番号 | 字 | 説明 | 絵 | 甲骨 | 金文 | 篆書 |
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人体 | ||||||
目 | ||||||
001 | 目(罒) | 目の形を描いた字。横だったのが、たてに置きかえられた。 | ||||
002 | 臣 | うつむいている目の姿。主人の前で固くなっている臣下の姿。 | ||||
003 | 民 | 奴隷や臣従の目に、鋭い針を突き刺して、盲目にした姿を描いた字。 | ||||
手 | ||||||
004 | 手(扌) | 五本の指を開いて物をつかもうとしている手の姿を描いた字。 | ||||
005 | 又(ナヨ) | 右手を表わす。雙(双の旧字)は二羽の鳥を右手で持つさま。 | ||||
006 | ナ | 左手の形を描いた字。「左」は工作の時、物を支えて助けること。 | ||||
007 | 寸 | 手の動作を示す。また、手や手の指一本の幅の長さを表わす。 | ||||
008 | 爪 | つめの意味を表わすこの字は、手の形を描いた字。 | ||||
009 | 廾 | 両手をいっしょにそろえた形を表わしている。 | ||||
010 | 二つの両手が合わさって、四つ手になろうとする姿。 | |||||
011 | 尺 | 親指と他の四本の指を、ピラミッド型に広げて長さを測る姿。 | ||||
012 | 丑(尹) | 上下に達する棒を持つさま。 | ||||
013 | 丸(丮) | 曲線としゃがんだ人を描き両手を差し伸べた姿を示す。 | ||||
足 | ||||||
014 | 止 | 踏みしめた足が地に付けた跡を描いた字で、止まるを意味する。 | ||||
015 | 足 | ひざ頭から下の部分の足の全形を描いた字で、足りる意を示す。 | ||||
016 | 疋 | 音符として「ソ」となる印で、別々に離れて対をなす足を指す。 | ||||
017 | 夂 | 下向きの足の形で、たとえば各は歩く足が固い物につかえるさま。 | ||||
018 | 舛 | 左右の足が開く、または開いてよろける姿を表わしている。 | ||||
019 | 之 | 目標物に向けて足を踏み出し、まっすぐ進むことを表わす字。 | ||||
020 | 辵(辶) | ある方向に向って進む。または道を歩いて行く意。 | ||||
021 | 走 | 人が歩調を縮めてせかせかと歩くさまで、走るの意に転化した。 | ||||
022 | 韋 | ある地点(口)の上下を、一つの足が右へ、もう一つが左へ進む。 | ||||
口 | ||||||
023 | 口 | 人の口、穴を描いた字で口に出してしゃべるの意もある。 白川説では、神への祈りの文である祝詞を入れる器の形。 | ||||
024 | 舌 | 「千(物を突く棒)+口」で口から出入りする棒のような舌の意。 | ||||
頭 | ||||||
025 | 頁 | 人の頭部をかたどって人の頭の意を表わす。頭の字の豆も首。 | ||||
026 | 囟(田) | 赤ちゃんの頭を上から見たときの頭骨のオドリの姿。 | ||||
027 | 首 | 人のくびから上の頭部に髪が生えた姿を描いた字で、くび、頭。 | ||||
その他の人体 | ||||||
028 | 心(忄) | 心臓の形を描いた字で、血液を全身に行き渡らせる心臓の意。 | ||||
029 | 耳 | みみたぶの形を描いた字で、みみを指す。 | ||||
030 | 自 | 人の鼻の形を描いた字。自分を言うとき鼻をさすので自分の意。 | ||||
031 | 而 | ほおひげが柔らかく垂れ下がったさまを描いた字。 白川説では、頭髪を切ってまげのない巫祝の姿。 | ||||
032 | 人間の髪の毛がびっしり生えた姿。すきまなく充実している意。 | |||||
033 | 冎 | 上の骨の穴に下の骨がはまり込んでいる関節の形を表わす字。 | ||||
034 | 歹 | 風雨にさらされ白くなって残った骨の断片の意味を表わす。 | ||||
035 | 呂 | 背骨がひとすじに連なった形で、似たものが一列になる意。 | ||||
036 | 肉(月) | 動物の肉片に二本の筋がはいった姿を描いた字で、鳥獣の肉。 | ||||
037 | 力 | 手に力を込めて、筋肉を筋張らせている姿を描いた字。 白川説では、すきの形。 | ||||
038 | 亦 | 人の両脇を示し、腕の元字で同一物の連なることを示す。 | ||||
039 | 要 | 両手で腰の部分を締める姿を描いた字で、下部の一はベルト。 | ||||
040 | 尸 | しり(尻)を表わすが、一方シカバネカンムリとも呼ばれる。 | ||||
人間 | ||||||
041 | 人(亻ク) | 少しかがんだひとを横から見た姿で、くっつき合う仲間の意。 | ||||
042 | 匕 | 人が尻もちをついて倒れたかっこうを表わしている。 | ||||
043 | 比 | 人がふたり同じ方向を向いて、ぴったりとくっついている姿。 | ||||
044 | 立 | 人が両足を並べて地面につっ立っている姿を描いた字。 | ||||
045 | 卩() | 人がひざまづいている姿を描いた印。 | ||||
046 | 儿 | 背中の曲がった人、突き出ている人の意。 | ||||
047 | 兄 | 頭の大きい人。そこから兄弟のうち大きい方の人を指す。 白川説では、儀式に使う器を持った人。 家で儀式を司るのは長兄であることから兄の意。 | ||||
048 | 弟 | つるの巻き付いた棒の下の字を示す。転じて弟を意味する。 | ||||
049 | 鬼 | 丸くて大きい頭の人の姿。昔は死者のイメージがそう意識された。 | ||||
050 | 王 | 天地の間に手足を広げた人が立っている姿で、偉大な人の意。 白川説では、大きなまさかりの頭部の形。 | ||||
051 | 士 | 男の性器が直立した形を描いた字で、一人前の男を意味する。 白川説では、小さなまさかりの頭部の形。 | ||||
052 | 史 | 竹筒の中に入れる竹札を手に持つ記録係の人のこと。 | ||||
053 | 父 | 手に石斧を持った姿を描いた。 | ||||
054 | 久 | 背が丸くなってかがんだ老人を表わす。転じて、ひさしいの意。 | ||||
055 | 老 | 髪が長く腰の曲がった老人が、つえをついて立っている姿。 | ||||
056 | 女 | なよなよと体をくねらせた、なまめかしい女性の姿を描いた字。 | ||||
057 | 母 | 女とほとんど同形だが、胸の両脇におっぱいがあるのを示す。 | ||||
058 | 身 | 女性の身ごもった体を描いた字で、のちに単に体の意に用いる。 | ||||
059 | 免 | 女が両股を開いてしゃがみ、胎児を分娩する姿を描いた字。 | ||||
060 | 奐 | しゃがんだ女の股の間から、胎児を両手で抜き取るさまを描く。 | ||||
061 | 子 | 両手を広げた子供の姿を描いた字で、小さい子供の意を表わす。 | ||||
062 | 子の字の逆さの形で赤ちゃんが体内から出るところを表わす。 | |||||
動物 | ||||||
063 | 犬(犭) | 上から見た犬の姿を描いた字で「ケン」という音は泣き声。 | ||||
064 | 牛 | 牛の角と頭とを背後から見た形を描いた字で、牛馬・水牛。 | ||||
065 | 羊 | 羊の頭を描いた字。羊は有益なので、めでたい意を表わす。 | ||||
066 | 馬 | たてがみをなびかせて、がむしゃらに進む馬の姿を描いた字。 | ||||
067 | 鳥 | 尾が細長く垂れている鳥の姿を描いた字で、鳥類の総称である。 | ||||
068 | 隹 | 下ぶくれした鳥の姿を表わし、ずっしり下に落ち着く意を含む。 | ||||
069 | 飛 | 鳥が翼を左右に開いて、飛びあがっていく姿を描いた字。 | ||||
070 | 舄 | カササギの姿を描いた字。 | ||||
071 | 豕 | 豚の姿を描いた字で、豚を意味したが、のち「豚」の字ができた。 | ||||
072 | 亥 | 豚の全身に張り渡った堅固な骨組みを描いた字。 | ||||
073 | 豸 | けものの姿を表わした字で、貌、墾、懇などの字に含まれる。 | ||||
074 | 象 | 象の姿を象り、象が巨大で目立つので、姿や形の意となる。 | ||||
075 | 虍 | 虎の皮の模様を象った字。去、却などと同系でうつろの意。 | ||||
076 | 龍(竜) | 想像上の動物、竜を描いた字で、筒状の意を含む。 | ||||
077 | 巳(巴) | 蛇の姿かたちを描いた字。巴は胎児を表わす。 | ||||
078 | 禺 | 大きな頭をした人まね猿を描いた字。愚は猿のような石頭。 | ||||
079 | 萬(万) | 二つの大きいはさみを持ったサソリの姿を描いた字。 | ||||
080 | 鹿 | 鹿の姿を描いた字。上部は角、中部は頭、下部は四足を象る。 | ||||
081 | 兔(兎) | ウサギの姿を描いた字、逸はウサギがさっと逃げるさま。 | ||||
082 | 鼠(鼡) | ネズミの姿を描いた字。ひそかに害をなすものの意を含む。 | ||||
083 | 龜(亀) | 亀の姿を描いた字。その甲は亀卜の用に供された。 | ||||
084 | 魚 | 魚の姿を描いた字。固い芯の骨があるという意味を含む。 | ||||
085 | 虫 | 細長い蛇や長虫の姿を描いた字。虫一般の意となる。 | ||||
086 | 貝 | 二つに割れる二枚貝の姿を描いた字。広く貝を意味する。 | ||||
087 | 朋 | 子安貝を数個、ひもで連ねて二筋に垂らした姿を描いた字。 | ||||
動物の部分 | ||||||
088 | 羽 | 鳥の体をおおう長い毛の姿を描いた字。飛び立つ時の両方の翼。 | ||||
089 | 角 | 水牛や羊の角の生え始めの形を描いた字。角一般の意。 | ||||
090 | 皮 | 頭付きの獣の皮、手で押しやるか引き寄せてかぶった形の字。 | ||||
091 | 革 | 頭から尾までついた動物の皮をぴんと張って乾かした形を示す。 | ||||
092 | 毛 | 細く生え出た毛の形を描いた字。細くかすかなという意味を含む。 | ||||
093 | 卵 | 虫や魚などの多数の卵が丸く連なったさまを描いた字。 | ||||
自然 | ||||||
094 | 日 | 太陽の形を描いた字。肌をうるおす暖かさに親しむ意を含む。 | ||||
095 | 月 | 欠けた三日月の形を描いた字。「げつ」の音は欠ける音からくる。 | ||||
096 | 火(灬) | 燃え上がる炎の姿を描いた字。あかりの意も。 | ||||
097 | 水(氵氺) | 流れている水の姿を描いた字。浸み出て流れるものの意。 | ||||
098 | 冫 | 氷を示す印で音は「ひょう」。氷結の意。 | ||||
099 | 雨 | 空から雨足が垂れ、雨粒が落ちてくるさまを描いた字。 | ||||
100 | 云 | もやもやと水蒸気が立ちこめている姿を表している。 白川説では、雲の下に竜のまいた尾が少し現れている形。 | ||||
101 | 川 | 水が曲がって流れて行く姿を描き、「穿」と同系の字 | ||||
102 | 气 | 立ち上る湯気の姿を描いた字で、汽の字のもとの字。 | ||||
103 | 申 | いなずまが走る姿。または直線を伸ばす姿を描いた字。 | ||||
104 | 天 | 人の頭上にあるもの。脳天から転じて、高く広がる空を表す。 | ||||
105 | 石 | がけ(厂印)の下に、固まったいし(口印)があるのを表す。 | ||||
106 | 金 | 点々とした鉱物が、土中に含まれているさまを表している。 | ||||
107 | 土 | 地上に土を盛り上げるか、木を立てるかして土を祭ったさま。 | ||||
108 | 山 | 三つの峰がある山の姿を描いた字。 | ||||
109 | 阜(阝) | 盛り上げた土、または丘を表している。 白川説では、神が上り下りするはしごの形。 | ||||
110 | 田 | 四角い区切りをつけた田んぼの姿を描いた字。平らな畑の意も。 | ||||
植物 | ||||||
111 | 米 | 小さな米粒が四方に散らばったさまを表している。 | ||||
112 | 禾 | 稲を示す印。音は「か」。そこから穂のある穀物の意。 | ||||
113 | 來(来) | 麦の原字で、穂の垂れた麦の姿を描いた字。 | ||||
114 | 朮 | もちあわの原字で茎に皮または実がへばりついている姿。 | ||||
115 | 麻 | 家の中で麻をよっている姿を表している字。 | ||||
116 | 瓜 | 瓜の姿を描いた字。西瓜の「か」、孤独の「こ」が音符。 | ||||
117 | 白 | コノテカシワやクヌギなどの、白いドングリの実を描いた字。 白川説では、人の白い頭骨。 | ||||
118 | 木 | 枝葉がかぶさるように付き、根も付けた木の姿を描いた字。 | ||||
119 | 束 | たばねた木を、ひもで締め付けて縛った姿を描いた字。 | ||||
120 | 支 | 人が一本の竹の枝を手で持ってささえている姿を描いた字。 | ||||
121 | 竹 | 竹の枝二本、または小さい笹竹をを描いた字。 | ||||
122 | 屮 | 草の芽の形を描いた印。生の字は屮+土で芽生えている意。 | ||||
123 | 艸(艹) | 草二つで不ぞろいにずらっと生えている野草の姿を描いている。 | ||||
124 | 早 | クヌギ、またはハンノキの木の実の姿を描いた字。 白川説では、さじの形。 | ||||
125 | 乇 | 草の根が大地に定着した姿を描いた印。安定したの意を持つ。 | ||||
126 | 朿 | 植物のぎざぎざにとげが生えたさまを表している。 | ||||
物 | ||||||
道具 | ||||||
127 | 刀(刂) | まっすぐではなく曲線状に反った刀。まっすぐなのは剣。 | ||||
128 | 干 | 人を突く、あるいは身を守るための長い柄のついたY型の棒。 | ||||
129 | 辛 | 鋭い刃物の姿を描いた字。罪人に刑罰を加えるのに用いた。 | ||||
130 | 幸 | 手かせの形。運良くそこから逃れて、さいわいの意となった。 | ||||
131 | 弋 | くいの原字で、縄をつけて獲物を絡めとる棒を描いた印。 | ||||
132 | 戈 | ほこを示す印。両刃の剣に長い柄をつけた武器の形をあらわす。 | ||||
133 | 斤 | 石斧の刃を物に近づけて切ろうとしている姿を描いた字。 | ||||
134 | 矛 | 戈と同じほこを示す字。抵抗にさからって切り進む意を持つ。 | ||||
135 | 弓 | 木を曲げて弦を張った弓の姿を描いた字。 | ||||
136 | 矢 | まっすぐな矢の形を描いた字。矢のように急速な意味を含む。 | ||||
137 | 网(罒) | 魚を捕らえる網を示す印。部首名あみがしら。 | ||||
138 | 殳 | 人が竹棒を手にして仕事をする姿を描いた印。動詞記号。 | ||||
139 | 攴(攵) | 小さな木の棒を手に持つ姿を描いた字。動詞記号。 | ||||
140 | 皿 | さらの形を描いた字だが、もとの器は飯を盛る台付きの容器。 | ||||
141 | 皀() | 皿に盛ったごちそうの姿を描いた印。即や既にある。 | ||||
142 | 鼎 | ふたつの取っ手と三本の脚の付いたかなえの姿を描いた字。 | ||||
143 | 缶 | ほとぎの形。つまり、酒や水を入れた胴太細首の土器。 | ||||
144 | 畐 | 腹の丸くふくらんだ、酒のたっぷり入るとっくりの姿を描く。 | ||||
145 | 鬲 | 穀物を入れる蒸し器の部分と、水入れとが分離している土器。 | ||||
146 | 酉 | 酒だる、酒つぼの形を描いた字。酒を醸造した容器とも思える。 | ||||
147 | 鬯() | もとの意味は酒。それに手を添えた儀式用の杯の姿。 | ||||
148 | 耒 | 畑を耕す鋤の形を描いた印。耕は、すきで土を治める意となる。 | ||||
149 | 臼 | まんなかが曲がりくぼんだ臼の姿を描いた字。音符は「きゅう」 | ||||
150 | 午 | 杵の原字で、交差して上下に動くきねの姿を描いた字。 | ||||
151 | 其 | 箕の原字で四角い箕の形を描いた字。遠称指示詞に借用された。 | ||||
152 | 西(覀) | すきまの多いざるの姿を描いた字。分散させる意を含む。 | ||||
153 | 斗 | 酒をくむ柄の付いたひしゃくの姿を描いた字。容量の単位にも。 | ||||
154 | 勺 | ひしゃくで器の中の物をくみあげるさまを描いた字。 | ||||
155 | 巨 | 直角を測る定規に取っ手の付いた形を描いた字。 | ||||
156 | 兩(両) | 左右に対をなして皿が等しく釣り合うはかりの姿を描いた字。 | ||||
157 | 帚 | 手に持つほうきの姿を描いたもので、掃の原字。 | ||||
158 | 單(単) | 左右に耳の付いた薄くて平べったいはたきの姿を描いた字。 | ||||
159 | 几 | 脚付きの台。腰かけの姿を描いた字。木に付ければ机になる。 | ||||
160 | 聿 | 筆の先から点々としずくがしたたるさまを描いた字。 | ||||
161 | 爾(尓) | 柄が付き、両側にひも飾りが垂れた印鑑の形を描いた字。 | ||||
162 | 樂(楽) | ヤママユが二つ木の上に繭を作った姿を描いた字。 白川説では、柄のある手鈴の形。 | ||||
163 | 壴 | 台の上に太鼓を立てた姿を描いた字。支が付く鼓は打つ動作。 | ||||
164 | 車 | 二輪のくるまを描いた字だったが、車輪一個に省略された形。 | ||||
165 | 凡 | 平で四角い板、または舟に張る帆の姿を描いた印。 | ||||
166 | 舟 | 丸木をくりぬいて造った舟の姿を描いた字。湯舟、酒舟とも。 | ||||
織物 | ||||||
167 | 幺 | 細くて細かい生糸を寄り合わせた姿を描いた字。 | ||||
168 | 糸 | 細かい繊維を寄り合わせてできた糸の姿を描いた字。 | ||||
169 | 衣(衤) | 衣服の左右の襟を合わせ、後ろの襟を立てた姿を描いた字。 | ||||
170 | 巾 | 体の前に垂らした三筋の布切れの姿を描いた字。身を包む布。 | ||||
171 | 求 | 頭も両足も尾も付いたままの皮衣の姿を描いた字。求める意。 | ||||
172 | 匹 | 並んだ二つの一反の布を示す。二反一続きなので一の意を持つ。 | ||||
173 | 旗ざおに付けた吹き流しがなびいている姿を描いた字。 | |||||
174 | 勿 | いろいろな色の布で作られた吹き流しが垂れる姿を描いた字。 | ||||
その他の物 | ||||||
175 | 丁 | 打ち込まれた釘の頭の姿を描いた字。釘や打の元になる字。 | ||||
176 | () | れんがを積み重ねて重しをかけることを示す字。 | ||||
177 | 井(丼) | 井戸の中に水がたまったさまを描いた字。もと丼が正しい字。 | ||||
178 | 亞(亜) | 地面を掘り下げた古代の住居の土台の姿を描いた字。 | ||||
179 | 戸 | 門の片方の扉を描いた字。扉が二枚合わさったのが門。 | ||||
180 | 門 | 左右に開く二枚の扉を描いた字で、人の出入りする所。 | ||||
181 | 京 | 高い丘に築かれた楼閣の姿を描いた字。みやこの意を持つ。 | ||||
182 | 亨(享) | 城壁の南北に向かい合って立ち、遠くを見通す高楼を描いた字。 | ||||
183 | 高 | 高い楼閣の姿を描いた字。 | ||||
184 | 喬 | 高い建物のてっぺんがしなって曲がっているさまを描いた字。 | ||||
抽象概念 | ||||||
動作 | ||||||
185 | 行 | 十字路の形。直線状の道路。その上をまっすぐ進む意を表す。 | ||||
186 | 彳 | 「てき」という音を持ち「行く、歩く」の意を表す印。 | ||||
187 | 廴 | 横に伸ばすことを示す印。もとは「行」の省略形。 | ||||
188 | 至 | 矢が目標線に届くさまを描いた字で、ぴったり届く意を含む。 | ||||
189 | 辰 | 二枚貝が、ぴらぴらと舌をふるわせるさまを描いた字。 | ||||
静止 | ||||||
190 | 主 | 灯火が燭台の上で、じっと直立して燃えている姿を描いた字。 | ||||
191 | 豆 | 祭祀に用いるたかつき(食物を盛る脚付きの器)を描いた字。 | ||||
192 | 蜀(虫) | アオイの葉などにじっとしている目の大きい虫の姿。 | ||||
193 | 艮 | 小刀で目の回りに入れた入れ墨が消えずに痕となるのを示す。 | ||||
消え去る | ||||||
194 | 亡 | 人がついたてや囲いで隠され、姿を消すさまを表している字。 | ||||
195 | 無 | 人が舞う姿を描いた字。舞の原字で、見えなくなる意を持つ。 | ||||
196 | 覆い隠す。心を隠して外に出さないことを示す字。 | |||||
積み上げる | ||||||
197 | 且 | 物を一直線上に段々と積み重ねたさまを示す字。上に重なる意。 | ||||
198 | 畾 | 同じ物がたくさん積み重なっているさまを描いた印。 | ||||
199 | 多くの物が積み重なったり、集まったりしていることを示す。 白川説では、祭りに供える肉の形。 | |||||
200 | 曾(曽) | こんろの上にせいろが乗り、湯気が立ち昇る姿の字。 | ||||
201 | 丰 | 稲の穂先のように、とがって上部が合わさったものを示す印。 | ||||
まとめる | ||||||
202 | 十 | 縦線に横線が加わり、一つ所に集める、集まるの意味になった。 | ||||
203 | 亼 | ふたをかぶせること。合わせること。対応することを示す印。 | ||||
204 | 帝 | 三本のひも状のものを一つにまとめて締めたさまを描いた字。 | ||||
205 | 了 | もつれて垂れ下がった物を短くからげた形を描いた字。 | ||||
集合 | ||||||
206 | 品 | いろいろな名前の物が数多く集められていることを表す字。 | ||||
207 | 彡 | ひげや模様など、線状のものが集まっているさまを描いた字。 | ||||
組み立てる | ||||||
208 | 冓 | 木を組み合わせ、手前と向こう側が同じ形に積み重なった姿。 | ||||
伸ばし広げる | ||||||
209 | 也 | サソリの姿を描いた字で、横に平に伸びる意味を持っている。 | ||||
210 | 己 | 記や起の原字で、人目を引きハッと意識を起こすものを示す。 | ||||
211 | 黄 | 動物の脂肪を燃やした矢の形で、光を広げる意を持つ。 | ||||
212 | 厷 | 肱(ひじ)のもとの字で、肱を広く張り出したさまを描いた字。 | ||||
213 | 易 | トカゲの姿を描いた字。体形が平らなのでやさしいの意となる。 | ||||
214 | すねのまっすぐ伸びた人が地上にすっくと立つ姿を描いた字。 | |||||
215 | 氏 | 食物を分ける薄いさじの形を示し、代々伝わる血筋を示す。 | ||||
216 | 攸 | 人の背に細長く水を流すさまを示し、細く伸びる意を表す。 | ||||
217 | 壽(寿) | 長いあぜ道の原字で長々と祝詞を言う意から長寿を示す。 | ||||
離す | ||||||
218 | 八 | 左と右に反り返って分かれているさまを描いた字。数字の8。 | ||||
219 | 弗(ム) | 左右に払いのけて分離する意を持つ字。 | ||||
220 | 非 | 羽が左右にそむきあって分かれた形で、引き離すことを示す。 | ||||
221 | 兆 | 古代の占いで亀の甲に現れる左右に分かれた割れ目を示す。 | ||||
222 | 不 | 花のつぼみや萼(がく)の形を示し、ふくれてぷっと吐き捨てる意。 | ||||
切る | ||||||
223 | 七 | 縦線を横線で切ったさま。中途の切断なので数の7になった。 | ||||
224 | 才 | 木を組んだセキの姿で、せき止める、途中で断つ意を持つ。 | ||||
225 | 乍 | 刃物でさっと切って、裂け目を入れるさまを示した印である。 | ||||
剥ぎ取る | ||||||
226 | 彔(录) | 竹や木の表皮をばさばさとはぎ取るさまを表す。 | ||||
突き出す | ||||||
227 | 方 | 両方に柄の張り出た鋤を象り、突き出す意から、方向を示す。 白川説では、横に渡した木に死者をつるした形。 | ||||
228 | 丙 | 机または人の両足が、左右にぴんと張り出した姿を描いた字。 | ||||
覆う | ||||||
229 | 冖 | 音は「べき」で、屋根を示す印。そこから「おおう」意を持つ。 | ||||
230 | 勹 | ひょうたんなどを縦割りにしたおおきい椀のような道具を描いた字。 | ||||
231 | 匚 | 四角い定規を示し、囲って測るところから「おおう」意を持つ。 | ||||
232 | 匸 | 音は「けい」で体を曲げ、腕で覆ってはさむかたちを描いた字。 | ||||
233 | 冂 | おおいや納屋を示す印。例えば「内」は納屋の中に入れる意となる。 | ||||
234 | 冃(日) | 何かに覆いをかぶせたさまを示す印。冒の場合は目を覆うこと。 | ||||
235 | 囗 | 家のまわりの囲いを表す印。取り囲む意味を持つ。 | ||||
236 | 襾(覀) | 覆いをかぶせることを示す印である。西とは別字。 | ||||
237 | 厂 | がけを示す印。「がん」が音で、山の岩、巌を意味する。 | ||||
238 | 广 | 前方を開いた家を示す印。家のように覆う意を含む。 | ||||
239 | 宀 | 家の屋根を象った印で、下の物を覆うという意味を含む。 | ||||
240 | 弓の変形で、伸びようとするものに、わくをはめる意を含む。 | |||||
垂れ下がる | ||||||
241 | 垂 | 植物の葉や花が垂れ下がっている姿を描いた字。 | ||||
242 | 耑 | 両側から物が垂れ下がっているさまを描いた字。 | ||||
入れ込む | ||||||
243 | 入 | 物が上向きに、入り込むことを表した字である。 | ||||
244 | 南 | 霜よけのために植物などを入れ込む納屋の形を描いた字。 白川説では、南方の民族の使っていた銅鼓。 | ||||
245 | 壬 | 真中がふくれた糸巻きの姿で、子種を腹に入れ込む意も持つ。 | ||||
246 | 襄() | あわせに綿くずなどを詰め込んださま。中に入れ込む意を持つ。 | ||||
247 | 朁(替) | かんざしが髪に入り込むように、中に入り込む動きを示す字。 | ||||
交差する | ||||||
248 | 交 | 人が足のすねを交互に交わらせている姿を描いた字。 | ||||
249 | 爻 | X型に交差する、交わるを示す印。爾の字の爻もこれである。 | ||||
250 | 五 | もとは糸巻き機の形を描いた字で、物の交差したさまを示す。 | ||||
251 | 互 | 切れ込み入れ、噛み合うにした組み細工の姿を描いた字。 | ||||
252 | 牙 | 二本の木に切れ込みを入れ、噛み合わせた姿を描いた字。 | ||||
253 | 呉 | 傾く意の印の上に口があり、ことばが常と反して交差する意。 | ||||
もつれる | ||||||
254 | 丩 | 二本の糸を寄せ集めて、よじり合わすさまを描いた印。 | ||||
255 | (亦) | もつれた糸が、もつれにもつれて解けないさまを示す。 | ||||
256 | (舌) | 糸巻きを上と下から両手で両手で引っ張るさまを描いた字。 | ||||
突きぬける | ||||||
257 | 串 | 物を貫き通した形を描いた字。患は心が突き通された思いの意。 | ||||
258 | 毌 | むかし貨幣として用いられた子安貝に棒かひもを通した姿。 | ||||
259 | 同 | 長方形の板に筒型の穴を突き抜いたさまを描いた字である。 | ||||
260 | 工 | ニ線の間を縦の線で貫き通したことを表す字である。 | ||||
261 | 中 | 旗か棒が、筒か枠の真中を、突き抜けて両端が飛び出た形。 | ||||
262 | 用 | 長方形の板を、棒か錐(きり)が突き通ったさまを描いた字である | ||||
263 | 東 | 心棒を突き通して布で覆い、両端をひもで括った袋の形。 | ||||
264 | 丱 | 二枚の板に横軸を通した形を描いた印。貫き通す意を持つ。 | ||||
265 | 婁(娄) | 多くの物が一筋に並んで連なる意味を表す印。 | ||||
出る | ||||||
266 | 由 | 液体を抜き出す細い口が付いた壷の姿を描いた字である。 | ||||
267 | 出 | 人の足が、敷居の外へ一歩踏み出したさまを描いた字である。 | ||||
押す | ||||||
268 | 乙(乁) | 重圧を押しのけて、外へ伸び出ることを表す字。 | ||||
269 | 冘 | 人が首の付け根にかせをはめられ押し付けられた姿を象る字。 | ||||
270 | 甲 | 中に種を封じ込めた堅い殻の姿を示す。押し込めるの意。 | ||||
271 | 卯 | 窓や扉を反対方向に無理に押しあけるさまを描いた字。 | ||||
曲げる | ||||||
272 | 曲 | 物を曲げて作った定規、または容器の姿を描いた字である。 | ||||
273 | 九 | 腕が何かにつかえて、人が肘を曲げた格好を描いた字。 | ||||
274 | 丂() | 水面に浮かぶ浮き草の形を表し、曲がる意を持つ。 | ||||
275 | 可 | のどをかすらせ、やっと声を出す。曲げて良しとする意を持つ。 | ||||
276 | 句 | 小さく区切ったわく。また、ことばを区切って曲げる意。 | ||||
277 | 夭 | あやしいほどに細くしなやかな身をくねらせる姿を描いた字。 | ||||
穴 | ||||||
278 | 口 | 穴を表す。人や生き物の口意外の鼻腔、火口など穴を示す。 | ||||
279 | 凶 | 穴に落ち込んでもがくさまを描いた字。空と同系で吉の反対。 | ||||
280 | 穴 | ほら穴を掘り分けて造った穴居住宅の姿を描いた字である。 | ||||
281 | 悤(忩) | 筒抜けになることを示し、ばらばらになる意を含む。 | ||||
中が空っぽ | ||||||
282 | 欠 | 人が口をあけ、からだをくぼませてかがんださま。 | ||||
283 | 凵(ム) | 中がくぼんだ容器。飯入れの容器の形を描いた字で、中は空洞。 | ||||
284 | 夬 | 指を曲げて中をコの字型にえぐり取ることを表している印。 | ||||
いろいろな性質 | ||||||
285 | 大 | 人が大の字型にのびのびと四肢を広げた姿で、大きい意。 | ||||
286 | 小 | 二つの点で小さい物や小さく削るさまを示す字で、小さい意。 | ||||
287 | 長(镸) | 人間の頭髪が長く伸びた姿を描いた字で、長いことを表す。 | ||||
288 | 爿(丬) | 丈の長い寝台の板の形を描いた字で、丈が長いことを表す。 | ||||
289 | 叀 | 紡錘の重しの形で、心を印象づける、賢いの意を持つ。 | ||||
290 | 古 | 乾いた頭蓋骨をひもでぶら下げた形を描いた字で、古い意。 | ||||
291 | 巠(圣) | 織機に縦糸が張られているさまで、まっすぐの意。 | ||||
292 | 亢 | 杭の元の字で、まっすぐ立つさまを描いた印。 | ||||
293 | 氐 | 物の下の部分を示すところから低く安定したさまを示す印。 | ||||
294 | 上 | 水準線の上に、また一線が重なっている形を示し、上を指す。 | ||||
295 | 良 | 穀物の粒を水でとき、きれいにする姿で、良いことを表す字。 | ||||
296 | 余 | 土を払いのけ押し広げるスコップの形で、余るほどある意味。 | ||||
297 | 予 | 輪をずらして、向こうへ押しやるしぐさで、予めの意。 | ||||
298 | 丹 | 井戸の中に赤い丹砂が含まれているさまで、朱色を示す。 | ||||
平ら | ||||||
299 | 平 | 浮き草が水面に浮かんでいる姿。高低がなく、公平なことを示す。 | ||||
300 | 卑 | 薄くて平らなスプーンを手に持つ人。程度の低いことを示す。 | ||||
その他の抽象概念 | ||||||
301 | 丵 | 業と同じく左右に向かい合う鐘や鼓をつるす台座の片方の姿。 | ||||
302 | 文 | 土器につけた模様。のち事物を模様の形に描いた文字を示す。 白川説では、人の胸部に入れた入れ墨の形。 | ||||
303 | ム | 口の変形。口は穴を示し、物を食べる口とは異なる。出入り口。 | ||||
304 | 一 | 棒一本で「いち」。一つを示す字である。人差し指を横にした形。 | ||||
305 | 二 | 二つの物がくっついて並んでいるさまを描いた字。 | ||||
306 | 示(礻) | 脚付きの祭壇の姿を描いた字で神の意を示し、神様を表す。 | ||||
307 | 卜 | 亀の甲を焼く占いで、ぼくっと割れて生じる割れ目を表す。 | ||||
308 | 神様への五体そろった動物の捧げ物、または玉串の姿を描く。 |