして姿を隠す→たよる
初 169衣 + 127刀
衣料を作るために最初に素材にはさみを入れて切る
→はじめ
袁 019之 + XXX○(玉) + 169衣
からだをまるくとりまく、ゆったりした衣。
死者を送るためにふところに玉を入れた。
園 235囗 + 袁
周りを垣で囲んだ畑や庭→その
猿 063犬 + 袁
袁は引っ張る意の音符。木の枝を引っぱって木登りを
する猿
遠 020辵 + 袁
袁はゆったり間があいている意。間をあけて離れている
→とおい
瞏(睘) 001目 + 袁 → 図
目をぐるりとまわす、目をまるくすること
環 A32玉 + 瞏
腕輪や指輪などの輪の形をした玉→輪の形をした物
還 020辵 + 瞏
円をえがいてもどる→かえる
170 巾 → 図
体の前に垂らした三筋の布切れの姿。身を包む布
170巾 + 218八 x2 → 図
切りわけた布
敝 + 139攴
布を左右に裂く→やぶれる、つかれる
幣 敝 + 170巾
所用に応じて切りわけた布→通貨の役をした布(貨幣)
弊 敝 + 009廾
両手で布をやぶってだめにする→やぶれる、
つかれる(疲弊、弊害)、謙そんの意(弊社)
蔽 123艸 + 敝
敝は、左右にさく→横にひろがる。
草が横にひろがって物をかくす→おおう。
帶(帯) XXX(ひもで物を通した姿) + 170巾 → 図
長い布でいろいろな物を腰につける→おび
滯(滞) 097水 + 帶
帯が腰にまといついているように水が定着して動かない
→とどこおる
171 求 → 図
皮衣。着るとき帯で締める→引き締めて逃さない
→求める
別の説では、植物の形。 → 図
救 171求 + 139攴
引き締めて食い止めること→すくう
球 A32玉 + 171求
中心にむけて、ぐっと引き締まったまるい美玉。
172 匹 → 図
並んだ二つの一反の布。布を数える単位。
転じて、動物を数える単位。
173 → 図
旗ざおに付けた吹き流しがなびいている姿
斿 173 + 061子
吹流しの旗がよちよち歩きの子のようにゆらゆらしてる
遊 020辵 + 斿
定めなくぶらぶら歩く
174 勿 → 図
様々な色の布で作られた吹き流しが垂れる姿。
色が乱れてよくわからない。転じて「ない」と
いう否定詞となる。
別の説では、弓の弦が切れたようす。
物 064牛 + 174勿
色あいの定かでない牛。一定の特色がない意から、
いろいろなものをあらわす意となる。
175 丁 → 図
打ち込まれた釘の頭の姿。一点に当たる意(丁度)
亭 183高 + 175丁 → 図
地上に直角に釘のようにたつ建物→あずまや
停 041人 + 亭
人が建物のようにじっととまって動かない→とどまる
打 004手 + 175丁
釘を打つ→うつ
町(甼) 110田 + 175丁
T字型になった田のあぜ道→まちの中の通路→まち
頂 175丁 + 025頁
頭の一番上の一点→いただき
訂 言(129辛 参照) + 175丁
言葉のくい違いをつき合わせて一つにまとめる→ただす
176 () 260工 x4 → 図
れんがを積み重ねて重しをかけることを示す
177 井(丼) → 図
井戸の中に水がたまったさま。四角いわく。
丼は日本では、どんぶりの意を持つ。
(井戸の中に石を落したときの音から)
刑 177井 + 127刀 → 図
罪人をわくの中にとじこめて刀でこらしめる→刑罰
型 刑 + 107土
粘土でつくったわく→鋳型
形 177井 + 207彡
いろいろな模様をなす、わくどりやかた→かたち
耕 148耒 + 177井
鋤で畑地に縦横の筋を入れて四角く区切る→たがやす
178 亞(亜) → 図
地面を掘り下げた古代の住居の土台の姿。
表に出ない下支えの意から、転じて、つぐ意。
別の説では、王墓の形
惡(悪) 178亞 + 028心
下に押し下げられてくぼんだ気持ち→わるい
179 戸 → 図
門の片方の扉
雇 179戸 + 068隹
かごの戸をとじて中に鳥を飼う→人をやとう
顧 雇 + 025頁
狭い枠を限ってその中で頭を巡らす→かえりみる、
心を配る(顧客、顧問)
所 179戸 + 133斤
木をさくさくと切り分ける意。場所の意は仮借。
扇 179戸 + 088羽
戸や羽のように、ぱたぱたと平らな面が動いてあおぐ
啓 179戸 + 139攴 + 023口
戸を開くように閉じた口を開いて陳述する
→ひらく(啓発)、もうす(拝啓)
戻 179戸 + 063犬
暴犬が戸内に閉じ込められ暴れるさま→逆らう、もどる
涙 097水 + 戻
戻はハラハラと散る意。ハラハラと散るなみだ。
180 門 → 図
左右に開く二枚の扉。隠してわからない意。
問 180門 + 023口
わからないことを言葉(口)で探り出す→とう
聞 180門 + 029耳
わからないことを耳で探る→きく
閒(間) 180門 + 095月
門のあいだから月が見えるさま
→二つの物にはさまれた中間、隙間
簡 121竹 + 間
隙間を空けて並べられた竹の札→書物、手紙
隙間が空いている→はぶく、手を抜く(簡単)
開 180門 + XXX一(門を閉める横木) + 009廾
横木を手ではずして開ける
閉 180門 + 224才
才は止める意。門を閉じて出入りを断ち止める
閑 180門 + 118木
門を閉めるのに使うかんぬきの棒→ふさぐ
ひまの意に使うのは間に当てた仮借的用法
關(関) 180門 + 167幺 x2 + 264丱
丱は横棒を貫くさま。幺は棒にひもを添えたさま。
左右のとびらにかんぬきを貫いて閉める→せき
闌 180門 + 柬(119束 参照)
柬はおさえ止める意。出入りをおさえる門→さえぎる。
欄 118木 + 闌
横に連ねて出入りを止める棒→てすり、囲い
蘭 123艸 + 闌
群がりたって欄(手すり)のように並ぶ草
181 京(亰) → 図
高い丘に築かれた楼閣→都会、高い、大きい
鯨 084魚 + 181京
大きい魚
涼(凉) 097水 + 181京
風通しのよい丘のように水が冷たい→すずしい
景 094日 + 181京
日光が降り注いで明るい→くっきり、けしき
影 景 + 207彡
日光が明暗をはっきりさせる→かげ、すがた
憬 028心 + 景
景は、明るく大きい光。
遠い理想を求める明るく大きい気持ち→あこがれる
亮 181京 + 046儿 → 図
明晰な人→あきらか
就 181京 + A29尤
「尤」は手を表す。都に人々を寄せ集める。
→場所やポストにひっつける。まとめる。
鷲 就 + 067鳥
目標めざして寄せ集まる鳥→わし
蹴 015足 + 就
目標に足を寄せる→ける
182 亨(享) → 図
南北に門があり通り抜けられる城。通り抜ける意。
神に通じる意。亨は神に通す。享は神から受ける
神や客をもてなす意。
孰 182亨 + 013丸
城をつくること
塾 孰 + 107土
土で作った城壁の塀や部屋→小規模な学び屋
熟 孰 + 096火
火を加えしんに通るまで柔らかく煮る→煮る、熟れる
郭 182亨 + 邑(077巳 参照)
城壁で囲んだ町→外枠(輪郭)
183 高 → 図
高い楼閣の姿→高い意
高をさかさまにした形
上に高く出たのを高、下に厚く溜まったのを。
厚 237厂 + → 図
土がぶあつくたまったがけ→厚い。
稿 112禾 + 183高
高は乾いた意の音符。乾かしたわら。
→わら半紙に書く下書き(草稿)
豪 183高 + 071豕
やまあらしの背の高く目だったこわい毛→すぐれる、強い
臺(台) 183高 + 188至
土を高く積んで人の来るのを見る見晴らし台→台
184 喬 277夭 + 183高 → 図
高い建物のてっぺんが曲がっているさま。
→高く曲がっているものの意。
橋 118木 + 184喬
木で作った高くアーチ上に曲がった橋
矯 136矢 + 184喬
矢を曲げる→不正な原形を曲げて正しくする(矯正)
嬌 056女 + 184喬
女がしなやかにからだをくねらせる→なまめかしい
185 行 → 図
十字路の形。その上をまっすぐ進む意。
桁 118木 + 185行
柱の上に掛け渡した(行かした)横木→けた。
そろばんの珠をつらぬく縦の棒→数値の位取り。
186 彳 → 図
「行」の左半分。「行く、歩く」の意を表す。
微 186彳 + XXX(―線の上下に細い糸端のたれたさま) + 139攴
→ 図
糸端のように目だたないように忍び歩きする→かすか
別の説では、は髪の長い老人。攴は支える手。
老人がゆっくり進む→わずか。
徴 微 + 050王
目立たない人材を王が見つけて、とりあげること
→めす、もとめる、きざし
懲 徴 + 028心
少し頭をのぞかせた悪事をとらえて制裁を加える
→こらしめる
187 廴 → 図
「行」の省略形。横に伸ばすことを示す。
188 至 → 図
矢が目標線までとどくさま。奥まで届く意。
致 188至 + 139攴
目標線までとどける→いたす
緻 168糸 + 致
致は、すきまなく届く意。糸と糸との間がすきまなく
くっついている→こまかい。緻密。
窒 280穴 + 188至
穴の奥まで届いて、いっぱいにふさがる
膣 036肉 + 窒
女性器の奥の穴
室 239宀 + 188至
奥の部屋
屋 A53尸 + 188至
至は行き詰る意。上からおおい隠して出入りを止める
→屋根、家
握 004手 + 屋
手で覆いふさぐ→にぎる
189 辰 → 図
二枚貝の舌のぴらぴら→ぴらぴらふるえる。
十二支の竜に当てる。
唇 189辰 + 023口
ぴらぴら動く唇
蜃 189辰 + 085虫
貝殻の間から舌をぴらぴらさせるハマグリ
辱 189辰 + 007寸
手で強さをくじいて柔らかくさせる→はずかしめる
娠 056女 + 189辰
おなかの胎児がうごめく
振 004手 + 189辰
ふるえ動く
震 099雨 + 189辰
雷などで物が震え動く
賑 086貝 + 189辰
お金でよく動き、にぎやか
晨 094日 + 189辰
日がふるいたってのぼってくる
190 主 → 図
じっと直立して燃える燭台
→定位置にあって動かない、中心的存在
住 041人 + 190主
人がじっとして動かない→住む
注 097水 + 190主
真っ直ぐに水をかける→注ぐ
註 言(129辛 参照) + 190主
言葉を注ぐ→説明をする
柱 118木 + 190主
じっとして動かない木の棒→はしら
駐 066馬 + 190主
馬車がじっとしている→場所にとどめる
丶 主の上部
灯火のじっととまって燃えたった姿
191 豆 → 図1 → 図2
祭祀に用いるたかつき(食物を盛る脚付きの器)。
たかつきの形をしたまめの意に転用。
頭 191豆 + 025頁
頁(あたま)が豆(たかつき)のように
首の上に端坐しているさま→あたま
登 癶(014止 参照) + 191豆
癶は両足の形。両手でたかつきを高くあげるように、
両足で高くのぼる→のぼる
澄 097水 + 登
うわずみが水の上方にのぼってくる→すむ
燈(灯) 096火 + 登
高くもちあげる火→高くかかげるともしび
證(証) 言(129辛 参照) + 登
事実を上司の耳にのせる→あかす
痘 疒(288爿 参照) + 191豆
皮膚に豆粒大のできものができて跡を残す伝染病
192 蜀(虫) → 図
葉についている虫→じっと動かずくっついている
屬(属) 尾(040尸 参照) + 192蜀 → 図
交尾でくっつている→つく、従う
囑(嘱) 023口 + 屬
相手の耳に口をくっつけていい含める→たのむ(嘱託)
觸(触) 089角 + 192蜀
角をつんと押し当ててくっつける→さわる
濁 097水 + 192蜀
どろがくっついている水→にごる
獨(独) 063犬 + 192蜀
犬や桑虫のように一定の所にくっついて動かず他に
迎合しない→ひとり
193 艮 001目 + XXX匕(小刀) → 図
目に入れた入れ墨→いつまでも残る
眼 001目 + 193艮
頭蓋の2つの窪みにしっかりはまった球体
根 118木 + 193艮
木や草のいつまでも残る部分
恨 028心 + 193艮
心にいつまでも残る→うらむ、くやむ
痕 疒(288爿 参照) + 193艮
いつまでも消えない傷跡
貇 073豸 + 193艮
獣が噛んで歯型をつける→噛み砕く
墾 貇 + 107土
土を噛み砕くようにする
懇 貇 + 028心
噛み砕くように細かく心を働かせあう
銀 106金 + 193艮
はめ込み細工に使う金属
限 109阜 + 193艮
土手を築いて消えない境界線をつける
194 亡(亾) → 図
人がついたてや囲いで隠され、姿が見えなくなる
→何かが隠れて見えなくなる
忙 028心 + 194亡
いそがしくて考える暇がなくなる
忘 194亡 + 028心
覚えていたことがなくなる
望 194亡 + 095月 + 214 → 図
隠れた物を求め背伸びして待ち望む
別の説では、「亡」は元は「臣」で目を現す。
人が土盛に乗って月を望む姿。
盲 194亡 + 001目
目がその機能をなくする
妄 194亡 + 056女
女に惑わされ目がくらみ無茶をする
罔 137网 + 194亡 → 図
網をかぶせて捕らえる
網 168糸 + 罔
糸を編んで作った網
巟 194亡 + 101川
何も見えないむなしい川
荒 123艸 + 巟
草も川もない荒れた土地
慌 028心 + 荒
心が荒れておちつかない
195 無 → 図
舞う姿。見えない神のために舞う→見えない
舞 195無 + 018舛 → 図
「無」が「ない」の意味になったため、
よろける足「舛」を付け加えた
196 008爪 + 260工 + 005ヨ + 028心 → 図
両手(爪、ヨ)で物(工)を隠す。
心を隠して外に出さない。隠すこと。
隱(隠) 109阜 + 196
壁(阜)でかくして見えなくする→かくす
穩(穏) 112禾 + 196
作物を隠して外に出さない。
心中におさめて外にあらわさない→おだやか
197 且 → 図
物を一直線上に積み重ねたさま。上に重なる意
他の説では、先祖を祭る供物を乗せるまな板。
助 197且 + 037力
困っている人のため力を加え重ねる
査 118木 + 197且
木を積み上げて作ったバリケード
→通行人を通れなくして取り調べる
祖 306示 + 197且
世代の重なった先祖
租 112禾 + 197且
収穫した作物の上にかかって徴収されるもの→みつぎ
粗 111米 + 197且
ばらつくまずい玄米→あらい。且はただの音符。
組 168糸 + 197且
何本かの太糸を重ねるようにして編んだ組紐→くむ
阻 109阜 + 197且
石や土が積み重なって行くのをじゃまする→はばむ
狙 063犬 + 197且
手長猿→ねらう。且はただの音符。
俎 多(036肉 参照) + 197 且 → 図
肉をたくさん盛った板→まないた。
宜と俎は元は同じ字形。「且」の中にあった「多」が
横に分離したのが「俎」上に分離したのが「宜」
宜 多(036肉 参照) + 197 且
肉をたくさん盛って形よくお供えするさま→形がよい、
適切であるなどの意→よろしい
198 畾 → 図
同じ物がたくさん積み重なっているさま
疊(疉疂畳) 198畾 + 宜(197且 参照)
畾も宜も重ねる意。かさねる、たたむ、
たたみ(使わない時たたんでおいた)
壘(塁) 198畾 + 107土
土を重ねて作ったとりで
纍(累) 198畾 + 168糸
糸でつなぐように、つぎつぎと連なってかさなる
199 → 図
多くの物が積み重なったさま。
白川説では、祭りに供える肉の形。
別の説では、人の足の肉→軍隊
官 239宀 + 199
家屋におおぜいの人の集まったさま
→公的な家屋に集まった役人→政府、役人
館 食(141皀 参照) + 官
公用者が食事する建物→やかた
管 121竹 + 官
竹の輪のように、まるく全体にゆきわたる→くだ(血管)
一定の範囲を受け持って世話をやく(管理)
棺 118木 + 官
死体をとりまいて収容する木の箱→ひつぎ
010 + 199
両手で物の一部をさいて、人にやる
遣 020辵 + → 図
人や物の一部をさいておくりやる→つかわす(派遣)
師 199 + XXX帀(ぐるぐる回ること)
人々を集めた軍隊(師団)→人々を集めて教える人(教師)
帥 199 + 170巾
旗印(巾)を立てて部隊をひきいる→最高指導者(元帥)
追 020辵 + 199
軍隊が敵をおう→おう。
200 曾(曽) → 図
こんろの上にせいろが乗り、湯気が立ち昇る姿。
層をなして重ねる意。経験が重なることから、
かつての意。
僧 041人 + 200曾
仏の道理をおさめる人。曾はサンスクリット語を音訳。
層 A53尸 + 200曾
何段も屋根を重ねた家→かさなる
增(増) 107土 + 200曾
土を上へ何層にも積む→ふえる
憎 028心 + 200曾
いやな感じが層を成して積もる→にくい
贈 086貝 + 200曾
相手の持ち物の上へ物をおくって重ねてやる→おくる
201 丰 → 図
とがって上部が合わさった稲の穂先。△型の物。
別の説では、植物を土に植えた形。
豐(豊) 201丰 x2 + 108山 + 191豆 → 図
たかつきに山もりに穀物を盛ったさま→ゆたか
體(体躰軆) 骨(033冎 参照) + 豐
豊はたかつきに供え物を盛ったさま。犠牲に捧げられた
動物の体→からだ
禮(礼) 306示 + 豊
豊はたかつきに供え物を盛ったさま。祭礼を示す。
艷(艶) 色(041人 参照) + 豐
色つやが豊か→つややか
邦 201丰 + 邑(077巳 参照)
国境に△型の盛り土をして封じこめた領地→くに
別の説では、国の境界に植物を植えて境界としたもの
奉 201丰 + 009廾 + 004手 → 図
ある物を両手でささげ持つ→たてまつる
俸 041人 + 奉
人がある物を両手でいただく→給与(俸給)
棒 118木 + 奉
両手でささげもつ木のぼう
夆 017夂 + 201丰
左右両方から来て△型に中央で出あう
峰 108山 + 夆
左右の辺が△型に頂上で出あう姿をした山→みね
逢 020辵 + 夆
峠の上で△型に出あう→あう
縫 168糸 + 逢
布を両側から△型に近寄せて頂点であわせる→ぬう
蜂 085虫 + 夆
女王ばちを中心に△型の集団をなして移動するはち
彗 201丰 x2 + 005又 → 図
細い穂やそろえて手で持つさま→ほうき
慧(恵) 彗 + 028心
心がほうきの先のように細かく働く→さとい(知恵)
穗(穂) 112禾 + 慧
稲の実をつけるほうきのような部分→ほ
202 十 → 図
縦線に横線が加わり、一つ所にまとめるの意。
一まとまりの単位である10を示す。
廿 202十 x2
ニ十
卅 202十 x3
三十
世(丗) 202十 x3 → 図
三十年一世代
貰 世 + 086貝
「世」は一世代の長い年月。
財貨の支払いを長びかせ先にのばすこと。
汁 097水 + 202十
草など多くのものを集めてつくった液体。
計 言(129辛 参照) + 202十
言葉で数を読みながら一本にまとめる
→数える、計算する
針 106金 + 202十
金属の針。十は針に糸を通した姿。
辻 020辵 + 202十
[国字]道が十字になっている場所
率 玄(167幺 参照) + XXX(はみ出た物を左右に払う) + 202十
→ 図
はみ出た糸くずを払いのけてひもを引き締める
→引き締めて全体をまとめる(引率、統率)
全体に対する部分(率-リツ)
卒(卆) 169衣 + 202十 → 図
十人が同じ服装をして一隊になっている
→兵士、小さくまとめる、締めくくる
粹(粋) 111米 + 卒
小さくきれいな形になった米粒→純粋
醉(酔) 146酉 + 卒
酒量を尽くす→酔う
碎(砕) 105石 + 卒
石を小さくする→くだく
203 亼 → 図
ふたをかぶせる、合わせる、対応する、
封じ込める、欠けることがなくそろっている
命 203亼 + 023口 + 045卩
支配者が言葉(口)でひざまずく人(卩)を上から押さえ
つける(亼)→いいつけ(命令)。天から授かった生きる
定め→いのち
令 203亼 + 045卩
支配者がひざまずく人を押さえ付け告げ聞かせる言葉は
冷ややかで清澄→おきて(法令)、清らか(令嬢)
冷 098冫 + 令
氷のように冷ややか→つめたい
鈴 106金 + 令
涼しく澄んだ音を出す金属→すず
零 099雨 + 令
令の「人を並べて言い聞かせる」の意から、
並んで落ちる雨粒→ごく小さい
齡(齢) 歯(014止 参照) + 令
数珠つなぎに並ぶ年月→とし。歯の生え方で年のちがい
がわかるので、歯をそえた。
玲 A32玉 + 令
玉の鳴るすずしい音
領 令 + 025頁
すっきりと際立った首筋→大筋、大切な所(要領)。
要点をおさえて処理する→おさめる(領有)。
全 203亼 + 260工 → 図
完全に囲って保存された細工物→欠けめなくそろえる
→完全、全部
栓 118木 + 全
木で穴を完全にふさぐ→せん
詮 言(129辛 参照) + 全
言葉を整然とそろえて、物事の道理を明らかにする
→とく。そなわる。つきつめる。所詮、詮索。
合 203亼 + 278口 → 図
穴に蓋を被せる→合わせる
答 121竹 + 合
竹の器にぴたりとふたをかぶせる。器とふたとが合う
→こたえ
荅 123艸 + 合
さやのあわさった豆→小粒の豆、あう
塔 107土 + 荅
仏骨を納めるために高く築いた層状の建物→細長い建物
荅はただの音符で、梵語の音訳。
搭 004手 + 荅
手で乗せる(搭載)。荅はただの音符。
給 168糸 + 合
織り糸の欠けた所をすぐつぎあわす→たりる、たす、
あたえる
拾 004手 + 合
集めまとめる→ひろう
侖 203亼 + 冊(121竹 参照)
短冊を並べて整理する→順序よくきちんと並べる
論 言(129辛 参照) + 侖
言葉を順序良く並べ筋道を立て説く→論じる
輪 164車 + 侖
軸のまわりに整然と輻が配列され組みたてられた輪
倫 041人 + 侖
人間どうしのきちんと整理された関係(倫理)
僉 203亼 + 023口 x2 + 041人 x2 → 図
複数の人や物を寄せ集める→みな
檢(検) 118木 + 僉
木簡を集めてまとめ封印する→集めて締める、わくを
はずれないよう取り締まる(検査)
險(険) 109阜 + 僉
山の頂上が斜線を集めた形にとがっている→けわしい
驗(験) 066馬 + 僉
馬を集め乗り比べて良し悪しを試す→ためす(試験)
劍(剣) 僉 + 127刀
(劒劔剱) 両刃のまっすぐそろったかたな
儉(倹) 041人 + 僉
きちんと引き締めた生活ぶり→つつましい(倹約)
今 203亼 + XXX一(とり押さえたもの) → 図
何かを封じ込める→過ぎ行く時間を封じ込める瞬間→今
念 今 + 028心
心に思うことを封じ込める→念じる
稔 112禾 + 念
穀物の実が入る→みのる
捻 004手 + 念
手のひらをふさぎ、ひねる
含 今 + 023口
口の中に封じ込める→含む
吟 023口 + 今
口をふさぎ、発音を表に出さず、声を含んで低く出す
→詩歌を口ずさむ
琴 A70珡(ことの形) + 今
胴を密封して中に音がこもる楽器→こと
侌 今 + 100云
雲が封じ込められたように暗い
陰 109阜 + 侌
丘の日の当たらない暗い所→日陰
蔭 123艸 + 陰
草木のかげ→おかげ。たすけ。
貪 今 + 086貝
財貨を奥深くためこむ→むさぼる。
會(会) 203亼 + 200曾
物や人の集まりに蓋を被せる→会わせる
繪(絵) 168糸 + 會
さまざまな色の糸を集めて模様を刺繍する→絵
204 帝 → 図
三本のひも状のものを一つにまとめて締めたさま
世界をとりまとめる最高の支配者。
白川説では、神を祭る机。
締 168糸 + 204帝
糸(ひも)でまとめてしめる→しめる
諦 言(129辛 参照) + 204帝
いろいろ観察をまとめて、真相をはっきりさせる
→つまびらか。
啇(啻) 204帝 + 023口
ただ一つに絞る→ただ。語気を表す語だから口を添えた
摘 004手 + 啇
指先をひとつにまとめ、ぐいと引き締めてちぎる→つむ
滴 097水 + 啇
ひと所に水が集まりぽとりと垂れる→したたり、しずく
適 020辵 + 啇
まっすぐ一筋にまともに向かう→ちょうどよい(最適)
敵 啇 + 139攴
まっすぐ一筋にまともに向かい合う相手→かたき
嫡 056女 + 啇
夫とまっすぐまともに向かい合う女→正妻→正妻の子
205 了 → 図
もつれて垂れ下がった物を短くからげた形。
長く続いたものをからげて、けりをつける意。
206 品 023口 x3 → 図
いろいろな品物が数多く集められているさま
區(区) 232匸 + 206品
細かく曲がった区分け
歐(欧) 區 + 282欠
からだを小さく曲げてかがみこむこと→はく
嘔 023口 + 區
からだを曲げて、つかえた物をはき出す→はく
毆(殴) 區 + 138殳
相手がかがむようになるまでうちすえる→なぐる
驅(駆) 066馬 + 區
馬が背をかがめてはやがけする→かける
樞(枢) 118木 + 區
細かく細工をして穴にはめこんだ扉の回転軸→かなめ
207 彡 → 図
ひげや模様など、線状のものが集まっているさま
杉 118木 + 207彡
線状の葉のなる木
須 207彡 + 025頁
顔に生えたひげ→柔らかく湿って動かぬ→じっと待つ
→他者を頼りにして期待する→必要とする(必須)
208 冓 → 図
組みひもを上下につなぎ合わせた形→両方同じ形に組む
構 118木 + 208冓
木を組んで前後平均するよう組みたてる→かまえる
溝 097水 + 208冓
両岸を木や石で組んだ水を流すみぞ
講 言(129辛 参照) + 208冓
双方が納得して同じ理解に達するように話す
購 086貝 + 208冓
こちらと先方とが同じように納得して取り引きする
冉 冓の下半分 → 図
左右に垂れた飾りひも
再 304一 + 冉
同じ物事(冉)がもう一つある→ふたたび
爯 008爪 + 冉 → 図
左右平均して垂れた物を手で持ちあげるさま
稱(称) 112禾 + 爯
作物をぶらさげて重さをはかる→はかる、持ちあげる、
ほめる、となえる(称号)
冄 冉の変形
毛の垂れた形
衰 冄 + 169衣 → 図
毛の垂れたみのの形→垂れる→おとろえる
那 冄(だぶついた耳たぶの形) + 邑
だぶついた耳たぶのようにゆたか→おおい。
梵語の音訳字としても用いる。檀那、旦那、刹那
地名、人名の当て字として用いられることが多い。
那須、那珂、那賀、那智、那覇、支那
209 也(它) → 図
ヘビの形→平に横にのびる。「なり」の意は仮借
蛇 085虫 + 209它 → 図
ヘビ
地 107土 + 209也
平に伸びた大地
池 097水 + 209也
平たい水たまり
施 173 + 209也
吹き流しが長くのびるさま→多くの人に渡るよう施す
弛 135弓 + 209也
ゆるんで伸びる
他(佗) 041人 + 209也
ヘビの害などの人の安否→変異→見慣れぬこと→ほか
210 己 → 図
人目を引きハッと意識を起こすもの。人から呼
ばれてハッと起立する者から、おのれの意。
改 210己 + 139攴
たるんだ者にハッとさせて起こす→あらためる
忌 210己 + 028心
心中にハッと抵抗が起きて素直に受け入れない→忌む
起 021走 + 210己
休んでいたものや目だたなかったものが起き上がる
紀 168糸 + 210己
糸を巻く、織るなどの動作を起こす→順序よく事を進め
る手順(規律)、年を追って書きしるした書(紀行)
記 言(129辛 参照) + 210己
手がかりを引きおこす言葉をメモする→しるす
211 黄 → 図
動物の脂肪を燃やした火矢。火矢の黄色い色。
光を広げる意。広がる意。
横(橫) 118木 + 211黄
中心線からはみ出て広がるよこ木→よこ
廣(広) 238广 + 211黄
四方にひろがって中のがらんとした広間→ひろい
擴(拡) 004手 + 廣
手でわくをひろげる→ひろげる
鑛(鉱) 106金 + 105石 + 黄
銅や金など黄色に光る金属を含む石→あらがね
212 厷 005又 + A47厶 → 図
肱を広く張り出したさま
雄 212厷 + 068隹
肩を張って威勢を示す雄の鳥→雄一般
213 易 → 図
トカゲ。平な体形→易しい。よく動く→かわる。
賜 086貝 + 213易
自分の前にある物を相手の前に置きかえる→たまわる
214 → 図
真っ直ぐ立った人
廷 187廴 + 214
廴は横に伸びる意。真直ぐな平面が広く伸びた所→庭
庭 238广 + 廷
屋敷の中の庭→中庭
艇 166舟 + 廷
真直ぐに直進する細い小ぶね
挺 004手 + 廷
真っ直ぐ進んで前に抜け出る→ぬきんでる
呈 023口 + 214
真直ぐ申し述べる→あらわす(露呈)、差し出す(進呈)
程 112禾 + 呈
呈は一定の長さを持つ短い直線の意。植物の穂の長さ
→一定の長さ→基準→はかる
聖 029耳 + 呈
耳がまっすぐに通る→わかりがよい→ひじり
逞 020辵 + 呈
一直線に進んで押さえが利かない→たくましい
215 氏 → 図
食物を分ける薄いさじ。氏族の食事会で用いられ
ることから、代々伝わる血筋をしめす。
紙(帋) 168糸 + 215氏
繊維をすいて薄く平らに伸ばした紙。
(舌) 215氏 + 023口 → 図
舌(した)とは別の字。口のように丸くえぐる刃物の形。
なめらかに勢いよく動く意。
括 004手 + 舌
丸い穴の入り口を勢いよく締める→くくる
活 097水 + 舌
水が勢いよく流れる→いきる
筈 121竹 + 舌
矢の末端の弦を受けるための、えぐったくぼみ
筈と弦はぴったり合うのが当然なことから、当然の意。
憩 舌 + 息(030自 参照)
息をなめらかに通す→いこう
話 言(129辛 参照) + 舌
すらすらと言葉を発する→はなす
216 攸 041人 + XXX:(水のたれるさま) + 139攴 → 図
人の背に細長く水を流すさま。細く伸びる意。
修 216攸 + 207彡
攸(細長い)と彡(飾り)。細長くし形を整える→修める
條(条) 216攸 + 118木
細長い枝→すじ、すじみち、道理
悠 216攸 + 028心
思いが長ながと続く→とおい、はるか
217 壽(寿) 055老 + XXX(長いあぜ道) → 図
長いあぜ道と老で、老人の長命を意味する。
鑄(鋳) 106金 + 217壽
型の中に溶かして金属を注いで、まんべんなく行き
渡らせる→鋳造する
218 八 → 図
左と右に反り返って分かれているさま
→分けて数が多くなる→8
谷 218八 x2 + 278口 → 図
山中の水の湧き出る穴→たに
浴 097水 + 谷
山中の水の湧き出る穴の中に体を入れる→あびる
欲 谷 + 282欠
心中に空虚な穴があり、腹がへってからだがかがむ、
それをうめたい気持ち→欲する。
裕 306示 + 谷
谷はすきまがある意。衣服がゆったりしていて、
からだとの間にゆとりがある→ゆたか
俗 041人 + 谷
谷は中にはいりこむの意。人間がその中にはいりこみ、
ひたりこんでいる環境→ならわし
容 239宀 + 谷
谷は中にはいりこむの意。家の中に物を入れる
→いれる(収容)
溶 097水 + 容
水の中に物を入れてまぜこむ→とかす
分 218八 + 127刀
刀で切って分ける
粉 111米 + 分
米を細かく分ける→粉にする
紛 168糸 + 分
糸が小さく分散して乱れる→まぎれる
貧 分 + 086貝
財貨が分散する→まずしい
盆 分 + 140皿
分は大きく開く意。大きく開いた皿。
雰 099雨 + 分
小さく分かれた雨→きり
頒 分 + 025頁
大きく開いた頭→わける(頒布)
扮 004手 + 分
手でかき回して分散させる→常とは違った形になる(扮装)
只 023口 + 218八
口から息が発散する→それだけは別だと言う→ただ
半 218八 + 064牛 → 図
牛を二つに分ける→半分
判 半 + 127刀
刀で物を切り分ける→物事の可否をはっきり
切り離す→はっきりする
伴 041人 + 半
二人組の片一方→人のそばに人がくっつく→ともなう
畔 110田 + 半
田んぼを分ける境界線→あぜ、境界(湖畔)
拌 004手 + 半
半は、わける意。わけてほぐす→かきまぜる。
絆 168糸 + 半
拌より、糸をかき混ぜて絡めつける→つなぐ、きずな。
公 218八 + 303厶 → 図
穴をあけて筒抜けに中を見せたようす→公にする
翁 公 + 088羽
鳥のふわふわしたのどの羽。公はただの音符。
おきなの意は、公(長老)に当てたもの。
松(枩) 118木 + 公
公はつつぬけの意。葉が細くて葉の間がすけて通る松。
訟 言(129辛 参照) + 公
公はあけすけに通るの意。言葉であけすけに言う
→うったえる
218八 + 278口
穴から水が出て低い方へ流れる
沿 097水 +
水がルートに従い低い方へ流れる→そう
鉛 106金 +
とけると水のように低い所へ流れる金属→なまり
船 166舟 +
水流にしたがって進むふね
219 弗(厶) → 図
左右に払いのけて分離する意
拂(払) 004手 + 219弗
手で左右にはらいのける動作→払う
沸 097水 + 219弗
あわが水を左に右に押しのけて出る→沸く
佛(仏) 041人 + 219弗
ほとけ。弗(フツ)をブッダの音に当てた。
費 219弗 + 086貝
財貨を支払ってばらばらに分散させてしまう→ついやす
220 非 → 図
鳥の羽が左右に背き合って分かれた形
→引き離す、引き離された物が並び立つ、
反対である、そうではない
別の説では、人が互いに背を向けた形→否定 → 図
罪 137网 + 220非
网(法のあみ)+非(悪いこと)で、
悪事のため法網にかかった人
悲 220非 + 028心
心が二つに裂けるような気持ち
扉 179戸 + 220非
左右の戸が分かれて開く出入り口
排 004手 + 220非
邪魔な物を手で左右に押しのける
俳 041人 + 220非
肩をつけて並ぶ仲間→芸人、役者
輩 220非 + 164車
二つの車が並び立つ→仲間
誹 言(129辛 参照) + 220非
言葉で人を否定する→そしる
221 兆 → 図
占いで針を甲羅に打ち込んでできるひび割れ
→きざし、二つに割れる
桃 118木 + 221兆
桃は二つに割れる
挑 004手 + 221兆
くっついているものをピンとはねて離す
→はねとばす、いどむ
眺 001目 + 221兆
視線を左右に分ける→ながめる
跳 015足 + 221兆
足が地面から離れる→とぶ、はねる
逃 020辵 + 221兆
ある場所から離れる→にげる
222 不 → 図
花のつぼみの形。ふくれてぷっと吐き捨てる意。
そこから、否定の意。
杯 118木 + 222不
ふっくらとふくらんだ形の木の器→さかずき
盃 222不 + 140皿
ふっくらとふくらんだ形の器→さかずき
否 222不 + 023口
口で否定(不)の意思を表す→いな
咅 否の変形
拒否し背を向け離れる→切り離す、振り切る意
倍 041人 + 咅
人が二つにわけ離す→2倍
剖 咅 + 127刀
刀で切って分離する→さく
部 咅 + 邑(077巳 参照)
土地を区分けする→わける
培 107土 + 咅
咅は増やす意。土盛りし植物を増やす→栽培する
陪 109阜 + 咅
植物を増やすために根元にそえ土をする→そえる
賠 086貝 + 咅
咅は増やす意。損害を与えた相手に増やして返す
→つぐなう
223 七 → 図
縦線を横線で切ったさま。
中途の切断なので半端な数の7になった。
切 223七 + 127刀
刀で切断する→きる
叱 023口 + 223七
切るように鋭くどなる→しかる
224 才 → 図
川の流れをせき止めるもの→切る、止める。
切った材木、素材の意から、人間の素質の意。
材 118木 + 224才
断ち切った木
財 086貝 + 224才
用途に合わせた形に切って生活の素材とする財産
在 224才 + 107土 → 図
土でふさいで進行を止める→とどまっている、ある
存 224才 + 061子
子供を落ち着けさせる→そっとして置く
225 乍 → 図
刃物でさっと切って、裂け目を入れるさま
作 041人 + 225乍
道具を使って物に人為を加える→つくる
窄 280穴 + 225乍
狭い穴にむりに詰めこむ→せばめる
搾 004手 + 窄
[国字]狭くしめつける→しぼる
詐 言(129辛 参照) + 225乍
作為を加えたつくりごとを言う→あざむく
昨 094日 + 225乍
乍は過ぎ去る意の音符。過ぎ去った日→きのう。
酢 146酉 + 225乍
乍は過ぎ去る意の音符。時間をかけ酸味をつけた汁→す
226 彔(录) → 図
竹や木の表皮をはぎ取る
綠(緑) 168糸 + 226彔
皮をはいだ青竹のようなみどり色に染めた糸→緑色
録 106金 + 226彔
竹の表面をはいで、そこに金属で文字を刻む→しるす
剥 226彔 + 127刀
刀で表面をはぎとる→はぐ
227 方 → 図
両方に柄の張り出た鋤。突き出す意から方向を示す。
白川説では、横に渡した木に死者をつるした形。
放 227方 + 139攴
両側に伸ばす→はなす
敫 117白 + 放
水が当たって白いしぶきを放つ
激 097水 + 敫
水が当たって白いしぶきを放つ→はげしい
倣 041人 + 放
似たものを左右に並べてくらべあわせる→ならう
敖 267出 + 放
解放されて自由に出歩く→思う存分大声を出す
傲 041人 + 敖
解放されて自由に出歩く→とらわれず堂々としている
→おごる
旁 305二(上下) + 218八(左右) + 227方 → 図
中心から上下左右に分かれて張り出る→かたわら
傍 041人 + 旁
人の両わき→かたわら
防 109阜 + 227方
中心点から左右に土を長くつみ固めて水流をおさえる
堤防→ふせぐ
坊 107土 + 227方
両側に張り出した堤や壁→四角く区切った街路や
住居(僧坊)
妨 056女 + 227方
手を両側に張り出してたちはだかり女性に近づかせまい
とする→さまたげる
紡 168糸 + 227方
右と左の両側にもとになる繊維を引っぱっておき、
それをつむぎあわせて糸をつくる→つむぐ
肪 036肉 + 227方
体が肥えてぱんぱんに張る→肉のあぶら(脂肪)
芳 123艸 + 227方
植物のかおりが左右に上下にはり出て広がる
→かんばしい
訪 言(129辛 参照) + 227方
右に左にと歩いて言葉で訪ね回る→おとずれる、
たずねる
房 179戸 + 227方
おもやの両側に張り出た小べや→へや(厨房)、ふさ
228 丙 → 図
机または人の両足が、左右にぴんと張り出した姿
更 228丙 + 139攴 → 図
たるんだものを強く両側に張って引き締める→改める
硬い意を含む。
硬 105石 + 更
石のように硬く張りつめる→硬い
便 041人 + 更
硬く張った状態を人が平易にならす→平らで支障がない
(便利)、すらりと通じる(大便、郵便)
梗 118木 + 更
芯になる硬い棒。梗塞=硬い芯がつかえて道をふさぐ
柄 118木 + 228丙
ぴんと張り出したにぎり棒→柄
病 疒(288爿 参照) + 228丙
病気でからだがぴんと張って動けなくなる→やまい
229 冖 → 図
屋根を示す。「おおう」意
冗 229冖 + 046儿
仕事がなくて、家の中でたるんでいる人→あまる、むだ
冥 229冖 + 094日 + 243入
日が入り何かに覆われて光のない→くらい
230 勹 → 図
ひょうたんを縦割りにした大きい椀、または、人が
前に物を抱きかかえ体を丸く曲げて包んだ姿、
または、手や膜で物を包んだ姿→集める、包む、
ひとまわりする。
匃 230勹 + 194亡 → 図
死者の骨を集めて祈る→乞う、与える。
白川説では、勹は人で、亡はそれを押しとどめるさま。
いく人を押しとどめて物をこう。
丐 匃の変形
物乞いする。与える。
包 230勹 + 077巳
胎児(巳)を子宮膜の中につつんで身ごもるさま→つつむ
抱 004手 + 包
手で包むようにしてかかえる→だく、かかえる
泡 097水 + 包
水の中に空気を包むあわ
砲 105石 + 包
石を丸く包んではじき飛ばすいしゆみ
胞 036肉 + 包
胎児を包む皮膜
飽 食(141皀 参照) + 包
腹に食物がいっぱいつまる→あきる
旬 230勹 + 094日
十干をひと回りする十日の日数
殉 034歹 + 旬
ぐるりと主君をとりまいて死ぬ→命がけで他にしたがう
匀 230勹 + 305二
二はそろえる意。全部にそろえて平均させる
均 107土 + 匀
土をならして全部に行き渡らせる→ひとしい(平均)
231 匚 → 図
四角い定規。囲って測るところから「おおう」意
232 匸 → 図
体を曲げ、腕で覆ってはさむかたち
233 冂 → 図
おおいや納屋を示す
冋 233冂(遠くの境界線) + XXX口(光)
遠くの光
冏(囧) 冋 + 218八(光が分散する)
遠くの光がきらきら輝く:まど
明 冏 + 095月 → 図
あかり取りの窓から月光が差しこんであかるいこと
盟 明 + 140皿
皿に血を入れてすすり神明にあかしをたてる→ちかう
234 冃(日) → 図
何かに覆いをかぶせたさまを示す
曼 234日 + 001目 + 005又 → 図
長いたれ幕を目の上にかぶせて垂らす→ながくひく
慢 028心 + 曼
ずるずるとだらけて伸びる心→おこたる(怠慢)、
長引く(慢性)
漫 097水 + 曼
水がながながと続く→だらだらと締まりがない(漫談)
冒 234日 + 001目
目をおおい隠す→おおう。おおいかぶさったものを
押しのける→おかす(冒険)
帽 170巾 + 冒
かぶせ布(帽子)
235 囗 → 図
家のまわりの囲いを表す。取り囲む意。
因 235囗 + 285大
人が家に宿る姿→もとずく、ちなむ
姻 056女 + 因
結婚により女性が別の家に宿る→婚姻
恩 因 + 028心
ありがたい気持ちが心に宿る→ありがたみ、いつくしむ
咽 023口 + 因
因は、人が敷物の上に寝て上から下へと押さえる姿。
上から下へぐっと押さえてのみ下す→のむ、のど。
困 235囗 + 118木
木を囲いの中に入れ動かない→動けない→こまる
囚 235囗 + 041人
わくの中に人を閉じこめる→とらえる
囷 235囗 + 112禾
枠に集めた穀物→まるくまとまる
菌 123艸 + 囷
まるくてかさ状をした植物→きのこ
236 襾(覀) → 図
覆いをかぶせることを示す
賈 236襾 + 086貝
金品におおいをかぶせて隠す→商売する
價(価) 041人 + 賈
商売人が付けた商品の値段→あたい
237 厂 → 図
がけを示す、または、厂型のもの。
反 237厂 + 005又 → 図
薄い板を手で押して反らせた姿→そる。反ったものは
元にもどりひるがえる→かえる、ひるがえる、そむく
(反対)
返 020辵 + 反
道を帰る→かえる
板 118木 + 反
そり返って張った木のいた
版 片(288爿 参照) + 反
そり返って張った木のいた→字を刻んだ印刷用のいた
販 086貝 + 反
反は反ったり戻ったりする意。出したりもどしたりして
あきないする→ものをうる(販売)
飯 食(141皀 参照) + 反
反はばらばらになる意。粒がふやけてばらばらに煮えた
玄米のめし→食事
坂 107土 + 反
そりかえった丘→さか
阪 109阜 + 反
そりかえった丘→さか
彦 302文 + 237厂 + 207彡 → 図
厂は厂型にくっきりとけじめのついたさま。文と彡は
模様。はくっきりと浮き出た顔の男→美男子、ひこ。
白川説では、厂は額の形で、文は額に入れた入れ墨。
彡はあでやかな着物で、男子の成人の儀式を表す。
顏(顔) 彦 + 025頁
くっきりとした美男のひたい→かお
産 302文 + 237厂 + 生(122屮 参照)
母体の一部がくっきりと切り離されてうまれる→うむ
白川説では、厂は額の形で、文は額に入れた入れ墨。
子どもが生まれたときの儀式を表す。
原 237厂 + 泉(097水 参照)
岩石の間のまるい穴から水がわく泉。水源であるから
「もと」の意。泉の出る地→広い野原→はら
源 097水 + 原
水がわく泉→みなもと
願 原 + 025頁
原は丸い泉から丸い意。丸い頭→生まじめに思い続ける
→ねがう
危 041人 + 237厂 + 045卩 → 図
危ない崖にさしかかって人がしゃがみこむ→あぶない
厄 237厂 + 045卩 → 図
崖に臨んで人が進退に窮したさま→行きづまり、不吉
詹 041人 + 237厂 + 218八 + 言(129辛 参照)
崖の上から言葉を発する→上から重くのしかかる
膽(胆) 036肉 + 詹
ずっしりと重く落ち着かせる役目をもつ内臓→きも
擔(担) 004手 + 詹
ずっしりと肩に荷の重みをかける→かつぐ、になう
238 广 → 図
前方を開いた家。家のように覆う意を含む。
238广 + 041人 + 068隹
人が胸に鳥を受け止めたさま。
應(応) + 028心
心でしっかりと受け止める→応じる
鷹 + 067鳥
飼いならして、胸に抱きかかえる鳥→たか
床 238广 + 118木
木でつくった家の台や家具→寝台、ゆか
庄 238广 + 107土
土間のある平屋→農家
粧 111米 + 庄
白粉(おしろい)などして、よそおう。庄はただの音符。
239 宀 → 図
家の屋根。下の物を覆うという意味を含む。
向 239宀 + 278口 → 図
家の窓。窓から空気が出ていくように物がある方向に
進行する→むかう
尚 向 + 218八 → 図1 → 図2
家の窓から空気が抜けて上へ上がる→高い所、
あがめる、とうとぶ、その上に、なお
常 尚 + 170巾
長いスカート→時間が長い、いつまでも長く続く→つね
尚はただの音符。
賞 尚 + 086貝
功労に相当するほうびをあてがう→ほうび
尚はただの音符。
償 041人 + 賞
賞は功労に相当する返しの意。人に対する罪や借用物に
相当する返し→つぐなう。
掌 尚 + 004手
向は平らに広がる意。平らに広げた手のひら。
黨(党) 尚 + 黒(096火 参照)
多く集まる意。仲間でやみ取り引きをするので黒を
加えた→なかま。尚はただの音符。
當(当) 尚 + 110田
田畑の売買や替え地をする際、それに相当する他の地の
面積をぴたりと引きあてて、取り引きをすること。該当
する意から、当然そうなるはずであるという気持ちをあ
らわす。尚はただの音符。
堂 尚 + 107土
広く高い土台→広い高い台上にたてた表御殿
内 239宀 + 243入 → 図
おおいの中にいれる→うち
納 168糸 + 内
織物を貢物としておさめ、倉にいれこむ→おさめる
安 239宀 + 056女
女を家の中に落ち着かせたさま→やすらか
案 安 + 118木
ひじを乗せて落ち着かせる木のつくえ→あちこち押さえ
てみることから、よくかんがえる、しらべるの意
晏 094日 + 安
安は上から下への意。日が上から下に落ちる→時刻が
おそい、やすらか
宴 239宀 + 晏
家の中に落ち着きくつろぐ→うかげ、さかもり
() 239宀 + 176 + 009廾 → 図
両手でかわらを持ち屋根の下の穴をふさぐ
塞 + 107土
土をぴったり合わせふさぐ
寒 + 098冫
家をふさいで氷の冷たさを防ぐ→さむい
宰 239宀 + 129辛
刃物を持ち家の中で肉を料理する→仕事を意のままに
処理する(主宰)
守 239宀 + 007寸
手で屋根の下に囲いこんでまもる→まもる
狩 063犬 + 守
わくの中へ動物を追いこんで逃げられないようにする
→かる
寶(宝) 239宀 + A32玉 + 143缶 + 086貝
玉や土器や財貨などを屋根の下に入れてたいせつに
保存する→たから
叟 239宀 + 096火 + 005又 → 図
へやのすみまで灯火を手にしてさがす
搜(捜) 004手 + 叟
手を狭いすみに入れこんでさがす→さがす
痩 疒(288爿 参照) + 叟
搜は細く引き出す意。身が細くなる→やせる。
寧 239宀 + 028心 + 140皿 + 175丁
家の中に食器を置き、心を落ち着けてやすんずる
→やすらか
240 → 図
伸びようとするものにわくをはめる意。
犯 063犬 + 240
犬がわくを破ってとび出す→おかす
氾 097水 + 240
堤防や外わくを越えて水が外へあふれる
笵 121竹 + 氾
はみ出ないようにおさえる竹のわく
範 164車 + 笵
車輪をしめる外わく。たが。
241 垂(埀) → 図
植物の葉や花が垂れ下がっている姿
睡 001目 + 241垂
まぶたをたれてねむる
錘 106金 + 241垂
上から垂れる金属→おもし
郵 241垂 + 邑(077巳 参照)
大地のたれさがった地の果てである国境に置いた
伝令のための屯所→郵便
唾 023口 + 241垂
口から垂れ下がるつば
242 耑 → 図
両側から物が垂れ下がっているさま
端 044立 + 242耑
左と右とがそろってきちんとたつ→両端
段 242耑 + 138殳 → 図
足で踏みたたくようにして降りる垂れ下がる形の階段
鍛 106金 + 段
階段を足で踏みたたくように金属をたたく→きたえる
243 入 → 図
物が上向きに、入り込むことを表す
込 020辵 + 243入
[国字]入って行くこと
244 南 → 図
霜よけのために植物などを入れ込む納屋の形。
中が暖かいことから、みなみの意。
白川説では、南方の民族の使っていた銅鼓。
245 壬 → 図
真中がふくれた糸巻き→ふとい
任 041人 + 245壬
人が重い荷物を抱きかかえる
賃 任 + 086貝
代金を払って人をまるがかえにすること→やとう
妊 056女 + 245壬
身ごもってお腹がふくれる
008爪 + 245壬
妊娠した女性に手をかけて色ごとにふける
淫 097水 +
水がどこまでもしみこむ→邪道に深入りしてふける
→みだら
246 襄() 169衣 + XXX → 図
あわせに綿を詰め込む
→入れ込む、割り込ませる、柔らかい
讓(譲) 言(129辛 参照) + 246襄
第3者を割り込ませる→ゆずる
孃(嬢) 056女 + 246襄
柔らかい女性→むすめ
釀(醸) 146酉 + 246襄
材料を柔らかくして酒壷で発酵させる
壤(壌) 107土 + 246襄
柔らかくした土→土壌
穰(穣) 112禾 + 246襄
ふっくらした穀物の実→ゆたか
247 朁 XXX兓(かんざし) + 曰(023口 参照) → 図
かんざしが髪に入り込む。中に入り込む動き
蠶(蚕) 247朁 + 085虫 x2
桑の葉の間にもぐりこんで食う虫
潛(潜) 097水 + 247朁
水の中にもぐりこむこと
248 交 → 図
足のすねを交わらせている姿→交差する、絞める
郊 248交 + 邑(077巳 参照)
町と交流できる範囲→郊外
絞 168糸 + 248交
ひもや布を引き絞る
効(效) 248交 + 037力
力を絞り出す。力を出した効果。
咬 023口 + 248交
上下の歯を交差させて噛む
餃 食(141皀 参照) + 248交
ギョウザの皮を絞るところから
較 164車 + 248交
車がすれ違う→突き合わせて比べる
校 118木 + 248交
木を交差させて作った手かせ足かせ
「教える」と「学ぶ」の交差する所
鮫 084魚 + 248交
交尾する魚→さめ。
249 爻 → 図
X型に交差する、交わるを示す
教 249爻 + 061子 + 139攴 → 図
先生が子供と交流する行為→教える
學(学) 010 + 249爻 + 239宀 + 061子 → 図
屋根の下で子供と先生が交流し手ほどきされる
→見てまねる
希 249爻 + 170巾 → 図
細かく交差して織った布。隙間がほとんどないことから
微小で少ない意(まれ)、めったにないことをあってほし
いとねがう意(希望)
250 五 → 図
物の交差したさま。片手で数字を数えるとき5で
折り返すことから5を示す。
吾 250五 + 023口
人と人とが交差して話しあうこと→かたる
後に「われ」の意に転じた。
語 言(129辛 参照) + 吾
吾が「われ」の意味に転じたので言を付加した。
悟 028心 + 吾
感覚が交差してはっと思いあたる→さとる
251 互 → 図
切れ込みを入れ、噛み合うにした組み細工の姿。
→たがい違いに交差するなどの意
252 牙 → 図
二本の木に切れ込みを入れ、噛み合わせた姿。
→ちぐはぐにかみあう歯
芽 123艸 + 252牙
ふた葉がかみあっている植物のめ
雅 252牙 + 068隹
元はガアガアと鳴くからすの意。牙には、かみあって角
が取れる意があるため、転じて、もまれてならされる意
→みやびやか
邪 252牙 + 邑(077巳 参照)
元は地名をあらわした字だが、牙にはくい違いの意があ
るため、転じて、正道からはずれている意→よこしま
253 呉 023口 + XXX夨(頭をかしげた人) → 図
傾く形の上に口。交差してつじつまのあわない言葉。
または、人が頭をかしげて口をあけ笑うさま。
娯 056女 + 253呉
女が笑いこける姿→たのしむ
誤 言(129辛 参照) + 253呉
つじつまがあわない言葉→誤る
虞 075虍 + 253呉
元は虎に似た動物を表した。呉はただの音符。
怖い動物なので、転じて、おそれる意。
254 丩 → 図
二本の糸を寄せ集めて、よじり合わすさま
糾 168糸 + 254丩
ひもをあわせて一本によりあわせること→よじれる
叫 023口 + 254丩
しぼり声でさけぶ
收(収) 254丩 + 139攴
ばらばらのものを引き寄せ、一つに集める→おさめる
255 (亦) 168糸 + 言(129辛 参照) + 168糸 → 図
「言」は言葉でけじめをつけること。もつれた糸にけじ
めをつけようとしても容易に分けられないさま。
→もつれる、乱れる
變(変) 255 + 017夂
足元が乱れて変になる
戀(恋) 255 + 028心
好きになって心がもつれる→恋
蠻(蛮) 255 + 085虫
理性が乱れて虫のようになる→野蛮
彎(弯) 255 + 135弓
弓がもつれたように反り返ること
灣(湾) 097水 + 彎
弓のように反った形の入り江
攣 255 + 004手
手足がもつれる→ひきつる(痙攣)
256 (舌) → 図
糸巻きを上と下から両手で引っ張るさま
辭(辞) 256 + 129辛
(乱れた糸をさばく)と辛(罪人に入れ墨をする刃物)で
法廷で罪を論じて裁く言葉→言葉、言葉を並べて断る
亂(乱) 256 + 268乙
もつれた糸を両手であしらう→みだれる
257 串 → 図
物を貫き通した形
患 257串 + 028心
心が突き通された思い
258 毌 → 図
子安貝にひもを通した姿
貫 258毌 + 086貝
貝をひもでぬき通した姿→つらぬく
慣 028心 + 貫
一貫したやり方に沿った気持ち→なれる
259 同 → 図
長方形の板に筒型の穴を突き抜いたさま。
突き抜ければ通じ、通じれば一つになる(同一)
洞 097水 + 259同
水がつきぬけるほら穴→つらぬく、見ぬく(洞察)
胴 036肉 + 259同
人体の筒型をしたところ→胴体
銅 106金 + 259同
穴をあけやすい柔らかい金属→どう
筒 121竹 + 259同
竹の節に穴をあけて作った筒
260 工 → 図
石に穴を貫き通すさま。穴をあけるのは、高度の
わざであるので、細工する意。
項 260工 + 025頁
頭と胴を貫く首→重要点、大筋
→筋道を立てて分類した事項
功 260工 + 037力
石に穴を通す大変な仕事、成し遂げた仕事
江 097水 + 260工
貫いて流れる大河
攻 260工 + 139攴
敵の陣地に突き入る
紅 168糸 + 260工
べに色。工はただの音符。
貢 260工 + 086貝
財貨を突き出す→みつぐ
空 280穴 + 260工
くぼんだ穴→そら
控 004手 + 空
くぼむように後ろに引くこと→ひかえる
腔 036肉 + 空
からだの中でがらんどうになった所(口腔、鼻腔)
肛 036肉 + 260工
体の真中を貫く穴
虹 085虫 + 260工
大蛇が空を貫いている姿→にじ
巧 260工 + 274丂
細かく曲折する細工→たくみ
巫 260工 + 041人 x2 → 図
神を招くわざを持つ人→みこ
巩 260工 + 013丸
丸は人が両手を出した姿。突き通して穴をあける作業
恐 巩 + 028心 → 図
心の中がつき抜けたようなうつろな感じ→おそれる
筑 121竹 + 巩
竹筒でとんとんと突いて音を出す楽器
築 筑 + 118木
木の棒で土を突きかためて土台工事をする→きずく
261 中 → 図
棒が枠の真中を突き抜けて両端が飛び出た形。
真ん中を示す。
沖 097水 + 261中
海の真ん中→おき。水の中の静けさ→むなしい。
仲 041人 + 261中
なかだちする人→仲人。人と人の間柄→仲間。
忠 261中 + 028心
中身が充実して欠けめのない心→もごころ
衷 261中 + 169衣
衣でつつんだそのなかみ→うち、中程度(折衷)
262 用 → 図
長方形の板を棒が突き通ったさま。
つらぬき通すはたらき→道具を通して使う→もちいる
甬 041人 + 262用 → 図
人が足で地面をトンと突く→足ぶみ、台地を切り開く
勇 甬 + 037力
力があふれ足踏みして奮いたつ→いさましい
湧 097水 + 勇
勇は、下から上へとびあがる意。
下から上にとびあがるように水がわき出る。
踊 015足 + 甬
人が地面を突き抜くようにふんばり飛び上がる→おどる
通 020辵 + 甬
突き抜けて行く→通る
痛 疒(288爿 参照) + 甬
突き抜けるような痛み
263 東 → 図
心棒を突き通して布で覆い両端をひもで括った袋。
太陽が地平線を通して突き抜けて出る方角→ひがし。
凍 098冫 + 263東
氷が端から端まで通して張る→こおる
棟 118木 + 263東
屋根の上を横につらぬいてとおる長い木→むね、家屋を
数える単位、主要な人物(棟梁)
陳 109阜 + 263東
土嚢を平らに列をなしてならべる→ならべる(陳列)
陣 陳の変形
軍隊をならべる(円陣)
曹 263東 x2 + 曰(023口 参照) → 図
上部は袋を並べて同じ物が並んだことを示す。曰は裁判
の際、口で論議することをあらわす。法廷で取り調べを
する、何人もの居並ぶ属官→多くいる下級の役人(軍曹)
槽 118木 + 曹
いくつもあって、たいせつでない木の容器→おけ
遭 020辵 + 曹
むぞうさに出かけて雑然といっしょになる、予定なしに
出くわす→あう(遭遇)
重 041人 + 263東 + 107土 → 図
人が土の上に立って重みがつきぬけて地上の一点に
かかる→おもい
動 重 + 037力
足でとんと地を突く動作→うごく
働 041人 + 動
[国字]人が動く→はたらく
種 112禾 + 重
上から下に地面をおしさげて作物をうえる→たね
衝 185行 + 重
町をつきぬけている大通り→つきあたる(衝突)
量 XXX日(穀物のしるし) + 重 → 図
穀物の重さを天びんではかる→はかる
糧 111米 + 量
重さや分量をはかって用いる主食→かて
腫 036肉 + 重
皮膚が重そうにふくれる→はれる
童 129辛 + 001目 + 263東 + 107土 → 図
東は突き抜く意。土を突き抜くように、刃物で目を突き
盲人にした奴隷。わらべの意味は仮借。
鐘 106金 + 童
棒でついて音を出す銅製のかね
瞳 001目 + 童
眼球をつきぬける穴→ひとみ
憧 028心 + 童
心中がむなしく筒抜け→あこがれる
264 丱 → 図
二枚の板に横軸を通した形。貫き通す意。
265 婁(娄) 057母 + 261中 + 056女 → 図
多くの物が一筋に並んで連なる意
數(数) 265婁 + 139攴
一連の順序につないでかぞえる→かず
樓(楼) 118木 + 265婁
一階二階とつながる木造の高い建物(楼台)
266 由 → 図
液体を抜き出す細い口が付いた壷の姿。~から出
てくる意。ある事が何かから生じて来た意(由来)
抽 004手 + 266由
細い所からずるずるとひき出し抜き取る→ぬく
油 097水 + 266由
壺の口から液体が抜けでる→とろとろと出てくるあぶら
軸 164車 + 266由
車輪の中心の穴を通して外へぬけ出ている心棒→じく
宙 239宀 + 266由
地軸を中心に大地をおおう屋根→おおぞら
笛 121竹 + 266由
竹の管から息をぬき出して鳴らす笛
袖 169衣 + 266由
腕がぬけて出入りする衣の部分→そで
267 出 014止 + 304一 → 図
足が一線の外にでるさま
屈 040尸 + 267出
体を曲げて尻を後ろに突き出す→かがむ、曲げる、窪む
掘 004手 + 屈
手で穴を空け窪みを作る→掘る
堀 107土 + 屈
土を掘って作った窪んだ穴→ほる、ほり
窟 280穴 + 屈
窪んだ穴→ほらあな
祟 267出 + 306示
神の出してくるたたりをあらわす
拙 004手 + 267出
標準より後ろにさがって見劣りする→つたない
268 乙(乁) → 図
重圧を押しのけて、外へ伸び出ることを表す。
または、押さえつけて止める。
269 冘 → 図
人の首の付け根にかせをはめ、押し付ける姿
沈 097水 + 269冘
押し付けて、水中にしずめること
枕 118木 + 269冘
頭でおしさげる木製のまくら
270 甲 → 図
中に種を封じ込めた堅い殻の姿。押し込める意。
よろい、かぶと。
押 004手 + 270甲
外からかぶせておさえる→おす
岬 108山 + 270甲
海中に押し込められた細い陸地→みさき
271 卯(夘) → 図
扉を無理にこじ開けるさま。十二支の兎に当てる。
別の説では、祭で犠牲を切り裂いたようす。
貿 271卯 + 086貝
扉を相手の手の内を押し開き財貨を交換する(貿易)
留(畄) XXX一 + 271卯 + 110田
戸を開けるさまの上に―印を加えて、あきそうな戸を押
さえてとめる。留はそれに田(一定の面積の地)を加え
動きやすいものをある場所の中にしばらくとどめる。
瑠(璢) A32玉 + 留
瑠璃=つるつるして、紫がかった紺色の玉。
留はただの音符。梵語の音訳字。
柳 118木 + 271卯
枝が戸を開けるようにすべるやなぎ
272 曲 → 図
物を曲げて作った定規
273 九 → 図
腕の肘を曲げて引き締める姿。1から9までの数
のうち、最後の引き締めにあたる9の数を示す。
軌 164車 + 273九
車が曲線を描いて曲がったあと→わだち
究 280穴 + 273九
腕を入れて穴の奥底までさぐる→きわめる
鳩 273九 + 067鳥
クック(九)と鳴く鳥→はと
274 丂() → 図
水面に浮かぶ浮き草。曲がる意。
考 055老 + 274丂 → 図
元は腰の曲がった老人の意。転じて、曲がりくねりつつ
奥まで思い進む→かんがえる、つきつめる
拷 004手 + 考
うちすえて究問すること→うつ
朽 118木 + 274丂
くさって曲がった木→くちる
275 可 274丂 + 023口 → 図
のどを屈曲させ声をかすらせ、やっと声を出す
→さまざまの曲折を経てどうにか認める(許可)
別の説では、「何」先に出来た文字で「可」は略体。
何 041人 + 275可 → 図
やっと声をだして人に尋ねる→なに。
人が直角の棒に物つけて、かついでいる姿→になう。
荷 123艸 + 何
茎の先端に直角に乗ったような形をしている花→はす。
何が疑問詞に使われたため荷がになう意に用いられる。
河 097水 + 275可
直角に曲がったかわ
奇(竒) 285大 + 275可
人のからだが屈曲して偏っている→あやしい
寄 239宀 + 奇
頼りとする家の方に偏り寄り掛かる→よる、よせる
騎 066馬 + 奇
不安定な形で馬に重みをかける→馬に乗る
崎(嵜) 108山 + 奇
海中にいびつに突き出した陸地→みさき
埼 107土 + 奇
山の陸地のいびつに突き出た部分→さき
椅 118木 + 奇
よりかかる木→いす
哥 275可 x2
のどをしめ、息を屈曲させて声を出すこと→うたう
歌 哥 + 282欠
からだをかがめて、のどで声を出すこと→うたう
苛 123艸 + 275可
のどをひりひりさせる植物→きつい摩擦や刺激を与え
る行為→からい。きつい。
276 句 230勹 + 023口 → 図
区切った枠。言葉を区切る→文章のひと区切り。
勾 句の変形
区切り→L字型の物。かぎ型。傾斜。
局 句の変形 → 図
区切った範囲→区切り、役所の部署
拘 004手 + 276句
狭いわくの中に押しこめる→とらえる
苟 123艸 + 276句
とりあえず草でしばってまるめる→かりそめ
狗 063犬 + 276句
句は小さくまとまる意。愛玩用のこいぬ。
駒 066馬 + 276句
句は小さくまとまる意。からだの小さな馬。
277 夭 → 図
身をくねらせる姿→柔らかい、若い
妖 056女 + 277夭
女が身をくねらせ人を迷わす→あやしい
沃 097水 + 277夭
夭は、しなやかな意。水でうるおしてしなやかにする
→そそぐ。土地が肥えている。肥沃。
笑 121竹 + 277夭
神の前で、竹のかんざしをして、笑いながら、
身をくねらせ踊る姿→わらう。
咲 023口 + 笑 → 図
花が咲く様子を人の口元がほころびる様子にたとえた
278 口 → 図
穴を表す
吉 XXX士(壷のふた) + 278口(壷のあな) → 図
壷の口の上にきつくふたを押し付けたさま
→内容が充実して詰まっている→よい
結 168糸 + 吉
糸やひもで壷の入り口をしっかりとしめる→むすぶ
詰 言(129辛 参照) + 吉
いいのがれする余地を与えないように締めつけながら、
問い詰める→とう、つめる
壹(壱) A26壺 + 吉
口を結んで締め、中にいっぱいにつめたつぼ。
イチという音を借りて一の代わりに使う。
279 凶 283凵 + XXX× → 図
穴に落ち込んでもがくさま→悪い意
匈 230勹 + 279凶
勹は胸の外わくの意。胸の中にうつろな穴を包んだ
気持ち→おじけづく。
胸 036肉 + 匈
肉を付加し「むね」そのものを示す。
280 穴 239宀 + 218八 → 図
ほら穴を掘り分けて造った穴居住宅の姿
罙 280穴 + 005又 + 096火 → 図
穴の中に奥ふかく手を入れて火をさぐるさま
深 097水 + 罙
水の奥ふかいこと→ふかい
探 004手 + 罙
手をふかく入れてさぐること→さぐる、さがす
突 280穴 + 063犬
穴の中から急に犬がとび出すさま→つく
281 悤(忩) A67囱(空気抜きのまど) + 028心 → 図
筒抜けになること。へやの空気が一本にまとまり出る
ことから、まとまる意。
窓 239宀 + 281悤
家の中の空気のぬけ通るまど
總(総) 168糸 + 281悤
多くの糸を一つにまとめて締めたふさ→まとめる意
282 欠 → 図
人が口をあけ、からだをくぼませてかがんださま。
くぼむ、欠ける、あくびの意。
吹 023口 + 282欠
人がからだを曲げて口から息を押し出すこと→吹く
炊 096火 + 282欠
しゃがんで火を吹きおこすさま→煮たきすること
097水 + 282欠
物をほしがってよだれを流すこと→うらやましがる
盜(盗) + 140皿
皿のごちそうをほしがること→ぬすむ
羨 065羊 +
羊は、うまいものの意。うまいものを見て、よだれを
たらす→うらやむ。
283 凵(厶) → 図
中がくぼんだ容器
凷 283凵 + 107土
まるい土のかたまりや穴
屆(届) 040尸 + 凷
まるく太い体で、動作がにぶくとまりがち
→一定の場所までとどいてとまる
284 夬 → 図
指を曲げて中をコの字型にえぐり取ること
快 028心 + 284夬
心中のしこりをえぐりとった感じのこと→こころよい
決 097水 + 284夬
水によって堤防がコ型にえぐられること(決壊)。
がっぽりと切ることから、決定の意に転じた。
缺(欠) 143缶 + 284夬
土器がコ型に欠けて穴のあくこと→欠ける
285 大 → 図
人が大の字に手足を広げた姿。大きい意。
太 285大 + XXX丶
丶は足を大きく広げているさまを表す
→ゆとりがあって大きい。 → 図
駄 066馬 + 太
からだの大きい太った馬→荷負い馬(駄馬)→つまらない
汰 097水 + 太
水をたっぷりと流して洗う。淘汰=どっと洗い流す
→不要なものを流しさる
泰 285大 + 009廾 + 097水 → 図
両手でたっぷりと水を流すさま
→ゆとりがあって大きい、落ち着いている、やすらか
羍 285大 + 065羊
羊がゆとりをもって産道を通り生まれる
達 020辵 + 羍
滞りなくするりと通り抜ける→難なくこなす
夫 285大 + 304一 → 図
大の字になった人が冠をかぶった姿
→元服して成年に達した一人前の男
扶 004手 + 夫
手の指四本をわきの下に当てがってささえる→たすける
央 285大 + 233冂 → 図
人が首かせ(冂)をされた姿→物の中心を固定する→中央
英 123艸 + 央
中央がおさえられたようにくぼんだまるい花
→花房、美しい、ひいでる
映 094日 + 央
日光によって明暗の境めや形が生じる→うつす、はえる
央はただの音符。
去 285大 + 283凵 → 図
中が空洞の容器→姿を消す→さる
別の説では、器物を踏み越えるさま→遠方に行く → 図
却 去 + 045卩
人が後ろにくぼみさがる→しりぞく(退却)
脚 036肉 + 却
ひざの所で曲がって後ろにくぼむあしの部分
法 097水 + A56廌 + 去 → 図
池の中の島に珍獣を押し込めて外に出られないように
したさま→生活にはめられたわく→おきて
別の説では、捨て去る意。おきての意は仮借
夾 285大 + 从(041人 参照)
人が両側からはさむ姿→はさむ
峽(峡) 108山 + 夾
山と山にはさまれた狭い谷間
狹(狭) 063犬 + 夾
両側から動物にはさまれて身の置き所が狭まる
挾(挟) 004手 + 夾
わきにはさむ→はさむ
侠 041人 + 夾
人が両側から挟んでいる姿→両側に手下をかかえた親分
頬 夾 + 025頁
顔を両側からはさむほお。
爽 285大 + ×(入れ墨) x4
人の両胸に分けて入れた入れ墨→割り切れた気持ち
→さわやか
屰 大をさかさまにした形
上下がさかさ
逆 020辵 + 屰 → 図
さかさの方向に進むこと→逆
朔 屰 + 095月
月が一周してもとの位置に戻った→ついたち
塑 朔 + 107土
ノミやコテを土塊に逆立てて削り取る
遡 020辵 + 朔
道を戻る→さかのぼる
尢 大の変形 → 図
足がまがった人の姿→まがる
夷 285大 + 041人 → 図
大きい人のそばに寄った小さい人。背たけのひくい人。
中国の東部に住む背の低い未開民族→外国人。
286 小 → 図
二つの点で小さい物や小さく削るさまを示す。小さい意
少 286小 + XXXノ(そぎとる) → 図
削って減らす→すくない
砂 105石 + 少
ごく細かい岩石の粒→すな
沙 097水 + 少
水に洗われて小さくばらばらになったすな
抄 004手 + 少
少は斜めにそいで小さくする意。さっと斜めにそぐ動作
→表面をかすめとる→ぬきがき(抄録)
省 少 + 001目
目を細めてこまごまとみる→かえりみる(反省)。
細かく調べ余計な部分をとりさる→はぶく(省略)。
細々見る範囲→行政区画、役所。
別の説では、「少」は元「生」だった。
秒 112禾 + 少
細い稲の穂の先→小さい→時間・角度の小さい単位
妙 056女 + 少
女性の小がらで細く美しい姿→美しい、巧みな(巧妙)、
不思議なさま(妙な)
劣 少 + 037力
力が少ない→おとる
肖 286小 + 036肉 → 図
素材の肉を削って原型に似た小形のものをつくる
→かたどる(肖像)
宵 239宀 + 肖
家の中にさしこんでいる日光が小さく細くなったとき
→よい
消 097水 + 肖
水が細る→きえる
硝 105石 + 肖
小さく砕いて粉末にしガラス・火薬の原料とする石
→硝石、火薬、硝子
削 肖 + 127刀
刀で細くけずる→けずる
286小 + 086貝
小さい貝→小さい
鎖 106金 +
小さい金輪をつらねたくさり
尗 XXX卜(つるの巻いたまめのくき) + 286小
小さい豆
叔 尗 + 005又 → 図
小さい豆を手で拾い集める。
のち、小さい末の兄弟の意に用いる。
淑 097水 + 叔
叔は小さい意。こぢんまりとして控えめなこと。
水を加えて清らかな意をそえた。しとやか(淑女)
寂 239宀 + 叔
叔は小さい意。家の中の人声が細く小さくなったさま
→さびしい
督 叔 + 001目
叔は散在した物をとりまとめる意。見張って引き締める
→見張る(監督)
戚 戉(132戈 参照) + 尗
もと、小さい手斧の意。促(身近にせまる)に当てて、
身近な親戚の意。
287 長(镸) → 図
人間の頭髪が長く伸びた姿。長いことを表す。
帳 170巾 + 287長
長いたれ布→とばり。紙を何枚もとじたもの→帳面
張 135弓 + 287長
弓に弦を長く伸ばしてはること→はる
脹 036肉 + 287長
長は張る意で、ふくれた腹→ふくれる
髟 287長 + 207彡
長い毛
髮(髪) 髟 + 犮(063犬 参照)
はねるように開くかみの毛
288 爿(丬) → 図
寝台の板→丈が長い
壯(壮) 288爿 + 051士
背の高い男→体力や勢力が強い
莊(荘) 123艸 + 壮
細長い草ぶきの納屋→田舎の家(別荘)
裝(装) 壮 + 169衣
すらりと細く身ごしらえをととのえる→よそおう
疒 288爿 + 041人
寝床に人が寝ていることから病を表わす
臧 288爿 + 132戈 + 002臣
武器をもった背の高い臣下
藏(蔵) 123艸 + 臧
艸は収蔵する作物。くら。臧はただの音符。
臟(臓) 036肉 + 藏
人体内にしまいこまれている諸器官
將(将) 288爿 + 036肉 + 007寸
いちばん長い指→長となってひきいる(大将)
奬(奨) 將 + 285大
大きく伸ばし前進させる→すすめる(奨励)
状 288爿 + 063犬
細長い犬→すがた
片 爿の反転形 → 図
木のきれはしを描いたもの
289 叀 → 図
紡錘の重し→上から下へ押し付ける
惠(恵) 289叀 + 028心
善行によって相手の心に印象を押し付ける→めぐむ
專(専) 289叀 + 007寸
紡錘を使って何本もの原糸を一つにまとめる→一つに
専念する→もっぱら
轉(転) 164車 + 專
回転する紡錘のように車がまわる→ころがる
傳(伝) 041人 + 專
紡錘をころがすように次々にあとに伝える
團(団) 235囗 + 專
円形の紡錘→円形に囲んだ物→集まり(集団)
290 古 → 図
乾いた頭蓋骨→古い、固い
故 290古 + 139攴
古くなる→死ぬ、邪魔になる、確立した
胡 290古 + 036肉
垂れさがったあごの肉→ひげ、覆う
湖 097水 + 胡
大地を覆う水のかたまり→みずうみ
枯 118木 + 290古
木が干からびて枯れる
姑 056女 + 290古
年を取った女性→しゅうとめ
苦 123艸 + 290古
草が干からびてにがくなる→くるしい
固 235囗 + 290古
閉じ込められて固まる
個 041人 + 固
きっちり固まった一人の人→個人
箇 121竹 + 固
個体をなす物→一箇、ニ箇
錮 106金 + 固
溶かした金属を流しこんで、すき間をふさぐ→ふさぐ
禁錮=罪人を閉じ込める。
居 040尸 + 290古
固いものに尻を乗せる→落ち着いている、いる
据 004手 + 居
何かの上に尻をすえて置くこと→すわる、すえる
裾 169衣 + 居
居は下に付く意。長い衣服の下に付く部分→すそ。
291 巠(圣) → 図
機織器にまっすぐに張られた縦糸→まっすぐ
經(経) 168糸 + 291巠
縦糸→まっすぐ通る→経過する
輕(軽) 164車 + 291巠
まっすぐに車が敵地に入っていく→軽い
徑(径) 186彳 + 291巠
まっすぐな道、近道
莖(茎) 123艸 + 291巠
植物のまっすぐな部分→茎
292 亢 → 図
まっすぐ立つさま
坑 107土 + 292亢
まっすぐに掘ったあな
抗 004手 + 292亢
まっすぐたって手向うこと→さからう
航 166舟 + 292亢
舟が波に逆らって堂々と進む→航海
293 氐 215氏 + XXX一(底の平らな部分) → 図
氏は小刀の形。小刀で底を平らに削るさま。
物の下の部分を示す。低く安定したさま。
底 238广 + 293氐
建物の下底→そこ
低 041人 + 293氐
背のひくい人→ひくい
邸 293氐 + 邑(077巳 参照)
低い平屋→邸宅
抵 004手 + 293氐
力を加えて押し付ける→あてる(抵当)、こばむ(抵抗)
氐はただの音符。
294 上 → 図
水準線の上に一線が重なっている形。上を指す。
下 上の反転形 → 図
おおいの下にものがあることを示す
295 良 → 図
穀物の粒を水でとき、きれいにする姿。良い意
朗(朗) 295良 + 095月
月が清くすんでいる→ほがらか
郎(郞) 295良 + 邑(077巳 参照)
春秋時代の魯の近郊の地名。良はただの音符。
転じて、男子の美称に用いる。
廊 238广 + 郎
部屋から部屋へと渡る通路。郎はただの音符。
娘 056女 + 295良
むすめ。元の字は「嬢」(246襄 参照)
浪 097水 + 295良
清らかに流れる水→なみ
狼 063犬 + 295良
冷たくすみきった冷酷な動物→おおかみ
296 余 → 図
土を払いのけるスコップ。ゆったりとのばし広げる意。
餘(余) 食(141皀 参照) + 296余
食物がゆったりとゆとりがある→あまる
徐 186彳 + 296余
ゆるゆると歩みを伸ばす→ゆっくり
除 109阜 + 296余
じゃまになる土を押しのける→のぞく
叙(敍) 296余 + 005又
固まったものを少しずつ展開しのばす→心中の思いを
外に展開し陳述する→のべる(叙述)
舍(舎) 296余 + 235囗
囗は場所。ゆったり手足を伸ばす場所→休み所や宿舎
捨 004手 + 舎
手の力をぬいて指を伸ばし放す→すてる
斜 296余 + 153斗
ひしゃくを傾けて中の液体を横に伸ばし流す→ななめ
塗 097水 + 296余 + 107土
土を水でどろどろにして、こてで伸ばしてぬる
途 020辵 + 296余
長く平らにのびた道路→みちのり
茶 123艸 + 296余
緊張をといてからだをのばす効果のある植物→ちゃ
297 予 → 図
機織りの杼の形。杼は糸を押し伸ばす働きをするので、
向こうへ押しやる、伸ばす意。
面前のものを他人の前まで押しやる→あたえる
豫(予) 297予 + 074象
象はのんびりしたものの意。のんびりとゆとりをもつ。
ゆとりがある→あらかじめ。
幻 予を上下逆にした形 → 図
杼の中からわずかに糸のはしが見えた形。
糸の端がほのかに揺れる→まぼろし
預 297予 + 025頁
頭数にゆとりをもたせる→あらかじめ、あずかる
序 238广 + 297予 → 図
おもやのわきにのび出たわき屋。
心の中の思いをおしのばして順序よく展開する→順序
野 里(110田 参照) + 297予
横にのびた広い田畑→のはら
298 丹 → 図
井戸の中に赤い丹砂が含まれているさま。朱色。
299 平 → 図
浮き草が水面に浮かんでいる姿。
高低がなく、公平なことを示す。
坪 107土 + 299平
平らかな土地。土地の面積の単位。
評 言(129辛 参照) + 299平
ことばを平等にそろえてぶつけあう(評議)
300 卑 → 図
薄くて平らなスプーンを手に持つ人。
程度の低いことを示す。
碑 105石 + 300卑
薄く平らな石→平らな石をたてたもの(石碑)
301 丵 → 図
ぎざぎざのついた道具
對(対) 301丵 + 107土 + 007寸 → 図
ぎざぎざのついた道具を手で持って土を撲ち固める形。
二人が相対して土を撲つので、むかうの意。
菐 301丵 + 009廾
ぎざぎざのついた道具を両手で持った形
撲 004手 + 菐
この場合は土をうつ道具なので、うつの意。
僕 041人 + 菐 → 図
この場合は儀礼に使う礼冠なので、神に仕える者。しもべ
業 301丵 + 118木 → 図1 → 図2
ぎざぎざのとめ木のついた楽器を掛ける台。
でこぼこがあってつかえ、すらりとはいかない仕事
302 文 → 図
土器につけた模様。のちに文字を示す。
白川説では、人の胸部に入れ墨が入った形。
匁 302文 + XXXメ(メという音)
[国字]「もんめ」の音を表す。重さの単位。
蚊 085虫 + 302文
ぶんぶんと羽音を鳴らす虫→か
紋 168糸 + 302文
糸でかがった紋様。文が文字の意に転じたため、
紋様にこの字を用いる。
303 厶 → 図
穴を示す。出入り口。
304 一(弌) → 図
棒一本。1を示す
三 304一 x3
一が三つで3を示す
305 二 → 図
二つの物がくっついて並んでいるさま。2を示す
次 305二 + 282欠 → 図
身をかがめて並べる→順序づけて並べる→順序、次
資 次 + 086貝
金銭や物品をそろえて用だてる→もとで(資金)
姿 次 + 056女
女が身づくろいして顔や身なりを整える→すがた
咨 次 + 023口
意見を並べ出して相談する→はかる
諮 言(129辛 参照) + 咨
皆の意見をたずねる→はかる(諮問)
茨 123艸 + 次
次は、ふぞろいに並ぶこと。ふぞろいに枝やとげの
並んだ木→いばら。
恣 次 + 028心
次は、身をかがめて休むことから、ぞんざいな意。
ぞんざいな心構え→ほしいまま。
仁 041人 + 305二
二人が対等に相親しむこと(仁徳)
貳(貮弐弍) 131弋 + 305二 + 086貝
青銅器(貝)に刻まれた銘文をホコ(弋)で削り改変する。
改ざんを防ぐために二のかわりに用いる。
306 示(礻) → 図
脚付きの祭壇の姿。神様を表す。
そこに神々の心がしめされるので、しめすの意。
別の説では、手に持つことができる祭壇。
手で持ちあげることから、上げる意を持つ。
祭 036肉 + 005又 + 306示 → 図
肉を清めて祭壇に供える→まつる
察 239宀 + 祭
家のすみずみまで清める→曇りなく目をきかす(視察)
擦 004手 + 察
こすって汚れをとり去る→こする
際 109阜 + 祭
祭は肉をこすって清めることから、こする意を持つ。
阜はかべを表す。壁と壁とがこすりあうように、
すれすれに接する→きわ(国際)
宗 239宀 + 306示
祭壇を設けたみたまや→一族の集団
崇 108山 + 宗
宗は諸氏の本家であるから、たっとぶ、大きい意。
山が高くそびえているさま→けだかい(崇高、崇拝)
踪 015足 + 宗
宗は長く続く意。長く続く足跡→物のゆくえ。
失踪=ゆくえをくらます。
柰(奈) 118木 + 306示
祭りの供物として供える唐梨の木(野生のりんご)
款 柰 + 282欠
木版に丸く窪めて字を彫ること。
まとまった文章(定款)、ひとまとめの項目(款目)
隸(隷) 柰 + A13隶
果実を手でもぎとって並べる→つないで並べる
→つける、したがう、しもべ
307 卜 → 図1 → 図2
亀の甲を焼く占いで生じる割れ目を表す。うらなう。
占 307卜 + 023口
うらないによって場所を選び決める→うらなう。
決めた場所に居座る→しめる(独占)
店 238广 + 占
場所をきめて家を構える→みせ
點(点) 黒(096火 参照) + 占
特定の箇所を占有した黒い印→てん
粘 111米 + 占
定着させる米のネバネバ→ねばる
貼 086貝 + 占
ある場所を占拠してぺったりはりつける
朴 118木 + 307卜
卜はぽっくり割れる意。ぽっくり折ったままの手を加え
ていない木→飾り気がないさま(素朴)
仆 041人 + 307卜
卜はぽっくり割れる意。人がポックリする→たおれる
訃 言(129辛 参照) + 307卜
人が倒れた(死んだ)ことを急いで知らせる(訃報)
赴 021走 + 307卜
訃報を知らせるため急いで行く→おもむく(赴任)
308 → 図
神様への捧げる花の姿
拝(拜) 004手 + 308 → 図
花を神様に捧げ拝む。
賁 308 + 086貝 → 図
花が開くときのように、はじけそうにふくれた宝貝。
中にある力が勢いよく外に出る意。
墳 107土 + 賁
盛り上がった土→土を盛りあげて作った墓
噴 023口 + 賁
口から勢いよく噴出す→ふく
憤 028心 + 賁
心の中の怒りが外に噴出す→いきどおる
A01 丘 → 図
周囲が小高くて中央がくぼんだ盆地
虚 075虍 + A01丘 → 図
丘は窪みがある→むなしい。虍はただの音符。
戯(戲) 虚 + 132戈
ぎざぎざの刃のあるほこ。原義は失われ、おどけ笑う意
→たわむれる
A02 六 → 図
テントの形。6の意味は仮借。
A03 若 → 図
両手を挙げてしなやかに舞う姿。
しなやかで柔らかいから若い意。
諾 言(129辛 参照) + A03若
若は、それ、その、の意をあらわす指示詞でもある。
返事にも用いるので、言を付けて承諾の意を持たせた。
匿 232匸 + A03若
若は柔らかい桑の葉。桑の葉を容器の中にしまうこと。
→わくや、かこいの中に入れてかくすこと。
A04 关 → 図
両手を上げている姿
朕 166舟 + A04关
舟を上に持ちあげる浮力→尊大な気持ちで自分を持ち
あげる自称詞
勝 朕 + 037力
力を入れて物を持ちあげ上に出る→かつ
謄 朕 + 言(129辛 参照)
紙を原本の上に乗せて写す→うつす(謄本)
騰 朕 + 066馬
馬がはね上がる→のぼる
滕 朕 + 097水
水がわきでる
藤 123艸 + 滕
ふじ。つるが、よじれて巻きつき、登る。
送 020辵 + A04关
物を持ち上げて他所へ運ぶ→おくる
奏 201丰 + A04关 → 図
稲穂を両手でそろえて神前に差し出す
→音をそろえて出す→かなでる
別の説では、「求」+「廾」で植物を持っている形 → 図
A05 乂 → 図
はさみ
刈 A05乂 + 127刀
はさみでかって形を整える
殺 A05乂 + 114朮 + 138殳
もちあわの穂を刈りとり実をそぎとること→ころす
刹 殺の略 + 127刀
梵語の音訳字。殺はただの音符。刹は寺、塔の意。
A06 凹 中央がくぼんだ姿
A07 凸 中央が突き出た姿
A08 旡 → 図
腹がいっぱいになって、ため息をつくさま
愛 A08旡 + 028心 + 017夂 → 図
心がせつなく詰まって、足もそぞろに進まないさま
→いとおしむ
曖 094日 + 愛
日の光が雲にはばまれて進みかねる→くらい。
曖昧=はっきりしない。
A09 晶 → 図
星が三つ光るさま。澄みきった意。
A10 傘 → 図
かさの形
A11 失 → 図
「手+よこへ引くしるし」で、
手中のものがするりと横へ抜け去ること→失う
秩 112禾 + A11失
とり入れた作物を、順序よく重ねてびっしりつめこむ。
転じて、物事のきちんと重なった順序。失はただの音符
迭 020辵 + A11失
去っていくこと→序列・地位からぬける(更迭)
A12 → 図
穀物倉
啚 235囗 + A12
穀物倉のある地域
圖(図) 235囗 + 啚
穀物倉のある場所を示した地図
A13 隶 005又 + 尾の形 → 図
しっぽに手がとどいてつかまえること→およぶ
逮 020辵 + A13隶
おいかけていってつかまえる→とらえる
A14 → 図
周りを囲んでその中心に水のたまった様子
淵(渊渕) 097水 + A14 → 図
水の深くたまったところ→ふち
A15 丯 → 図
棒に刻みつけた印
A15丯 + 127刀
刃できざみ目を入れること
絜 + 168糸
お祓いに使う細かく刻みを付けた糸飾り。清める意。
潔 097水 + 絜
水で身を清める→いさぎよい、きよい(清潔)
契 + 285大
人と人が約束のしるしをきざみつける→ちぎる(契約)
喫 023口 + 契
歯で傷をつけてかじること→くう、のむ(喫茶)
A16 与 → 図
噛み合った姿
與(与) A16与 + 010 + 009 廾
二人が両手でいっしょに物を持ちあげるさま
→力を合わす→与える
擧(挙) 與 + 004手
手をそろえて同時に持ちあげる→あげる
譽(誉) 與 + 言(129辛 参照)
みんなで言葉を合わせて持ち上げて、ほめそやすこと
→ほまれ
A17 升 → 図
穀物や液体をますに入れて持ちあげ、はかるさま
昇 094日 + A17升
日がもちあがること→のぼる
A18 声 → 図
石板をぶらさげてたたいて音を出す楽器
聲(声) A18声 + 138殳 + 029耳
耳で「声」の音を聞く
A19 匕 → 図
さじ
A20 鬥 → 図
二人の人が手に武器を持ちたち向かってたたかう姿
鬭(闘) A20鬥 + XXX(盾) + 133斤
武器を持ち闘う
A21 齊(斉) → 図
祭祀に奉仕する婦人の3つの髪飾りがそろったさま
→ととのう
齋(斎) A21齊 + 306示
祭りのために心身をきちんとととのえること
濟(済) 004手 + A21齊
川の水量を過不足なく調整すること→すます、すくう
劑(剤) A21齊 + 127刀
草根木皮を切りそろえて調合したもの→薬
A22 尞 → 図
かがり火を燃やして明るいさま
燎 096火 + A22尞
かがりび
寮 239宀 + A22尞
明るく火をともした窓。かがり火が連続して燃えること
から連なる意→仲間、仲間の住む家
僚 041人 + A22尞
かがり火が連続して燃えることから連なる仲間。
から連なる意→仲間
療 疒(288爿 参照) + A22尞
尞はばらばらにする意を持ち、病気をばらばらにして
とり去る→いやす
瞭(暸) 001目 + A22尞
明るくよく見える→あきらか
A23 者 → 図
柴がこんろの上で燃えているさま→もやす意。
火熱をひと所に集中する→集める意。
そのような行為を起こす人→ものの意。
煮 A23者 + 096火
こんろで物を煮る。
暑 094日 + A23者
日光のあつさが集中する→あつい
署 137网 + A23者
集めた人を網の目のように配置した組織(官署)
書面に字を配置する→しるす(署名)
緒(緖) 168糸 + A23者
糸巻きにたくわえた糸のはみ出たはし→いとぐち
諸(諸) 言(129辛 参照) + A23者
ひと所に多くのものが集まること→もろもろ
賭 086貝 + A23者
財貨を集中し、つぎこむ→かける
都(都) A23者 + 邑(077巳 参照)
人々の集中する大きいまち→みやこ
著 123艸 + A23者
草を集めてひと所にくっつける→書きつける→著す。
人目に付くように書き記す→目立つ→著しい。
着 123艸 + A23者
草を集めてひと所にくっつける→着く、着る。
箸 121竹 + A23者
食物を集めてくっつけて取るはし。
A24 → 図
飾りの付いたのひざかけの形。上部は帯に掛ける所。
→全体をいっぱいにおおう意。
滿(満) 097水 + A24
わくいっぱいに水をみたす
A25 異 → 図
一本の手の他にもう一本の手をそえて物を持つさま
別にもう一つとの意。
別の説では、面をかぶった人の形。祭祀での舞踏。
A26 壺(壷) → 図
つぼ
A27 于 → 図
息がのどにつかえて「わあ」と漏れ出るさま。
大きく曲がる意。
宇 239宀 + A27于
大きくて丸い屋根→大きな建物→大きな空間(宇宙)
芋 123艸 + A27于
大きくて丸い植物→いも
汚 097水 + A27于
U型にくぼんだ水たまり。濁った水→よごれる
華 123艸 + 241垂 + A27于 → 図
葉の垂れた芯の窪んだ丸いはな
夸 285大 + A27于
おおきく曲がった姿→おおきい
誇 言(129辛 参照) + 夸
大げさに言うこと→ほこる
A28 丿 右上から左下に引いた形。わける、はらう意。
A29 尤 → 図
手にできた、いぼやおでき→とが。災い。
目立つことから、「もっとも」の意。
肬 036肉 + A29尤
いぼ
疣 疒(288爿 参照) + A29尤
いぼ
A30 亅 かぎ。つりばり。
A31 釆 → 図
四方にたねをまき散らすさま。散らばる、広がる意。
奧(奥) 239宀 + A31釆 + 009廾 → 図
家の角に散ったものを手さぐりするさま→おく
A31釆 + 009廾
手をまるめて散った物を握り集めること
拳 + 004手
手をまるく握りしめること→こぶし
卷(巻) + 045卩 → 図
丸く身をかがめた人の様に丸く巻く意
圈(圏) 235囗 + 卷
丸く囲んでとり巻く意→おり、かこい
券 + 127刀
ひもで巻いて保存する手形。手形の文句を小刀で木札
に刻んだので刀を加えた。
番 A31釆 + 110田
さっと種を田にまくこと→さっと開いて閉じる動作を
数える言葉(番号)、順番に交替する見張り人(番人)
審 239宀 + 番
家の中に散らばった細かい米つぶを念入りに調べるさま
→つまびらか(審査)
潘 097水 + 番
水で米粒をさっと研ぐさま→とぎ汁、うずまき
藩 123艸 + 潘
枝を逆方向に反らせて絡ませた生垣。垣根の中の領地。
翻(飜) 番 + 088羽
羽をまいたようにヒラヒラすること→ひるがえる
A32 玉 → 図
宝石
班 A32玉 + 127刀 + A32玉
玉を二つに切りわける→分割したグループ
斑 A32玉 + 127文 + A32玉
玉を二つに切りわける→分散した模様→まだら
弄 A32玉 + 009廾
両手の中に玉を入れてなぐさみにする→もてあそぶ
A33 → 図
あご
姫 056女 + A33
あごがふくよかな女性→貴人の娘
A34 回 → 図
回転するさま
亘 305二 + A34回 → 図
ぐるりとめぐらす→めぐる、わたる
垣 107土 + 亘
周囲にめぐらした土べい→かき
桓 118木 + 亘
ぐるりをとりまいて植えた木
宣 239宀 + 亘
周囲をかきでとり巻いた宮殿→あまねく巡らす意(宣言)
A35 鹵 → 図
塩の結晶が点々とふきでた土→塩土
別の説では、袋にいれた塩。点々が袋に入った塩。
袋は「西」と共通の形。 → 図1 → 図2
A36 矣 → 図
人が後ろをむいてとまったさま
疑 A36矣 + 061子 + 014止 → 図
愛児に心引かれてたちどまるさま→心に引っかかり
思考が進まない→うたがう
擬 004手 + 疑
手の動き(行動)が止まる→思いはかる(擬案)
本物かどうか思案させるほど似ている→なぞらえる
凝 098冫 + 疑
氷がひと所にじっと封じ固まるように止まって動かない
→こる(凝固)
癡(痴) 疒(288爿 参照) + 疑
病的なほど思考が進まない→おろか
挨 004手 + A36矣
矣は、人がつかえて止まるさま。つかえて押しあう
→せまる。挨拶=人のそばに寄っておじぎする。
A37 周 → 図
田の中いっぱいに米のある形。
欠け目なく全部に行き渡る意。
週 020辵 + A37周
全体にいきわたったさま→めぐる
彫 A37周 + 207彡
器物の表面全体にびっしりと模様をつける→ほる
調 言(129辛 参照) + A37周
全体にまんべんなく行き渡らせる→整える(調和)
全体にまんべんなく目を通す→調べる
A38 () → 図
矢をぴたりとそろえて入れたえびら
備 041人 + A38
用意のためそろえておく控えの人→そなえる
A39 瓦 → 図
半円の筒型をしたかわらを互い違いに重ねた姿
A40 宁 → 図
物を貯蔵する箱の形
貯 086貝 + A40宁 → 図
わくの中に財貨をいっぱいにつめこむこと→たくわえる
佇 041人 + A40宁
人が一か所にじっと定着する→たたずむ
A41 舟 舟でなく、板の形。
般 A41舟 + 138殳 → 図
板のように平らに広げること→めぐる(一般)
搬 004手 + 般
あちこちに広げる→はこぶ(運搬)
盤 般 + 140皿
平らなおおざら
A42 韭 → 図
地上ににらが生え出た姿
韱 041人 x2 + 132戈 + A42韭
小さく切る
纖(繊) 168糸 + 韱
細い糸(繊維)→細い
A43 壳 → 図
貝がらをひもでぶらさげたさま
殼(殻) A43壳 + 138殳
硬い殻をこつこつたたくこと→から
穀 殻 + 112禾
硬い殻をかぶった穀物の実
A44 莧 → 図
からだのまるいやぎ
寛(寬) 239宀 + A44莧
中がまるくゆとりがあって、自由に動ける大きい家。
転じて、ひろく中にゆとりのある意
A45 敢 → 図
ひしゃくで酒を汲み取り祭祀の場所を清める姿
237厂 + A45敢
神の住む岩場
嚴(厳) 023口 x2 +
神の住む岩場で祈りを唱える→おごそか、きびしい
A46 (已厶) → 図
農具のすきの形
私 112禾 + A46厶
すきで耕作する人→私族(隷農的身分の者)
→公(支配者)ではない者→自分のこと
台 A46厶 + 023口
人間がすきを手に持ち口でものを言い行為を起こす意
自主的に行動を起こすことから、一人称(私)の意
物を載せる台(臺)とは別字。
始 056女 + 台
女性としての行為の起こす、つまり、はじめて胎児を
はらむこと。転じて、広く物事のはじめの意。
胎 036肉 + 台
肉体が行為をしはじめる、つまり動きはじめた胎児。
治 097水 + 台
河川に人工を加えて流れを調整すること(治水)
→おさめる、なおす
冶 098冫 + 台
金属を氷の溶けるように溶解して細工する
怠 台 + 028心
人の心に人工を加えて和らげる→なまける
能 A46厶 + 036肉 + XXXヒヒ(かめの足) → 図
厶は力を出して働くこと。亀のようにねばり強い力。
罷 137网 + 能
能力がある人が網にひっかかる→やめる
熊 能 + 096火
熊の肉は脂肪が多く、よく燃える能力がある→熊
態 能 + 028心
こうできるぞという心構え→身構え、すがた
以 A46厶 + 041人(または 005又) → 図
手で道具を用いて仕事をする姿→~でもって、~より
似 041人 + 以
人間が細工を加えて実物と同じ形をつくる→にせる
A47 厶 → 図
腕の形
弘 135弓 + A47厶
弓をじゅうぶんに張ること→ひろい
強 弘 + 085虫
弓を張ったように硬いからをかぶった甲虫→つよい
A48 苟 XXX艹(羊の角) + 041人 + 023口 → 図
羊の角とかがんだ人。角に触れないよう体をかがめる。
苟ケイは苟コウ(123艸 + 276句)とは別字
敬 A48苟 + 139攴 → 図
かしこまってからだをかがめる→うやまう
驚 敬 + 066馬
敏感な馬が、はっと緊張すること→おどろく
警 敬 + 言(129辛 参照)
ことばで注意してはっと用心させる→いましめる
A49 宔 大きな針
害 A49宔 + 023口 → 図
祝詞を入れる器を大きな針で壊す→そこなう
割 害 + 127刀
祝詞を入れる器を刀で壊す→わる
轄 164車 + 害
害は壊すことから、くさびの意。
車輪が軸から抜けないようにとめるくさび
憲 A49宔 + 001目 + 028心 → 図
刑罰のために目の上に針で入れ墨をいれ心を正すさま
→おきて
A50 乎 → 図
息がのどにつかえて「はあ」と発散する
呼 023口 + A50乎
口から「はあ」と声を出す→よぶ
A51 桼 → 図
樹皮を傷つけて液の流れるさま
漆 097水 + A51桼
流れ出た樹液→うるし
膝 036肉 + A51桼
桼は節を表す音符。体の節となるひざ。
A52 乃 → 図
ぐにゃりと曲がったさま。すっぱり割り切れず
つなげる気持ちをあらわす(すなわち、の)
秀 112禾 + A52乃
なよなよした稲の穂がすらりと伸びること→ひいでる
誘 言(129辛 参照) + 秀
秀は先に立つ意。先に立って後の人を言葉で誘う。
透 020辵 + 秀
秀は抜け出る意。ぬけとおる、すきとおる。
A53 尸 覆いの屋根
叚 A53尸 + 305二 + 005又 x2 → 図
手でおおいをあしらい、かぶるようす
假(仮) 041人 + 叚
人面(仮面)をかぶる→かり
暇 094日 + 叚
所要の日時の上にかぶせたよけいな日時→ひま
A54 爵 → 図
酒器である爵の形。功ある者に爵を与えたことから爵位
A55 禼 → 図
小さな虫が集まる形
竊(窃) 280穴 + 111米 + A55禼 → 図
穴倉に貯蔵した米を虫が食い荒らす→ぬすむ
A56 廌 → 図
牛に似ていて角が一本の獣のかたち
薦 123艸 + A56廌 → 図
その獣が食うきちんとそろった草→すすめる
A57 巤 → 図
馬などがたてがみをなびかせて走る姿
獵(猟) 063犬 + A57巤
猟犬を使って獣を追うようす→かり
A58 黽 → 図
頭の大きいかえる、とかげ
繩(縄) 168糸 + A58黽
とかげのような長いなわ
蠅(蝿) 085虫 + A58黽
とかげのようによじれてとぶ虫→はえ
A59 离 大蛇の姿
離 A59离 + 068隹 → 図
へびと鳥が組みつはなれつ争う→はなれる
璃 A32玉 + A59离
瑠璃=つるつるして、紫がかった紺色の玉。
离はただの音符。梵語の音訳字。
A60 禹 → 図
頭の大きい大とかげ→竜神→聖王
齲 齒(014止 参照) + A60禹
禹は虫類の代表の意。むしば。
A61 癸 → 図
刃が四方に張り出ていて、どちらでも突けるほこ
→回転させる
揆 004手 + A61癸
コンパスを回してはかる
葵 123艸 + A61癸
太陽に向いてまわるひまわり
A62 畢 → 図
鳥獣をとりおさえる柄つきの網→ぴたりとすきまなく
おさえる→もれなくおさえてけりをつける
篳 121竹 + A62畢
竹をあみあわせてつくったかきね。
蹕 015足 + A62畢
畢はおさえる意。天子が行幸するときに、その道の
通行人をおさえて封じこめる→さきばらい
A63 弁 → 図
かんむり
卞 弁の俗字
抃 004手 + 卞
両手をぱんぱんとうち合わせる。卞は音符。
A64 燕 → 図
つばめ
嚥 023口 + A64燕
のむ。のど。燕(エン)はただの音符。咽と同系。
臙 036肉 + A64燕
燕の羽のようにつややかな色→べに。
讌 言(129辛 参照) + A64燕
さかもり。燕(エン)はただの音符。宴(エン)と同系。
A65 焉 → 図
「えん」という鳥の姿。「いずれ」「いずこ」の意は
仮借。
篶 121竹 + A65焉
焉のように黒い竹
嫣 056女 + A65焉
焉のように落ち着いて美しいさま
A66 彑 動物の頭
A67 囱 → 図
空気抜きのまど
匆 囱の変形
空気が突き抜ける窓
怱 匆 + 028心
心が突き抜けて先走りする→いそぐ
偬 041人 + 怱
あわただしくて、心が落ち着かない。
愡 028心 + 怱
志を得ない、またせわしいようす。
葱 123艸 + 怱
怱はつつぬけの意。茎が中空のねぎ。
A68 函(凾) → 図
矢をはこの中に入れた姿→はこ
涵 097水 + A68函
函は中に入れて含む意。水の中に入れる→ひたす
A69 兀 → 図
山などの上が高くて平らなさま
A70 珡 琴の形 → 図
琵 A70珡 + 043比
琵琶(弦楽器の名)。比はただの音符。
琶 A70珡 + 077巴
琵琶(弦楽器の名)。巴はただの音符。
瑟 A70珡 + 必(131弋 参照)
必は、びっしりくっつく意。
多くの弦をびっしりと並べて張った楽器→大琴。
A71 乖 → 図
中央の部分は左右にわかれた羊の角、両側の部分は
左右にわけるしるし→そむく。
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