単語家族 和語編 未分類


**  音が語源のもの  **

【発生音】

嗚・嗚呼            ああ            発生音。
あわや              あわや          「あわ」は危急の時に驚いて発する声。
喃                  のう            人に呼びかけときの掛け声。
はてな              はてな          感情から出る音「はて」より。
まあまあ            まあまあ        「まあ」を重ねた語。
もう                もう            発生音。「もう朝だ」等。



【発生音が語源】

うんこ              うんこ          排便時の「うん」という声から
  うんち            うんち
嘔吐く              えずく          「え」は声、「ずく」は突き上げる。
  えずい            えずい          「えずく」の形容詞形。
唖                  おし            =おふし。動詞「おうす」の名詞形。「おう」と発する声。
おじや              おじや          「じや」は煮える音。雑炊。
ゲロ                げろ            擬音。食べたものを吐いたもの。
こんこんちき        こんこんちき    こんこん=狐の鳴き声。狐の異称。語意を強調する語。
寸莎                すさ            わらを切る音。壁土にまぜて亀裂を防ぐつなぎとする繊維質の材料。
乳繰る              ちちくる        小鳥の鳴き声「ちゅちゅ」から。乳は当て字。 男女が密会する。
ちゃんぽん          ちゃんぽん      「ちゃん」は鉦の音、「ぽん」は鼓の音。
                                    まぜこぜ。いろんな具を混ぜた料理。
ちょん              ちょん          拍子木の音から。幕切れ。
  ちょん切る        ちょんぎる
チンドン屋          ちんどんや      鉦と太鼓の音。音を鳴らして宣伝する人。
鼓                  つづみ          デデムという鳴らす音。
途端                とたん          と=接続助詞。たん=足踏み音。直後。
丼                  どんぶり・どん  大きくて重みのある物が水中に落ちる音。どぶん。どぶり。
とんかち            とんかち        叩く音。
ドンチャン騒ぎ      どんちゃんさわぎ  ドン=太鼓の音。チャン=鉦の音。入り乱れ騒ぐ。
頓珍漢              とんちんかん    鍛冶屋の相槌を打つ音が交互に揃わない擬音。言行がちぐはぐ。
どんでん返し        どんでんがえし  どんでん=太鼓の音。太鼓の音を合図に舞台の場面が急転する。
                                    思わぬ逆転。
トントン拍子        とんとんびょうし  床を踏み鳴らす音。すらすらと進むさま。
どんど              どんど          =どんどん燃やす焚き火。小正月に村境などで行う火祭。
どんぴしゃ          どんぴしゃ      ドンという太鼓の合図にピタリと合う。的中する。
雛                  ひな            「ヒヨ」と鳴くから。
ポンコツ            ぽんこつ        ポンと打ち、コツンと叩く。解体する。老朽した機械。
ポン引き            ぽんびき        =ぼん(ぼんやり)ひき(引)。ボンヤリした人をかどわかす。
飯                  まま            赤ちゃん言葉の「まんま」から。食べる音から。食べ物。
  飯事              ままごと        炊事や料理の真似をする遊び。



【擬音語・擬態語】

オットリ            おっとり        =大取。
グッスリ            ぐっすり        =くづれおちる(崩落)
げんなり            げんなり        =ぐんなり。
コセコセ            こせこせ        =こせつく
ザックバラン        ざっくばらん    髪を切った形容「ザックバラリ」から。あけすけな態度。
シクシク            しくしき        =しく(繁)
ジタバタ            じたばた        =七転八倒
シャキシャキ        しゃきしゃき    切る音。
ズタズタ            ずたずた        すんすん(寸寸)の音転。
ズバリ              ずばり          刃物で切り裂く音。急所や確信を確実につく。
ズングリ            ずんぐり        =ずんずん(重い)+くりくり(丸い)
ズンズン            ずんずん        「どんどん」の音転。
チャクチャク        ちゃくちゃく    =着々
チャチ              ちゃち          貧弱な感じを表す擬態語。安っぽい。
チンプンカン        ちんぷんかん    外国語に「ン」が多いことから。わからないこと。
どさくさ            どさくさ        どさ=混雑の擬音。くさ=語呂合わせ。混雑の様子。
どたばた            どたばた        擬音語。騒ぎまわる様子。
トンと              とんと          全然。「とんと進まない」等。
ホッと              ほっと          息を吐く音から、ひとまず安心する。
ホヤホヤ            ほやほや



----------------------------------------------------------------------------------------------------
**  古代日本語以外が語源のもの  **

【漢字音が語源】

愛くるしい          あいくるしい    =愛(アイ)+くろしい。「くろしい」は様子をあらわす。かわいらしいさま。
灰汁                あく            =悪。
悪しき              あしき          「悪(アク)しき」の転。
餡                  あん            餡の唐音。
杏                  あんず          「杏子」の唐音。
逸する              いっする        音読み+する。
無花果              いちじく        一熟(イチジュク)の音転。
鴨脚樹・銀杏・公孫樹  いちょう      銀杏の唐音「インキャウ」の音転。
鬱陶しい            うっとうしい    「鬱陶」は器にこもる。こもった気持ち。
饂飩                うどん          ウンドンの音略。
  雲呑              わんたん        饂飩と同語源。
梅                  うめ            烏梅(ウーメイ)の音転。
繧                  うん            雲(ウン)より。布の模様を雲のようにぼかす技法。
縁                  えにし          縁(エン)の音転+し。
槐                  えんじゅ        「えにす」の転。槐子の呉音。
御節                おせち          節(セツ)の音転「せち」に「お」を付けた。
                                    季節の変わり目にお祝いをする日の料理→正月料理。
御田                おでん          田楽の「でん」に「お」を付けた。
鬼                  おに            隠(オン)の音転。姿が見えない者。
貝                  かい            =介(カイ)。介は、よろい、殻、貝がらの意味を持つ。
                                    魚介の場合の介は、貝だけでなく、エビやカニなどの甲殻類も含む。
浬                  かいり          =海里
紙                  かみ            簡(カン)の音転。
鞄                  かばん          夾板(キヤバン)の音転。
                                    明治期に、なめし皮の意の「鞄」を用いて表すようになった。
感じる              かんじる        =感(カン)じる。
感ずる              かんずる        =感(カン)ずる。
関する              かんする        =関(カン)する。
籤                  くじ            鬮子(キュウジ)の音転。
決して              けっして        =決(ケツ)して。
実に                げに            「現に」の略。まことに。
閲する              けみする        =検(ケン)する。
鸛                  こうのとり      「こう」は鸛(カン)の音転。クワクワと鳴く鳥。
業腹                ごうはら        音読み+訓読み。非常に腹の立つこと。
酷                  こく            =酷(コク)。酒の味が強い。深みのある濃い味わい。
御座                ござ            座(ザ)の尊敬語。
  茣蓙・蓙          ござ            御座に敷くむしろ。イ草の茎で織ったむしろに縁をつけたもの。
  御座います        ございます      いらっしゃること。
  御座る・厶        ござる          「御座ある」の略。ございます。
  ごんす            ごんす          「ございます」の略。
こじつける          こじつける      =故事(コジ)。故事を使って言いくるめる→無理やり理屈付ける。
瞽女                ごぜ            =御前(ゴゼン)。家の御前で芸能を演じ金品を貰い歩く盲目の女性。
コツ                こつ            =骨(コツ)。皮や肉より奥の部分→奥義。「運転のコツ」等。
牛蒡                ごぼう          「ご」は牛の呉音。
催馬楽              さいばら        音読み。古代歌謡の一。
石榴・柘榴          ざくろ          石榴(ジャクロ)の音転。
雑魚                ざこ            雑魚(ザツギョ)の音転。
山茶花              さざんか        山(サン)茶(サ)花(カ)の音転。
匙                  さじ            =さ(茶)じ(匙)
椎                  しい            椎(ツイ)の音転。ブナ科の常緑高木。
直                  じか            直(ジキ)の音転。直接。
叱る                しかる          叱呵(シカ)る。
湿気る              しける          湿気(シッケ)る。
質                  しち            質の呉音。「人質」等。
漆喰                しっくい        石灰(セッカイ)の音転。漆喰は当て字。
竹箆                しっぺ          =しっぺい。「シツ」は竹の唐音。「竹箆返し」等。
卓袱                しっぽく        卓袱の唐音。卓袱は丸テーブルこと。転じて卓袱で食べる料理。
品・科・階          しな            品(ヒン)の音転。
支那                しな            秦(シン)の音転。中国に対する呼称。
                                    最近では支那の表記はバラバラな国という意味があるのでシナを使う。
癪                  しゃく          =積(シャク)。胸のつかえが積もった。胸部・腹部に起る激痛。
諚                  じょう          定(ジョウ)より。定まって変えることのできない言葉
                                    →主君・貴人のいいつけ。
漏斗                じょうご        承壺(ショウコ)の音転。ビンに流しいれるための口の広い器具。
  上戸              じようご        じょうごのように酒を吸い込むから。大酒のみ。
  下戸              げこ            上戸に対する語。酒に弱い人。
しょっちゅう        しょっちゅう    初中(ショチュウ)の音転。初中後の略。初めから終わりまで。いつも。
しんどい            しんどい        心労(シンロウ)の音転。
図体                ずうたい        胴体(ドウタイ)の音転。
銑                  ずく            熟(ジュク)の音転。熟した金属。熱せられた金属。
双六・双陸          すごろく        「すご」は双(ソウ)の音転。六はサイコロの六つの目。
                                    2個のサイコロを使うので双六。
所為                せい            音読みの「ショイ」の音転。「あなたの所為」等。
精精                せいぜい        「精」を重ねた語。すがすがしい。
折角                せっかく        頭巾の角を折る意で、わざわざすること。
                                    後漢の林宗がかぶっていた頭巾の角の片方が雨にぬれて折れ曲ったのを
                                    時の人がまねて、わざと一方の角をまげて林宗巾と呼んだという故事による。
銭                  ぜに            銭(セン)の音転。
蝉                  せみ            蝉(セン)の音転。
  川蝉・翡翠        かわせみ        =川蝉。蝉のように鳴く川辺の鳥。尾が短い鳥。
素                  す              素(ソ)の音転。素足、素直、素顔、素手、素早い、素晴しい等。
是非                ぜひ            是か非をはっきりする。必ず。
そつが無い          そつがない      =失がない。失敗がない。むだがない。
算盤・十露盤        そろばん        算盤(サンバン)の音転。
ぞんざい            ぞんざい        粗(ゾン)雑(ザイ)
橙                  だいだい        「だい」は橙(トウ)の音転。
担桶                たご            担桶(タンおけ)→たごけ→たご。天秤棒で担う桶。
ださい              ださい          「田舎(タシャ)い」の音転。洗練されていない。
達                  たち            達の呉音。
たんと              たんと          胆斗(タント)から。たくさん。
ちゃきちゃき        ちゃきちゃき    嫡嫡(チャクチャク)の音転。嫡子から嫡子→まじりけがない。
                                    「ちゃきちゃきの江戸っ子」等。
チャック            ちゃっく        巾着の「ちゃく」の音転。ファスナー。
猪口                ちょこ          酒杯を表わす鍾の福建音「チョク」の音転。
  へなちょこ        へなちょこ      =変なちょこ。
釣瓶                つるべ          訓読み+音読み。
天蚕糸              てぐす          天糸(テングシ)の転。楓蚕・樟蚕の幼虫から取った糸。釣糸に用いる。
天辺                てっぺん        天辺(テンペン)の転。
てんで              てんで          天(テン)で。全く。「てんで話しにならない」等。
でんと              でんと          殿(デン)と。殿は尻のこと。尻をおろす形容。「でんとかまえる」等。
店屋物              てんやもの      音読み+訓読み。
薹                  とう            塔(トウ)の転。野菜類の伸び出た花茎。
ドジ                どじ            =土地。土地は相撲用語で土俵の外のこと。「ドジを踏む」等。
到頭                とうとう        音読み。
途轍もない          とてつもない    「途轍」はすじみち。筋道からはずれている。
  とんでもない      とんでもない    =途でもない。「途轍もない」と同じ。
頓                  とみ            頓(トン)の転。にわかなこと。急なこと。「老眼がとみに進んだ」等。
乃至                ないし          音読み。
納屋                なや            「な」は「のう」の慣用音。
納戸                なんど          「なん」は「のう」の慣用音。
鳰                  にお            入(ニュウ)の音転。カイツブリの古名。
                                    水の中に入ることから入の音をとって名づけた。
二進も三進もいかない
                    にっちもさっちもいかない
                                    =にっしん(二進)もさんしん(三進)も。そろばんの用語から。
                                    そろばんの計算がうまくいかない→金銭の融通がきかない
                                    →物事が行き詰まって身動きのとれない。
暖簾                のれん          唐音「のんれん」の音転。
暢気・呑気          のんき          暖気の唐音「のんき」の転。
垪                  は              塀(ヘイ)の音転。
鉢                  はち            鉢の呉音。漢音はハツ。梵語のpatraの漢訳。
撥                  ばち            音読み。琵琶・三味線などの弦を弾き鳴らす具。
  桴・枹            ばち            撥の延。太鼓などを打つ棒。
派手                はで            破手の転。
楾                  はんぞう        =半挿。湯や水を注ぐ木製の容器。
                                    柄の中の穴を湯・水が通ずるようにしてあり、この柄が
                                    半分本体の中に挿しこまれているところからの名。
酷い                ひどい          「非道」を活用させた語。
ひょんな            ひょんな        凶の華音。
瓶                  びん            瓶の唐音。
ぶきっちょ          ぶきっちょ      無器用(ブキヨウ)の音転。
附子                ぶす・ぶし      音読み。トリカブトの毒→嫌なもの
  醜女              ぶす・ぶおんな  嫌な女
  醜男              ぶおとこ        嫌な男
布団・蒲団          ふとん          布団の唐音。
鮒                  ふな            鮒(フ)+な(魚)
ふんだん            ふんだん        不断(フダン)の音転。多くあるさま。
部                  べ              部(ブ)の音転。
塀・屏              へい            塀の漢音。
へぼ                へぼ            平凡(ヘイボン)の音転。へた。「へぼ将棋」等。
帆                  ほ              帆(ハン)の音転。
焙じる              ほうじる        「ほう」は「ばい」の慣用音。「焙茶(ほうじちゃ)」等。
木瓜                ぼけ            木瓜(ボクカ)の音転。バラ科の落葉低木。
仏                  ほとけ          仏(フツ)の音転+け
ぼられる            ぼられる        暴利
翻車魚              まんぼう        =万宝。万宝というお守り袋に似ているから。
魅する              みする          魅(ミ)の延。不思議な力で人の心を引きつけ迷わす。
槿・木槿            むくげ          木槿(モクキン)の音転。
無患子              むくろじ        木欒子(モクレンジ)の音転。ムクロジ科の落葉高木。
惨い・酷い          むごい          「無下」を活用させた語。
  惨たらしい        むごたらしい
無茶                むちゃ          無作(ムサ)の転。筋道の立たないこと。度をはずれたこと。
  無茶苦茶          むちゃくちゃ
  むしゃくしゃ      むしゃくしゃ
  目茶苦茶          めちゃくちゃ
杢                  もく            大工。
目論む              もくろむ        目論+む。
猛者                もさ            猛者(モウシャ)の音転。
勿体                もったい        物の本体→重々しい。
  勿体ない          もったいない    物の値打ちが生かされず無駄になるのが惜しい。
  勿体ぶる          もったいぶる    重々しく振舞う。
木綿                もめん          文綿(モンメン)の音転。
薬缶                やかん          薬缶(ヤクカン)の音転。元は薬をせんじるのに使った。
故                  ゆえ            由縁(ユエン)の音転。
  所以              ゆえん          =ゆえ(故)になり
柚                  ゆず            =柚子(ユズ)。ミカン科の常緑低木。
湯たんぽ            ゆたんぽ        =湯(ゆ)湯婆(たんぽ)。湯婆は唐音。
他所                よそ            余所(ヨショ)の音転。
  余所余所しい      よそよそしい
栗鼠                りす            栗鼠(リッソ)の音転。
れっきとした        れっきとした    =歴とした。歴然とした→はっきりしている。
碌でなし            ろくでなし      =陸でなし。役に立たない者。碌は当て字。
                                    陸→水平→ゆがみない→正しい、まじめ、十分。
碌に                ろくに          =陸に。十分に。



【外国語が語源】

海豹                あざらし        アイヌ語。「痣」からという説もある。
小豆                あずき          アイヌ語のアンツキの音転。
臼                  うす            アイヌ語。碗状のもの。
蝦夷                えみし          アイヌ語で人をあらわすエンヂュの音転。北海道の原住民。
  蝦夷              えぞ            北海道の地。
  夷・戎            えびす          =えみし(蝦夷)。未開人。
  恵比寿            えびす          =えみし(蝦夷)。七福神の一人。
膃肭臍              おっとせい      膃肭(アイヌ語オンネウの中国での音訳)の臍の意。
                                    その陰茎を臍と称して薬用にしたことから、わが国で動物名とした。
柳葉魚              ししゃも        アイヌ語のススハム(柳の葉)。
馴鹿                となかい        アイヌ語。
海馬                とど            アイヌ語。
椴松                とどまつ        「とど」はアイヌ語。北海道に生える松。
海獺・海猟・猟虎    らっこ          アイヌ語。

ペテン              ぺてん          中国語 bengzi の音転。詐欺。「ペテンに掛ける」等。
ペケ                ぺけ            中国語 buke(不可)の音転。

鵲                  かささぎ        かさ=朝鮮半島の古名「かし」。朝鮮のさぎ。
唐                  から            朝鮮南部の古国の名に基づく。
  韓                から            朝鮮。
  漢                から            中国などの外国。
蜘蛛                くも            朝鮮語のクムの音転。
畔                  くろ            朝鮮語のクロ(めぐる)。あぜみち。
高麗・狛            こま            高句麗(コウクリ)の音転。
  独楽              こま            「こま(高麗)つぶり」の略。「つぶり」は丸いもの。子供の玩具。
    貝独楽          べいごま        「べい」は貝(バイ)の音転。貝の殻にとかした鉛をつぎこんで作った独楽。
  狛犬              こまいぬ        高麗から伝わった犬。神社に置かれた一対の獅子。
鶴・寉              つる            朝鮮語のツルミ(群れ)の音転。
麕                  のろ            朝鮮語。シカの一種。
パッチ              ぱっち          朝鮮語のパッチ(袴)。股引の長くて足首まであるもの。
味噌                みそ            朝鮮語。蜜祖。
山羊                やぎ            朝鮮語のヤングの音転。「野牛」との説もある。

痘痕                あばた          サンスクリット語 arbuda の音転。八寒地獄の第一。にきびあと。
尼                  あま            サンスクリット語 amba の音転。
瓦                  かわら          サンスクリット語 kapala の音転。
  甃                しきがわら
  土器              かわらけ        =かわら(瓦)け(笥)。 素焼の陶器。
畩・袈裟            けさ            サンスクリット語 kasaya  の音転。僧衣をおおう長方形の布。
  大袈裟            おおげさ        実際より誇張する。
しだら              しだら          サンスクリット語 sutra(きっちり束ねる)の音転。しまり。
  不しだら          ふしだら        しまりがない。だらしがない。
達磨                だるま          サンスクリット語 dharma の音転。
旦那                だんな          サンスクリット語 dahna(施し) の音転。
南風                はえ            サンスクリット語 vayu(風神) の音転。みなみかぜ。おだやかな順風。
幡                  はた            サンスクリット語 pataka の音転。仏・菩薩の威徳を示す荘厳具。
馬鹿                ばか            サンスクリット語 moha(無知)から。「馬鹿」は当て字。
  馬鹿に            ばかに          非常に。「馬鹿におとなしい」等。
  馬鹿貝・馬珂貝    ばかがい        馬鹿に多く取れる貝。バカガイ科の二枚貝。
  ばかばか          ばかばか        たくさん。「ばかばか取れる」等。
  馬鹿馬鹿しい      ばかばかしい    とても馬鹿らしい。
寺                  てら            パーリ語 thera(長老)の音転。

金糸雀              かなりあ        ポルトガル語 canaria
歌留多・加留多      かるた          ポルトガル語 carta
  カルテ            かるて          ドイツ語     Karte
  カード            かーど          英語         card
  チャート          ちゃーと        英語         chart
合羽                かっぱ          ポルトガル語 cappa(頭巾)
シャボン            しゃぼん        ポルトガル語 sabao(石鹸)の音転。
  仙人掌            さぼてん        =シャボン手。石鹸のように汚れを落とす成分があり、手の形だから。
襦袢                じゅばん        ポルトガル語 gibao(肌着)の音転。
  ズボン            ずぼん          フランス語   jupon(女子の下裾着)の音転。
  ジャンパー        じゃんぱー      英語         jumper(上着)の音転。
煙草・莨            たばこ          ポルトガル語 tabaco
哨吶                ちゃるめら      ポルトガル語 charamela
天麩羅・天婦羅      てんぷら        ポルトガル語 temporas(斎時)の音転。
鈕・釦              ぼたん          ポルトガル語 botao
木乃伊              みいら          ポルトガル語 mirra の音転。
金平糖              こんぺいとう    ポルトガル語 confeito
如雨露              じょうろ        ポルトガル語 jarro(水差し)の音転。
飛竜頭・飛竜子      ひりょうず      ポルトガル語 filhosの音転。がんもどき。
ブランコ            ぶらんこ        ポルトガル語 balanco の音転。バランスと同語源。
バッテラ            ばってら        ポルトガル語 bateira(小舟)。元は小舟の形の寿司。

お転婆              おてんば        オランダ語 ontembaar の音転。
オランダ            おらんだ        オランダ西部のホランド州をポルトガル語で
                                    オランダと発音し、ポルトガル宣教師が日本に伝えた。
                                    正式な国名はNederland
硝子                がらす          オランダ語 glas の音転。
ドンタク            どんたく        オランダ語 zondag(日曜日)の音転。休日。
  半ドン            はんどん        半分ドンタク。午後が休みの日。土曜日。
ポン酢              ぽんず          オランダ語 pons の音転。
瓦斯                がす            オランダ語 gas
曹達                そーだ          オランダ語 soda
紅殻                べにがら        オランダ語 Bengala の音転。
                                    インドのベンガルに産した、帯黄赤色の顔料。
ランドセル          らんどせる      オランダ語 ransel の音転。軍人が背負うカバン。
                                    学習院が採用。伊藤博文が皇太子に箱型の丈夫なカバンを送った。

海象・海馬          せいうち        ロシア語 sivuch(トド)の音転。
イクラ              いくら          ロシア語 ikra(魚卵)

オクラ              おくら          英語 okra
缶                  かん            英語 can
倶楽部              くらぶ          英語 club
型録                かたろぐ        英語 catalogue
珈琲                こーひー        英語 coffee
冗句                じょうく        英語 joke
燐寸                まっち          英語 match
背広                せびろ          英語 civil clothes(市民服)の音転。
ビラ                びら            英語 bill の音転。広告の張り紙。
別珍                べっちん        英語 velveteen の音転。綿ビロードの通称。
アイロン            あいろん        英語 iron の音転。
ミシン              みしん          英語 machine の音転。sewing machine の後半をとったもの。
ガラス              がらす          英語 glass の音転。
セコンド            せこんど        英語 second の音転。
                                    第2試合に出る選手をリングサイドに置いたことから。

エリンギ            えりんぎ        イタリア語 eryngi

さぼる              さぼる          フランス語 sabotage の省略「サボ」に「る」を付けた。
ズボン              ずぼん          フランス語 jupon の音転。
ポチ                ぽち            フランス語 petit の音転。
浪漫                ろまん          フランス語 roman

デマ                でま            ドイツ語 Demagogie(扇動)の略。「出任せ(でまかせ)」の略ではない。

南瓜                かぼちゃ        カンボジアから。
煙管                きせる          カンボジア語 khsier の音転。

じゃが芋            じゃがいも      ジャカルタから。

軍鶏                しゃも          シャム(タイ国の旧称)から。

獅・獅子・師子      しし            古代ペルシア語の音訳。ライオン。

秦                  はた            ハダの転。古代の渡来系の氏族。

チョコレート        ちょこれーと    アステカ族の言葉 ショコラートル(苦い水)



【外国語用の漢字】

粁                  キロメートル    長さの単位
粨                  ヘクトメートル  長さの単位
籵                  デカメートル    長さの単位
米                  メートル        長さの単位
粉                  デシメートル    長さの単位
糎・珊              センチメートル  長さの単位
粍                  ミリメートル    長さの単位

哩                  マイル          長さの単位
碼                  ヤード          長さの単位
呎                  フィート        長さの単位
吋                  インチ          長さの単位

瓲・噸              トン            重量の単位
瓩                  キログラム      重量の単位
瓸                  ヘクトグラム    重量の単位
瓧                  デカグラム      重量の単位
瓦                  グラム          重量の単位
瓰                  デシグラム      重量の単位
甅                  センチグラム    重量の単位
瓱                  ミリグラム      重量の単位

听・磅              ポンド          重量の単位

竏                  キロリットル    体積の単位
竡                  ヘクトリットル  体積の単位
竍                  デカリットル    体積の単位
立                  リットル        体積の単位
竕                  デシリットル    体積の単位
竰                  センチリットル  体積の単位
竓                  ミリリットル    体積の単位

頁                  ページ

弗                  ドル            アメリカの通貨単位
仙                  セント          アメリカの通貨単位
片                  ペンス          イギリスの通貨単位
志                  シリング        イギリスの通貨単位
法                  フラン          フランスの通貨単位

打                  ダース          12個

節                  ノット          舟の速度

亜                  アジア          亜細亜の略
印                  インド          印度の略
泰                  タイ
比                  フィリピン      比律賓の略
越                  ベトナム        越南の略
土                  トルコ          土耳古の略
欧                  ヨーロッパ      欧羅巴の略
葡                  ポルトガル      葡萄牙の略
蘭                  オランダ        和蘭の略
英                  イギリス        英吉利の略
愛                  アイルランド    愛蘭の略
仏                  フランス        仏蘭西の略
伊                  イタリア        伊太利の略
西                  スペイン        西班牙の略
独                  ドイツ          独逸の略
墺                  オーストリア    墺太利の略
希                  ギリシア        希臘の略
勃                  ブルガリア      勃牙利の略
洪                  ハンガリー      洪牙利の略
露                  ロシア          露西亜の略
米                  アメリカ        亜米利加の略
加                  カナダ          加奈陀の略
墨                  メキシコ        墨西哥の略
伯                  ブラジル        伯剌西爾の略
豪                  オーストラリア  濠太剌利の略



----------------------------------------------------------------------------------------------------
**  音で分類できないもの  **

【体】

顎                  あご            =あぎと(交所)
頤                  おとがい        =おとぎあい(乙牙合)、あてがい(当交)。したあご。
腰                  こし            =こ(凝)し(集)。力の凝り集まるところ。
脛・臑              すね            「すぐに伸びた骨」の略。
脛                  はぎ            語源不明。
陰核                へのこ          語源不明。
肝・胆              きも            =こりもの(凝物)



【動物】

鼬                  いたち          =いを(魚)たち(絶)。池の魚を取り尽くすから。
獺                  うそ            =うお(魚)おそ(食)。「川獺」等。
亀                  かめ            =かひみ(殻身)、かがみ(屈)
氈鹿・羚羊          かもしか        カモは獣毛で織った敷物。カモの原料になる鹿。
狐                  きつね          =来つ寝。
鯨                  くじら          =くちびろ(口広)
鼈                  すっぽん        鳴き声が「スホン」と聞こえることから。
狸・貍              たぬき          手貫(手袋)の皮に持ちいるから。
むささび            むささび        =む(身)ささ(細)び(飛)
狢・貉              むじな          =もしあな(茂穴)。アナグマの異称。
蝦蟇・蟐・螳        もみ            語源不明。アカガエルの異称。
ももんが            ももんが        もも=もみ鼠。が=鳴き声。リス科の動物。
鰐                  わに            「われ(割)にくき(醜)」の略。



【鳥】

青啄木鳥            あおげら        背が緑色の啄木鳥。「けら」は「きつつき」の別名。
信天翁・阿房鳥      あほうどり      人を恐れず、すぐに捕獲できたことから。
交喙                いすか          =いすかし(很)。くちばしが上下交差して合わないことから。
鷽                  うそ            「うそ」は鳴く声。
鴛・鴦              おしどり        =おし(愛)鳥。夫婦愛の深い鳥。
かいつぶり          かいつぶり      「掻いつ潜りつ」を略したもの。カイツブリ科の水鳥。
郭公                かっこう        カッコウと鳴く声。
雁・鳫              かり            カリカリと鳴く声。
雉                  きじ            きぎし(雉子)の略。「きぎ」は泣き声。
鵠                  くぐい          「くぐい」は鳴く声。
鳧・鳬              けり            「けり」は鳴く声。
鷺                  さぎ            さやき(鮮明な)鳥。白い羽が鮮明だから。
四十雀              しじゅうから    鳴き声が「シイシイカラ」と聞こえることから。
鴇・朱鷺・鴾        とき            「つき」の転。「つき」は泣き声。
鵺                  ぬえ            語源不明。
鷂                  はしたか        くちばしが鋭い鷹。
鳩・鴿              はと            はたはたという羽音。
鶲・火焼            ひたき          火打石を打つ音に似た「ひっひっ」という地鳴きをする鳥。
雛                  ひよこ          「ひよ」と鳴く子。
鶚・雎鳩            みさご          =みずさぐる(水探)。水中の魚を探し、捕食する鳥。
鷦鷯                みそさざい      =みそ(溝)さざい(さざめく)。スズメ目ミソサザイ科の鳥。
鷲                  わし            =あし(悪)。性格が荒々しいので。



【魚介】

醤蝦                あみ            細かい網で捕ることから。
鮟鱇                あんこう        =あんぐうお(暗愚魚)。愚鈍な印象があるから。
鰻                  うなぎ          みなが(身長)の転。
海老・蝦・鰕・蛯    えび            =枝髭、柄髭
                                    海老:大きいもの。蝦:小さいもの。
鰓                  えら            いきいれ(息入)の転。
鰄                  かいらぎ        =貝らぎ。鮫皮の一種。
梶木・旗魚          かじき          船底の加敷板を突き破る魚。
数の子・鯑          かずのこ        =かど(鰊)の子。「かど」は「にしん」の別名。
鯒                  こち            形がこつ(忽)に似ているから。
細魚                さより          「さ」は狭くて長い意。「より」は「よりどうお」の略。
鰆                  さわら          =さ(狭)はら(腹)。細長いので腹が狭い。
秋刀魚              さんま          さまな(狭真魚)の転。
鮪                  しび            しびは膨れる意。よく肉ののった魚。まぐろ。
蝦蛄                しゃこ          「しゃく(石)か(花)えび(蝦)」の略。
田螺                たにし          「にし」は巻貝のこと。
鯡・鰊              にしん          =二身。身を二つに裂いて干すから。
蜷・蝸螺            にな            みな(水鳴)の転。巻貝の一群の総称。
鰰・燭魚            はたはた        産卵のために岸に寄ってくる12月に雷がなるため、
                                    はたたがみ(霹靂神)にちなんで名づけられた。
鰉                  ひがい          語源不明。
海星                ひとで          =人手
鰤                  ぶり            =ふり(経)うお(魚)。年を経た魚。
鯔・鰡              ぼら            「はら(腹)ふとい(太)」の略。
鱒                  ます            =ます(増)。大型の魚。
馬蛤貝・馬刀貝・蟶貝  まてがい      殻の両側からでる水管が両手=まて(真手)に見えることから。
目高                めだか          目が高い位置にある魚。
若鷺・公魚          わかさぎ        =若さぎ。「さぎ」は小魚の意。



【虫】

虻                  あぶ            「あ」は発語。「ぶ」は羽音。
筬虫・歩行虫        おさむし        おさ(筬)は織機の櫛の歯状の付属具。足が似ていることから
                                    ムカデなど呼称だったが、今のオサムシに転用された。
蝸牛                かたつむり      =かたつぶ(潟螺)。「つぶ」はらせん状のからをもつもの。
螽斯・蟋蟀          きりぎりす      キリキリ鳴くから。
源五郎              げんごろう      「でんぐりかえろ」の音転。
蟋蟀                こおろぎ        コホロ、コホロと鳴くから。
ゴキブリ            ごきぶり        =ごき(御器)かぶり(噛)
蛹                  さなぎ          =さなき(鐸)。振れば音がするから。
つくつく法師・寒蝉  つくつくぼうし  鳴き声から。蝉の一種。
飛蝗                ばった          バタバタと羽を鳴らして飛ぶから。
蜩                  ひぐらし        朝夕の日の暗い内に鳴くから。
蟆子・蚋            ぶよ・ぶゆ      「ぶと」の転。刺されたあとがブツブツするから。
                                    ハエ目ブユ科の昆虫の総称。



【植物】

薊                  あざみ          =あざ(刺)ぎ(木)
翌檜                あすなろ        「明日は檜になろう」から。
馬酔木              あせび          =あしじい(足癈)。馬が食べると酔って足がなえることから。
苺                  いちご          =いちびこ。いちびの実がいちごに似ているので。
鳶尾・一八          いちはつ        =一初。アヤメの仲間の中で一番初めに咲くから。
青麻                いちび          =打ち火。炭にすると火持ちがよいので火口として用いられたから。
狗尾草              えのころぐさ    毛の生えた花穂が子犬=えのころ(狗児)の尾に似ているから。
車前                おおばこ        =大葉子。オオバコ科の多年草。
荻                  おぎ            =をぐ(招)。神を招きおろすという意味。
朮                  おけら          語源不明。キク科の多年草。
沢瀉・面高          おもだか        葉の面に葉脈が高く隆起して見えることから。
万年青              おもと          =大本。根茎が太いから。
杜若・燕子花        かきつばた      =かきつけはな(書付花)。花の汁で布を染めたから。
片栗                かたくり        =かたこゆり。ユリ科の多年草。「かた」は成熟期以外は一葉(片葉)だから。
酢漿草              かたばみ        =かたはみ(片食)。葉の一箇所が食べられたように欠けているから。
羊蹄                ぎしぎし        茎と茎をすりあわせるとギシギシなるから。
黄蘗                きはだ          =黄肌。樹皮の内部が黄色なので。
葛                  くず            くず葛(かずら)の略。奈良県国栖(くず)の地名に因む。
梔子・巵子・山梔子  くちなし        =口無し。果実が熟しても裂開しないから。
胡桃                くるみ          =くれみ(呉実)、くろみ(黒実)
欅                  けやき          =けやけし木。「けやけし」は美しい意。木目の美しい木。
楮                  こうぞ          =かみそ(紙麻)。クワ科の落葉低木。
椹                  さわら          「さわらぎ」の略。さらか(爽)な木。
樒                  しきみ          果実は猛毒で、「悪しき実」が名の由来。シキミ科の常緑小高木。
橲                  じさ            語源不明。木の名。
薇                  ぜんまい        =ぜにまき(銭巻)。渦状の若葉が銭の大きさで巻いているから。
  発条・撥条        ぜんまい        かたちが薇ににているから。
椨                  たぶ            =タフ(堪・耐)。堅い材質で舟材に用いた。
                                    クスノキ科の常緑高木。
栂                  つが            「とが」の転。木が曲がる意。
黄楊・柘植          つげ            =つゆき(梅雨木)。梅雨時に葉が黄色になるから。
木賊                とくさ          =砥草。トクサ科の常緑シダ植物。物を砥ぎ磨くのに用いる。
                                    「木賊」は互いにふれあって火をおこし、山林などの火事の
                                    原因になっていることから。
どくだみ            どくだみ        =毒矯み。ドクダミ科の多年草。病毒を弱める。
野老                ところ          =とこり(凝)。根にかたまりができるから。つる性多年草。
梨                  なし            =なかしろ(中白)。中身が白いから。
薺                  なずな          =なでな(撫菜)。草の名。
棗                  なつめ          =なつうめ(夏梅)。クロウメモドキ科の落葉小高木。
滑子                なめこ          =なめきのこ(滑茸)
韮                  にら            「みら(美辣)」の音転。美味であることから。
楡                  にれ            ぬれ(滑)の転。滑らかだから。ニレ属の落葉高木の総称。
大蒜・葫            にんにく        =忍辱。仏教では僧が食べるのを禁じられていたので忍び食っていたから。
幣                  ぬさ            =ねぎ(祈)ふさ(総)。紙で作って神に祈る時に捧げ持つ物。
沼縄・蓴            ぬなわ          =ぬるのは(滑の葉)。水草の名。ジュンサイの別名。
莠                  はぐさ          =葉草。稲に似ているが、葉ばかりのびてみのらない雑草。
繁縷                はこべ          はくべら(葉配)の転。ナデシコ科の越年草。
薑・椒              はじかみ        =はじけ(弾実)。ショウガ。またはサンショウの古称。
榛                  はしばみ        =は(葉)しわ(皺)み。先がとがり皺がある木、カバノキ科の落葉低木。
黄櫨・櫨・梔        はぜ            =はに(埴)しめ(締)。ウルシ科の落葉高木。
柊                  ひいらぎ        =ひひらく(疼)木。葉のとげに触れると痛いから。
鹿尾菜・羊栖菜      ひじき          =ひずきも(干杉藻)。乾燥した杉の枝が褐色になることから。
蒜                  ひる            辛くて「ヒリヒリ」するから。ネギやニンニクの古名。
蕗・苳・款冬・菜蕗  ふき            =ふゆき(冬黄)。冬に黄色い花が咲くから。
  石蕗              つわぶき        =つやぶき(艶蕗)。フキに似た葉に光沢があることから。
藤                  ふじ            風に吹き散るから。
椈・山毛欅          ぶな            腐りやすく「分の無い」木、風が吹くと「ブーと鳴る」木。
糸瓜                へちま          「いとうり」から「とうり」になり、「と」は「いろは」で、
                                    「へ」と「ち」の間にあるから、「へち間」となった。
ぺんぺん草          ぺんぺんぐさ    さやの形が三味線のばちに似ているから。ナズナの別称。
朴                  ほお            =ほう(包)。大きな葉に食べ物を盛ったことから。
宿木・寄生木        ほや            やどりぎの古名。
  海鞘・老海鼠      ほや            =ほや(寄生木)。寄生木に似ているから。
柾・正木            まさき          =ま(真)さお(青)き(木)。ニシキギ科の常緑低木。
木天蓼              またたび        =やま(山)たで(蓼)び。マタタビ科の蔓性落葉低木。
満作                まんさく        =まずさく。マンサク科の落葉大低木。春の早くに花が咲く。
茗荷                みょうが        =めが(芽香)
椋                  むく            =剥く。葉で磨き剥く。ニレ科の落葉高木。
  椋鳥              むくどり        椋の実を好んで食べる鳥。
榁・杜松            むろ            =みむれ(実群)。木の名。
山葵                わさび          「わる(悪)さわ(障)ひひく(疼)」の略。
蕨                  わらび          =わらわ(童)こぶし(拳)。形が小児の拳に似てるから。



【月名】

睦月                むつき          旧暦の1月。親族一同集って宴をする「睦み月(むつみつき)」の意。
如月                きさらぎ        旧暦の2月。「きさらぎ」は、生更ぎ。草木の更生する時期。
                                    「如月」は中国での二月の異称。如は、序の当て字で、次第に発生する意。
弥生                やよい          旧暦の3月。弥や生い(いやおい)。草木が生い茂る季節。
卯月                うづき          旧暦の4月。卯の花が咲く月。
皐月                さつき          旧暦の5月。早苗月(さなえつき)。皐は、明るい意。
水無月              みなづき        旧暦の6月。梅雨が明けて水が涸れてなくなる月。
文月                ふみづき        旧暦の7月。7月7日の七夕に詩歌を献じたり、書物を夜風に曝す風習から。
葉月                はづき          旧暦の8月。木の葉が紅葉して落ちる月。
長月                ながつき        旧暦の9月。夜長月(よながつき)。
神無月              かんなづき      旧暦の10月。出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため、
                                    出雲以外には神様が居なくなる月。
霜月                しもつき        旧暦の11月。霜が降る月。
師走                しわす          旧暦の12月。「師走」は、僧侶が仏事で走り回る忙しさから。
                                    「しわす」は、とし(年)はつ(極)、または、し(為)はつ(果)。



【助詞、助動詞等】

哉                  かな・や        語源不明。助詞。
けり                けり            =き(過去回想)+有り。「けりがつく」等。
  けらし            けらし          =けるらし。
  けれども          けれども        =けり+とも
さえ                さえ            =そのうえ。
じゃ                じゃ            =では。「彼じゃない」等。
しゃ                じゃ            =だ。「すぐ行くんじゃ」等。
不                  ず              語源不明。否定の助動詞。
だって              だって          =だ+とて。
たり                たり            =てあり。
だろう              だろう          =であろう。
ちゃった            ちゃった        =てしまった。
弖                  て              語源不明。接続の助詞「て」。弖爾乎波(てにをは)
乍                  ながら          連体修飾を表す上代の助詞「な」に、ものの性質・資質を表す
                                    体言「から」の付いた語。
之・乃              の              語源不明。助詞。
可し                べし            語源不明。助動詞。
可からず            べからず        べかり+ず。
迄                  まで            語源不明。助詞。
等                  ら              語源不明。複数を表わす接尾辞。



【その他】

生憎                あいにく        =あや(奇)にく(憎)。憎らしく思われる→期待どおりにいかない。
あえか              あえか          =あえ(こぼれおちる)か(形容動詞化)。はかなげで美しい。
垢                  あか            =あせ(汗)か(気)
皸                  あかぎれ        =あか(上皮)がり(限)
あからさま          あからさま      =あから(離)さ(狭)ま(間)。短い時間→単刀直入。
呆れる              あきれる        =顎切る  または  空きれる
圷                  あくつ          語源不明。低い土地。
あけすけ            あけすけ        =明け透け
憧れる・憬れる      あこがれる      =あく(在所)かる(離)。あるべき場所よりはなれる→心引かれて出て行く。
阿漕                あこぎ          地名「阿漕ヶ浦」より。ここは禁漁区だった。密漁者に対して言われた。
畔・畦              あぜ            =あ(足)せ(畝)。足で踏む土を盛り上げた田のしきり。
  字                あざ            =あぜ(畦)
朝臣                あそん          =あそ(吾兄)おみ(臣)の略。姓(かばね)の一。
渾名                あだな          アダは他・異の意。
あたふた            あたふた        =あわてふためく。
誂える              あつらえる      あとう(誂)の延。頼む→注文して作る。
艶やか              あでやか        あ(上)で(手)の延→高貴。
あてずっぽう        あてずっぽう    =当て推量。
強ち                あながち        =あな(吾)がち(勝)。自分勝手→必ずしも。
肖る                あやかる        =肖えかかる。「肖ゆ」は似る意。
あやす              あやす          「愛す」の転、または、「相す」の転。
あわよくば          あわよくば      =あわ(間)よく(良)ば。うまくゆけば。
いかさま            いかさま        =いかにも左様で。
いけ好かない        いけすかない    =生け好か無い。なんとはなしに好かない。
誘う                いざなう        =いさ(率)なう
躄る・膝行る        いざる          =い(居)さる(去)。すわったままで進む。
いじましい          いじましい      =意地ましい。意地きたない。
意地らしい          いじらしい      =意地らしい。ひそかに自らの意地を通そうとする優しさ。
板                  いた            =ひた(直)。真っ直ぐな木材。
市                  いち            =五十路、入路
凍てる・冱てる      いてる          =凍つ。「凍てつく寒さ」等
糸                  いと            細い、弱い、線状のもの。
  稚い・幼い        いとけない      =いと(弱)+け+ない(甚)。子供らしく、あどけない。
囲炉裏              いろり          =いる(居)り。
穿つ                うがつ          =う(内)かつ(打)。内に穴を空ける。
氏                  うじ            =うみぢ(生路)、うち(内)
渦                  うず            =うづみず(埋水)、うすみず(臼水)
疼く                うずく          =うご(動)つく(突)。突くような痛み。
蹲る                うずくまる      「うずき(踞)に、くぐまる(屈)」の略。
梲                  うだつ          =う(上)だち(立)。梁の上に立てて棟木を支える短い柱。
台・臺              うてな          =うえたな(上棚)。四方を観望できる高い建物。
奪う                うばう          =うちはらう(打払)
不生女・石女        うまずめ        =産まず女。子を産めない女。
績む                うむ            語源不明。青麻を細く裂き、縒って繋ぐこと。
有耶無耶            うやむや        =有や無や
重                  え              経ると同系。
餌                  え              語源不明。
  餌                えさ            =え(餌)さ
似非                えせ            =え(得)せ(為)ね
箙                  えびら          =えび(葡萄)づら(葛)。矢を入れて背負う道具。
襟・衿              えり            =へり(縁)、えりん(衣輪)
おおっぴら          おおっぴら      =大開き。
おかか              おかか          =お掻き端。鰹節。
大鋸屑              おがくず        =お(大)が(歯)くず(屑)
おくび              おくび          =奥息。げっぷ。
刑部                おさかべ        語源不明。
御座なり            おざなり        当座をつくろうこと。その場のがれにいいかげんに物事をするさま。
大仏                おさらぎ        =おお(大)きさらぎ(如月)。仏陀は2月(如月)に死んだので、
                                    仏を「きさらぎ」と読ませた。鎌倉時代にあらわれた姓氏。
おしゃま            おしゃま        「おっしゃいます」と大人びた言動する。ませた幼女。
食す                おす            語源不明。貴人の「食う」「飲む」「着る」などの尊敬語。
  養う              やしなう        =おし(食)なう。食べさせ育てる。
お多福              おたふく        =おた(おとがい)ふくれ
誘く                おびく          =をきびく(招引)。「誘き寄せる」「誘き出す」等。
玩具                おもちゃ        「持ち遊び」の転。
哭ぶ・叫ぶ          おらぶ          語源不明。大声で叫ぶ。
肯ふ                かう            語源不明。
  肯ずる            がえんずる      「か(肯)へにす」の音便。「に」は否定の助動詞「ず」の古い連用形。
                                    肯定する。もとは肯定できないという意。
戕牁                かし            語源不明。船をつなぐ杭。
悴む                かじかむ        =かじく(凍)。
傾げる              かしげる        =かし(枯)ぐ。かたむける。「首を傾げる」等。
  傾ぐ              かしぐ          かたむく。
炊ぐ・爨ぐ          かしぐ          =こしき(甑)ぐ。めしを炊たく。
  甑                こしき          炊ぐの名詞形。米などを蒸すのに用いる器。
春日                かすが          枕詞の春日(はるひ)が「かすが」の地にかかることからの当て字。
勝つ・克つ・剋つ    かつ            =か(上)つ
曽て・嘗て          かつて          語源不明。
金椀・鋺            かなまり        =かなまり(金円)。金属製のわん。
可也・可成          かなり          =可なり。程度が高い。「かなり困っている」等。
壁                  かべ            =かへ(垣隔)、かき(構隔)
框                  かまち          =かま(頷)ち(骨)。床の間や床などの端にわたす化粧横木。
からきし            からきし        語源不明。
からすみ            からすみ        =唐墨。形が唐墨(中国製の墨)に似ているから。
                                    ボラの卵巣を塩漬にし、圧搾乾燥したもの。
閂                  かんぬき        =かんのき(貫木)
后・妃              きさき          =きみさききみ(君幸君)。さちをもたらすきみ。
階                  きざはし        =刻み橋。階段。
きな臭い            きなくさい      =木の臭い。木の焦げたように臭い。
杵                  きね            元は「き」。「ね」は意味無く添える語。
きりきり舞い        きりきりまい    キリキリと速い勢いで回る。
ぐうたら            ぐうたら        「ぐう」は愚、「たら」は「たるむ」より。
閾                  しきみ          =しき(敷)もち(持)。門戸の内外の区画を設けるために敷く横木。
潜る                くぐる          =くき(漏)入る
絎ける              くける          =くけ(抜け道)る。縫い目が見えないように隠し縫いする。
嚔                  くしゃみ        =くさめ。くそ(糞)はめ(食)の転。くしゃみをしたあと唱えるの呪文より。
燻る                くすぶる        =ふすぶる
焼べる              くべる          =くゆる(薫)
鎖                  くさり          くさる(鏈)の名詞形。
配る                くばる          =くまる。く(切)は切るの音転。
粂                  くめ            =久(く)米(め)。姓名・地名をあらわすのに用いる字。
けじめ              けじめ          =け(段)じ(の)め(目)
桁                  けた            =方板
笄                  こうがい        かみがき(髪掻)の転。髪をかきあげるのに用いる具。
放く                こく            語源不明。放つ。「嘘を放く」「屁を放く」等。
転ける・倒ける      こける          =こく(倒)
  転かす・倒かす    こかす
痩ける              こける          =こく(漏)。
鐺                  こじり          =こ(木)じり(尻)。垂木の端。
挙る                こぞる          「こ」は「か(掻)」の転。掻く、掠る、擦ると同系。
拘る                こだわる        =こ+たはる。または、こ+さわる。さしさわる→とらわれる。
五徳                ごとく          =ご(炉)とく(床)。火鉢や炉に据えて鉄瓶を掛ける道具。五徳は当て字。
小鉤・鞐            こはぜ          =こはし(鉤端)。足袋等の合せ目を留めるために付ける爪形の物。
誤魔化す            ごまかす        =ごまかし(胡麻菓子)。見せかけだけよくて内容の伴わないもの。
                                    「誤魔」は当て字。
桟敷                さじき          =さじきや(狭敷屋)
鞘                  さや            =さゆ(挿)
  莢                さや            =鞘。「莢豌豆(さやえんどう)」等。
哘                  さそう          語源不明。地名に使われる。
妨げる・碍げる      さまたげる      =さ(狭)ま(間)たぐ。
皿                  さら            =あさ(浅)ら(状態)
沢                  さわ            =さは(多)
癈                  しい            語源不明。身体の器官の作用を失うこと。
  盲                めしい          =目癈。視力を失っていること。
四方手・四緒手      しおで          鞍の前輪と後輪の左右につけて胸懸・鞦をとめる紐。
  牛尾菜            しおで          この草の蔓が絡むのが四方手に似ているから。
栞                  しおり          =枝折
潮騒                しおさい        =しお(潮)さわ(騒)。潮のさしてくる時、波が音を立てること。
醜・鬼              しこ            語源不明。強く頑丈なこと。醜悪なこと。
  四股名            しこな          =しこ(醜)な(名)。謙遜の名→あだな、力士の呼び名。四股は当て字。
しこたま            しこたま        しこ(多)たま(たんまり)。
錏・錣              しころ          =しりころも(尻衣)。兜の鉢の左右から後方に垂れて頸を覆うもの。
尿                  しと            語源不明。小便。
しどろもどろ        しどろもどろ    =四どろ百どろ
  しどけない        しどけない      「しど」は「しどろもどろ」の「しど」。乱れてだらしない。
しぶき              しぶき          =しぶふく(繁吹)
  しぶく            しぶく
地味                じみ            地のままの味→手を加えない→飾らない。
しゃがむ            しゃがむ        =すわりかがむ。
初っ端              しょっぱな      =初(ショ)端(ハナ)
尻繋・鞦            しりがい        =しりがき。牛馬の尻にかけて車の轅や鞍橋を固定させる緒。
汁                  しる            しぼる(絞)と同系。
図々しい            ずうずうしい    「づぶとい」の「づ」を重ねた。
眇                  すがめ          「すが」は細い意。斜視。やぶにらみ。
粐・粭・糘          すくも          語源不明。もみがら。葦・萱などの枯れたもの。
集く                すだく          「つどう」と同系。虫が集まって鳴く。
簾                  すだれ          =す(簾)たれ(垂)
素敵                すてき          「できすぎ」の逆「すぎでき」の略。
すててこ            すててこ        =せってんてん(無一物)+こ。無一物の下着。
既に・已に          すでに          =すぎて(過)、すんで(済)。過ぎた後に。済んだ後に。
  すんでの          すんでの        =既の。すんでのこと=もう少しのところで。
即ち                すなわち        =そのほど(其程)、そのはて(其果)
拗ねる              すねる          語源不明。
ずべら              ずべら          語源不明。しまりのないこと。
  ずぼら            ずぼら          しまりがない。
  ずんべら坊        ずんべらぼう    しまりがない者。
  ずべこう          ずべこう        不良少女。
相撲                すもう          =攻め合う
せびる              せびる          =せぶる。無理に求める。
囎                  そ              語源不明。地名に用いる。
注ぐ・潅ぐ          そそぐ          =そそぐ(添添)、すすぐ(進進)
濡つ                そぼつ          「そぼ」は「しょぼ」の音転。しょぼしょぼとぬれる。「泣き濡つ」等。
そぼろ              そぼろ          =そ(粗)ぼろ(ぼろぼろ)。ひき肉をほぐし炒めたもの。
杣                  そま            =そ(十)ま(山)。樹木を植えつけて材木をとる山。
                                    「そ」は「十分に用意された」意。
だだ                だだ            「いやだいやだ」の音転。「だだをこねる」等。
鐇                  たつき          =たつげ(立削)。工人の用いる刃の広い斧。
訛む                たむ            語源不明。言葉がなまる。発音がにごる。
  濁声・訛声        だみごえ        たみ(訛)声。
駄目                だめ            つまらない目。囲碁の言葉。
ちぐはぐ            ちぐはぐ        ちぐ=ひとそろい、はぐ=はぐれる。揃うべきものが揃わない。
血塗る・釁る        ちぬる          犠牲の血を器物に塗って神を祀ること。
跛                  ちんば          「ちぐはぐ」から。
ちやほや            ちやほや        「蝶よ花よ」から。
築山                つきやま        =築き山。庭園などに、山に見立てて土砂または石などを用いて築いたもの。
捏ねる              つくねる        こねて丸く固める。
  捏ね              つくね          「捏ねる」の名詞形。練った生地を手で丸めて汁に入れたもの。
つくねん            つくねん        つく=何もしないでじっとする+然。何事もせずにぼんやりしているさま。
つし                つし            =つ(積)し(柴)。家の屋根裏の物置場。
美人局              つつもたせ      =筒持たせ。筒は賭博のサイコロを入れる筒。金をむしりとるから。
津波                つなみ          「津」は、あふれる意。あふれるように押し寄せる波。
募る                つのる          =つ(強)のる(宣)。または、つ(告)のる(宣)。
つべこべ            つべこべ        =つべしかくあるべし。
つみれ              つみれ          =摘み入れ。練った生地をスプーンで摘み取って汁に入れたもの。
瞑る                つむる・つぶる  語源不明。「目を瞑る」等。
剣                  つるぎ          =つりはき(吊佩)、つき(突切)
つんつるてん        つんつるてん    =つき(突)つる(釣)てん(天)。足が突き出し釣る様な衣を着た天王。
                                    着物の短い様子。
為体                ていたらく      =体たらく。タラクは助動詞タリのク語法。
                                    様子であったこと→悪いざま。「何というていたらくだ」等。
でか                でか            かくそで(角袖)=初期の刑事の服装→ソデカク→デカ。
でかい              でかい          =どいかい。「いかい(厳)」は大きい、激しい。
  でっかい          でっかい        「でかい」の促音化。
  デカデカ          でかでか
てっきり            てっきり        =適きり
的屋                てきや          「てき」は軽蔑の意。いかがわしい品物を売る商人。
木偶                でく            で(出)くる(狂)ぼう(坊)の略。操り人形。
手薬煉              てぐすね        =て(手)くす(薬)ね(煉)。弓のすべりどめ。
                                    「てぐすねをひく」=弓に滑り止めを塗る→準備して待つ。
凸凹                でこぼこ        たか(高)ひく(低)→たかびく→たくぼく→でくぼく→でこぼこ
  おでこ            おでこ          頭のでている部分→ひたい。
出鱈目              でたらめ        サイコロの目が出たら、その出た目次第。でまかせ。いい加減。
でっちあげ          でっちあげ      =でつ(捏)上げ。捏造の捏は「デツ」とも読む。
でんぐり返る        でんぐりがえる  でん=擬態、ぐり=くるり。
転合・転業          てんごう        =て(手)ごと(事)。手でする悪さ→いたずら。
天こ盛り            てんこもり      天井まで届くように盛る。
てんてこ舞い        てんてこまい    てん=太鼓の音。てこまえ(梃前)=木やりにテコを用い運びやすくする人。
                                    祭礼で神輿の先頭に立って歩く人。忙しくて落ち着いていられない。
                                    「天手古舞い」と書くのは当て字。
手棒                てんぼ          =て(手)ぼう(棒)。魚を網の中へ追い込む棒。
伽                  とぎ            語源不明。動詞のトグは側に寄り添う意。「御伽話」等。
遂げる              とげる          語源不明。
どさ回り            どさまわり      どさ=東北方言で「~と言うこと」。田舎っぽい言葉の地域を回る。
                                    地方回りをすること。
とどのつまり        とどのつまり    とど=出世魚の最終形態。つまるところ。結局。
苫・篷              とま            =とは(鳥羽)。鳥の羽を覆ったようだから。
                                    菅や茅を菰ように編み、和船の上部や小家屋を覆うのに用いるもの。
靹・鞆              とも            =ておも(手面)。弓を射るとき、つるがひじに触れるのを防ぐため、
                                    左ひじに付ける丸いあて皮。
  巴                ともえ          =鞆絵。鞆の側面を図案化した文様。「巴」の字に似た形。
溝                  どぶ            =泥淵
濁酒                どぶろく        =だく(濁)ろう(醪)
どや街              どやがい        どや=宿屋。簡易宿泊所の多くある街。
頓痴気              とんちき        擬人名「頓吉とんきち」の転。人をののしっていう語。まぬけ。
難波・浪速・浪花    なにわ          =な(魚)にわ(庭)。魚が取れる庭。
弄る・嬲る          なぶる          =馴れ+触る
垂んとす            なんなんとす    =なり(成)な(完了)ん(推量)とする。まさにそうなろうとする。
新                  にい            「におう(映)ひ(日)」の略。
  贄                にえ            =にいあえ(新饗)。「生贄(いけにえ)」等。
  俄か              にわか          =にふ(新)か
  むべ              むべ            =おお(大)にえ(贄)。アケビ科の常緑蔓性低木。
躙る                にじる          =にぶ(鈍)する(擦)
膠                  にべ            にべのにかわ(膠)の略。粘着力の強いところから、転じて、
                                    他人に親密感を与えること。愛想。「膠もない返事」等。
  鮸                にべ            「にべ」は「にかわ」の俗称。ニベ科の海産の硬骨魚。
                                    この魚の浮き袋でにかわをつくることから。
若気る              にやける        なよなよしている。
糠                  ぬか            =ぬけかわ(抜け皮)
  零余子            むかご          =ぬか(糠)ご(子)。ヤマノイモの葉のつけ根に生ずる珠芽
額ずく              ぬかずく        =ぬか(額)突く
泥濘む              ぬかるむ        =ぬか(泥)るむ。
  泥濘る            ぬかる
饅                  ぬた            =沼田。ぬるぬるした感じが沼田に似ているから。
                                    野菜や魚介類を酢味噌で和えた料理。
布                  ぬの            =のび(延)の(幅)
塒                  ねぐら          =ねくら(寝座)
懇ろ                ねんごろ        =ね(根)もころ(凝)。草の根がはるように、親切にする。
罵る                のる
  罵る              ののしる        =の(罵)の(罵)しる。
蠅帳                はいちょう      =はえちょう。蠅などが入るのをふせぐため金網を張った戸棚。
椪                  はえ            語源不明。原木や米俵を積み重ねたもの。
羽織                はおり          =はふり(放)
博打                ばくち          =はく(博)うち(打)。
芒                  はしか          語源不明。イネ科の植物の花の外殻にある針のような突起。
  麻疹              はしか          喉に「はしか(芒)」が刺さった感じがするから。
斜                  はす            =端隅
旗                  はた            「張る」の延。
  はためく          はためく
  パタパタ          ぱたぱた
機                  はた            =はえ(延)たて(立)
はったい粉          はったいこ      =はたい粉。はたいた粉。米や麦の穀を炒って焦がしひいて粉にしたもの。
はったり            はったり        =はた(徴)る。大きな態度で金銭を奪う→誇大な振る舞い。
波止場              はとば          港の波止(はと)のある場所。
刎ねる              はねる          語源不明。
醤・醢              ひしお・ししびしお
                                    =ひたししお(浸塩)。肉のしおから。発酵調味料。
襞                  ひだ            「ひ」=重なる。「だ」=畳まる。
直垂                ひたたれ        =ひた(直)たれ(垂)。武家の代表的衣服。
櫃                  ひつ            語源不明。「米櫃」等。
人いきれ            ひといきれ      =ひと(人)いきれ(熱)。人が多くて熱気やにおいが立ちこめること。
陳ねる              ひねる          語源不明。ふるびる。年を経る。老成する。ませる。「ひねた子供」等。
罅                  ひび            「ヒミ」の音転。陶器の罅。
  皹                ひび            「ヒミ」の音転。皮膚の皹。
神籬                ひもろぎ        =ひ(霊)もろ(盛)ぎ(城)。神が降りる座→神社。
  胙                ひもろぎ        神籬に供える物の意から、神に供える米・餅・肉など。
簸る                ひる            語源不明。箕で穀物などをあおって屑を除く。
  箕                み              =ひ(簸)。穀物からもみがらをふるい分ける農具。
腑甲斐無い          ふがいない      =言ふ甲斐なし。いくじがない。
雲脂・頭垢          ふけ            =ふ(陳)け(化)、ふ(浮)け(苔)
畚                  ふご            =ふかご(深籠)。竹・わらで編み、物を盛って運搬する具。
斑                  ふ              語源不明。まだら。「斑入り」等。
  斑                ぶち            =ふ(斑)ちり(散)
舳                  へ              =「~へ」、「経る」。「舳先(へさき)」等
へいこら            へいこら        =へいへいこれはこれは。ぺこぺこ頭を下げるさま。
平ちゃら            へいちゃら・へっちゃら
                                    =平気ちゃら。
へったくれ          へったくれ      =へた(蔕)くれ(塊)。取るに足りない。
樮                  ほくそ          =ほくち(火口)。地名に使われる。
苧屑頭巾            ほくそずきん    オクソズキンの転。カラムシの茎で作った頭巾。
  ほくそ笑む        ほくそえむ      苧屑頭巾の影で人に見えないように笑う。
                                    物事がうまくいったとひそかに笑う。
埃                  ほこり          =ほおこり(火起)
  埃っぽい          ほこりっぽい
絆す                ほだす          語源不明。つなぎとめる。束縛する。
粗・略              ほぼ            語源不明。
外持・帆待          ほまち          =帆待。出帆までの船頭の内職→へそくり。
盆暗                ぼんくら        ばくちで、采を伏せた盆の中に眼光がとおらないで常に負けるという意。
                                    ぼんやりしていて、ものがわかっていないさま。
蒔く・撒く・播く    まく            丸(まる)と同系。丸く散らす。
在す・坐す          います          語源不明。
  在す・坐す        ます            います(在)の略。
  在す・坐す        まします        ます(在)の尊敬語。いらっしゃる。
先ず                まず            =まへいづ(前出)、はつ(初)
籬垣                ませがき        =ま(馬)せ(塞)がき(垣)。竹・木などで作った、低く目のあらい垣。
俎板                まないた        =真魚板
招く                まねく          =前へねく(願)、てまねく(手真似)
満更                まんざら        =まざまざ
陵                  みささぎ        =御狭狭城
しろぐ              しろぐ          語源不明。細かく動く。
  身じろぎ          みじろぎ        身を動かすこと。
御衣木              みそぎ          =み(御)そ(素)ぎ(木)。神仏の像を造るのに用いる木。
尨                  むく            =もく(茂)。毛がふさふさと生えていること。「尨毛」等。
浮腫む              むくむ          語源不明。
莚・筵・席・蓆      むしろ          =も(裳)しろ(代)、み(身)しろ(代)。
  簟                かたむしろ
巡る・廻る・回る    めぐる          まる(円)と同系。
蓍                  めどぎ          =めどぎ(目処草)。めどはぎ(蓍萩)の茎で作った、占いに用いる道具。
設く                まく            あらかじめ準備する。
  設ける            もうける
  儲ける            もうける        あらかじめ準備して利益を得る。
  勿怪の幸い        もっけのさいわい  =設けぬ幸い。思いもかけない幸い。
望月                もちづき        =満ち月。満月。「望」の字は日月相望むから。
もっと              もっと          =もそっと
髻                  もとどり        =本取。髪を頭の頂に束ねた所。
懶・物臭            ものぐさ        ものうさ(物憂)の転。物事を行うのにおっくうな人。
唐土・唐            もろこし        諸越(中国の越の国)の訓読から。中国。
  唐黍・蜀黍        もろこし        中国から渡来した穀類。
  玉蜀黍            とうもろこし    =唐もろこし。アメリカ熱帯地方の原産の穀物。
                                    モロコシに似ていたことから「唐モロコシ(唐は舶来)」と呼ばれる。
匁                  もんめ          =文目
谷                  や              語源不明。
やくざ              やくざ          カブの札の八九三。あわせると一番弱い手。役に立たない者。
恷                  やす・よし      語源不明。人名に用いる。
萢                  やち            =やち(谷地)。沼沢地。
鋏                  やっとこ        =焼き床鋏
雇う                やとう          =や(家)と(人)う。
野暮                やぼ            =野夫。田舎者の意から、気の利かないこと。
縁                  ゆかり          ゆ=所従、かり=ばかり(許)。人と人のつながり。
雪                  ゆき            =ゆ(斎)き(清)。
湯葉                ゆば            「うば」の音転。
酔う                よう            酒を吹き出す声「ヱフ」の転。
  酔っ払い          よっぱらい
よもや              よもや          「得も(よも)」に間投助詞「や」を添えた語。
戦く                わななく        「わなわな」の延。恐怖や寒さで震える。

ホーム