単語家族 漢字編

A01 AN          落ち着ける、上から下へと押す

安              アン            女性を家の中に落ち着かせたさま→落ち着く。
按              アン            上から下へと押す
案              アン            ひじを落ち着ける机
晏              アン            日が上から下に落ちる→時刻がおそい。
鞍              アン            馬の背をおさえるかわ製のくら
鮟              アン            おさえつけた形をした魚→なまず。鮟鱇(あんこう)。
偃              エン            低く下にふせる
堰              エン            土を押さえ固めてつくり、水流を押さえとめるせき。
宴              エン            家の中に落ち着きくつろぐ→うたげ。



106 AG          おさえる、つかえる

亜・亞          ア              建物の土台
悪・惡          アク            胸がつかえて気持ちがわるい
唖              アク            おし。声がのどにつかえて出ない。
堊              アク            下積みとなる土台
於              オ              つかえる
淤              オ              水をせき止める
塢              オ              流れを止める堤
烏              オ・ウ・ア      オとつかえるような鳴き方をするカラス
央              オウ            人間の頭の真ん中を、押し下げた姿→真ん中
英              エイ            中央のくぼんだような花
  瑛            エイ            花のように美しい玉
秧              ヨウ            苗を押さえて植えつける
怏              オウ            心がおさえられてへこむ



184 IR          隠す

衣              イ              体を隠す衣
依              イ              他の物にたよって隠れる
隠・隱          イン・オン      丘や堆土によって隠れる
穏・穩          オン            動きをかくす→おだやか
殷              イン            腹中に胎児をかくす→中にものがいっぱいつまって充実している
慇              イン            いたむ。心の中に憂いを隠している。
煙・烟          エン            煙でものが見えなくなる
湮              エン・イン      しずむ。水が上を覆って見えなくなる。
堙              イン            ふさぐ。土をかけて見えなくする。
巾              キン            肌を隠す布



136 EK          いっぱい、満たす

益              エキ            水がいっぱいになる
溢              イツ            あふれるほど、いっぱいになる
縊              エイ            首をくくる。息がつまっていっぱいになる。
隘              アイ            いっぱいにふさがってせまい



049 OG          細い、かすか、しなやか、おく深い、暗い

幺              ヨウ            ちいさく細い
幼              ヨウ            力の弱い小さい子
窈              ヨウ            奥深くてかすかにしか見えない
幽              ユウ            かすか
憂              ユウ            かぼそく沈みがち
優              ユウ            しずしずと動く俳優
夭              ヨウ            なよなよとして弱い
妖              ヨウ            なまめかしい。女のしなやかなさま。
沃              ヨク            水でうるおしてしなやかにする
奥・奧          オウ・オク      おく深い場所
澳              オウ            水が奥ふかくはいりこんだ所
杳              ヨウ            暗い



066 OG          細く引き締める

要              ヨウ            しめつける、もとめる
腰              ヨウ            細くしめるウエスト
約              ヨウ・ヤク      小さく細くつづめる
邀              ヨウ            出口をせまくしぼって、そこから出てくる相手をもとめる
竅              キョウ          引きしまった、細いあな



023 IG          つかえる、ふくむ、中に押さえ込む

矣              イ              「あい」という嘆声。息がつかえてとまる。
挨              アイ            つかえて押しあうこと
埃              アイ            すみにつかえて止まったほこり
疑              ギ              思案にくれて進まない
礙              ガイ            じゃまをしてとめる
凝              ギョウ          固まってとまる
擬              ギ              ためらう
痴・癡          チ              何かにつかえて知恵が働かない→おろか。
意              イ              おもいを胸中に含んで外に出さない→おもう。
憶              ヨク・オク      おもいを心中に含んで胸が詰まる→おもう、おぼえる。
臆              ヨク・オク      胸の中でおもい巡らす→心の奥。
億              オク            胸いっぱいに考えうるだけ考えた大きな数。
印              イン            上から押さえて印を押す。
抑              ヨク            中におさえ含む。
因              イン            ふとんの上に人が乗る→上に乗る→ふまえる、よる。
茵              イン            人が乗る草であんだ敷物。
姻              イン            結婚によって、一つの姓の上に他の姓の縁が重なり乗る→婚姻。
恩              オン            心の上にのしかかって何かの印象を残す→いつくしむ。
氤              イン            気が重なる→気がたちこめる、気が和らぐ、おだやかにこもる。
碍              ガイ            つかえる
医・醫          イ              酒つぼに薬草を封じこみ、薬酒をかもす



100 KAG         下のものをカバーする

下              カ              原義は下に何かを置いてカバーする。
家              カ              下にあるものを屋根でカバーしたもの。
稼              カ              取り入れてカバーした穀物。
嫁              カ              他家に住み着く。
仮・假          カ              仮面をかぶせる→かり。
暇              カ              所要の日時の上にかぶせたよけいな日時→ひま。
遐              カ              大きくへだたる。
蝦              カ              からをかぶった節足動物→エビ。
霞              カ              水気がたなびいて物の姿をおおい隠す→かすみ。
夏              カ              仮面をかぶって舞う人。カバーする→大きい→大きく成長する夏。
廈・厦          カ              大屋根をかぶせたいえ
胡              コ              上からかぶさってたれる肉。
湖              コ              大地をカバーする大きな水。
糊              コ              表面をぬり隠す→のり。
襾              ア              カバーする。
賈              コ・カ          倉に品物を買いためること。
価・價          カ              買いためて商売する→ねだん。
估・沽          コ              売値。
庫              コ              屋根でものをカバーする。
居              キョ            何かの上に尻を乗せる→いる。
裾              キョ            外からカバーする衣→すそ。
踞・倨          キョ            尻を乗せて動かない→尊大。
拠・據・据      キョ            土台や支柱の上に落ち着く。
鋸              キョ            動かないようにすえる金床、金敷き。のこぎり。
車              シャ            上に何かを乗せる→くるま。



219 KAP         ふたをして封じる、覆う

厭              エン            上から封じこめる→いっぱいつまってうんざりする→あきる。
艶・艷          エン            色けがいっぱいにつまっている→つややか。
圧・壓          オウ・アツ      土をかぶせて出られないようにおさえつける
奄              エン            おおう
掩              エン            おおう
淹              エン            水につけておおう
庵              アン            屋根でおおったいおり
甲              コウ・カン      かぶせる→かぶと
匣              コウ            はこ
押              オウ            外からかぶせておさえる→おす。
盍              コウ            かぶせる
蓋・葢・盖      コウ・ガイ      かぶせて上からふたをする→おおう
闔              コウ            門のとびらをあわせてとじる
合              ゴウ            ふたをする→合わせる
袷              コウ            裏地と表地とを合わせた衣→あわせ。
恰              コウ            心にぴったりとあう→あたかも。
盒              ゴウ            ふたをする
閤              コウ            閉じあわせてしめておく小門→くぐりど。
函・凾          カン            物をしまいこむはこ
涵              カン            水気を中に含む
敢              カン            封じこまれた状態を、思い切って手で払いのける
檻              カン            おり。動物を封じておく囲い。
  濫            ラン            水がわく(檻)の外にあふれ出る。



160 KAR         上にのせる、高く上がる、乾燥する

加              カ              上に加える。
駕              ガ・カ          馬の背にくびきを乗せる。
枷              カ              柄の先に動く棒を乗せ穂を叩く器具→手や首に乗せるカセ。
架              カ              棒を上に乗せ渡す→かける。
嘉              カ              たかつきにごちそうを盛る→よい。
賀              ガ              礼物をうずたかく乗せる→お祝い。
珈              カ              婦人の髪の上に加える飾り。珈琲(コーヒー)は当て字。
茄              カ              上に花の座をのせるはすのくき。はちす。なす。
騎              キ              馬に乗る。
何              カ              棒を肩に担う。「なに」の意は仮借。
荷              カ              茎の先端に乗った蓮の葉→肩にのせてになう。
掲              ケイ            上にかかげる。
碣              ケツ            高い崖の上に乗った岩。
蝎              カツ            毒の有る尾を高く上げるさそり。
桀              ケツ            罪人を木に乗せてはりつけにする→かかげる。
傑・杰          ケツ            高く衆人の上に出た人物。
乾              カン            空気が高く上る→乾いた空気。
翰              カン            高く飛ぶ。
旱              カン            乾いたこと。
悍              カン            乾いた心→気が強い。
  侃            カン            性格などが強いさま。
軒              ケン            高く反り上がった家ののき。
汗              カン            熱く乾いた時にでる汗。
寒              カン            乾燥した季節→さむい。
漢              カン            水のない銀河→湖北省漢水→民族名。王朝名。
建              ケン            高く立つ→たてる。
健              ケン            高く堂々と立つ→すこやか。
鍵              ケン            筒型のじょうまえにつきたてるかぎ。
献・獻          ケン・コン      犬の肉を食器に盛ってさしあげる→たてまつる。



163 KAT         ふさぎとめる

害              ガイ・カイ      停滞してふさがり止る→そこなう。
轄              カツ            車輪が抜けるのを抑え止める留め金。
                                →おさえとめる。とりしまる。「管轄」等。
丐              カイ            乞食が行人を押しとどめ施しを請う→こう。
遏              アツ            じゃましてとめる→とどめる。
謁              エツ            おしとどめて直訴する→まみえる。
憲              ケン            人間の勝手な行為を抑え止める決まり→おきて。
閑              カン            門に木を渡して牛馬が勝手に出るのを防ぎ止める。
                                「ひま」の意は「間」に当てた仮借。
干              カン            敵を防ぎ止める武器。
                                「ほす」の意は「乾」に当てた仮借。
扞・捍          カン            相手を押し止めて身を守る→ふせぐ。
奸              カン            干は突く棒で、突いておかす→女性を冒す→よこしま。
訐              ケツ            人の非行を防ぎ止めるよう意見する→あばく。
諫・諌          カン            人の非行を防ぎ止めるよう意見する→いさめる。
竿              カン            太い竹棒→さお。
杆・桿          カン            太い棒
幹              カン            干は、太い棒の意。中心となる丈夫なみき。
  韓            カン            丈夫な井戸の枠。現在は朝鮮南部の国名として用いられる。
肝              カン            身体の中心となる幹(みき)の役目をするかん臓。
姦              カン            奸と同じく、女性を冒す→よこしま。



164 KAT         二つに分ける、間

割              カツ            切ってわける→わる。
齧・囓          ゲツ            かんで切れ目をつける。
契              ケイ            目印を刻み、二つに割って手形にする割符→契約。
喫              キツ            歯で傷をつけてかじる→食べる、飲む。
介              カイ            両側に二つにわかれ間にはさむ→なかだちをする。
界・畍          カイ            田畑の区切り→境界。
堺              カイ            土地の区切り→境界。
芥              カイ            小さくわける→小さい実をつけるからしな。あくた。
間・閒          カン            あいだ。
簡              カン            ひもでつづってすきまのできる竹の札→文書・手紙。
柬              カン            よりわける→えらぶ。
  揀            カン            そろえておいて、よい物をえらび出す。
  錬            レン            金属をとかし、不純物をよりわけて良質にする→ねる。
  煉            レン            火を加えて鉱石の不純物をとり除き金属をねりあげる→ねる、きたえる。
幵              ケン            2つのものを並べてそろえる→平ら。
研              ケン            平らに削る→みがく。
  硯            ケン            平らに削ったすずり。
刊              カン            凸凹を削って長さをそろえる→けずる。
                                昔、木や竹の札に字を書き、誤字があればそれを小刀でけずって
                                訂正したため、書物を整えて世に出すのを「刊行」という。
栞              カン            同じ大きさに四角く切りとった木のふだ→しおり。
遣              ケン            両手で物の一部をさいて、人にやる→つかわす、やる。
肩              ケン            平らなかた。
見              ケン            間から見える→見る。
看              カン            手をかざして見る。
俔              ケン            覗き見する。
現              ゲン            玉がみえる→あらわれる。
顕・顯          ケン            顔を明るみに出して、はっきりと見せる→あらわ。



159 KAR         かぎ型に曲がる、かすれる、かたよる

可              カ              のどの曲がりめでかすれ声を出す
河              カ              かぎ形に曲がって流れる黄河
阿              ア              かぎ形の台地
柯              カ              斧オノをかぎ形にとりつける柄
呵              カ              のどをかすらせる。
苛              カ              のどをひりひりさせる植物→きつい摩擦や刺激を与える行為。
訶              カ              かすれ声でどなる
歌・謌          カ              屈曲したふしをつけてうたう
奇・竒          キ              人のからだが屈曲してかどばり、かたよって目だつさま
倚              イ              かたよる、正常でない、もたれる
椅              イ              よりかかるいす
掎              キ              バランスを欠いてかたむいた構え
崎・嵜          キ              平均を欠き傾斜した山や山道。陸地の突き出た部分→さき。
埼              キ              崎と同じ。
寄              キ              かたよる、よりかかる
畸              キ              はんぱ。井田として区切ることのできないはしたの耕作地。
綺              キ              いろいろと曲がった模様を織り出した絹織物→あや。
曷              カツ            はっと喉元をかすれさせてどなる。
喝              カツ            喉をかすれさせてどなる→しかる。
渇              カツ            水気がなくなって、のどがかすれる→かわく。
  褐            カツ            ひからびて、ごつごつした繊維の布。かわいた感じの茶色。
  葛            カツ            茎がかわいてつる状をなし、切っても汁が出ない植物→くず、かずら。
竭              ケツ            力がかすれる→つきる。



047 KOG         つかえて曲がる

攷              コウ            曲がりくねりつつ奥までつきつめる→かんがえる。
考              コウ            腰の曲がった老人→曲折してつきつめる→かんがえる。
拷              ゴウ・コウ      うちすえて究問する→うつ。かすめる。
哮              コウ            のどを屈曲させて声を出す→ほえる。
号・號          ゴウ            のどを屈曲させて声を出す→さけぶ。
告              コク            号に当てた字→つげる
誥              コウ            つげる
巧              コウ            まがりくねった細工→たくみ。
朽              キュウ          木が曲がる→くちる。
九              キュウ          手を曲げて引き締める姿→最後の引き締めにあたる九の数。
究              キュウ          曲がりつつ奥へ進む→きわめる。
尻              コウ            奥深い曲ったしりの穴。
軌              キ              曲線を描いて曲がるわだち。
旭              キョク          あさひ。九は、曲折したあげくに伸び出る意。
                                隠れていた太陽が、ようやく輝きはじめること。
臭              シュウ          曲った鼻の穴で嗅ぐ→くさい。
嗅              キュウ          曲った鼻の穴で嗅ぐ→かぐ。
咎              キュウ          障害につかえて順調な進みが曲がる→とが。
宮              キュウ          奥深く曲りくねった建物→みや
弓              キュウ          曲がった弓
躬              キュウ          屈曲するからだ→み。みずから。
窮              キュウ          曲がりくねって先がつかえた穴→きわまる。



024 KUIK        かばう、囲う、わく、曲がる、長い

又              ユウ            物をかばう形をした右の手。外から輪をかけたようにかばうの意
                                を含み、転じて、「さらにそのうえに」の意となる。
右              ユウ・ウ        かばうようにして物を持つ手→右手。
佑              ユウ            かばう→たすける。
祐              ユウ            神がかばってたすけてくれる→たすける
友              ユウ            手でかばいあう→とも
有              ユウ・ウ        かばって持つ→ある。
賄              ワイ            とりこんで私有する財貨→まいない、まかなう
宥              ユウ            屋根で囲って中の物をかばう→ゆるす、なだめる
囿              ユウ            わくを構えた区画→とらわれる
郁              イク            村々の境界が区切られて数多く並ぶ→多くの模様がはっきりと区切れて目だつ。
或              ワク            ある領域を区切りそれを武器で守る。「ある」の意は「有」に当てた。
国・國・圀      コク            境界で囲んだ領域→くに。
域              イキ            わくを構えた領分→さかい、くぎり。
惑              ワク            心が狭いわくに囲まれる→まどう。
閾              ヨク            門のところで内部と外部との区域をわける→くぎる。
丘              キュウ          周囲が山で囲まれた盆地→おか。
亀・龜          キ              甲らでからだ全体を囲った亀。
久              キュウ・ク      曲がって長い→ひさしい。
灸              キュウ          もぐさで長い間、火をもやす。
柩              キュウ          長い間、死体を保存するひつぎ
疚              キュウ          亀のように背がかがんだ形になる→なやむ。
臼              キュウ          周囲が囲まれた形の臼。
旧・舊          キュウ          長く時がたつ→ふるい。
舅              キュウ          年長の男性→しゅうと。
廏・廐・厩      キュウ          馬を囲っておく小屋→うまや。
郵              ユウ            伝令の中継所。周りを柵で囲んでいた。



104 KAG         くぼむ、くぼんだ、うつろな、からっぽ

虚              キョ            くぼんだところ。
凵              カン・ケン      くぼんだ容器。
去              キョ            くぼんで退く。
却・卻          キャク          人が後ろに下がってくぼむ。
脚              キャク          あしは関節でくぼみ曲がる。
隙              ゲキ・ケキ      うつろなすきま。
坑              コウ            中がうつろな穴。
巨              キョ            直角にくぼんでいる定規。両端がへだたったことから巨大の意。
  矩            ク              角度や長さを計るかぎ型の定規。
距              キョ            間に隔たりがある。
拒              キョ            間に隔たりをおいて、接近させない→こばむ。
渠              キョ            くぼんだ溝。



221 KAP         くぼむ

劫・刧          ゴウ・キョウ    力で相手をへこませる→おびやかす。
怯              キョウ          心が後ろに退く→おじける。
陥・陷          カン            あながあいてくぼむ→おちいる。
閻              エン            入り口となる穴のあいた門
欠              ケン            からだをくぼめてあくびをする。
坎              カン            くぼんだあな。
謙              ケン            くぼんで退き後ろに控える→へりくだる。
慊              ケン            心中にうつろな空虚を感じる→あきたらない。
歉              ケン            うつろにくぼんで穴があいた感じ→あきたらない。
嫌              ケン            心中にうつろな空虚を感じ満足いかない→きらう。



220 KAP         間にはさむ、はさまる

夾              キョウ          はさむ
挟・挾          キョウ          はさむ
峡・峽          キョウ          山にはさまれた谷
  岬            コウ            両側を海にはさまれ、海中に突き出た細い陸地→みさき。
狭・狹          キョウ          両側からはさまれてせまい
莢              キョウ          さや。豆類の種子を両方からはさむ外皮。
侠              キョウ          両わきに子分をかかえ仲間どうしで協力する人
頬              キョウ          両側から鼻をはさむほお
鋏              キョウ          はさみ
脇              キョウ          体をはさむ両脇
脅              キョウ          両側からはさんでおどす
叶              キョウ          かなう。人が声をあわせる



216 LAP         集めて引き締める

猟・獵          リョウ          手あたりしだいに数多くあさりとる→かる。
臘・臈          ロウ            百物を集めてまつる年末の感謝祭。
協・恊          キョウ          力を一つにあわせる。
兼              ケン            二つ以上をいっしょにあわせる。
簾              レン            竹をそろえてあんだすだれ。
斂              レン            多くの物をひと所に寄せあつめる。
倹・儉          ケン            散漫にせず、きちんと引き締めた生活→つつましい。
検・檢          ケン            物を一箇所にあわせ集める→集めてよしあしを調べる
験・驗          ケン            実情を知るためにいろいろのことをとりまとめて調べる→ためす。
監              カン            全容を集めて点検する→みる、かんがみる。
鑑・鑒          カン            かんがみる。よく見て品定めをする。(鑑定)
艦              カン            やぐらの上から見おろす大きな軍船。監は上から見おろす意。
藍              ラン            草を集めて絞った染め汁。
攬              ラン            とり集める。



131 KEG         ばらばらに分かれる

解・觧          カイ            肢体をばらばらに分解する。
懈              カイ            心がばらばらに弛む→だらける。
蟹・蠏          カイ            蟹の肢体がばらばらになる。
隔              カク            別々に分離する→へだてる。
支              シ              別々に分離した枝→枝を持つ→支える。
枝              シ              別々に分離した枝。
肢              シ              胴から出た枝→手足。
岐              キ              分かれ道。
跂              キ              分かれた足の指→足の指先でたって、背伸びする。
技              ギ              細かく分離する作業→わざ。
伎・妓          ギ              細かい手芸を行う人→芸人、俳優。



019 KIG         四角い

其              キ              穀物を載せる四角い箕(み)
箕              キ              穀物を載せる四角い箕(み)
棋・棊          キ              四角い木の将棋盤
碁              キ・ゴ          四角い碁盤
旗・籏          キ              四角できちんとした形をしたはた
期              キ              きちんと区切った期日
  季            キ              麦やあわの実る期間→作物のひと実りする三か月間。
欺              キ・ギ          角ばった顔をして見せて、相手をへこませる→あざむく
基              キ              建物の四角の土台
几              キ              足つきの四角い台。
机              キ              つくえ。



020 KIG         曲がったものが伸び立つ

己              キ              人から呼ばれてはっと起立する者→おのれ
起              キ              はっとおきる
紀              キ              注意を呼びおこす糸口→巻く、織る
記              キ              手がかりを引きおこすことばや目じるし
忌              キ              心中にはっと抵抗が起きてすなおに受け入れない→いまわしい。
改              カイ            はっと緊張させておこす→改まる
刻              コク            「記」と同系。刻んで印を付ける。
興              キョウ          もちあげおこす



132 KENG        体を引き締める

敬              ケイ            体を引き締める→うやまう
警              ケイ            緊張して用心させる→いましめる
驚              キョウ          はっと緊張する→驚く
檠              ケイ            ゆだめ(弓を引締める道具)
企              キ              つま先で立つ(全身が緊張する)→遠くを見る→くわだてる



133 KENG        まっすぐに張る

経・經          ケイ            まっすぐに張った織物の縦糸。
径・徑・逕      ケイ            まっすぐな近道。
茎・莖          ケイ            まっすぐなクキ。
軽・輕          ケイ            まっすぐ進む戦車→軽く進む→軽い。
頸・頚          ケイ            まっすぐなクビ。
剄              ケイ            刀でクビを切る。頸からの派生。
脛              ケイ            まっすぐなスネ。
痙              ケイ            筋肉が直線状にひきつる。
勁              ケイ            まっすぐに張る→つよい。



134 KEK         固いものがコツンと当たる

撃              ゲキ            うつ。堅い物をかちんとうち当てる。
磬              ケイ            うちいし。中国代の楽器。
  馨            ケイ            磬はすみきった音を出す石板。馨はすんだかおりがすること。
声・聲          セイ            耳で磬の音を聞くさま→こえ。
謦              ケイ            せきばらい。楽器の磬の音と似た、甲高い音でケンケンとせく声。



204 KET         締まる。いっぱい詰める。

吉              キチ・キツ      壺をいっぱいにして、ふたを固く締めた姿。内容の充実したこと→よい。
結              ケツ            糸やひもで入り口をしっかりと締める→ゆわえつける。
詰              キツ            いっぱいにつめる。問いつめる。
頡              ケツ・キツ      あたまが緊張する→鳥が羽を緊張させて上に向かって飛ぶ。
桔              ケツ            かたくしまった実をつける草木。
一・弌・壱・壹  イツ・イチ      壺+吉。壺いっぱい→ひとつ。
噎              イツ・エツ      のどが詰まる→むせぶ。
咽              エツ            むせぶ。
臣              シン            身をかたくこわばらせて平伏するどれい。
緊              キン            糸かたくしめる。
堅              ケン            かたい。
賢              ケン            ひきしまってぬけめがない→かしこい。
腎              ジン            精力を蓄えてからだをかっちりと引きしめる内臓。
虔              ケン            緊張してつつしみ深くする→かしこまる。
筋              キン            すじばって、ひきしまった筋肉。すじ。
潔              ケツ            水でぐっと引き締める→いさぎよい。



183 KIR         狭い、細かい、わずか、小さい、近い

幾              キ              わずかの幅→ちかい。わずかの数→いくつ
機              キ              細かい部品のある装置
畿              キ              都にちかい土地
譏              キ              相手に鋭くせまって問いただす→そしる、とがめる
磯              キ              水ぎわに近い石→いそ。
饑              キ              食物がわずか→うえる
希              キ              微小で少ない→まれ。小さいすきまを通して何かを求める→ねがう。
  稀            キ              まれ。まばら。
斤              キン            おのの刃を近づけて切ろうとするさま→おの。
                                おのを用いて物の重さをはかったため目方の単位。
  釿            ギン            おの→物をたち切る。
  芹            キン            春に刃物でかりとる草→せり。
近              キン            わずかの距離→ちかい
祈              キ              幸福にちかづこうとする→いのる
飢              キ              食物がわずか→うえる
肌              キ              きめ細かい組織がびっしりつまっているはだ。
菫              キン            紫色の小さな花を開くすみれ
僅              キン            わずか
饉              キン            食物がわずか
勤              キン            力を出し尽くして余力がわずかになる→つとめる
懃              キン            細細と心を尽くす→ねんごろ
謹              キン            細かく言動に気を配る→つつしむ



A05 KIR         にぎやか、近づける

豈              ガイ            にぎやかな軍楽。指示・強調の「あに」は仮借。
剴              カイ            刃物を近づけて、ごしごしと切る。
磑              ガイ            接近させて、ごしごしと、こする→うす。
凱              ガイ            たのしく食事する→たのしむ。
鎧              ガイ            金属片をよせてつくったよろい。動くと、よろいずれの音がする。



186 KIN         じっと止まる、深く根をおろす

艮              ゴン            一定の所に止まっていつまでも取れない→強情。
眼              ガン            頭骨の穴に、しっかりと、はまっている目。
根              コン            動かない根
痕              コン            いつまでも取れない傷あと
恨              コン            止まって取れないうらみ
跟              コン            じっと地について、人体をささえるかかと。
很              コン            根を降ろしたようにかたくな→もとる。
限              ゲン            動かない境界→かぎり
艱              カン            動きがとれない→困難でつらい。
懇              コン            心をこめて深く念をおす→ねんごろ
墾              コン            力をこめて深く耕す
銀              ギン            いつまでもあとをとどめる、腐食しにくい金属→ぎん。
垠              ギン            消えにくい境界線のしるし。



021 KIK         ぴんと張る

革              カク            力をこめて堅く張る皮
克              コク            張りきってたえる
亟              キョク          力をこめて張りきる
極              キョク          端から端まで張ったしん柱。両極端。
棘              キョク          とげが張り出したいばら
苟              キョク          ぐいと引きしめる
亥              カイ            ぴんと張った豚の骨組み
骸              ガイ            ぴんと張った骨格
孩              ガイ            骨格のできた幼児
核              カク            果実の骨組み→堅い殻や芯
駭              カイ            おどろいて心身が緊張する
該              ガイ            緊張させる命令→当てはまる(該当)
劾              ガイ            相手のあやまちを言いたてて、たるみを引締める
戒              カイ            緊張して備える→いましめる
誡              カイ            ことばで注意を与え、相手の気を引締める→いましめる
械              カイ            手足をいましめる木製のかせ→しかけのある道具
亙              コウ            端から端までぴんと張る→わたる
恒・恆          コウ            いつもぴんと張り詰めた心→つね



211 KIP         中に入れてふさぐ

今              キン            囲みとじて押さえる→押さえている時間→今
含              ガン            口をふさいで、ふくむ
吟              ギン            口をふさいで、声だけ出す
衿              キン            衣類をとじあわせるえり。
念              ネン            心中深く含んで考える
稔              ニン・ネン      穀物のなかみがいっぱい詰まる→みのる。
琴              キン            胴を密封して中に音がこもる楽器→こと。
禁              キン            神域を林でかこんで出入りをとめる
噤              キン            口をふさぐ
襟              キン            胸もとをふさぐえり
禽              キン            動物をとり押さえる
擒              キン            とじこめて捕らえる。
金              キン            土の中に点々ととじこもって含まれた砂金→金、かね。
  錦            キン            金糸を織りこんだ絹織物→にしき。
欽              キン            表情や動作を外に出さず中に含めて、つつしむ。
咸              カン            おさえて口をふさぐ
緘              カン            とじる。
減              ゲン            水流がふさぎ止められて水がへる。
感              カン            ショックを与えて口をとじさせる→強い刺激を受ける→感じる。
憾              カン            残念な感じが強いショックとして心に残る。
鹹              カン            強い刺激の味→からい。
塩・鹽          エン            強い刺激の味→しお。
喊              カン            大声で相手にショックを与える→さけぶ。
銜・啣          カン            口をふさぐ→くつわ。
音              イン・オン      口に何かを含み、ウーと含み声を出す
暗・闇          アン            ふさがってくらい
陰              イン            とじこめる→隠す、暗い
  蔭            イン            草木のかげ。
邑              ユウ            人民の服従するその領地。中にふさぎこめる。
飲・飮          イン            こぼれないように、口の中に入れて、とじこめる->のむ。
応・應          オウ            心でしっかりと受け止める→こたえる。
膺              ヨウ            よしと受け止める胸板→むね、うける。
鷹              ヨウ            たか。飼いならして、胸に抱きかかえ、たか狩りに使う。
甘              カン            口にふくむ→あまい
  柑            カン            うまい実のなるみかん。
紺              コン            濃い青色を含んだ染め糸の色。
拑              カン            中にこめて、はさむ。
鉗              カン            金ばさみ
箝              カン            はさんでふくむ



A02 KIP         届く、追いつく

及              キュウ          届く。
吸              キュウ          水面に口を届かせ、急いですいあげる→すう。
  泣            キュウ          息をすいこむようにしてせきあげてなく。
汲              キュウ          水面につるべを届かせ、急いで引きあげる→くむ。
扱              ソウ            手が届いて物を処理する→あつかう。
級              キュウ          糸が切れると後から一段また一段とつぎ足す→一段一段と順序をなす。
笈              キュウ          ぴったりと背につける竹かご。
急              キュウ          追い着くように、せかせかと急ぐ。
給              キュウ          追い着くように、ぴたりとあてがう→たまう。



046 KOG         ひきしめる、よじ合わせる

求              キュウ          離れないようにと引き締める→もとめる
救              キュウ          引き止める→すくう
球              キュウ          中心に引き締まった形のたま。
毬              キュウ          表面が毛で球状に包まれたまり。
裘              キュウ          ひきしめて着る皮ごろも。
逑              キュウ          中心にむけて締めるように、一か所にあつまる
糾              キュウ          引き締める
叫              キョウ          のどを締めて金切り声を出す
鳩              キュウ          ひと所にあつまって群れをなす鳥
掬              キク            手をまるくちぢめてすくう
鞠              キク            まり
菊              キク            中心に向けてまるく締まったきくの花
告              コク            牛の角に棒をゆわえつけ動けなくする
梏              コク            手を引きしめて、動かせなくする手かせ
酷              コク            きつくゆとりがない



065 KOG         ×型に交叉する、しぼる

交              コウ            ×型にまじわる
咬              コウ            上下のあごや歯を交差させてぐっとかみしめる
絞              コウ            ひもを交差させて両方から引きしぼる
校              コウ            交差させてつきあわす
較              カク            まじえ比べる
佼              コウ            足をねじらせ体をくねらせてなよなよとする人
狡              コウ            犬が身をくねらせて、すばしっこく逃げる→ずるい
効・效          コウ            交流して習う
傚              コウ            人と交わり、みならう
郊              コウ            交は、行き来する意。町から行き来できる範囲の間近い村里。
爻              コウ            交差する
肴              コウ            ×形に交差させて並べた肉
淆              コウ            ×型にまじり合う
酵              コウ            酒つぼの中で原料が交わって変化が生じる。
教              キョウ          子どもと交流対し、知識を受け渡す→おしえる。
学・學・斈      ガク            伝授の交流が行われる→まなぶ。
覚・覺          カク            見聞きした刺激が一点に交わってまとまり、はっと知覚される
撹・攪          カク            ×型にまぜる



063 KOG         高い

高              コウ            高い
蒿              コウ            背の高いよし→よもぎ。
稿・稾          コウ            背の高いコウリャンの茎→わら。
  藁            コウ            わら。
喬              キョウ          高い
僑              キョウ          高く抜き出てひとりだちする人→他郷で自活する人
橋              キョウ          高くしなった渡し木→はし
驕              キョウ          背の高い馬→おごる
矯              キョウ          曲がって高くのびる→ためる
嬌              キョウ          すらりとしてしなやか→なまめかしい
蕎              キョウ          背がたかい草→トウダイグサ科の多年草。そば。
尭・堯          ギョウ          高い
翹              ギョウ          高くかかげた羽→あげる
嶢              ギョウ          高い山→高い
驍              ギョウ          背の高い馬。
僥              キョウ          ひときわ高い望みをもって背のびする→こい願う。
県・縣          ケン            高い所からぶらさげる→かける
懸              ケン            かけてぶらさげる→かける
梟              キョウ          高く木の上にかけて鳥をさらす→ふくろう
傲              ゴウ            高ぶる→おごる
豪              ゴウ            やまあらしの背の高く目だったこわい毛→つよい
  壕            ゴウ            城下に巡らした太いほり。
毫              ゴウ            長く荒い毛



067 NGOG        ガヤガヤと音を出す

敖              ゴウ            伸び伸びと大声を出す→相手かまわずにふるまう→おごる。
嗷              ゴウ            自由気ままに大声を出す→うそぶく。
囂              ゴウ            がやがやと騒ぐ→やかましい。
楽・樂          ガク・ラク      がやがやと大声を出して楽しむ。



064 KOG         乾いた、白い、固い、激しい

槁              コウ            乾いた枯れ木=>かれる。
塙              コウ            乾いた土→かたい。
縞              コウ            しろぎぬ。しま。
敲              コウ            堅いものでこつこつとたたく。
膏              コウ            白いあぶらののった肉。
暁・曉          ギョウ          東の空がしらむ→あかつき。
杲              コウ            太陽が木の上にある→白く明るい→あきらか
昊              コウ            白い太陽のあかるい空→なつぞら。
皓・晧          コウ            白い
皎              キョウ          白い
鶴・寉          カク            白いつる
確              カク            白い石英→かたくて明白→たしか
覈              カク            かたくしまった。
激              ゲキ            堅い物がぶつかる→はげしい
檄              ゲキ            聴き手に強い衝撃を与えるふれ文
劇              ゲキ            はげしい
虐              ギャク          はげしい→しいたげる
瘧              ギャク          ひどい発作
謔              ギャク          ひどい冗談→たわむれる
熬              ゴウ            強い火でいりつける→いる
叩              コウ            固い物をこつんとたたく



076 KUK         中空の堅いカラ

角              カク            外側がかたく中空であるつの。
斛              コク            四角い形の大きいます。
殻・殼          カク            固いから。
穀              コク            固いからをかぶった穀物の実。
轂              コク            車輪の中心にある固く丸いこしき。
愨              カク            義理堅い。



101 KAG         固い、つかえて止まる、まっすぐ

古              コ              ひからびて固い昔のもの→ふるい
枯              コ              木がひからびて固い→かれる
姑              コ              古びた老女→しゅうとめ
故              コ              かたまって固定した事実→ゆえ、かたくなった死人→故人
詁              コ              古いことば
固              コ              固い
涸              コ              水がなくなって固くなる→かれる
個              コ              固い個体
箇・个          カ・コ          固形の物を数えるときのことば
錮              コ              溶かした金属を流しこんで固めてすき間をふさぐ。
                                罪人などを閉じ込める。「禁錮」等。
苦              ク              口がこわばってつばが出ない感じ→にがい。くるしい。
各              カク            固くつかえる石→一つ一つの個物→おのおの
格              カク            固くつかえる枝→しん棒
  戟            ゲキ・キャク    固くひっかける棒→柄にゆわえつけたほこ。
恪              カク            固い心→つつしむ
咯              カク            のどがつかえる
挌              カク            かたい物をぶつけてなぐりあう
骼              カク            鳥や獣のかたいほね
閣              カク            扉につかえて止める扉止めの石
擱              カク            つかえて止まる
客              カク・キャク    主人の宿に足を止めてつかえ止まった客人
額              ガク            頭のうち、特に固くて、こつんと受けとめるひたい
酪              ラク            各は、かたまる意。乳が固くなった乳酸飲料。
戸              コ              人の通行を止める戸
  雇            コ              かごの戸をとじて、中に鳥を飼う→やとう。戸
  顧            コ              せまいわくをかぎって、その中で頭をめぐら→かえりみる。
行              コウ            直線をなして進む→いく
衡              コウ            まっすぐなはかり棒
桁              コウ            まっすぐなけた
亢              コウ            まっすぐにたっている
頏              コウ            まっすぐにのびた人のくび
抗              コウ            まっすぐたって手向う
杭              コウ            まっすぐたったくい
航              コウ            舟がまっすぐ進む
岡・崗          コウ            かたく平らな、山の背。がっちりした丘。
  京・亰        キョウ          岡の上につくった都市。
  勍            ケイ            がっちりして力づよい。
  鯨            ゲイ            京は、大きい意。大きいくじら。
  慶            ケイ            力強く明朗→よろこぶ。
剛              ゴウ            刀の材料にする鋼→かたい、つよい
綱              コウ            固く強いつな
鋼              コウ            固いはがね



103 KANG        かっちりと固い、くっきりと区切る

僵              キョウ          からだがこわばって伸びてしまう。
彊              キョウ          弓がかたく張る→つよい。
疆              キョウ          土地にくっきりとかたく区切りをつける→土地のさかいめ
強              キョウ          かたいからのかぶと虫→つよい。
竟              キョウ          音楽のおわり、楽章の最後→おわる。
境              キョウ          末端のきれめ→さかい。
鏡              キョウ          銅をみがいて、明暗のさかいめをはっきりうつし出すかがみ。
勍              ケイ            がっちりして力づよい。
景              ケイ            明暗のくぎりめ→ひかげ。
影              エイ            光によって明暗の境界がついた→かげ。
憬              ケイ            景は「明るく大きい光」。心の中が明るくなる→あこがれる。
映・暎          エイ            明暗のけじめが浮き出る→うつす、はえる。
競・竸          ケイ            勝ち負けをはっきりさせる→きそう



074 KUG         穴、突き通る

口              コウ            くち。体の穴。
釦              コウ            あなのあいた金かざり。ボタン。
后              コウ            しりの穴→うしろ→後宮に住むきさき。
後              コウ            うしろ。
侯              コウ            的を矢で射た穴→矢を射る人→爵位。
  候            コウ            侯(高貴な人)のご機嫌をうかがう。
喉              コウ            のど。体の穴。
谷              コク            あなのあいたたに。
欲・慾          ヨク            心中に空虚な穴があり、それをうめたい気持ち→ほしい。
浴              ヨク            くぼみの水の中にはいる。
容              ヨウ            くぼんだ入れ物。
  窯・窰        ヨウ            大きな容器→かま。
裕              ユウ            衣服と体との間が空いていてゆとりがある→ゆたか。
俗              ゾク            人間が中にはいりこみ、ひたりこんでいる環境→ならわし。
工              コウ            物に穴をあける→工作。
扛              コウ            棒を突き通してかつぎ持つ→あげる。
攻              コウ            突き抜く、突っこむ→せめる。
空              クウ            突き抜けたあな→からっぽ。
控              コウ            くぼんで後ろにさがる→ひかえる。
  扣            コウ            ひかえる。
腔              コウ            のどのつきぬけたあな
肛              コウ            しりのあな
江              コウ            大陸をつらぬく大河
杠              コウ            直線状に貫通した棒→橋。
項              コウ            頭と背の間をまっすぐ貫いたくび
虹              コウ            天空を貫くにじ
鞏              キョウ          革に穴を空け縛る→かためる。
恐              キョウ          穴のあいたようにうつろな感じ→おそれる。
功              コウ            穴を空ける難しい仕事を完成させる→成功。
貢              コウ            朝廷にものを直通させる→みつぐ。
公              コウ            入り口を開いて公開する→おおやけ。
  翁            オウ            公は位の高い人の意。おきな(長老)。
訟              ショウ          言葉であけすけに通す→うったえる。
頌              ショウ          あけすけにとなえる。
松・枩          ショウ          葉があけすけに離れ、すきまが通っているまつ。
鬆              ショウ          すけて通る。
凶              キョウ          落とし穴にはまってもがく→悪い
匈・胸          キョウ          中に空洞をつつみこんだむね。
孔              コウ            あな。
巷              コウ            つきぬける小路→ちまた。
港              コウ            水上の通路→みなと。



075 KUK         曲がる、細かく入り組んだ

曲              キョク          まがる。
句              ク              まがってくぼむ→くぎり。
  勾            コウ            L字型に曲がる。L字型のもの。もと句と同じ字。
鉤・鈎          コウ・ク        まがったかぎ。
拘              コウ            かぎでひっかけて引きとめる→とらえる。
狗              ク・コウ        からだのまがった小さい犬→いぬ。
駒              ク              からだのまがった小さい馬→こま。
佝              ク              背がまがって小さい人。
局              キョク          狭く入り組んだ所→つぼね。ちぢまる。
区・區          ク              こまごまと曲がって狭いわく→くぎる。
躯              ク              こまかく各部分にわかれたからだ。
傴              ウ              背が曲がって小さい人。
駆・驅・駈      ク              馬が背をかがめて疾走する→かける。
欧・歐          オウ            からだをかがめて食物や血をはく。
殴・毆          オウ            相手がかがむようになるまでうちすえる→なぐる。
枢・樞          スウ            細かい仕組み→とびらの回転軸。
共              キョウ          両手の肘を曲げて物を支える→両手をそろえる→とも。
拱              キョウ          両手をそろえて物をささげる→こまねく。
供              キョウ・ク      両手をそろえて物をささげる→そなえる。とも。
恭              キョウ          両手を組んでかしこまる→うやうやしい。



A03 KUK         もう一つ、二つ組

禺              グウ            頭の大きい人まねざる→似たものが他にもう一つある。
隅              グウ            二つの平面にできるすみ。
偶              グウ            人に似た人形(偶像)、ペア(配偶者)
寓              グウ            本宅のほかにもう一つある仮住まい
遇              グウ            二つが出あう



077 NGUK        ゴツゴツと堅い

玉              ギョク          堅くて質の充実した宝石。
獄              ゴク            堅くごつごつと固めた牢屋。
嶽・岳          ガク            堅くて、ごつごつした岩石でできている山。
愚              グ              ゴツゴツして硬い石頭で融通がきかない→おろか。



102 NGAG        固い芯が張っている

魚              ギョ            かたい背骨のあるさかな。
漁              ギョ・リョウ    魚や貝をとる→すなどる、あさる。
更              コウ            たるんだものを強く両側に張って、引き締める→あらためる。
硬              コウ            石のようにかたく張りつめる→かたい。
梗              コウ            硬い心棒。
哽              コウ            硬く物が喉につかえる→むせる。
庚              コウ            強い心棒→かたい、つよい。
康              コウ            硬くて丈夫→やすらか。
糠              コウ            かたい米のから→ぬか。



112 NGAG        かみ合う、X型、「」型、→←型

牙              ガ              上と下とがちぐはぐにかみあう犬歯→きば。
  雅            ガ              牙は、かみ合って角が取れる意。みやびやか。
芽              ガ              ふた葉がかみあっている植物のめ。
邪              ジャ            正道とくいちがう→よこしま。
五              ゴ              十進法で前半と後半との交差する数→5。
伍              ゴ              五人組。
吾              ゴ              言葉をかわす。「われ」の意は仮借。
語              ゴ              言葉をかわす→かたる。
衙              ガ              十字に交差する道→外側との往来をふせいだ所。
齬              ゴ              互いにちぐはぐにかみあう。
悟              ゴ              感覚が交差してはっと思いあたる→さとる。
梧              ゴ              棒をかみこませてささえる→つかえる。あおぎり。
午              ゴ              上下に交差して、もちをつくきね。「うま」の意は転用。
杵              ショ            上下に交差して、もちをつくきね。
  許            キョ            杵のように上下にずれや幅をもたせて、まあこれでよしといってゆるす。
忤              ゴ              →の方向に対して、←の方向にさからう。
  牾            ゴ              忤と同じ。さからう。
  逆            ギャク          反対方向にさからう。
御              ギョ・ゴ        堅い物をきねでついて柔らかくするように、馬をならす→おさめる。
禦              ギョ            手ごわいものの進入をおさえとめる祭礼→ふせぐ。
咢              ガク            言葉をかわす→やかましく話す。
愕              ガク            やかましく言う→大声を出して驚く。
顎              ガク            上下さかさにかみあわすあご。
諤              ガク            ごつごつしたいい方。
萼・蕚          ガク            ごつごつした花のがく。
互              ゴ              互いに交差する→たがい。
呉              ゴ              語と同系。口をあけて笑う。古くから国名に当てる。
娯              ゴ              口をあけて笑う→たのしむ。
誤              ゴ              くい違う→あやまる。
与              ヨ              かみあう。
舁              ヨ              力がかみあう→力をあわせてかつぎあげる。
與・与          ヨ              両手でいっしょに物を持ちあげる→あたえる。
輿              ヨ              力をあわせて持ちあげるみこし。
挙・擧・舉      キョ            力をあわせて持ちあげる。
誉・譽          ヨ              皆で言葉を合わせて持ち上げる→ほめる。
仰              ギョウ          上下方向にかみあう動作→あおぐ。
  昂            コウ・ゴウ      太陽をあおぐため、頭をあげて上向く→あがる。あおぐ。
迎              ゲイ            →の方向に来るものを、←の方向に迎える。



161 NGAR        角張っている

我              ガ              刃がぎざぎざになった戈(ほこ)。「われ」の意は仮借。
峨・峩          ガ              ぎざぎざと切りたった山。
俄              ガ              何事もなく平らに進んだ事態が、急に厂型にがくんと折れ曲がる→にわかに。
餓              ガ              食物が不足して、からだがごつごつ骨ばる→うえる。
娥              ガ              きわだった顔だちの美人。
蛾              ガ              羽模様のきわだった虫→が。
義              ギ              かどめがたってかっこうのよい→正しい、良い。整った。
儀              ギ              整って手本となる人間の行為。
議              ギ              かどばって折り目のある話。
犠・犧          ギ              姿のととのった牛→いけにえ。
艤              ギ              ふねをきちんと整った姿にする。
宜              ギ              かっこうがよい→よろしい。
誼              ギ              物事がほどよく適切である→よい。
厂              カン            厂型に切りたったがけ。
岸              ガン            厂型にきわだったきし。
崖・崕          ガイ            厂型に切りたったがけ。
涯              ガイ            水辺のがけ。岸。一番終わり。
雁              ガン            きちんと直角に並んで飛ぶ鳥→かり。
贋              ガン            形よく整えた財物→外形だけを形よく似せたにせ物。
彦              ゲン            かどめの正しい顔をした美男→ひこ。
顔・顏          ガン            前額の厂型にひいでたかお。
諺              ゲン            かっこうよい言葉→ことわざ。
言              ゲン・ゴン      はっきりかどめをつけて発音する→いう。



162 NGAT        切り取る

乂・刈・苅      ガイ            伸びた草木をかりとる。
艾              ガイ            草や邪魔物をかりとる。刈り取って使う草→よもぎ。
芸・藝          ゲイ            草木の伸びすぎた枝葉を切り捨て、形を整える→園芸。
歹              ガツ            切りとったほね。
孑              ケツ            手足を切りとった子ども→のこり。
蘖              ゲツ            切りとった切り株。ひこばえ。きりかぶから生じた芽。



222 NGAP        ごつごつとして固い

業              ギョウ・ゴウ    ぎざぎざのとめ木のついた台→でこぼこがあってつかえる
                                →すらりとはいかない仕事。
厳・嚴          ゲン・ゴン      いかつい→きびしい→おごそか。
儼              ゲン            いかめしい。おごそか。
巌・巖          ガン            いかつい岩。
岩              ガン            ごつごつした岩。
嵒              ガン            岩。
癌              ガン            体にできる岩のようなかたまり。



185 KIR         つまる、いっぱいにこもる

既              キ              いっぱいである_
漑              カイ            水をいっぱいに満たす
概              ガイ            ますに米をいっぱいに満たす、ますかき棒
慨              ガイ            胸いっぱいになる
愛              アイ            せつない思いをこらえる
曖              アイ            愛は「胸が詰まって足もそぞろに進みかねる」
                                日が雲にはばまれて進みかねる→日が雲に包まれてくらい、
                                はっきりけじめがつかない。「曖昧」等。
哀              アイ            思いを胸中におさえ、口を隠してむせぶ
噫              アイ            胸がつかえて声が漏れる
气              キ              屈曲して出るいきや湯気。
気・氣          キ              いきが屈曲しながら出てくるさま。
汽              キ              ふかして出る蒸気。
乙              オツ            押さえてつかえさせ止める。
軋              アツ            車輪で上から下へ押さえる→きしる。
乞              キツ            のどをつまらせて息をはく→物ごいする
吃              キツ            息がつかえてどもる
迄              キツ            いきづまりになる→いたる。まで。
訖              キツ            ことばがつかえて止まる
噎              イツ            のどがふさがってつまる



026 KUING       外枠を張る

肱              コウ            外に向けて張り出すひじ。
宏              コウ            張り出てひろい
紘              コウ            中をあけて外に張りわたすひも→つな、ひろい。
雄              ユウ            肩を張って威勢を示すおすの鳥→おす。
弘              コウ            弓をじゅうぶんに張る→ひろい。
穹              キュウ          弓形に広く張ったテント。



107 KUAK        わく、わくで囲む

郭              カク            外枠を囲んだ町
椁・槨          カク            棺おけの外わく
廓              カク            外枠を囲んだ町
矍              カク            枠に鳥を捕まえる
攫              カク            枠に鳥を捕まえる→つかむ
獲              カク            獣を捕まえる→える
穫              カク            穀物をとりいれる→かる。とる。
護              ゴ              枠で囲んでまもる
匡              キョウ          中を空にした四角いわく→ただす
筐・筺          キョウ          竹で作った外わく→かご



108 KUANG       四方に広がる光

光              コウ            ひかり
晃・晄          コウ            光が広く発散する→ひかる、あきらか。
滉              コウ            水が深くひろいさま。晃は、ひろがる意。
洸              コウ            水がひろく広がるさま。光は、四方に広がる意。
煌              コウ            光が四方に広がるさま→かがやく、あきらか
黄              コウ・オウ      火矢→きいろい。
  鉱・鑛・砿    コウ            黄色に光る石→あらがね。精製してない金属を含んだ石。
曠・昿          コウ            光を発散する→発散したあと中が空く→あかるい、むなしい



109 HUANG       大きく広がる、無目的に動きまわる

王              オウ            大きい人→偉大な人→王
旺              オウ            さかん
汪              オウ            広く深いくぼみの水、水が広がる
皇              コウ            人類開祖の偉大な人→皇帝
篁              コウ            どんどん広がり伸びる竹やぶ
惶              コウ            あてもない気持ち→おそれる
徨              コウ            あてもなく行く→さまよう
往・徃          オウ            伸び広がって行く
狂              キョウ          飛び回る犬→くるう
誑              キョウ          でたらめなことを言う→たぶらかす
兄              ケイ・キョウ    大きい人→あに
況・况          キョウ          比較してより大きい事がらを加える接続詞
永              エイ            広く遠く広がる→ながい
詠              エイ            声を引き伸ばして歌う→うたをよむ
泳              エイ            ながながと水にうかぶ→およぐ
広・廣          コウ            ひろがる
壙              コウ            中を中空にした穴
拡・擴          カク            広げる
横              オウ            いっぱい広げた枠を組み立てる木→横に広げる→横
幌              コウ            ひろく張ったほろ
瞿              ク              きょろきょろ見回す
衢              ク              四方に分散する道路→辻道
懼・惧          ク              あちこちをみてびくびくする→おそれる。
虞              グ              おそれ



110 HUAG        U型、∩形に曲がる

于              ウ              喉につかえて屈曲する→「ああ」という声
吁              ウ              喉につかえて屈曲する→「ああ」という声
芋              ウ              丸い芋
盂              ウ              U型にくぼんだ大皿
迂              ウ              曲がっていく
紆              ウ              曲線をなす
宇              ウ              ∩型にまがった屋根
汚              オ              U型にくぼんだ水たまり→きたない
夸              コ              股を開く(股が∩型になる)。距離が大きくなる→大きい
誇              コ              大げさに言う→ほこる
跨              コ              またぐ
胯              コ              また
袴              コ              またがわれた衣服。はかま。
股              コ              もも
華              カ              ∩型やU型にさく花
  樺            カ              下にたれる花を咲かす木→かば。
譁・嘩          カ              大きな声で言う
壺・壷          コ              曲線型のつぼ
瓜              カ              曲線型のうり
  孤            コ              ウリが丸く一つころがっているような一人ぼっちの子ども→みなしご。
  寡            カ              ひとりぼっち→すくない。
瓠              コ              曲線型のひょうたん
弧              コ              まるくくぼんだ弓の弧線
枉              オウ            U型にくぼむ→まがる
鼓・皷          コ              曲線型のつづみ。



165 HUAR        姿を変える、みえない

匕              カ              人が倒れた形で死ぬ→変化する。
化              カ              姿をかえる。
貨              カ              品物に姿をかえる通貨。
花              カ              姿をかえやすいはな。
訛・譌          カ              姿をかえたことば→なまる
囮              カ              姿をかえて相手をだますおとり。
為・爲          イ              原形をかえて何かになる→なす。
偽・僞          ギ              本来の姿をかえる→いつわり、にせ。
換              カン            中身をすっかりとり出してかえる。
幻              ゲン            偽り→実体がない→よく見えない→まぼろし。
玄              ゲン            偽り→実体がない→よく見えない→くらい。
眩              ゲン            よく見えない→目がくらむ。
弦              ゲン            細くてよく見えない→弓の細いひも。
  舷            ゲン            ふなばた。ふねの中心軸に対して、ふなべりは弓の弦に当たる。
絃              ゲン            琴や胡弓などの楽器のいと。
牽              ケン            ひもで引っ張る。



166 KUAR        丸い、とり巻く

臥              ガ              からだをまるめて伏せる
瓦              ガ              半円形にうつぶせたかわら
丸              ガン            まるい
元              ガン            まるい頭
頑              ガン            まるい頭→頑固
玩              ガン            両手をまるめてその中で玉をころがして感触を楽しむ→もてあそぶ。
完              カン            まるくとり囲んで欠け目なく守る
院              イン            まわりをかこんだ土べい
莞              カン            まるい管状の草
冠              カン            まるいかんむり。
宛              エン            おおいの下でからだをまるくかがめる
碗              ワン            まるいおわん
婉              エン            女がからだをくねらせる
椀              ワン            まるくえぐった木製の容器
腕              ワン            まるくまがる手首
苑              エン            まるい囲いの中に花や木や動物をおしこめて養う所
怨              エン            心が押し曲げられてかがんだ感じ→うらむ。
環              カン            まるい輪
還              カン            円をえがいてもとへもどる
圜              カン            まるく囲む
官              カン            かきねで囲んだ公的な家屋に集まった役人。政府。
  宦            カン            官職。
館・舘          カン            公用者が食事するやしき。
管              カン            中空でまるい棒状のもの→くだ。
棺              カン            死体をとりまいて収容する木の箱→ひつぎ。
園・薗          エン            周囲をとり巻いた庭
巻・卷          ケン            まるくまく
  券            ケン            ひもで巻いて保存する手形→印紙、きっぷ。
捲              ケン            まく
圏・圈          ケン            まるくとり巻く
倦              ケン            疲れて身体をまるくかがめる
拳              ケン            まるいこぶし
絹              ケン            まるく巻いた蚕からとる糸→きぬ。
繭              ケン            まるく巻いた蚕のまゆ。
員              イン            まるい形の器→まるい形の物→物を数える単位→人員。
円・圓          エン            まるい
衛・衞          エイ            周囲をとり巻いて守る
弯・彎          ワン            まるく回る
湾・灣          ワン            まるくまがった入り江
斡              ワツ・アツ      天上の北斗星が円を描いてめぐる
委              イ              丸く曲がって垂れる→ゆだねる
萎              イ              丸くしおれて垂れる
痿              イ・ズイ        力が抜けて丸くなる
倭              イ              背がまるく曲がって背の低い人
矮              ワイ            背がまるく曲がって低い
蕊・蕋・蘂      ズイ            柔らかく、力のない草花のしん
果              カ              まるい木の実
  課            カ              成果をたずねて調べる→こころみる。はかる。割り当て。
菓              カ              丸いくだもの。
踝              カ              まるいくるぶし
顆              カ              まるい頭、まるい
裸              ラ              衣服を脱いで丸々した体の中身を外へあらわす→はだか。
禾              カ              まるくたれる穂
和              カ・ワ          まるくまとまる
咼              カ              まるいあな
渦              カ              まるいうず
窩              カ              まるい穴
蝸              カ              まるいかたつむり
鍋              カ              まるいなべ
原              ゲン            まるい平原
願              ガン            まるい頭→融通のきかない→生まじめ→一心に求める→ねがう。
愿              ゲン            生まじめ。
源              ゲン            まるい穴がほげて水のうずまく水源→みなもと。
亘              セン            ぐるりとめぐる
垣              エン            周囲をとり巻いたかき
桓              カン            周囲をめぐらす並木
宣              セン            周囲に広くいきわたる
旋              セン            めぐる
款              カン            木版にまるくくぼめて字をほる。ひとまとまり。
                                まとまった文章(定款)。ひとまとまりの金額(借款)。



167 KUAR        ゆとりをあける、穴、曲がりくねる

禍              カ              神のたたりを受けて思いがけない穴にはまること→わざわい。
過              カ              両側にゆとりがあって、するするとさわりなく通過すること。
拐              カイ            曲がりくねった方法で、相手をだます→かどわかす。
括              カツ            まるい穴の入り口をぎゅっとくびってしめる→くくる。
闊・濶          カツ            ひろびろとしている→ひろい。
寛              カン            ひろく中にゆとりのある家→ひろい。
爰              エン            ゆとりをあける。
援              エン            急場を緩和してたすける。ひっぱる。
緩              カン            結びめの間にゆとりをあける→ゆるむ。
媛              エン            優美なゆとりのあるゆかしい女→ひめ。
袁              エン            ゆったりした着物。
遠              エン            間をあけて離れている→とおい。
猿              エン            援(ひっぱる)と同系。木の枝を引っぱって木登りをするさる。
奐              カン            ゆとりをもって、まるく抜きとる→かえる。
快              カイ            心につかえるものがなくなりさっぱりした→こころよい。



168 KUAT        鍵型にえぐり取る

刮              カツ            刀で穴をえぐる→けずる。
夬              カイ            コ型にえぐる→わける。
抉              ケツ            えぐる。
決・决          ケツ            堤が凵型に欠ける→ずばり切ることから、きっぱりときめる。
缺・欠          ケツ            コ型に欠ける。
訣              ケツ            きっぱり切る→人ときっぱりとわかれる。死別する。
闕              ケツ            城壁や土壁の一部が凵型にくぼんだ門→欠ける。
厥              ケツ            コ型のくぼみにひっかけて石を発射する石弓→くぼむ、まがる。
  蕨            ケツ            厥はちぢんで曲がる意。若芽がちぢんでまるく曲がったわらび。
蹶              ケツ            くぼみに足をひっかけて、つまずく。
亅              ケツ            ひっかけるための曲がったかぎ。
戉              エツ            えぐった形をしたまさかり。
鉞              エツ            まさかり。金を付加して意味を強調。
越              エツ            わくをのりこえる。
戈              カ              かぎ型にえぐれて、敵を引っかけるのに用いる武器→ほこ。
歳              サイ            種まきから手鎌の刃で作物の穂を刈りとるまでの時間→とし。
月              ガツ・ゲツ      丸くえぐったように欠ける月。
外              ガイ・ゲ        丸くえぐって残った外側。
捐              エン            丸くくりぬいて捨て去る。



169 KUAT        水を勢いよく流す

活              カツ            勢いよく動く→いきる。
灌・潅          カン            水をどくどくとそそぎこむ。
盥              カン            水をどくどくそそいで洗う→てあらう、たらい。
浣              カン            水をどくどくそそいで洗う。
憩・憇          ケイ            息づまる胸を静めて、息をなめらかに自由に通す→いこう。



170 KUAN        突き抜ける

貫              カン            つらぬく。
慣              カン            一貫したやり方に沿った気持ち→なれる。
串              カン            つらぬく→くし。
患              カン            心がつらぬかれる→心の底まで気にかかる→わずらう。
穿              セン            穴をあけてとおす→うがつ。
丱              カン            貫く→かんざしを通した髪型。
関・關          カン            つきとおすかんぬき→せき。
川・巛          セン            地面の低みをつらぬいて流れるかわ。
訓              クン            言葉で難題をほぐして通す→おしえる。
釧              セン            宝石や珠に穴をあけ、ひもでつらぬき通して輪にした飾り→くしろ。



171 KUAT        合わせそろえる

会・會          カイ・エ        多くの人が寄りあつまって話をする→会う。
膾              カイ            肉を寄せあわせたごちそう→なます。
絵・繪          カイ・エ        色糸を寄せあわせた模様→彩色を施してえがいたえ。
曰              エツ            話し合う→いう。
話              ワ              あつまって会話する→はなす。
聒              カツ            やかましくいう→かまびすしい。
喧              ケン            口々にしゃべる→かまびすしい。
讙              カン            人や鳥獣が声をあわせてやかましくさわぎたてる→かまびすしい。
歓・歡          カン            口々に喜ぶ。
勧・勸          カン            口々にやかましくいって力づける→すすめる。
顴              カン            左右そろった頬骨。
権・權          ケン            バランスをとってそろえる天秤量り→重さ→権力。
観・觀          カン            物をそろえてみわたす→みる。
喚              カン            口々に(何度も)わいわいわめく→よぶ。
穢              ワイ            ごみごみした雑草→けがれ。



189 HUIR        もやもやとこもる

云              ウン            もぐもぐと口ごもる→いう。
雲              ウン            もやもやとたちこめた水蒸気→くも。
耘              ウン            土をもくもくとこね返す→くさぎる。
魂              コン            もやもやとしてさすらうたましい
熏・燻          クン            煙をこもらせて黒くする→くすぶる。
薫              クン            よいにおいがもやもやとたちこめる→かおる。
醺              クン            酒のにおいがこもる→よう。
勲・勳          クン            かぐわしいてがら→いさお。
葷              クン            においがもやもやとこもる野菜→ねぎ、にらなど。
諢              コン            ことばをぼやかして、おもしろい冗談をいう→たわむれる。



188 KUIT        丸い、とり巻く、ひとめぐり、調和する

回・囘          カイ            まわる
廻              カイ            ぐるぐるとまわって進む→めぐる。
帰・歸・皈      キ              あるべきところにもどる
囗              イ              かこむ。
韋              イ              回る。中心点を示す□印を回って、上の足は←の方向に、
                                下の足は→の方向に進んでいる。
  違            イ              上は←の方向に、下は→の方向に行き違いになる→ちがう。
  諱            キ              上は←の方向に、下は→の方向に言葉がぶつからないよう避ける
                                →あることばをいむ。
緯              イ              縦糸の間をめぐって行きつ戻りつする横糸。
囲・圍          イ              まるくかこむ
葦              イ              茎が丸い管状の草→あし。
偉              イ              ひとまわり大きく目だつ。
  貴            キ              大きく目だった財貨→とうとい。
  遺            イ              物を残してたち去り、その物が目だつ→のこす、
                                残して行ったもの→わすれもの→わすれる。
鬼              キ              大きなまるい頭をして足もとの定かでない亡霊
愧              キ              心が縮んでまるく固まってしまう
魁              カイ            まるい大頭→かしら。一団の仲間を率いていく者。さきがけ。
傀              カイ            頭のまるく大きい人形
塊              カイ            まるいかたまり
届・屆          カイ            ずんぐりと丸く太い体で、動作がにぶく止まりがち
                                →一定の場所まで届いて止まる→とどく。
怪・恠          カイ            まるい頭をして突出した異様な感じを与える物→あやしい。
胃              イ              まるいいぶくろ
蝟              イ              まるく集まる
謂              イ              何かをめぐって、ものをいう
彙              イ              体を丸くしたハリネズミ→中心に丸く集まる。集まり。「語彙」等。
帷              イ              まるくかこむ幕
淮              ワイ・カイ      華南の地を大きくとりまくように流れる河。淮水。
匯              カイ            岸に囲まれた入り江の中を水がぐるぐると回る。
位              イ              円座→所定のポスト
尹              イン            調和をとる→ただす。
伊              イ              万事を調和する人物
君              クン            人々に号令して円満周到におさめまとめる人
群・羣          グン            まるくまとまった集団
裙              クン            まるくすそをまくスカート
郡              グン            中心をとりまいた地方区
窘              キン            周囲をとり巻かれ、動きがとれない
困              コン            囲んでとじこめる→動きがとれないでこまる。
梱              コン            まるくまとめてしばる
軍              グン            まるい集団をなす兵隊
渾              コン            まるく一つにまとまる
運              ウン            まるくめぐる
暉              キ              光源からまるく輪をなして四方に広がるひかり。
揮              キ              まるく円を描いて手を振る→ふるう。
暈              ウン            まるく太陽をとり巻いたかさ。
輝              キ              光の中心をまるくとりまいたひかり→かがやく。
昆              コン            まるく一団をなす
混              コン            まるく一つにまとまる
癸              キ              十干が一巡してもとに戻ろうとするその最後の位。みずのと。
揆              キ              コンパスを回してはかる。
葵              キ              太陽に向いてまわるひまわり。
韻・韵          イン            音調がととのう
均              キン            まるく全部に行き渡る
允              イン            調和がとれて誠実→まこと。
骨              コツ            なめらかに動く関節のほね
滑              コツ・カツ      なめらかに動く
血              ケツ            ぬるぬるとして、なめらかに全身を回る血。
旬              ジュン          十干をひと回りする十日
絢              ケン            色彩をめぐらしたあや模様。
洵              ジュン          水が回るうずまき。
詢              ジュン          ひとわたりたずねる。
徇              ジュン          ぐるりとひと回りして歩く→めぐる
恂              ジュン          心をすべての面に行き巡らす→欠けめのない心、真実。
殉              ジュン          ぐるりと主君をとりまいて死ぬ→主君、宗教のために死ぬ。
恤              ジュツ          思い巡らす。
恵・惠          ケイ            まるく相手を抱きこむ心→めぐむ。
懐・懷          カイ            胸中やふところに入れて囲む→いだく、なつく。
菌              キン            まるくてかさ状をした植物→きのこ。かび。バクテリア。



187 KUIR        穴、掘る、押し下げる、へこむ

鬱・欝          ウツ            押さえこめる
畏              イ              こわさに押されおののく
隈              ワイ            押さえくぼんだ所
猥              ワイ            押さえつけられて卑屈な
威              イ              女性を力で上から押さえる→おどす
尉              イ・ウツ        おしこめる
熨              イ              ひのしで押しつける
慰              イ              よしよしと頭をおさえてなだめる
屈              クツ            まがってくぼむ
掘              クツ            穴をほってくぼみをつくる
堀              クツ            くぼんだほり
窟              クツ            くぼんだ穴
穴              ケツ            穴
潰              カイ            穴があく
匱              キ              くぼんだ箱
壊・壞          カイ            穴があいてくずれる
毀              キ              穴をあけて、こわす
燬              キ              焼けてこわす
火              カ              焼いて物をこわす火



137 KUEG        山形、ななめ(くずれそう)、すっきりする

圭              ケイ            山形に土を盛る。角が際立ってすっきりする。
佳              カイ・カ        きわだって姿かたちがよい。
奎              ケイ            また。またを開いた形が山形をなすので。
娃              アイ            うつくしい。女性の姿かたちがすっきりときわだってよい。
桂              ケイ            全体が△型に育ったよい形をしている木→かつら。
危              キ              安定せずくずれそうなさま
詭              キ              くずれそうなごまかし
傾              ケイ            ななめに傾く
頃              ケイ            かたむく→頭をかしげるほどの間→ころ。



138 KUEK        取り巻く、周囲に区切りをつける

規              キ              円を描くコンパス→物事の基準。
窺              キ              うかがう、のぞく。規(コンパスではかる)の「はかる」の意から。
画・畫          カク・ガ        線や色で区切りをつけてえがく。くぎり。
劃              カク            区切る。
畦              ケイ            田畑を区切るあぜ道→うね
街              ガイ            町なみを区切る道→まち
冂              ケイ            遠くの境界線→はるか。
迥              ケイ            はるか。
冏              ケイ            遠くからきらきらと光る→あきらか、まど。
炯・烱          ケイ            とおくぽつんと離れた火かげ→あきらか。
蛍・螢          ケイ            火で周りを取り巻く虫→ほたる。
栄・榮          エイ            木のまわりを取り巻いた花→さかえる、はえる。
営・營          エイ            かきで取り巻いた陣屋→いとなむ。
鶯・鴬          オウ            輪状の羽模様が首のまわりを取り巻いた鳥→うぐいす。
嬰              エイ            首飾り、とりまく。首飾りをつけた女の子→子供。
纓              エイ            顔をとりまく冠のひも。
桜・櫻          オウ            花が木をとりまいて咲く木→さくら。



080 PUG         両方から山型にひっつく

付              フ              つける。
附              フ              つく。
符              フ              両片がぴたりとくっつく竹のわりふ。
府              フ              物をびっしりくっつけて貯蔵する倉
腐              フ              肉が原形を失ってぴったりくっつく→くさる
腑              フ              食べ物のはいるくらに似た内臓
逢              ホウ            両方から近づいて山形の頂点で出あう
  蓬            ホウ            穂が三角形になった草→よもぎ。
峰・峯          ホウ            頂点で稜線の出あった山
縫              ホウ            両方からよせあわせてぬう
鋒              ホウ            山型の剣のさき
蜂              ホウ            女王ばちを中心に山型の集団をなして移動するはち。
奉              ホウ            捧げ物を山形にかかげ、ささげる。
捧              ホウ            捧げ物を山形にかかげ、ささげる。
俸              ホウ            両手を山形にして、いただく給与。
棒              ボウ            両手でささげもつ木のぼう。
豊・豐          ホウ            山型に皿の上に盛る→ゆたか。
卦              カイ            陰と陽の爻を重ねた形を山形にかかげ占う
掛              カイ            山形にぶらさげる
封              フウ・ホウ      山型に土を集め盛った祭壇や塚→合わせ閉じる、領土。
邦              ホウ            国境に盛り土をして封じこめた領地→くに。



201 TSER        そろって並ぶ、雑然と並ぶ

斉・齊          セイ            きちんとそろえる。ととのえる。ひとしい。
儕              セイ            そろった仲間→ともがら。
剤・劑          ザイ            そろえて切る→漢方薬の材料とする草根や木皮を切りそろえて
                                調合したもの→くすり。
擠              セイ            いっせいに並んだ仲間どうしの間で互いにおし合う→おす。
臍              セイ            上下左右そろったまん中にあるへそ。
斎・齋          サイ            祭りのために心身をきちんとととのえる。
済・濟          サイ            水量をそろえる→不足を補って平等にならす→すむ。
齎              セイ            金品をそろえてさし出す→もたらす。
妻              サイ            夫と肩をそろえる相手→つま。
萋              セイ            草がいっせいにそろってしげるさま。
淒              セイ            ひしひしと並んで迫る風雨→すさまじい。
自              ジ              左右の形がそろった鼻→自分を指すとき鼻を指さすので自分の意。
次              ジ              物をざっと順序づけて並べる→つぎ。
茨              シ              ふぞろいに並べた草→いばら。
恣              シ              野心が並び起こる→ほしいまま。
粢              シ              粗雑なあら米。
資              シ              ざっと並べて整えた材料。
姿              シ              ざっと身繕いする→すがた。
咨              シ              次は、ざっと並べる意。意見を並べそろえて、もみあう→はかる。
諮              シ              はかる。
此              シ              ちぐはぐになること。「これ」の意は仮借。
眥・眦          シ              上下のまぶたがじぐざぐに交差したまなじり。
雌              シ              尾の羽が交差している鳥のめす。
柴              サイ            不ぞろいのまま束ねたしば。
砦              サイ            石や材木をぎざぎざに組みあわせて敵をはばむ所→とりで。
疵              シ              ぎざぎざのきず。
髭・鬚          シ              ぎざぎざと並んだひげ。
觜・嘴          シ              上下がちぐはぐに交差した鳥のくちばし。
紫              シ              赤と青をまぜて染めた色がそろわず、ちぐはぐの中間色→むらさき。
貲              シ              ふぞろいに集めた頭金→財産、あがなう。
姉              シ              不ぞろいに並んだ姉妹のうち、年長の方→あね。
柿              シ              枝が不ぞろいに伸びた木→かき。



203 TSET        速く進む

疾              シツ            はやい。急にひどくなる病気。
嫉              シツ            すぐに、かっと頭にくるカンの虫。
窃・竊          セツ            そっとすばやく人のものをとる→ぬすむ。
進              シン            すいすいと前へ出る→すすむ。
晋・晉          シン            ずんずんと伸びすすむ。
信              シン            すらすらと進む偽りのない言葉→まこと。
秦              シン            生長がはやい植物→成長の早い新興国→昔の中国の国名。
蓁              シン            草木がのびすすむ。
臻              シン            どんどん物事が進行する→いたる。
迅              ジン            飛ぶようにはやい。
訊              ジン            口早にといただす。
虱・蝨          シツ            はやくて見えにくい虫→しらみ。



209 TSIM        細い所に入り込む 218

侵              シン            狭いすきまにじわじわとはいりこむ→おかす。
浸              シン            水がしだいにすみずみまでしみこむ→ひたる。
寝・寢          シン            奥深い眠りにはいる→ねる。
心              シン            血液を細い血管のすみずみまで、しみわたらせる心臓。
  芯            シン            心臓のように中心にある植物のくきのしん。
沁              シン            水がすみずみまでしみわたる→しむ。
簪              シン            狭い毛の間にはいりこむかんざし。
譖・譛          シン            じわじわと悪口をしみこませる→そしる。
僭・僣          セン            他人の領分にもぐりこんでおかす→おごる。
潜・潛・濳      セン            水の中に深くわりこんでもぐる。
蚕・蠶          サン            桑の葉の間にもぐりこんで食う群れをなす虫→かいこ。
惨・慘          サン            心にしみ入るようにつらい→みじめ。
滲              シン            細いすきまからしみこむ→しみる。



210 TSIP        いくつも集まる

集              シュウ          あつまる。
雑・雜・襍      ザツ・ゾウ      いろいろな色をあつめた衣→まじる。
緝              シュウ          繊維をあつめあわせて糸にする→つむぐ。
葺              シュウ          草やわらを集め屋根をふく。
輯              シュウ          あつめる。
捷              ショウ          手当りしだいに集めた獲物→かつ、はやい。
睫              ショウ          はやい→さっとまたたく→まつげ。
三              サン            いくつもまじる→3。
彡              サン            いくつも並んだ紋様→糸や毛の飾り。
参・參          サン            いくつもいっしょに入りまじる→まいる。
衫              サン            こまごました布を集めた下着。
杉              サン            多くの針葉のはえたすぎ。
森              シン            何本もの木がはえたもり。



218 TSAP        先が細い、細い物が割り込む

挿・插          ソウ            狭い穴にさしこむ→さす。
妾              ショウ          男と交接する女→めかけ。
接              セツ・ショウ    交接→つぐ。
椄              ショウ          木をつぎ合わせる→つぐ。
讒              ザン            すきまにつけこんで悪口をもぐりこませる→そしる。
殲・殱          セン            にらを刃物で細くきざむように、人をすべて殺しつくす。
籤・籖          セン            細い竹片に文字や番号を書いて引きあてる物→くじ。
繊・纖・纎      セン            ほそい絹糸で織った薄い布。
孅              セン            女の手のほっそりしたさま→細くこまかい。
讖              シン            人々のすきに、鋭くもぐりこむ予言。
斬              ザン            鋭い刃が割りこむ→きる。
塹              ザン            土をきり取ったように掘る。
暫              ザン            仕事の中間に割りこんだ少しの時間→しばらく。
漸              ゼン            水分がじわじわとさけめにしみこむ→ようやく。
芟              サン            刃物を入れ込み草をかる。
尖              セン            末端が細い→とがる。



060 SOG         小さい、削る

小              ショウ          細くそぐ→小さい
肖              ショウ          肉づきをちいさく削る
宵              ショウ          日光がちいさくなる夕方
削              サク            ちいさくけずる
消              ショウ          火を細くする
梢              ショウ          細いこずえ
鞘              ショウ          細いかわひも→しおで(鞍を留めるひも)。さや。
蛸              ショウ          小さいかまきりの子
哨              ショウ          口を小さくすぼめて口笛をふく
硝              ショウ          小さくくだいて粉末にし、ガラス・火薬の原料とする硝石。
雀              ジャク          小さい鳥。すずめ。
爵              シャク          すずめの形をした酒器
嚼              シャク          小さくかみくだく
笑              ショウ          口を小さくすぼめて、ほほとわらう
嘯              ショウ          口を小さくすぼめて、うそぶく



061 TOG         削り取る、減らす

少              ショウ          へらす→すくない



062 TSOG        上に浮く、表面をかすめる

譟              ソウ            うわずって騒ぐ。
噪              ソウ            うわずって騒ぐ。
燥              ソウ            熱気が上へのぼってかわく。
澡              ソウ            水で表面をかすめて汚れを流す→あらう、すすぐ。
藻              ソウ            軽く上に浮く浮き草。
繰              ソウ            まゆの表面をかきとるように生糸をたぐる→くる。
操              ソウ            うわべをかすめて糸をたぐる→あやつる。
巣              ソウ            木の上に構えた鳥のす。
剿              ソウ            表面をかすめとる。
鈔              ショウ          表面をかすめとる。
抄              ショウ          表面をかすめとる。
炒              ソウ・ショウ    火でさっと肉や菜の表面をかすめるようにいためる。



126 SENG        細める、小さく分ける

省              ショウ・セイ    目を細くして注意してみる→かえりみる、はぶく。
斯              シ              ばらばらに小さくきり離す。
撕              シ              ばらばらに小さく引きさく。
析              セキ            細かくさく→細かく調べる。



154 SAR         バラバラ、そぎとる、小さい

戔              セン            小さい、すくない
残・殘          ザン            わずかなのこり
浅・淺          セン            水が少ない→あさい
賎・賤          セン            財貨がすくない→いやしい
盞              サン            小さいさかずき
銭・錢          セン            小ぜに
濺              セン            小さな水しぶき
桟・棧          サン            小さい木ぎれ
箋・牋          セン            小さい竹札
践・踐          セン            小きざみに歩く
線・綫          セン            細いいと。
砂              サ              小さい石→すな
沙              サ              水に洗われて小さくばらばらになったすな。
莎              サ              砂地に多く自生する草→はますげ。
鯊              サ              川の流れこむ浅い海辺で、砂をわけてすむ小魚→はぜ。
紗              サ              細い糸で織った絹→うすぎぬ。
瑣              サ              小さい
鎖              サ              小さい金輪をつらねたくさり。
些              シャ            小さい
殺              サツ            ばらばらにする、そぎとる
散              サン            ばらばらにした肉
撒              サツ            ばらばらにまく
霰              サン            ぱらぱらちるあられ
傘・繖          サン            雨をばらばらに散らすかさ
鮮              セン            切りたての魚
山              サン            水をばらばらに分ける分水嶺→やま。
  仙            セン            山中に住む人。
刪              サン            小さく削りとる



155 TSAN        そろえる

前              ゼン            足をそろえて進む
剪              セン            切りそろえる
揃              セン            そろえる
翦              セン            そろった矢
煎              セン            火力を平均にそろえて、なべの上の物をいちように熱する→いる、にる。
践・踐          セン            足をそろえる
賛・贊          サン            さあさあと前に押しすすめる
讃・讚          サン            ことばをそろえて、わきからほめあげる→ほめる。
薦              セン            きちんとそろえて神前にそなえる



157 TSUAN       そろえる

算              サン            そろえてかぞえる。
纂              サン            たくさんのものをあつめて整理し、まとめる。
巽              ソン            食事をそろえて供える。たつみ(南東の方角)の意は仮借。
饌              セン            とりそろえたごちそう。
選              セン            そろえてえらぶ。
  撰            セン            えらぶ
全              ゼン            すべてをひとまとめにする→すべて、まっとうする。
  栓            セン            木をまるくけずり、穴の全体をふさぐようにしたせん。
詮              セン            そろえて考える。
銓              セン            ものをそろえてめかたをはかる。



158 TSUAR       くぼむ、もぐる、曲げて短くする

坐              ザ              背をくぼませて、すわる。
座              ザ              すわる場所。
挫              ザ              折れて短くなる→くじける。
竄              ザン            もぐる。かくす。
鑽・鑚          サン            きりでもぐりこみ、穴をあける→うがつ。
鐫              セン            木をうがつための道具→金属ののみ。
簒              サン            すき間にもぐりこんで奪う
泉・湶          セン            せまい穴をうがつようにして、わき出るいずみ。



156 SUAT        拭い取る

雪              セツ            雪は白く万物を掃き清める。
刷              サツ            小刀で汚れを削り取る。



153 TSAR        Y型、支える、ギザギザ

左              サ              ささえる手→ひだり。
佐              サ              そばからささえる→たすける。補佐。
叉              サ              Y型をなしていて物をはさみ、または突くもの。
差              サ              Y型の手の指が長短があって不ぞろい→たがう。
瑳              サ              ギザギザした物で玉を磨く。
槎              サ              ぎざぎざになったY型の枝。
                                長短ふぞろいな材木を並べてつないだいかだ。
嵯・嵳          サ              ぎざぎざとした山。
縒              シ              布の先端がぎざぎざでそろわない→よる。
祭              サイ            供え物や祭壇を清める儀式。瑳のみがく意と同系。
察              サツ            よごれをとってよく見る。
擦              サツ            よごれをこすりとる→する。
際              サイ            相接してたがいにすれあう→きわ。
搓              サ              こする
拶              サツ            ならべてすりよせる→せまる。挨拶。



199 SER         細かく分かれる

四              シ              口から出た息が、ばらばらに分かれる→分散した数→4。
駟              シ              四頭だての馬車。
死              シ              生気が分散し去る→しぬ。
西              セイ・サイ      昼間の陽気が分散し去る方向→にし。
  茜            セン            西は日のおちる方向で、夕焼け色→あかね。
  栖            セイ            西は細い枝で作られた鳥のす。すむ。
    棲          セイ            すむ。す。
洒              サイ・シャ      分散して水を流す→そそぐ。あらう。
  晒            サイ            日光にあてて、さっぱりと、よごれをとる。
灑              サイ・シャ      分散して水を流す→そそぐ。
洗              セン            分散して水を流す→あらう。
遷              セン            形を残して中身が分散する→うつる。
僊              セン            魂が肉体からぬけ出て分散し、空に遊ぶ仙人。
細              サイ            こまかく分散する→こまかい。
厶              シ              細かくわけて自分の分を所有する→わたくし。
私              シ              収穫した穀物を各自が細分して所有する→わたくし。
先              セン            小さく分離した足さき→さき。



182 TSUIN       くびる、すらりと細い、小さい

寸              スン            細い指の長さ→長さの単位。
忖              ソン            長さをはかるように、相手の気持ちをそっと推しはかる。
村・邨          ソン            寸は、手の指をしばしおし当てる意。
                                人々がしばし腰をおちつけた木のある所→むら。
存              ソン・ゾン      指を脈所に置くように、そっと置いておく→ある。
尊              ソン            すらりと形のよい礼式用の酒器→形よく上品で安定している→たっとい。
樽              ソン            すらりと形のよい礼式用の酒器→たる。
蹲              ソン            足をひと所に引きしめてたつ→うずくまる。
遵              ジュン          細く一線にしぼって、外にはみ出さないように進む→したがう。
竣              シュン          すらりと立つ→竣工(建物が高くたつことから、工事が完成すること)。
逡              シュン          たちすくんで、しりごみする→しりぞく。
俊              シュン          すらりとひいでた人→すぐれる。
駿              シュン          すらりとひいでた馬→足のはやい馬。
峻              シュン          すらりと高い山→高い、けわしい。
酸              サン            筋骨を柔らげ、スマートにする発酵液→す。
唆              サ              口を細くすぼめて、そそのかす。
梭              サ              すらりと細長い木製のひ。
隼              シュン          細くしまってすらりとした形のとり→はやぶさ。
孫              ソン            子の系統を引く一段と小さい子→まご。
遜              ソン            小さくなって遠慮する→へりくだる。
帥              スイ            すべてを一筋にしぼる→軍をひきいる大将。
罪              ザイ            罪を犯して小者に下げられる→つみ。
卒・卆          ソツ            引率される雑兵や小者。
                                小さくまとめて引き締める→最後に締めくくる→おわり。
淬              サイ            冷水をかけて小さくひきしめる→焼きを入れて刀をひきしめる。
粋・粹          スイ            小さい米がそろっていてまじりけのない→純粋。
翠・翆          スイ            からだの小さくしまった小鳥→汚れのない緑の羽→緑。
酔・醉          スイ            飲みつぶれて正気が小さくくだけ分散する→よう。
砕・碎          サイ            小さくくだいた石→くだく。
摧              サイ            細かくくだく。
催              サイ            細かくせかせかと小刻みに動く→せきたてる→もよおす。
損              ソン            小さくへらす→そこなう。



096 SAG         二つに分かれる、分かれて並ぶ

疋              ソ              左右一対をなす足。
胥              ショ            同僚があい並んでたむろしている下級役人。
婿・壻・聟      セイ            胥は、対をなす仲間の意。娘と結ばれてペアをなした男性→むこ。
疎・踈          ソ              束ねたものを一つずつ別々に離して間をあける→まばら。
疏              ソ              「疎」と同じ。
梳              ソ              くしを通し毛を別々に離す→くしけずる。
楚              ソ              ばらばらに離れた柴や木の枝。
礎              ソ              点々と離して置いた石→いしずえ。
粗              ソ              ばらつくまずい玄米→あらい。
蘇・蘓          ソ              のどにすきまがあいてつまった息が通る→よみがえる。
素              ソ              ひとすじずつ離れてたれた原糸→もと。
索              サク            一本ずつはなれた細い繊維→細い引き綱→ひく、もとめる。
相              ソウ            あい対する。
箱              ソウ            一輪車の左右にペアをなしてつけた竹製の荷かご→はこ。
想              ソウ            ある対象に向かって心で考える→おもう。
霜              ソウ            離れて向き合う霜柱→しも。
喪              ソウ            人がばらばらに離散する→死者との別れの儀式。
爽              ソウ            二つにわかれる→わり切れてねちねちしない→さわやか。
双・雙          ソウ            ふたつ。



097 TSAK        切れ目を入れる、始める

乍              サ              刃物で切れめをいれる→急切な動作→たちまち。
作・做          サ・サク        さっと切る→はじめて動作をおこす→つくる。
  窄            サク            むりに作為してぐっとせばめる。
詐              サ              つくりことば→いつわる。
所              ショ            木をさくさくと切り分ける。「ところ」の意は仮借。
朔              サク            月の初め→ついたち。
遡              ソ              朔の「月はじめにもどる」意から、流れと逆にもどる→さかのぼる。
塑              ソ              のみや、こてを土塊にさかだててけずりとる→土をけずる。
泝              ソ              流れと逆に動いて源のほうにもどる→さかのぼる。
訴              ソ              言葉で逆方向に切りこむ→だまってなりゆきにまかせておかずに、
                                上に申し出て人を動かそうとする→うったえる。
創              ソウ            刃物で切れめをつける→きず。
匠              ショウ          素材を切って技工を施す→たくみ。
初              ショ            衣を作るとき最初にはさみを入れて切る→はじめ。



098 TSANG       しまいこむ

蔵・藏          ゾウ            くら
臓・臟          ゾウ            人体内にしまいこまれている諸器官→はらわた。
倉              ソウ            くら
蒼              ソウ            倉にとりこんだ牧草の色→あお。
滄              ソウ            緑がかった水の色。
葬              ソウ            死体を草むす土の中に隠し去る→ほうむる。



099 TSANG       長細い

爿              ショウ          細長い板を並べた寝台。
床・牀          ショウ          寝台→とこ、ゆか。
壮・壯          ソウ            堂々とした背たけの長い男→勇ましい→さかん。
牆・墻          ショウ          細長いへい。
檣              ショウ          長い柱→帆柱。
将・將          ショウ          いちばん長い中指→手で物をもつ。長となってひきいる。
奨・奬・獎      ショウ          大きく伸ばし前進させる→すすめる。
醤              ショウ          細長くたれる、どろどろとした汁→ひしお(穀物を発酵させた汁)
状              ジョウ          細長い犬の姿→すがた。
妝              ショウ          女がすらりと姿を整える→よそおう。
装・裝          ショウ・ソウ    すらりと細く身ごしらえをととのえる→よそおう。
  粧            ショウ          よそおう。
荘・莊          ソウ            細長い草ぶきの納屋→いなかの家。
  庄            ショウ          いなかの家。
臧              ソウ            すらりとしていて、かっこうがよい。
槍              ソウ            細長いやり。



013 SIG         立つ、立てる

士              シ              成人して自立するおとこ。
仕              シ              身分の高い人のそばにじっとたつ→つかえる。
史              シ              記録をしるした竹札を筒に入れてたてる記録役
                                →歴史官、歴史。
使              シ              記録の役目をあずかるつかい→つかう。
事・亊          ジ              役人が竹札を筒の中にたてる→所定の仕事や役目。



014 TSIG        せき止める、断ち切る

才              サイ            川をせきとめるせき→切る→切った素材→人間の素質。
材              ザイ            断ち切った木→素材。
財・戝          ザイ            適度に切りもりして生活の素材に役だてる金品。
賊              ゾク            財物や人の命を切って取る悪人。
裁              サイ            布地を断ち切る→さばく。
栽              サイ            のびすぎた枝をきる→栽培する。
哉              サイ            語の連なりを断ち切ってポーズを置き、いいおさめる
                                →文末につく助辞「かな」「や」
在              ザイ            土でふさいで水流を切り止め進行を止める→じっと止まる
                                →そこにある。
載              サイ            車の荷が落ちないように縄で止める→のせる。
災              サイ            生活の進行をせき止めてじゃまをする物事→わざわい。
宰              サイ            肉などをきって料理する→仕事を意のままに処理する。
滓              シ・サイ        せき止めて水が流れず沈殿するかす。
緇              シ              黒く染める。滓(水底に沈殿した黒い泥)と同系。
輜              シ              荷や人がずれ落ちないように、わきを板やわくでせきとめた車。
采              サイ            指でつかんで切りとる。
採              サイ            指でつかんで切りとる。
菜              サイ            摘み取った草→な。



015 TSIG        増える、増やす

孜              シ              次々と続いて働く→つとめる
字              ジ              やねの下で、たいせつに子を育てふやす→うむ、やしなう
茲              シ・ジ          草木が繁茂する→しげる。
孳              ジ              子どもがふえる→生む
慈              ジ              子どもを育てる心→いつくしむ
滋              ジ              ふえる
磁              ジ              砂鉄をどんどん引き寄せてふくらむ鉱物。
再              サイ            同じ物事がもう一つある→ふたたび
曽・曾          ソウ            層をなして重なる(曾祖母など)
増              ゾウ            重なってふえる
層              ソウ            幾重にも重なる
贈              ゾウ            相手の持ち物の上へ、物をおくって重ねてやる→おくる
甑              ソウ            こしき(せいろうを上に重ねて、穀物をむす器具)
憎              ゾウ            いやな感じが層を成してつのる→にくい



016 TSIG        小さい、細い

子              シ              小さい子供
巳              シ              小さい胎児。蛇の意は仮借。
嗣              シ              あとをつぐ小さい子→継ぐ
糸・絲          シ              細い糸



017 SIK         狭い穴、狭い間隙をこする

思              シ              頭の狭い穴(泉門)→おもう
鰓              シ・サイ        えら。えらの狭い穴を水が出入りする。
偲              シ・サイ        細やかな思い→しのぶ
司              シ              狭い穴を通して内情を察知する→つかさどる
伺              シ              小さい穴を通して見る→うかがう
覗              シ              小さい穴を通して見る→のぞく
祠              シ              神意を覗き見する→ほこら
笥              シ              狭い間隙が残るだけのはこ
息              ソク            狭い鼻の穴を出入りする息
熄              ソク            休息→やむ
塞              ソク            小さい穴をふさぐ
色              ショク          性交(女性の性器の穴を塞ぐ)→いろ
彩              サイ            色と同系。いろどる。
嗇              ショク          取りこんで塞ぐ→出し惜しみする。
穡              ショク          穀物をとりいれて、納屋に塞ぐ→穀物。
渋・澁・澀      ジュウ          塞がるように滑らかさがない→しぶい。



018 TSIK        ひっつく、かたよる

則              ソク            いつもそのそばによりそって離れてはならない道理・手本・基準。
側              ソク            両側に偏る→かわ
測              ソク            物さしや基準をそばにつけて、水の深さをはかる→はかる。側
廁・厠          シ・ソク        片隅に偏した小屋→かわや(便所)
惻              ソク            他人の気持ちを推し量る→悼む
即              ソク            そばにひっつく→すぐ
仄              ソク            かたむく
昃              ソク            日がかたむく



127 TSEK        ギザギザとつっかえる、ふぞろい

冊・册          サツ            長短ふぞろいな木簡を並べた短冊
柵              サク            長短のある木のくいを横木でつないだかきね
脊              セキ            長短のある肋骨ロッコツを脊柱でつないだ背骨
刺              セキ・シ        ギザギザのとげで刺す。
策              サク            とげのついたむち。ぎざぎざとつかえる短冊。
責              セキ            とげでさすように、せめさいなむ
債              サイ            借り貸しの責任→清算してない貸借関係。
積              セキ            端がぎざぎざとするように重ねる
  績            セキ            糸を重ねて織る
  簀            セキ            ぎざぎざになるように積み重ねた竹をあんだすのこ
  漬            シ              いくつも積み重ねて、汁の中にひたす→つける。



128 TSEK        ←→型に両方に引っ張る、←→型に両方に突き出る

争・爭          ソウ            両人が物を引っ張りあう→あらそう
箏・筝          ソウ            両方から引きあって弦を張った琴
諍              ソウ            言葉で両方から取り合う→あらそう、うったえる、いさめる
刺              シ              とげが突き出る→さす



095 TSAG        重ねる

且              シャ            上に積み重ねたさま
姐              シャ            女きょうだいのうち、上位にある年長者
苴              ショ            上に重ねた敷き草
祖              ソ              世代の上位の先祖
俎・爼          ソ              肉を重ねて置いたまないた
阻              ソ              石を重ねて行く手をはばむ
  査            サ              往来をはばむ木の柵。調査の意は、華南の方言。
組              ソ              糸をくみ重ねる
租              ソ              収穫した作物の上にかかって徴収されるもの→年貢。
助              ジョ            力を重ねてそえる
昔              セキ            時日の重なったむかし
  昨            サク            きのう。
措              ソ              上に重ねておく。
借              セキ・シャク    金や力を重ね加えてやる
醋              サク            月日を重ねて、発酵した汁をねかせておく→す。
  酢            サク            す。
錯              サク            金属を上に重ねてめっきする→ふぞろいに重なる→交錯。
惜              セキ            心中に残り重なって思いがつのる→おしい。
藉              セキ            重ねた敷き草
籍              セキ            重ねておく竹簡の書物
席              セキ            重ね敷く敷物



129 TSENG       すみきっている

青              セイ            すみきったあお色
清              セイ            すんだ
晴              セイ            すみきった空
睛              セイ            すんだひとみ
精              セイ            けがれのない米
請              セイ            澄んだ目をまともに向けて、応対する
靖              セイ            しずまる
情              セイ・ジョウ    心の動きをもたらすエキス
静・靜          セイ            しんとすみきった
浄・淨          セイ・ジョウ    きよい
井・丼          セイ            きよい水のある井戸
                                丼の「どんぶり」の意は日本のみ。
晶              セイ・ショウ    すみきった光
星              セイ            澄みきって光るほし
惺              セイ            心がきれいに澄んでいる→さとる。
醒              セイ            酒がさめてすっきりする→さめる。



130 SENG        生きている、なま

生              セイ            生きている
牲              セイ            いきている牛→いけにえ
姓              セイ            うまれによってつける名→名字
性              セイ            うまれつきのすんだ心→うまれつき
甥              セイ            姉妹のうんだ子→おい。
笙              ショウ          ふえ。生は、すがすがしい意。



045 TSOG        寄せ集め、ぞんさいな

艸              ソウ            雑然と生える草。
草              ソウ            雑然と生える草。
造              ゾウ            ざっと集めてこしらえる。
慥              ソウ            そそくさと急場をつくろう気持ち→あわただしい。
曹              ソウ            何人もいる下級の役人。
遭              ソウ            むぞうさに出かけて雑然といっしょになる→予定なしに出会う。
糟              ソウ            雑然といっしょになったかす
槽              ソウ            寄せ集めた餌を入れる飼葉桶→容器。
漕              ソウ            何人かがいっしょに舟をこぐ。
宋              ソウ            遺民を集めてたてた国の名。



044 TSOG        黒い、暗い

早              ソウ            黒いハンノキの実→暗い→朝早い
皀              ヒウ            黒いハンノキの実→かんばしい、穀物の一つぶ



043 TSOG        つめ、ひっかく、かき寄せる、手の動作

爪              ソウ            つめ。
蚤              ソウ            かきたいようなかゆみをおこさせる虫→のみ。
掻              ソウ            かく。
騒・騷          ソウ            のみがかゆくて、馬がさわぐ。
棗              ソウ            とげの多いなつめの木。
叟              ソウ            かまどの中を手で捜す。
捜・搜          ソウ            手で捜す。
蒐              シュウ          寄せあつめる。
掃              ソウ            ほうきで地表をひっかく→はく。



042 TSOG        縮む、絞る、細い

秋・穐・龝      シュウ          作物を火や太陽でかわかして収縮させる→作物を収穫する季節。
愁              シュウ          心が縮む
鞦              シュウ          馬のしりがい(鞍を固定させる緒)。
鍬              シュウ          細いさじ形の器具。くわ。
就              シュウ          ひき締める→つく。
  蹴            シュウ          足を物につける→ける。
  鷲            シュウ          就は目標めざして近寄る意。近寄って襲い掛かる鳥→わし。
酋              シュウ          酒をしぼる
遒・逎          シュウ          引きしぼるように集まる
酒              シュウ・シュ    穀物を発酵させ、その上ずみをしぼり出した液体
醜              シュウ          ちぢんだりして顔かたちが悪い→みにくい。
蕭              ショウ          細い草
秀              シュウ          すらりと細ながい稲の穂→すらりと高くでる→ひいでる。
  誘            ユウ            秀は、先にたつ意。自分が先に立って後の人を誘い込む→さそう。
叟              ソウ            細長く痩せた老人。
嫂              ソウ            年長の女→つまり兄嫁。
痩              ソウ            細ながくやせた。
溲              ソウ            細長くたれる汁→尿、ひたす。
宿              シュク          からだを縮めて、仮寝する
縮              シュク          小さくちぢむ
羞              シュウ          羊の肉を手で細く引きしめる→引きしぼる、細くちぢむ。
                                身が縮まる感じ→恥じる。
粛・肅          シュク          からだを引きしめる
戚              シャク・セキ    小さい手おの→身近な親戚
蹙              シュク          ちぢめる
粟              ショク          あわ。小さくて、ぱらぱらした穀物
焦              ショウ          こげて収縮する
  礁            ショウ          こげたような黒い色をして、水面に見えかくれする岩。



A17 TOK         小さい、細い、締める

叔              シュク          小さい豆やそばの実を手で拾う→小さい末の兄弟→おじ。
菽              シュク          小豆。そばの実。
椒              ショウ          こつぶの実のなる木→はじかみ、山椒。
淑              シュク          こぢんまりとまとまっている→しとやか。
督              トク            小さく締める→みはって引き締める。
俶              シュク          身なりを引き締めてととのえる。始める。
寂              ジャク・セキ    家の中の人声が細く小さくなる→さびしい。



073 TSUG        グッと縮める、ひと所に集めそろえる、細長い、つきぬける。

足              ソク            関節がぐっとちぢんで弾力をうみ出すあし
促              ソク            間をつめて急がす
捉              ソク            ちぢめてつかむ
族              ゾク            同じ物を集めてグループにまとる→やから。
蔟              ソク            集めた草、草むら。
簇              ソウ            群がって生えた竹→むらがる。
束              ソク            しめてたばねる
速              ソク            ちぢめて歩く→はやい。
漱              ソウ            せかせかと口を動かす→すすぐ。
嗽              ソウ            せかせかとせきをする。
竦              ショウ          足をちぢめてたつ
従・從・从      ジュウ          人の後に人が従えば細長い縦隊となる
縦・縱          ジュウ          たてに細長い
蹤              ショウ          長くつらなる足あと→あと。
踪              ソウ            長くつづくあしあと→あと。
嵩              スウ            細長く高い
崇              スウ            細長く高い
芻・蒭          スウ            二つかさねて、ぐっと縮め束ねたくさ
趨              スウ            間をちぢめてさっさといく
雛              スウ            小さくからだがひきしまった、ひな鳥
皺              スウ            ひきしめて生じるしわ
取              シュ            手の筋肉を引き締めて物を離さない→とる
  掫            シュ            しっかりつかむ
聚              シュウ          あつまる。
  諏            シュ            意見を集めてその中からえらびとる→はかる。
趣              シュ            時間をちぢめてせかせかといく
奏              ソウ            物の形をそろえて両手で神前に差し出す
湊              ソウ            水が集まる。港。
輳              ソウ            車が集まる
送              ソウ            物をそろえて他所へはこぶ
叢              ソウ            長短そろわずぎざぎざに集まる
宗              シュウ・ソウ    一族の集団。
走              ソウ            足ばやにいく
窓・窗          ソウ            空気がまとめて、さっと通る窓
聡・聰          ソウ            耳がさっと通って聞こえる→さとい
総・總・綜・惣  ソウ            多くの糸を一つにまとめて締めたふさ→一手にまとめる→すべて。
匆              ソウ            空気のつき抜ける窓。
怱              ソウ            心が突き抜けて先走りする→いそぐ。
葱              ソウ            中が空で突き抜けているねぎ。



202 TSET        小さく切る、つきる

辛              シン            鋭い刃物で切る
新              シン            切りたて、なま→あたらしい。
薪              シン            切った木→たきぎ。
親              シン            ナイフで身を切るように身近に接して見ている→近しい間がら
                                →おや、したしい。
梓              シ              あずさ。刃物で切ったり刻んだりするのに適した木
尽・盡          ジン・シン      小さくなってつきる。
燼              ジン・シン      燃えつきたあとのこまぎれの残り火
津              シン            水が少なく、尽きようとしてたれる→しずく。
  漆            シツ            したたる汁→うるし。
七              シチ            縦線を横線で切り止め、端を切り捨てる→ななつ。
叱              シツ            しっと鋭くどなる。
切              セツ            小さくくぎる。
節              セツ            一段ずつ区切れる竹のふし
  櫛            シツ            竹のふしを切りとり、それにぎざぎざの歯をきざんだくし。
屑              セツ            小さく区切れた物。くず。
膝              シツ            関節で区切れるひざ
折              セツ            きっぱりときる→おる。
  誓            セイ            きっぱりといいきる→ちかう。
  逝            セイ            ふっつりと折れるようにいってしまう→ゆく。
  哲            テツ            言動が明快に断ち切れる→あきらか、賢い。
制              セイ            刀で必要なだけ切りとり、他を切り捨てる→形を整える。
  製            セイ            衣料を裁断する→よい形に仕立てる。
  勢            セイ            力を加えて強制し、他のものを程よい形に整える
                                →外からの力→いきおい。



194 TER         いっぱい詰まる、行き詰まる

真・眞          シン            穴を掘って死者を埋める→いっぱい詰まる→中身がない)の反対
填              テン            土を埋めて空隙をみたす→うずめる
瞋              シン            目をその枠いっぱいに充実させてにらむ→いかる
慎・愼          シン            心を隅々に配って欠けたところの無い→つつしむ
鎮・鎭          チン            鋳型に金属を流し込み空間の無いように埋める→しずめる
珍・珎          チン            質が緻密で欠け目のない玉→めずらしい
診              シン            隅々まで手抜かりなく見て判断する→みる
畛              シン            田畑が枠いっぱいに充実している→あぜ
趁              チン            間髪いれずについて行く→追う
身              シン            おなかがいっぱいになった妊婦→からだ
旨              シ              充実した食べ物→うまい
脂              シ              組織の充実したあぶら肉→あぶら
至              シ              矢と目標の間に隙が無い→まっすぐ届く
致              チ              隅々まで尽くす
室              シツ            いきづまりの奥のへや
窒              チツ            いきづまり
膣・腟          チツ            女の行きづまりになった性器の穴
姪              テツ・チツ      血縁の末端に当たる者→めい。
桎              シツ            ピタリと間髪いれず皮膚につく足かせ
嚔・嚏          テイ            鼻腔がピタリと詰まって通じない→くしゃみ
実・實          ジツ            家に財貨を充実させる→みのる
質・貭          シツ            通貨の値打ちいっぱいの品物→質種
緻              チ              きめ細かくなかみがつまる
躓              チ              足がつかえて動かない→つまづく
抵              テイ            いたる
秩              チツ            びっしり稲を積み上げ充実させる→順序を積む
帙              チツ            書物をきちんと重ねてつめる枠
逮              タイ            追いついて尾に手が届く→とらえる
遅・遲          チ              歩みがつかえてとどこおる→おくれる
稚・穉          チ              のびのおそい作物→おさない
塵              ジン            びっしりと隙間をふさぐチリ



082 TAG         充実する、ひと所に集まる、定着する

土              ド              土を盛った姿。充実した意を含む。
吐              ト              いっぱい詰まった物をはき出す。
肚              ト              物を詰める腹。
社              シャ            地中に充実した物を外にはき出す土の生産力(土地神)をあがめる。
                                土地神をまつった所。やしろ。
                                土地神を中心に集まった組合。
徒              ト              土に足を付けて行く→一歩一歩と歩く→歩兵。
                                数多い歩兵→下級の仲間、門下のでし。
者              シャ            熱気を充実させる。「もの」の意は仮借。
都              ト              人々の集中する大きいまち。
諸              ショ            ひと所に多くのものが集まる→もろもろ。
薯              ショ            根が充実したいも。
藷              ショ            根が充実したいも。
睹・覩          ト              視線をあつめる。
賭              ト              金を一点に集中してかける。
堵              ト              土を詰めた垣。
儲              チョ            詰めこむ、たくわえる。
猪・豬          チョ            太ったいのしし。
箸              チョ            食物をくっつけてとるはし。
署              ショ            網の目のようなひとこまごとに、人を配置して落ち着ける→役所。
書              ショ            筆で字をかきつけて、紙や木簡に定着させる→かく。
著              チョ            くっつける、とめる→あらわす、いちじるしい。
着              チャク          くっつける。
躇・墸          チョ            ふむ、たちどまる。
奢              シャ            充実した力を盛大に外に出す→おごる。
渚              ショ            砂利や小石が集まってできるなかす→なぎさ。
緒              ショ・チョ      糸巻きにたくわえた糸のはみ出たはし→お。
貯              チョ            財貨をいっぱいに詰めこむ→たくわえる。
佇・竚          チョ            ある所にくっついて止まる→たたずむ。
処・處          ショ            足を止めて腰を落ち着ける→おる、ところ。
図・圖          ズ・ト          図形を書きつけて紙上に定着させる。
宅              タク            定着して住むところ→すまい。
託              タク            ある所にじっと預けておく→まかせる。
托              タク            じっとのせて安定させる→あずける。
石              コク・シャク・セキ  質のかたくつまったいし。
碩              セキ            充実したあたま。
妬              ト              勘気がいっぱいにつまる→ねたむ。
党・黨          トウ            人間の集まり。



083 TAG         火が集まる、あかあか

庶              ショ            家の中で火を集め燃やす→集めた物→もろもろ。
  遮            シャ            多くの物を集めて置く→さえぎる。
煮              シャ            火でにる。
暑              ショ            日光が集中してあつい。
赭              シャ            あかつち。
曙              ショ            日光が明るくなる→あかつき。あけぼの。
炙              シャ            火であぶる。
赤              セキ            火のようにあかい。
  赫            カク            あかあかと、ほてる。
  嚇            カク            赤くなって激怒する→いかる。
螫              セキ            毒をさされて赤くはれる。
灼              シャク          まっかにもえる。
鼠・鼡          ソ・ショ        数多くふえるねずみ。庶(数多い)と同系。



084 TAK         ・―・―・型につながる。

尺              シャク          一つ一つ、手を広げて図る→長さの単位(約30cm)。
度              タク・ド        手幅で計る→はかる規準。温度、角度。
渡              ト              一足一足、わたる。
択・擇          タク            次々と並べた中からえらび出す→えらぶ。
駅・驛          エキ            次々と並んだ中継所。
繹              エキ            つづいたものをずるずると一つずつ引き出す。
訳・譯          ヤク            ことばを一つずつ並べつないで、他の文句にいいかえる。
沢・澤          タク            つぎつぎとつづく湿地→さわ。
釈・釋          シャク          一つ一つときほぐす。
亦              エキ            両脇→右にひとつ、左にもうひとつ→また。
跡              セキ            次々と間隔をおいて同じ形の続く足あと→あと。
  蹟            セキ            あと。
夜              ヤ              昼の両脇の時間→よる。
  夕            セキ            ゆう。
  汐            セキ            ゆうしお。
腋              エキ            からだの両脇。
掖              エキ            脇をささえる→たすける。
液              エキ            ひとしずくずつたれる汁。



085 TAG         ゆるんで伸びる

射              シャ            張った弓の弦を放して、緊張を解く→いる。
謝              シャ            言葉に表すことによって、負担や緊張をといて気楽になる→あやまる。
余              ヨ              ゆったりとのばし広げる。
餘              ヨ              食物がゆったりとゆとりのある→あまる。
舒              ジョ            ずらせてのばす。
除              ジョ            じゃまになる土を押しのばす→のぞく。
叙・敍・敘      ジョ            固まったものを少しずつ展開しのばす
                                →心中の思いを外に展開し陳述する→のべる。
斜              シャ            ひしゃくを傾けて中の液体を横に伸ばし流す→横にそれて傾いている
                                →ななめ。
舎・舍          シャ            ゆったり休む家。
捨              シャ            ゆるめて放す→すてる。
途              ト              のびたみち。
塗              ト              押しのばすどろ土→ぬる。
徐              ジョ            ゆったり歩く→おもむろ。ゆっくり。
茶              サ・チャ        緊張をといてからだをのばす効果のある植物。
赦              シャ            ゆるめる→ゆるす。
予              ヨ              向こうへ押しやる。
豫              ヨ              のんびりとゆとりをもつ→あたえる。あらかじめ。
預              ヨ              人数にゆとりをもたせる→あらかじめ。あずかる。
杼              ジョ            糸をのばして出す木製の糸巻き→ひ。
抒              ジョ            のばす。
序              ジョ            母屋の脇に伸び出た脇屋→心の中の思いを押し伸ばして
                                展開する→初め。
野・埜          ヤ              ひろくのびた大地。



086 TANG        上、高い、大きい

上              ジョウ          うえ。
尚              ショウ          たかい、上にあがる。その上に→なお。
商              ショウ          平原の中の明るい高台。高台あった商という国。
                                国が滅んだのち行商するジプシーと化し、商業がはじまった。
堂              ドウ            広い高い台上にたてた表御殿。
嘗・甞          ショウ          舌の上に乗せて味をためす→なめる。
敞              ショウ          広く高い所→ひろい、たかい。
廠・厰          ショウ          ひろく明るい家→おおや、うまや。
昜              ヨウ            日が高くあがる→あがる。
揚              ヨウ            あがる。
瘍              ヨウ            皮膚がもちあがる、できもの→かさ。
楊              ヨウ            長く上にのびる木→やなぎ。
場・塲          ジョウ          広い台地→ば。
洋              ヨウ            大きい海。



087 TANG        明るい、はっきり

陽              ヨウ            ひなた。ひ。
暘              ヨウ            ひので。ひ。
湯              トウ            太陽のように熱い水。
蕩              トウ            湯が動くように、ゆれうごく。大水で草木がゆれうごく。
盪・蘯          トウ            湯が動くように、ゆれうごく。
唱              ショウ          明白にものをいう→となえる。
昌              ショウ          明るい→あきらか。
彰              ショウ          明るい→あきらか。
章              ショウ          あざやかで目だつ印→ひと区切り。
  樟            ショウ          はなやか→高くのびる。高く伸びた木→くす。
唐              トウ            蕩と同系で、大水のイメージから、大きい意。
                                大きな国の意を含めた国名。
宕              トウ            蕩と同系で、大きい意。大きな石のほら穴。



088 TANG        長い

長              チョウ          ながい。
帳              チョウ          ながい布→とばり。
張              チョウ          弓に弦を長く伸ばしてはる
  脹            チョウ          腹が張ってふくれる。
悵              チョウ          思いが長く尾を引く→うらむ、いたむ。
萇              チョウ          枝の長い低木。萇楚とは木の名。
丈              ジョウ          ながいながさ。303センチメートル。
杖              ジョウ          長いつえ。
腸・膓          チョウ          長いはらわた。
暢              チョウ          長く伸びる。
常              ジョウ          いつまでも長く続く→つね。
裳              ショウ          ながいスカート→もすそ。



089 TANG        開いた面を押し当てる

当・當          トウ            面と面とがぴたりとあたる。
掌              ショウ          平らに広げた手のひら。
賞              ショウ          それに相当する礼を払う。ほめる。
償              ショウ          罪や借用物に相当する返し→つぐなう。
障              ショウ          平面をあてて進行をさしとめる→さえぎる。



090 TAK         叩き割る

斫              シャク          きる。うつ。
斥              セキ            たたき割る。しりぞける意は「除」の仮借。
柝              タク            木を打ち割る。
拆              タク            たたき割る。
拓              タク            石をたたき割る→未開の地をひらく。
傷              ショウ          強く物にぶちあたってきずつく。
殤              ショウ          けがをして死ぬ。



001 TIG         じっとひと所にとまる

止              シ              じっとひと所にとまる
址・阯          シ              じっととどまったあと
趾              シ              あし。土をじっとふまえるあし先の部分。
沚              シ              川の中でじっとひと所にとまっている中洲
祉              シ              さいわい。神がそこに足をとめて福を与える。
歯・齒          シ              ものをかんでとめる前歯
台・臺          タイ            土を高く積んで人の来るのを見る見晴らし台
戴              タイ            じっと頭の頂上に止めおく→いただく。
峙              ジ              そばだつ。じっと動かないで、まっすぐにたつ。
待              タイ            じっとまつ
侍              ジ              じっとたってはべる
塒              ジ              鶏がじっととまって休みすむ土の囲い
持              ジ              手で止める
已              イ              止まって、やめる
俟              シ              止まって、待つ
市              シ              足を止め売り買いする場



002 TIG         まっすぐ進む

之              シ              ゆく
志              シ              こころざす。ある目標の達成を目ざして心を向ける。
寺              シ・ジ          手足を動かして働く→接待所→てら
時              シ・ジ          日が進行する
詩              シ              何かを志向する気持ちをあらわした韻文



008 TIK         まっすぐ

直              チョク          まっすぐ見る→まっすぐ。
植              ショク          まっすぐ木を立てる→木を植える。
  殖            ショク          植えると同系。植えて、殖やす。
  埴            ショク          草木の苗を植えてふやすのに用いる水持ちのよい粘土→はに。
  蒔            ジ              うえる→まく。
置              チ              網を真っ直ぐたてる→置く。
悳              トク            まっすぐな心。
徳              トク            まっすぐな行い。
値              チ              直角に底面を地面に押し当てる→当てる→価値。
勅・敕          チョク          まっすぐにする→いましめる。
飭              チョク          まっすぐにする→正しく整える。
特              トク            まっすぐに直立する種牛→特別。
得              トク            える。横にそれず、まっすぐずぼしに当たる。



006 TIK         印をつける

識              シキ            目じるしによって区別してその名をしる→見分ける。
幟              シ              目じるしの旗→のぼり。
職              ショク          耳できいてよく識別する→よく識別でき、わきまえている仕事。
織              シキ・ショク    糸を組んで織りめを目立たせる→おる。
熾              シ              目だつように火を燃やす→さかん。
誌              シ              しるす。



007 DIK         もう一つ別の

異              イ              もう一つ別の→ことなる。
翼              ヨク            別にもう一つあって対をなすつばさ。
翊              ヨク            翼を両方にたてて飛ぶ→二枚の翼でそいたすける。
翌              ヨク            当日のほかの別の日→次の日



009 TIK         互い違い、よじれる

代              タイ・ダイ      同じポストにはいるべき者が互い違いに入れかわる。
替              タイ            Aの人からBの人へと入れかわる→かわる。
貸              タイ            持ち主が入れかわる→かす。
袋              タイ            中にはいる物が入れかわるふくろ。
縢              トウ            互い違いによじりあわせたひも。
藤              トウ            よじれてまきつくふじの木。
縄・繩          ジョウ          二本以上のひもをよりあわせたなわ。
蝿・蠅          ヨウ            よじれるように、あちらこちら飛びかうはえ。



010 TING        登る、持ち上げる

登              トウ            のぼる。
証・證          ショウ          ことばで表面に出す→あかす。
  症            ショウ          病気の外にあらわれた特色→病気のしるし。
磴              トウ            登っていく石の道。
橙              トウ            からだをのせるふみ台や、こしかけ。だいだい。
灯・燈          トウ            高くもちあげる火→ともしび。
徴              チョウ          隠れている人材を取り上げる。(徴兵、徴収)
  懲            チョウ          少し頭をのぞかせた悪事をとらえて制裁を加える→こらしめる。
澄・澂          チョウ          うわずみが水の上方にのぼってくる→すむ。
朕              チン            自分を持ちあげた気持ちで、自分自身をさす→われ。
騰              トウ            上にあがる。
謄              トウ            紙を原本の上にのせて、しきうつす。
勝              ショウ          両手でもちあげる→上に出る→かつ。
升              ショウ          穀物や液体をますに入れて持ち上げ量る→ます。
昇              ショウ          のぼる。
陞              ショウ          丘や階段をのぼる。
乗・乘          ジョウ          上にのる。
剰・剩          ジョウ          上に出た分→あまり。
称・稱          ショウ          持ちあげる→ほめる。となえる。
  秤            ショウ          はかりの棒を平らにして穀物をはかる。
                                称は平均して持ちあげてはかる意。
丞              ジョウ          持ちあげる→たすける。
拯              ジョウ          すくいあげる→すくう。
承              ショウ          両手で上にささげてうける→うけたまわる。
烝              ジョウ          火気が上へあがる→むす。
蒸              ジョウ          水気が上にのぼる→むす。蒸気。



003 TIG         道具で人工を加える

以              イ              農具のすき→もちいる
耜              シ              農具のすき
似              ジ・シ          作為を加えて姿を変える→にる
台              タイ            農具のすき→道具を持って工作する
  苔            タイ            台は自生する意。自生するこけ。
治              チ              自然に人工を加えて治水する→おさめる。
詒              タイ            言葉の表面を飾る→あざむく。
等              トウ            同じものをそろえて順序を整える→ひとしい。
辞・辭          ジ              言葉に装飾を加えて訴訟を調停する→やめる。
詞              シ              言葉に装飾を加える→ことば。
怡              イ              自分の心に加減を加えて調整する→よろこぶ
怠              タイ            自分の心に加減を加えて緊張を緩める→おこたる
飴              イ              穀物に加工して柔らかくしたあめ。
殆              タイ            人工を加えてほぼ似せる→ほとんど
態              タイ            行為を加えて飾った姿→すがた
能              ノウ・ダイ      人工を加える力→能力。
耐              タイ            そうできるだけの力を備えている→たえる
弋              ヨク            くい
杙              ヨク            くい
式              ショク          作為を加える→一定のやり方
試              シ              用いてみる→ためす
弑              シイ            人間が道具を用いて作為する→殺す。
拭              ショク          人工を加えて表面をきれいにする→ぬぐう
飾・餝          ショク          人工を加えて美しく仕立てる→かざる



004 TIG         はら子

已              イ              胎児。
胎              タイ            肉体が行為をしはじめる→胎児。
始              シ              肉体が行為をしはじめる→はじめる。



005 TIK         柔らかくして食べる

食              ショク          食べる
蝕              ショク          虫が食べる→むしばむ。
飼              シ              柔らかくしたえさ→かう。



070 TUG         じっと立つ、ひと所にとどまる

丶              チュウ          灯火のじっと止まって燃えたった姿。主の字の上部。
主              シュ            灯火がじっと燃える→じっと止まって動かない者→あるじ。
住              ジュウ          ひと所にじっとすむ
注              チュウ          じっとひと所に水をそそぐ
柱              チュウ          じっとたつはしら
駐              チュウ          とまる
註              チュウ          本文中の言葉に付けた解説。
斗              ト              柄の立ったひしゃく。
豆              ズ              じっとひと所にたつたかつき
頭              ズ・トウ        じっと棒状にたつあたま
  兜            トウ            頭を包むかぶと。
逗              ズ              じっとひと所にとどまる
痘              トウ            あとを残す伝染病→ほうそう。もがさ。
豎              ジュ            たてる、たて
竪              ジュ            たてる、たて
樹              ジュ            じっとたった木
闘・鬪          トウ            たちはだかって切りあう→たたかう。
読・讀          ドク            しばし息をとめて区切る
黷              トク            たまったあか
濁              ダク            水がひと所にとどまる→虫がわいて濁る
触・觸          ショク          角をじっとくっつける→触れる
独・獨          ドク            一定の所にくっついて動かず、他に迎合しない→ひとり。
属・屬          ショク・ゾク    しりをじっとひっつけて交尾する→つく
嘱・囑          ショク          相手の耳に口をくっつけていい含める→頼む。
矚              ショク          目をつけて離さない。
燭              ショク          じっとたってもえる灯火→ともしび。
戍              ジュ            兵士が武器を持って警備にたつ。
朱              シュ            ひと所にじっととまっている切り株→切り株の木質部のあかい色。
株              シュ            切りかぶ。
殊              シュ            株を切るように切断して殺す→特別の極刑であることから特殊の意。
誅              チュウ          胴切りにして殺す。「天誅」等。
珠              シュ            朱(あかい)色の玉。
侏              シュ            朱は、短く直立切りかぶの意。直立した背たけの低い人。
茱              シュ            朱(あかい)実をつけるグミ。
蛛              チュウ          朱は、ひと所にじっととまっている切り株の意。
                                網の真ん中にじっとしているくも。
銖              シュ            朱は、切りかぶの小さい断片の意。加工してない鉄片。
昼・晝          チュウ          一日のうち、主となり中心となる時→ひる。
投              トウ            先方のある所に立つように、なげる。



147 TUAT        抜けでる、ほぐす

兌              ダ              抜きとる
脱              ダツ            衣服をはなしてぬがせる
説              セツ            ことばでしこりをときはなす
悦              エツ            心のしこりがぬける
蛻              ゼイ            せみがからから抜け出る
鋭              エイ            金属の錐キリや矛ホコの外側をはぎとり、中心をとがらせた→するどい。
  叡            エイ            するどく奥深くまで目のきく→さとい。
税              ゼイ            収穫物をはがしてとる→収入をぬきとる。
閲              エツ            調べて怪しい者をぬきとる→よしあしをみる。けみする。
奪              ダツ            抜きとる



036 TOK         細長く伸びる

道              ドウ            ある方向にのびるみち
導              ドウ            一定の方向に引っぱっていく
寿・壽          ジュ            年齢が長くのびる
疇・畴          チュウ          長いあぜ道
  套            トウ            つつむ。重ねる。疇(田を囲むあぜ→つつむ)と同系。
  韜            トウ            外皮でつつみ隠す→つつむ。
濤・涛          トウ            長々とうねる波
祷              トウ            長く声をのばしてのりとを告げる
祝              シュク          のりとを告げる神職
呪・咒          シュウ          のりと
攸              ユウ            長く細く水をたらす
篠・筱          ショウ          幹が細くて矢がらに用いるしの竹
条・條          ジョウ          細長い枝
滌              ジョウ          水をたらたらと細く長く流してあらう
脩              シュウ          肉をほして細ながくさいたもの
修              シュウ          すらりと細長く姿が整ったこと
絛              ジョウ          ほそながい糸
悠              ユウ            心がながくのびる
謡・謠          ヨウ            声を長くのばし節をつけてうたう
遥・遙          ヨウ            細く長い道の続くさま
虫・蟲          チュウ          細長いへび→むし



037 TOG         ゆらゆら、ゆらぐ

游              ユウ            水上にゆらゆらと浮かぶ→およぐ、あそぶ。
遊              ユウ            ぶらぶら歩きまわる→あそぶ。
揺・搖          ヨウ            ゆらゆらゆれる。
滔              トウ            ゆらゆら波がゆれる→波うつ、はびこる。



038 TOK         細長く垂れ下がる

鳥              チョウ          尾のたれさがったとり。
蔦              チョウ          ぶらさがるつた。
島・嶋・嶌      トウ            渡り鳥が休む海の小さい山→しま。
弔              チョウ          棒につるが巻きついてたれる→上から下にたれる
                                →天の神が下界に恩恵をたれる→他人に同情をたれる→とむらう。
  悼            トウ            いたむ。
吊              チョウ          ぶらさがる



A04 TOK         ふとる

育・毓          イク            肉がついて太る
充              ジュウ          人体が肉づきよく成長し、中身がいっぱいになる
銃              ジュウ          たまをつめこんでうつ小型の兵器。充は、つめこむ意。
統              トウ            糸すじが端から全体へとゆきわたる
竺              ジク            太い竹
篤              トク            太い馬



033 TOG         ぐるりと取り巻く、集める

畜              チク            かこって飼う動物
蓄              チク            かこってたくわえる野菜
舟              シュウ          まわりをとりまいて、水がはいらないようにしたふね
州              シュウ          砂地の周囲を、水がとり巻くなかす→地方の行政区画。
  洲            シュウ          なかす。
手              シュウ・シュ    外まわりを囲んでその中に物を持つ手
受              シュウ・ジュ    しっかり持つ
  授            ジュ            渡して受けとらせる→さずける。
  綬            ジュ            印環を承受する→官職を表す色糸で編んだ組みひもの帯。
守              シュウ・シュ    とられぬようしっかり持つ→まもる
狩              シュウ・シュ    わくの中へ動物を追いこんで逃げられないようにする
獣・獸          シュウ・ジュウ  わくへとじこめた家畜
囚              シュウ          わくの中に人を閉じこめる
衆              シュウ          たくさん集まる
収・收          シュウ          とりこむ
冬              トウ            作物をしまいこみたくわえる季節
終              シュウ          糸を巻いて蓄えた糸の玉→最後まで巻く→おわる。
丑              チュウ          手の先を曲げてつかむ
肘              チュウ          物を抱きこむひじ
酎              チュウ          酒を水がわりに取り込んで作った濃い酒。



034 TOK         万遍なく行き渡る、平均する

蹈              トウ            万遍なくとんとんと足ぶみする→ふむ。
稲・稻          トウ            万遍なくこねて餅状にする穀物→いね。
陶              トウ            粘土を万遍なくこねて焼いてつくった器。
掏              トウ            土をこねるような手つきで物を器の中からすくって外に出す。
築              チク            土をすみずみまでつきかためる→きずく。
舂              ショウ          うすで穀物をつく。
擣・搗          トウ            こねるようにして、すみずみまでつく。
鋳・鑄          チュウ          型の中に溶かした金属を注いで万遍なくいきわたらせる→いる。
籌              チュウ          同じ長さに平均した計算竹。
儔              チュウ          同列の仲間→ともがら。
讎・讐          シュウ          平等に受けこたえする。
                                対等な話し相手→自分に対抗する相手→かたき。
酬              シュウ          酒をまんべんなくいきわたらす→むくいる。
周              シュウ          全部に万遍なく行き渡ることから周囲の意。
  週            シュウ          まわりをまわる。めぐる。
稠              チュウ          万遍なくびっしりつまっている→おおい。
彫              チョウ          器物の表面全体にびっしりと模様をつける→ほる。
調              チョウ          全体に万遍なく行き渡らせる→ととのえる。
                                全体に万遍なく目を通す→しらべる。
鯛              チョウ          まんべんなく調和がとれている魚→たい。
溶              ヨウ            平均化してとける。
融              ユウ            平均化してとける。
粥・鬻          シュク・イク    米がドロドロに平均化したおかゆ。
毒              ドク            ドロドロに腐敗した物→ドク。
孰              ジュク          ドロドロによく煮る。
熟              ジュク          ドロドロになって平均化する→うれる。
塾              ジュク          築地の塀。その塀の中に設けた手習い所。
討              トウ            すみまでまわって敵をうってとる→うつ。
忠              チュウ          すみずみまで欠けめのないまごころ。



035 TOK         抜き出す、抜け通る

酉              ユウ            口の細い酒つぼ。とり(十二支の十番め)の意は転用。
由              ユ・ユイ        口の細いつぼ。~から出てくる→よる。
釉              ユウ            つぼなどの陶器の表面に塗る薬。由は、つぼの意。
抽              チュウ          細い所からずるずるとひき出し抜き取る。
軸              ジク            車輪からぬけ出るじく。
紬              チュウ          繭から糸をひき出す→つむぐ。
油              ユ              ずるずると細く長く出るあぶら。
舳              ジク            抽出されたように船首にぬけ出たへさき。
笛              テキ            息と音がぬけ出てくるふえ。
迪・廸          テキ            ある所から出てくる道。
袖              シュウ          そこから腕がぬけて出入りする衣の部分→そで。
柚              ユ              汁をしぼる出す果実→ゆず。
冑              チュウ          頭が抜け出るよろい→かぶと。
中              チュウ          まんなかを突き通す→なか。
衷              チュウ          衣でつつんだそのなかみ→うち。
竹              チク            中が抜け通っているたけ。
筑              チク            竹製の楽器。
猶・犹          ユウ            抜き出す→のばす(猶予)→なお。
首              シュ            胴体から抜け出たくび。
朝              チョウ          東方から太陽の抜け出るあさ。
潮              チョウ          あさしお。
偸              トウ            中の物をぬきとる→盗む
鍮              チュウ          自然銅をとかして抽出する黄金色の銅。「真鍮」等。
厨・廚          チュウ          物を出し入れする戸だなやへや→くりや。



071 TUNG        つきとおる

東              トウ            中にしん棒を通し、両端をしばった袋
棟              トウ            屋根をとおすむな木
凍              トウ            氷が端から端まで通して張る
同              ドウ            板に穴をあけて突き通す。通ずれば一つになる
筒              トウ            つつ
胴              ドウ            つつ型の胴体
洞              ドウ            突き抜けたほら穴
桐              トウ            つつ型をしたきりの木
銅              ドウ            あなをあけやすい、柔らかい金属
童              ドウ            刃物で目をつき抜いて盲人にした男
撞              トウ            つく。
鐘              ショウ          つくかね。
憧              ショウ・ドウ    心中がむなしく筒抜け→あこがれる。
瞳              ドウ            眼球をつきぬける穴→ひとみ。
重              ジュウ          人体のおもみが地面につきぬけて、地上の一点にかかる→重い。
  腫            シュ            皮膚が重そうにふくれる
  踵            ショウ          上から下に重みをかけるかかと
  冢            チョウ          土をかぶせてずっしりと重く固めた盛り土→つか。
  塚            チョウ          土をかぶせてずっしりと重く固めた盛り土→つか。
動              ドウ            上下につきぬけてうごく
種              シュ            上から下に地面をおしさげて作物をうえる
衝              ショウ          突き抜く
用              ヨウ            力や道具の働きを他の面にまで通し使う
甬              ヨウ            つらぬきとおす
通              ツウ            とおす
  透            トウ            それだけがぬけとおる→すける。
桶              ツウ・トウ      つつ型になったまるいおけ。
痛              ツウ            突き通るように痛い。
踊・踴          ヨウ            人がとんと地面をつきぬくようにふんばり、その反動でとびあがる
  涌            ヨウ            水がとびあがる→わく
誦              ショウ          あけすけにいいとおす。
勇              ユウ            とびあがっていさみたつ
湧              ユウ            つき通して水がわき出る
庸              ヨウ            つき通す、ならす
傭              ヨウ            一定の期間を通して仕事をさせ、全体をならして賃金を支払う
涜              トク            水をぬきとる通水溝
贖              ショク          金品を払って人質をぬき出す
続・續          ゾク            断絶しないように糸でつないで、後から後からつづく。



055 TOG         二つに割れる、開く

兆              チョウ          亀甲に焼け火ばしをさし、表面にできたひびを見て、吉凶を占う。
                                占いの結果→きざし。
桃              トウ            ぱんと二つに割れるもも
挑              チョウ          二つに仲をさく→いどむ。
跳              チョウ          足ではねて体が地面からはなれる→とぶ。
逃・迯          トウ            ぱっと離れ去る→にげる。
眺              チョウ          左右両方をながめる。
肇              チョウ          戸を手で左右に開く→はじめる。
啓              ケイ            口を開く→ひらく、もうす。
綮              ケイ            さや袋づきのほこ。啓は、ひらいて中身を出す意で、中からほこを出すから。
開              カイ            開く。



056 TOG         弓形に曲がる

刀              トウ            刃が曲線をなしてそった片刃のかたな。
召              ショウ          手を曲線状にしてまねく→口でまねく→めす。
  詔            ショウ          人を召し出してつげさとすことば→みことのり。
招              ショウ          手を曲線状にしてまねく。
  到            トウ            招いて、到らせる。
  倒            トウ            からだが弓なりにそって頭が地にとどく→たおれる。
紹              ショウ          糸の端と端とを半円を描いてまねき寄せつなぐ→つぐ。
沼              ショウ          底がゆるい曲線をなしたぬま。
昭              ショウ          光をぐるりと回して、すみまでてらす→あきらか。
照              ショウ          光をぐるりと回して、すみまでてらす。
超              チョウ          曲線を描いて飛び越える。
焼・燒          ショウ          炎が曲線状をなして、ゆらゆら燃える→やく。



057 TOG         抜きん出る、抜き出す

勺              シャク          酒や汁を汲み出すひしゃく。
杓              シャク          酒や汁を汲み出すひしゃく。
酌              シャク          酒をくむ
的              テキ            一部分だけ特にとりあげて目だたせる→まと。
釣              チョウ          魚を水から抜き出す→つる。
盗・盜          トウ            他人の物をぬきとる→ぬすむ。
卓              タク            ぬきんでる。
掉              トウ・チョウ    高く抜き出して、宙づりにする→ふる。
濯              タク            水中につけた物をさっと抜きあげてあらう。
擢              テキ            特定の物だけを抜きあげる。
躍              ヤク            足で高くとびあがる。
  耀            ヨウ            光が高くて照りかがやく。
櫂              トウ            水面からさっと抜きあげる船のかい。
曜              ヨウ            日光が高くかがやく。かがやく天体→日、月、火、水、木、金、土星
                                →これらに割り当てられた日(曜日)。
燿              ヨウ            かがやく。
瑶・瑤          ヨウ            かがやく白く美しい玉。



195 TER         まっすぐで短い、低い

夷              イ              小さい人
姨              イ              妻よりも小さい、妻の妹。母の妹
低              テイ            背のひくい人
底              テイ            物のひくい所。そこ。
柢              テイ            ひくい所にある木の根
邸              テイ            低い平屋→りっぱなやしき。
砥              シ              低く平らな石→刃物をとぐための平らな石
弟              テイ            くいに巻きついたつるの低いほうの端→小さいおとうと。
  第            ダイ            弟は、くいにつるが一段一段と巻いたさま。
                                竹の節が順序よく一段一段と並ぶ→段階・順序。
  梯            テイ            段のついたはしご。
  悌            テイ            年下の弟として兄に従う心構え。兄弟なかがむつまじい。
剃              テイ            そって髪のたけを低くする→そる。
  薙            テイ            草を短くかる。かる。なぐ。そる。
矢              シ              まっすぐで短い矢
雉              チ              矢のようにまっすぐ飛ぶきじ
尸              シ              まっすぐで短いからだ
屍              シ              まっすぐで短い死体
屎              シ              短い棒状のくそ
指              シ              まっすぐで短いゆび
視              シ              まっすぐ目をむけてみる
示              シ              人に見せる→しめす。
  祇            ギ              「示」は神々の心が示される祭壇。氏神としてまつる土地神。



119 DEK         薄く平らに伸びている

也              ヤ              たいらなさそり
地              チ              たいらな土地
弛              シ              のびる→ゆるむ
池              チ              平らに広がる水たまり
氏              シ              薄く平たいさじ→血統
紙・帋          シ              たいらなかみ
舐              シ              平らに舌をのばす
易              イ              低い、たいらなトカゲ→やさしい
錫              セキ            たいらに伸ばす、すず
賜              シ              自分の前にある物を相手の前におしやる→たまわる。
逓・遞          テイ            横へ横へとのび進む



120 TEK         まっすぐ

是              ゼ・シ          まっすぐ進む
匙              シ              まっすぐなさじ
提              テイ            まっすぐひっさげる
堤              テイ            まっすぐのびたつつみ
題              ダイ・テイ      まっすぐなひたい
呈              テイ            まっすぐに差し出す
逞              テイ            一直線に進んで、おさえがきかない→たくましい。
程              テイ            まっすぐな穂の長さ→一定の長さ→基準→はかる。
廷              テイ            まっすぐ平らなにわ。
庭              テイ            まっすぐ平らなにわ。
梃              テイ            まっすぐな棒
挺              テイ            まっすぐ前進して列の前にぬけ出る
艇              テイ            まっすぐに直進する細い小ぶね。
聴・聽          テイ・チョウ    まっすぐにききあてる。
  庁・廳・廰    チョウ          訴えや事情を聴く所→役所。
  偵            テイ            聴き伺う。ようすを探る。
聖              セイ            純正な人
適              テキ            まっすぐ進む、まともにあたる
敵              テキ            まともに向かう
嫡              テキ・チャク    まっすぐの、直系の子孫
彳              テキ            まっすぐ前に進み出る。
正              セイ            まっすぐ→ただしい
征              セイ            遠方を目ざして、まっすぐいく。
  役            エキ・ヤク      遠くに行って仕事をする→働かせる。
  疫            エキ・ヤク      役は、割り当てられるつらい仕事の意。
                                いやおうなく各人に割り当てられる、つらい流行病。
整              セイ            まっすぐにする
政              セイ            社会を正しくととのえる
定              テイ            まっすぐたって動かない
  停            テイ            ひと所にとどまる
  淀            テン            水が動かずよどんだところ。
鼎              テイ            じっとたって動かないかなえ
貞              テイ            まっすぐでただしい
釘              テイ            まっすぐとまるくぎ
打              テイ・ダ        直角にうちつける
訂              テイ            まっすぐに直す
汀              テイ            水がうち寄せるたいらな砂地。



121 TEG         ズバリと当てる

知              チ              物事の本質を言い当てる→しる。
智              チ              ずばりと言い当てて、さとい。
禎              テイ            神意を聞き当てる→神の恵み→さいわい。



122 TENG        T型に直角に当たる

丁              チョウ・テイ    T型のくぎ→ちょうど当たる。
町・甼          チョウ          T字型になった田のあぜ道→道で区切られたまち。
頂              チョウ          直線がT型につかえた上方の面→いただき。
亭              テイ            地面に直角にたつ望楼。



123 TEG         ひと所に締めまとめる

帝              テイ            世界をとりまとめる最高の神→最高の支配者。
締              テイ            まとめてしめる。
諦              テイ            いろいろ観察をまとめて、真相をはっきりさせる→つまびらか。
蹄              テイ            指が一つにまとまったひづめ。
啻              シ              ただ一つに絞る→ただ。
只              シ              ただ。
祗              シ              ただ。
滴              テキ            ひと所に集まったしずくが垂れ落ちる→しずく、したたる。
摘              テキ            何本もの指先をひとつにまとめ、ぐいと引き締めてちぎる→つむ。
成              セイ            まとめあげる→なす、なる。
盛              セイ            容器の中に物をまとめる→もる。
晟              セイ            あかるくりっぱなさま。
誠              セイ            まとまって欠けめのない心→まこと。
城              ジョウ          土を盛って固めあげたしろ。



141 TAT         ゆったり、たっぷり

多・夛          タ              たっぷりと存在する→おおい。
侈              シ              たっぷり→ぜいたく、おごる。
大              ダイ            たっぷりとゆとりがある→おおきい。
太              タイ・タ        たっぷりとふくれている→ふとい。
泰              タイ            たっぷりと水を流す→やすらか。
汰              タ              たっぷりと水をかける→はなはだしい。
達・逹          タツ            ゆとりをあけて通る。
舌              ゼツ            口中で自由に動くした。
亶              タン            物をおおく集める→多い、厚い。
善・譱          セン・ゼン      たっぷりとみごとである→良い。
繕              ゼン            悪いところを良くする→つくろう。
膳              ゼン            いろいろとゆたかにそろえた食事。



143 TAN         外に現れる

旦              タン            日の出。
但              タン            もと、肌を外にあらわす意。現在は「単」に当て、「ただ」の意。
袒              タン            肌を外にあらわす。
綻              タン            布が破れて、中身が外にあらわれる→ほころびる。
丹              タン            あかい丹砂があらわれ出る→丹砂(赤い顔料になる)。
旃              セン            あかい旗。
誕              タン            子どもが胎外にあらわれる→うまれる。
蛋              タン            母体外にあらわれ出る卵。
嘆              タン            はあとため息を外に出す→なげく。
歎              タン            はあとため息を外に出す→なげく。



144 TAN         平らか、パタパタと動く

単・單          タン            薄くたいら→一重。
褝・襌          タン            ひとえの衣服。
禅・禪          ゼン            たいらな土の壇の上で天をまつる儀式→真理を悟る修行。
蝉              セン            うすく平らな羽をびりびりとふるわせて鳴く虫→せみ。
弾・彈          ダン            弦をはじいて上下に動く→はじく、たま。
憚              タン            心がパタパタ震える→はばかる。
戦・戰          セン            平面が上下動する→怖くてブルブル振るえる
                                →おののく、たたかう。
殫              タン            全部を平らげる→たおす、つくす。
顫              セン            平らな面がぱたぱたと振動する
壇              ダン            平らに地ならしした盛り土→土台。
氈              セン            たいらな敷物
擅              セン            単独で物事を弁じること。
扇              セン            薄く平らなとびらや、うちわ。
煽              セン            火をパタパタあおぐ→あおる。
展              テン            物を平らにのばす→のばす、ひらく。
輾              テン            車のわだちが物を平らにひきつぶす→ひく。
碾              テン            石うすで平らにつぶしのばす→ひく。
典              テン            ずっしりした書物を平らに陳列する→書物。
廛・壥          テン            平らな宅地や屋敷。
  纏・纒        テン            廛は、ある所にへばりつく意。
                                ひもや布を一か所にへばりつくようにまきつける→まとう
坦              タン            平らな地。



142 TAR         伸びる、伸ばす

移              イ              横に伸ばす→うつす。
它              タ              長く伸びたへび。
  蛇            ジャ・ダ        へび。
  佗            タ              蛇の害を受けるような変事→見慣れない→他人→ほか。
  他            タ              ほか。佗の字ににているので、ほかの意に使われる。
施              シ              横へのばす→ほどこす。
舵              タ・ダ          横へ引くかじ
陀              ダ              斜めにのびた地形。坂。
                                梵語のダを音訳用の当てた字。「仏陀」。
馳              チ              伸びる→横に移動する→はせる。はしる。
帯・帶          タイ            長くたいらな帯
滞・滯          テイ・タイ      帯状に水がたまる
廴              イン            長く引き伸ばす。
延              エン            長くのびる
筵              エン            長くのばすむしろ。
衍              エン            長くのびる
涎              セン            長くのびるよだれ。
羨              セン            いいものを見て、よだれを長くたらす→うらやむ。
鳶              エン            足に長いひもをつけて飛ばせた鳥→とび。



196 TEN         伸びる、伸ばす

申              シン            のばす→意見や気持ちを外に出して展開する→もうす。
呻              シン            声を長くのばしてうなる→うめく。
伸              シン            のばす。
紳              シン            からだをまっすぐのばす帯→高官が用いる帯→りっぱな人。
電              デン            のびるいなずま。
神              シン            いなずまのように不可知な自然の力→かみ。
寅              イン            からだをまっすぐのばす。「とら」の意は、この字の転用。
演              エン            ひきのばす→口やしぐさで展開させる。(演説、演技)
引              イン            ひきのばす→ひく。
蚓              イン            長く引きのばした形をしたみみず。
胤              イン            先祖から糸をひいた血すじ→たね。
失              シツ            手中のものが横へ引くようにするりと抜け去る→うしなう。
跌              テツ            足がするりと横にすべる→つまずく。
迭              テツ            横に抜けて入れかわる→序列・地位からぬけて他のものとかわる。
佚              イツ            ぬけだして逃げる。俗世間から抜け出す。
軼              イツ            車が列からぬけ出る→それだけがぬけおちる。
逸              イツ            するりとぬける→はしる、のがれる。



197 TEN         平らかに伸びる

天              テン            頭上に高く広がる大空。
田              デン            平らに耕した土地。
  佃            デン            田畑を耕す農夫。つくだ。
畋              デン            田をつくる。
奠              テン            台上に酒壷を平らに安置する→まつる。
  鄭            テイ            ずっしりと上にのせたさま。重みがある。念をおすさま。ねんごろ。
陳              チン            平らに押し伸ばす→ならべる。
  陣            ジン            陳の俗字。並べた軍勢や防御物。また、その構えの形。
巓              テン            最上部の平らな所→いただき。山の頂上。



205 TIP         奥深く入り込む

深              シン            ふかい。
探              タン            手をふかく入れてさぐる→さがす。
尋              ジン            さぐる→たずねる。
審              シン            念入りに深く調べる→つまびらか。
瀋              シン            器の底に深く沈むしる。
汁              ジュウ          器の底に深く沈むしる。
沈              チン            深くしずむ。
眈              タン            見おろして欲ふかそうに見つめる。
耽              タン            深入りする→ふける。
枕              チン            頭を下にしずめるまくら。
忱              シン            奥深い心の底の気持ち→まこと。
酖              チン            酒に深入りする→ふける。
鴆              チン            人を混迷の奥に沈める毒をもつ鳥。
甚              ジン            ふか入りしている→はなはだしい。
湛              タン            奥ふかい水→たたえる。
斟              シン            深さや分量を探りながらくむ。
勘              カン            奥深くまで徹底して突きつめる→かんがえる。
堪              カン            分厚い重さ→その重さにたえる。
覃              タン            奥ふかくくぼんだざる→ふかい。
潭              タン            深いふち。
簟              テン            体を沈めるむしろ。
淫              イン            色ごとに深入りする→みだら。
婬              イン            女に深入りする→みだら。
貪              タン・ドン      深入りしてむさぼる。
曇              ドン            雲が深くて日を隠す→くもる。
壜              タン            底深いつぼ。
湿・濕          シツ            深く水面下に沈めてぬらす→しめる。
針・鍼          シン            深く入り込む針。
箴              シン            竹ばり。ちくりと人の心をさしていましめる。



206 TIP         重ね合わせる

答              トウ            相手の言ったことに、言葉を重ねる→こたえる。
荅              トウ            さやのあわさった豆→小粒の豆。
搭              トウ            のせる。
搨              トウ            上に紙をのせてする。
榻              トウ            上にのって寝る、寝台。
沓              トウ            言葉を重ねる→りゅうちょうにしゃべる。
踏              トウ            くりかえし足を動かす→ふむ。
渉              ショウ          踏と同系。わたる。
陟              チョク          左右の足をふみしめて、丘にのぼる。
捗              チョク          仕事が一歩一歩と上に進む→はかどる。
畳・疊・疉・疂  ジョウ          つみかさねる→たたむ。
習              シュウ          くりかえし行う→ならう。
摺              ショウ          かさねて折る→たたむ。
褶              シュウ          衣を重ねてつくるひだ。
襲              シュウ          衣をいくえにも重ねる→上にかさなる→おそう、つぐ。
十              ジュウ          多くのものを寄せ集めてまとめる→10。
什              ジュウ          十人一組。
廿              ニジュウ        二十。
卅              サンジュウ      三十。
拾              シュウ          あわせ集める→ひろう。
執              シツ・シュウ    両手を重ねた上に手かせはめ、しっかり捕らえる→とる。
摯              シ              しっかりと手にとって持つ→とる。
躡              ジョウ          一歩一歩とふみしめていく→ふむ。
摂・攝          セツ            多くの物をあわせて手に持つ→とる。



213 TAP         薄っぺらい 214

葉              ヨウ            薄く平らな葉っぱ。
牒              チョウ          薄く平らな木の札。
蝶              チョウ          羽の薄いちょう。
鰈              チョウ          体の薄いかれい。
諜              チョウ          すっぺらい言葉→口の軽い者→スパイ。
喋              チョウ          薄い舌がぺらぺらと動く→ペらペらとしゃべる。
楪              ヨウ・チョウ    薄く平らな板→まど、すのこ、ゆか。
閃              セン            薄く平らなものがひらりと動く→ひらめく。
輒・輙          チョウ          耳たぶのような形の、車のもたれ木。
帖              チョウ          薄い布や紙に書きつけたもの。
貼              チョウ・テン    薄くはりつける。
苫              セン            カヤやスゲ草を薄く平らにしいて屋根をふいたもの。
啖・啗          タン            薄い舌を軽く動かす→大食。
談              ダン            薄い舌を軽く動かす→さかんにしゃべる。
聶              ショウ・ジョウ  薄い舌を軽く動かし、小さな声で話す→ささやく。
囁              ショウ          ささやく。
譫              セン            薄い舌を軽く動かし、口数多くしゃべる→たわごと。



145 TUAR        上から下へ落ちる、垂れる

垂・埀          スイ            たれる。
陲              スイ            大地のたれさがった地の果て。
                                (地の果ては低くたれて、がけになっていると考えられた。)
唾              ダ              だらだらと垂れるつばき。
睡              スイ            まぶたを垂れて眠る。
錘              スイ            垂れるおもり。
捶              スイ            上から下へたたく→むちうつ。
堕・墮          ダ              上から下へ下がる→おちる。
惰              ダ              緊張を抜いてだらりと落ちるような気持ち→おこたる。
隋              ダ              たれる
楕・橢          ダ              上部がたれさがって、ひしゃげた形をした木のわく。「楕円」
随・隨          ズイ            惰性にまかせて先行者のあとを行く→したがう。
  髄・髓        ズイ            骨の外わくに従う柔らかいゼラチン状のなかみ。
端              タン            物の両端が垂れているさま→はし。
瑞              ズイ            神の真意が垂れて現れる→めでたいしるし。
段              ダン            上から下へ足で踏みたたくようにしておりる石段。
鍛              タン            金づちで上から下へとたたく→きたえる。
専・專          セン            丸い重りで上からおさえる→一ヶ所に止まる→もっぱら。
団・團          ダン            丸い重り→丸く集まる。
転・轉          テン            丸いものを転がす。
伝・傳          デン            転がすように伝える。
甎              セン            円いかわら。
磚              セン            円い石。
彖              タン            腹の垂れた豚。
縁              エン            両側に垂れた布のはし→ふち。
篆              テン            へりの垂れ下がった字体。
椽              テン            両側にそろって垂れた家のたるき。
断・斷          ダン            上から下へ、ずばりとたちきる。
朶              ダ              上から下へたれた枝や花。
妥              ダ              上から下へ押さえて落ち着かせる。
綏              スイ            落ち着く→安らか。
餒              ダイ            食物が足りず、からだがぐったりと垂れる→うえる。



146 TUAN        短い

短              タン            短い
喘              ゼン・セン      短い息遣い→あえぐ。
湍              タン            一段ずつ短くくびれる水の流れ→はやせ。



178 TUIT        上や下に突き出る

突              トツ            突き出る→突く。
凸              トツ            突き出た部分。
屮              テツ            草の芽が地上に抜け出る。
徹              テツ            するりと突き抜ける→とおる。
撤              テツ            さっと抜きとる→すてる。
轍              テツ            車がさっと通りすぎたあと→わだち。
鉄・鐵・銕・鐡  テツ            まっすぐに物を切りおとす鋭利な金属→てつ。
出              シュツ・スイ    突き出る→出る。
咄              トツ            突然に沈黙を破って、舌打ちや声を出す。
                                「はなし」の意は日本だけ。
拙              セツ            後ろに突き出る→標準より後ろにさがって見劣りする→つたない。
黜              チュツ          後ろに突き出す→しりぞける。
退              タイ            後ろに突き出る→しりぞく。
夂              チ              後ろにさがる→おくれる。
夊              スイ            後ろにさがる→おくれる。



179 TUIN        ずっしり、ぶくれ

屯              トン            ずっしりと生気をこめて地上に芽を出そうとして出悩むさま
                                →たむろする。
春              シュン          地中にずっしり陽気がこもり、草木がはえ出る季節→はる。
蠢              シュン          中にこもってうごめく。
頓              トン            ずっしりと頭を下げる。
鈍              ドン            金属のかどがずっしりと重くふくれて、にぶい。
純              ジュン          ずっしりとたれた布地の縁→縁の糸は単色で他の色がまじらない
                                ので純色の意→まじりけのない。
享              キョウ          ずっしりした城壁の土盛り→南北に通じる城郭
                                →すらりと通じる→うける。
醇              ジュン          ずっしりと濃い酒→あつい。
淳              ジュン          水分がたっぷりある→あつい。
敦              トン            ずしんと重い→あつい。
惇              トン            どっしりと落ち着いていて人がらにあつみがある→あつい。
諄              ジュン          ことばがていねいで落ち着いている→ていねいに教えさとす。
槌              ツイ            重くずっしりしたつち。
縋              ツイ            高いところにかけて重く下にさがるなわ→かける、すがる。
隹              スイ            ずんぐりと太い鳥。
錐              ツイ            上から下へ重みをかけながらもんで穴をあけるきり。
椎              ツイ            上から下へ重みをかけて打つつち。
碓              タイ            重い石でずしんずしんとつく石うす。
推              スイ            ずっしりと重みや力をかけておす。
  吹            スイ            口から息を押し出す→ふく。
  炊            スイ            息を出して火をふいて煮たきする→たく。
堆              タイ            ずっしりした土盛り→つむ、うずたかい。
崔              サイ            ずっしり盛りあがった山。
准              ジュン          水がずっしりと下にたまる。
準・凖          ジュン          下にたまって落ち着いた水の水面を基準として高低をそろえる
                                →水準器、なぞらえる。
豚              トン            ずっしりと重いぶた。
隊              タイ            重々しくまとまった人間の集団。
墜              ツイ            ずしんとおちる。
頽              タイ            ずしんとくずれおちる。
盾              ジュン          ずっしりと重い金属の板のたて。
殿              デン            ずっしりと土台を構えた大きな建物。
澱              デン            ずっしりと水底にたまった泥。
臀              デン            ずっしりと重いしり。



180 TUIT        ルートに従う

循              ジュン          何かをたよりにし、それによりそって行く→したがう。
遁              トン            かくれつつ進む→のがれる。
楯              ジュン          頼りにして従うてすりの棒。
巡              ジュン          川の流れのようにルートに従って進む→めぐる。
順              ジュン          川の流れのようにルートに従って進む→したがう。
馴・駲          ジュン          おとなしくしたがう→なれる。
追              ツイ            ルートをたどっておいかける→おう。
遂              スイ            道すじをたどって奥へ進む→とげる。
隧              スイ            土盛りをした墓の奥へ奥へとはいりこむトンネル。
邃              スイ            ルートに従って穴の奥へと進む→ふかい。
術              ジュツ          昔からの方法に従ったやり方→わざ。
述              ジュツ          従来のルートにそっていく→すでにある考えや、
                                今までのいきさつを知らせる→のべる。
水              スイ            溝やくぼみに従って流れる水。
沿              エン            水がルートに従い低い方へ流れる->そう。
船・舩          セン            流れに従って下るふね。
鉛              エン            鋳型に従う柔らかいなまり。



214 TAM         ひと所に定着する

占              セン            一つの物や場所を選び決める→うらなう、しめる。
粘・黏          ネン            一か所にねばる。
鮎              ネン            占は粘の略で、ねばりつく意。ねとねとした魚→なまず。
                                「あゆ」の意味で使うのは日本だけ。縄張りを独占する魚。
覘              テン            目標から目をはなさない→うかがう。
点・點          テン            くっついて動かないしみ→小さなしるし。
沾              テン            水がひと所に定着する→うるおう。
霑              テン            うるおう。
店              テン            場所をきめたみせ。
砧              チン            一定の場所に固定した石→きぬた。(衣類を洗濯する石)
拈              ネン            指先をねちねちとねばっこくして、ひねる。
捻              ネン            指先をねちねちとねばっこくして、ひねる。
添              テン            はりつけるように、上に水の層を加える→そえる。
淡              タン            静かに安定して、刺激のない→あわい。
痰              タン            ねばって、熱をもっているつばき。
担・擔          タン            肩に乗せて安定させる→かつぐ。
胆・膽          タン            体の中央に鎮座して安定を保つ臓器。
瞻              セン            ある目標に視点を定めて見る。
憺              タン            心がじっくり落ち着いて安定している→やすらか。
恬              テン            ぺったりと落ち着いた心→やすらか。
澹              タン            静かに安定している→しずか、やすらか。
檐              エン            屋根の重みを受けて軒に安定させる→ひさし。



072 NUG         ねっとり、なずむ、しっとり、柔らかい

乳              ジュ・ニュウ    ねっとりしたちち
需              ジュ            しっとりとぬれて動かず、何かをあてにしてまつ
儒              ジュ            性行のしっとりとして柔和な人
濡              ジュ            しっとり、ぬれる
襦              ジュ            柔らかい下着
孺              ジュ            からだの柔らかい子ども
懦              ダ              柔らかくよわい心
臑              ジュ            柔らかい肉
須              シュ・ス        しっとりとしたひげ→必要としてまちうける
辱              ジョク          強さをくじいて、ぐったりと柔らかくさせる
褥              ジョク          柔らかい下じき
蓐              ジョク          柔らかい敷物
冗              ジョウ          仕事がなくて、家の中でたるんでいる人→むだ
茸              ジョウ          だらりとたるんだきのこ



152 NUAN        ぬくぬくとやわらかい

軟              ナン            やわらかい。
暖              ダン            あたたかい。



039 NOG         やわらかい、なでまわす

柔              ジュウ・ニュウ  やわらかい
鞣              ジュウ          なめし皮
肉              ジク・ニク      ねっとりしたにく
紐              ジュウ・ニュウ  しなやかなひも
衄・衂          ジク            ねばねばする鼻血
狃              ジュウ          ねばねばと、まといつく
擾              ジョウ          うるさくなでまわす
鬧・閙          ノウ・ドウ      うるさい
農              ノウ            かたい土を貝がらで掘って、ねっとりと柔らかくする
膿              ノウ            ねっとりしたうみ
濃              ジュウ・ノウ    ねっとりと濃い
弄              ロウ            なでまわし、なぐさみにする



011 NIG         柔らかく粘る

耳              ジ              柔らかいみみ。
餌              ジ              柔らかいすりえ。
恥・耻          チ              心がひるんで軟らかくなる→はじ。
而              ジ              柔らかいひげ。「そして」「しかし」の意は仮借。
匿              トク            心がひるんで軟らかくなる→恥ずかしくなって隠れる。
乃              ダイ・ナイ      にぐにゃりと曲がる→割り切れない気持ち
                                →間をおいてつなげる気持ちをあらわす→すなわち。
仍              ジョウ          やわらかくてなずむ。



058 NOG         柔らかく曲がる

脳・腦          ノウ            柔らかくて、しわのある脳みそ。
悩・惱          ノウ            頭脳をなやます。
弱              ジャク          柔らかい→よわい。
嫋              ジョウ          細くしなやか→たおやか。
溺              デキ・ニョウ    水でぬれて、柔らかくぐったりとなる→おぼれる。
搦              ニャク          柔らかに押さえる→からめる。
蒻              ニャク          柔らかい草。
尿              ニョウ          細く曲がる小便。
撓              ドウ            細く曲がる→たわむ。
繞              ジョウ          まつわりつく→まとう。
遶              ジョウ          しなやかに曲がっていく→めぐる、かこむ。
饒              ジョウ          食糧の事情がさし迫らず、遠まわしでゆとりのある→ゆたか。



091 NAG         しなやか

女              ジョ・ニョ      しなやかなおんな。
  奴            ド              女のどれい→召使。力強い意を含む。
    怒          ド              強く心を緊張させる→おこる。
    努          ド              力をこめる→つとめる。
    弩          ド              力の強い大弓。
    拿・拏      ダ              力を入れてひっぱる→とらえる。
絮              ジョ            柔らかいわた。
茹              ジョ            柔らかい草、野菜→熱湯でやわらかく煮る→ゆでる。
桑              ソウ            しなやかにまがったくわ。
若              ジャク          からだの柔らかい女性→わかい。柔らかくゆびさす→それ。
  諾            ダク            「それ」と言う→承認する。
惹              ジャク          人の心をやんわりとひく。
娘・嬢・孃      ジョウ          からだのしなやかな少女→むすめ。
壌・壤          ジョウ          すき返してまぜた柔らかいつち。



092 NANG        中に割り込む

襄              ジョウ          中に割りこむ。
醸・釀          ジョウ          つぼの中に材料を入れてかもす。
嚢              ノウ            中に物を入れこむふくろ。
攘              ジョウ          まぎれこんだものをふところに入れこむ→ぬすむ、はらう。
譲・讓          ジョウ          すきまに割りこませる→ゆずる。
穣・穰          ジョウ          穀物の実の中がいっぱいになる→穀物がゆたかに実る。



151 NAN         燃える

然              ゼン・ネン      肉を火でもやす。「しかり」の意は仮借。
燃              ネン            もやす。
撚              ネン            ひねる。(ひねると熱が生じる)
難              ナン            自然発火した火災→わざわい→むずかしい。
赧              タン            火であぶったようにあかくなる。
熱              ネツ            燃えて熱い。



198 NER         二つひっつく、身近、ねばりつく

二・弍・弐・貳・貮
                ニ              ふたつくっつく→に。
膩              ジ              ねばってくっつく油。
爾・尓          ジ              身ぢかにいる相手→なんじ。
邇・迩          ジ              近い。
璽              ジ              紙とくっつくはんこ→天子の印章。
禰・袮・祢      デイ            自分に身近な父のみたまや。
尼              ニ              そばにくっつく人。「あま」の意は仮借。
昵              ジツ            身ぢかになじむ。
泥              デイ            くっつくどろ。
涅              デツ・ネ        ねばってくっつくどろ。
捏              ネツ            ねちねちとこねる。
人              ジン・ニン      そばにくっついている仲間、隣人→ひと。
仁              ジン            二人が対等に相親しむこと。
佞・侫          ネイ            仁と佞は同系。仁は、人ずきがよく親切なのに反して、
                                佞は、人あたりはよいが、口先だけが巧みの意になった。
年              ネン            穀物が熟してねばりを持つ状態になるまでの期間。
日              ジツ・ニチ      ねっとりとなごんで暖かさを与える太陽。
刃・刄          ジン            鍛えてねばり強くした刀のは。
忍              ニン            ねばり強くがまんする→しのぶ。
認              ニン            じわじわと対象の特色を心に印象づける→みとめる。
靭・靱          ジン            しなやかに丈夫になめしたかわ。



207 NIP         中に入れ込む

入              ニュウ          はいる。
内              ナイ            おおいの中にいれる→うち。
納              ノウ            倉・役所・容器などの中にいれる→おさめる。
壬              ジン            中にいっぱい入って膨らむ→ふとい。
妊・姙          ニン            子どもをはらんで腹がふくれる→はらむ。
任              ニン            荷物を腹にかかえこむ→まかす。
衽・袵          ジン            内側に入れこむえり。
賃              チン            代金を払って人をまるがかえにする→やとう。
男              ダン・ナン      力仕事に任ずる人→おとこ。
南              ナン            植物を入れてかこう小屋→暖かい小屋→暖かい方角→みなみ。



215 NAM         柔らかい
冉              ゼン            しなやか
苒              ゼン            ねっとり。やわらかい。じわじわとのびるさま。
髯              ゼン            やわらかいほおひげ。
荏              ジン            種をやわらかく包みこんだ植物→え(しその一種)。
染              セン            色汁の中に柔らかくじわじわと布や糸をひたす→そめる。



022 HIG         ヒイと息を出す

喜              キ              ヒイと声を出してよろこぶ。
僖              キ              声を出してよろこぶ。
嬉              キ              うれしがる。
熹              キ              ふうふうたちのぼる熱気で煮たきする。
熙・煕・熈      キ              熱気がふうふう音を立てる→熱気が広がる。
欣              キン            息をはずませよろこぶ。



048 HOG         大事にかばう

好              コウ            女性が子どもを大切にかばってかわいがる→このむ。
休              キュウ          かばって大切にする→やすむ。
烋・恷          コウ            外からかばって暖める→周りからちやほやされる。
孝              コウ            親を大切にする。



050 HOG         降りる、落ちる

降              コウ            おりる。



078 HUG         ぶあつい、重く濁った

厚              コウ            ぶあつい。
垢              コウ            下にたまったごみ。
吼              コウ            太く大きい声でほえる。
詬              コウ            大声でののしる→はずかしめる。
洪              コウ            大量でぶあつい大水。
哄              コウ            太くおおきい声を出す。
浩              コウ            水が豊かで、ひろびろとしているさま。
紅              コウ            深みがあって濁った赤色。
鴻              コウ            大きい水鳥→ひしくい。おおとり。



105 HANG        空気が動く、向かいあう

向              コウ            通風窓から空気が出ていく→むかう。
香              コウ            においをのせた空気がむこうへ流れていく→かおる。
亨              コウ            かおりが天に向かって進む→とおる。
郷              キョウ          たがいに向かいあって、音や煙の通りあう村々→さと。
響              キョウ          音波がむこうへ進行していく→ひびく。
饗              キョウ          向かいあって食事をする。
嚮              キョウ          空間をとおしてむかう。
卿              ケイ            向かいあって食事をする→神前の供宴にあずかる人→貴族。



135 HENG        角ばった枠

形              ケイ            物の外わく→かたち。
型              ケイ            基準となる一定のわく。
刑              ケイ            罪人をわくの中にとじこめて、こらしめる。
耕・畊          コウ            すきで畑地に、縦横のすじを入れて、四角く区切る→たがやす。
幸              コウ            手にはめる手かせ→死刑を免れて手かせですむ→さいわい。
  倖            コウ            さいわい。



025 HUIG        起こる、生じる

尤              ユウ            災いや失敗がおこる。
肬              ユウ            体に生じたこぶ。
疣              ユウ            体に生じたこぶ。



111 HUAG        上からかぶさる

雨              ウ              上から地表を覆ってふる雨。
羽              ウ              鳥のからだをおおうはね。
栩・挧          ク              羽のように葉の飛び散る落葉樹→くぬぎ。



027 PIG         ピタリとひっつく

服              フク            からだにぴたりとつける衣
伏              フク            からだや頭をぴたりと地にふせる
備              ビ・ヒ          ぴたりとそろえて用意しておく
婦              フ・フウ        主人にぴったりと寄り添うよめやつま
幅              フク            ひざやすねにぴたりと当てる布→はば
副              フク            主たる者にぴたりと寄り添う添え人
逼              ヒョク          くっつくほどせまる
棚              ホウ            物をのせるために板をぴったり並べてわたしたもの
培              バイ            土をあてがう→つちかう。
賠              バイ            欠損の分をおぎなってあてがう→つぐなう。
陪              バイ            寄り添う。つきそう。



028 PIK         そむく、二つに分かれる

北              ホク            寒くていつも背を向ける方角→きた。
背              ハイ            背を向ける→せ。
負              フ              背中に乗せる→おう。
不              フ              否定する→ず。
否              ヒ              否定する→いな。
剖              ボウ            二つに切りわける→さく。
倍              バイ            二つにわける→個数がばいになる。
部              ブ              わける。区わけ。
朋              ホウ            二つ並ぶ→肩を並べたともだち。
崩              ホウ            山が両側にくずれ落ちる→くずれる。
氷・冰・冫      ヒョウ          割れやすいこおり。
馮              ヒョウ・フウ    ぶつかってくだける→ぶつかりあう。



029 PIG         ふくれる、ふっくら

丕              ヒ              ゆたか
胚              ハイ            ふくれた胚芽ハイガ
杯・盃          ハイ            まるくふくれたさかずき
富・冨          フ              物をびっしり詰めこむ→とむ
福              フク            神の恩恵がゆたかに満ちる



051 POG         つつむ、丸くふくれる

腹              フク            ふくれたはら
蝮              フク            ふくれたまむし
覆              フク            中につつんでおおう
阜              フ              ずんぐりとふくれたおか。
勹              ホウ            包む。
包              ホウ            包む。
胞              ホウ            子宮に包まれた胎児
泡              ホウ            空気をつつんだあわ
抱              ホウ            つつみかかえる
苞              ホウ            つぼみをつつむほう
砲              ホウ            ばねじかけで石をはじきとばす、石はじき。まるく曲げた物がはじける
飽              ホウ            腹に食物がつまって、まるくふくれる
庖              ホウ            食物を包んで保存する場所
枹              ホウ            手で包んで持つばち=太鼓を打って鳴らす棒。
                                なら=ぶな科の落葉高木。
保              ホウ            子どもを包むようにしてだく
褓              ホウ            赤ん坊をくるむおむつ
宝・寶・寳      ホウ            たいせつに包むたから
缶              フウ・カン      腹部が豊かにふくれたほとぎ
孚              フ              おおいかぶさる
浮              フ              上から水をかかえるようにふせて、うく
桴              フ              手で包んで持つばち。
                                水に浮かべるいかだ。



052 POG         ひきかえす、重ねる

複              フク            かさなる。
復              フク            同じ所を行き来する→かえる。
報              ホウ            仕返し・お返しをする→むくいる。
褒              ホウ            原義は、からだを包む大きい衣。
                                報に当て報いる意→ほめる。



068 POG         軽く上がる、表に出る、はじける

票              ヒョウ          目だって軽々と浮きあがるふだ。
標              ヒョウ          高くかかげた目じるし。
漂              ヒョウ          水の表面に軽くあがって浮かぶ→ただよう。
飄・飃          ヒョウ          高くあがるつむじ風。
瓢              ヒョウ          軽くて水に浮く大きなひょうたん→ひさご。
驃              ヒョウ          身の軽い馬。
表              ヒョウ          上に出て目だつ→おもて。
豹              ヒョウ          身のこなしが軽くて、よくとびこえる獣。
暴              バク・ボウ      表に出る→あばく。
曝              バク            むき出してさらす。
瀑              バク            にわかあめ。(暴は急に外にあらわれる意)
爆              バク            火の粉がはじける。さける。
駁              バク            はじけて飛び散ったような斑点のある馬→まだら、まぜかえす、反発する。
髟              ヒュウ          長い髪の毛が風に舞い上がる。
彪              ヒュウ          舞い上がるように長くうねったしま模様→あや。



079 PUK         ボクッと割れる

卜              ボク            亀の甲を焼いて、ぽくっと割れたヒビを見て、うらなう。
攴              ボク            棒を手に持ってぽんとたたく→うつ。
仆              ボク・フ        急切に割れたり、あたったりする→たおれる。
赴              フ              倒れそうになりながら、急いでかけつける→おもむく。
訃              フ              人が死んだという知らせ。
朴              ボク            ぽくりと折ったままの木→素朴。
樸              ボク            ぽくりと折ったままの木→飾り気がない。
撲              ボク            ぽんと手をうち当てる。
僕              ボク            荒けずりで作法を知らない下賤→しもべ。
                                謙そんしていうときの一人称代名詞。



113 PAK         白い

白              ハク            白い
粕              ハク            色のないかす
柏・栢          ハク            白い実のなる木→かしわ
覇・霸          ハ              月のほのしろい輪郭。制覇する意は仮借。
帛              ハク            白くした絹布
魄              ハク            白骨→たましい。「魂」は陽、「魄」は陰で、「魂」は精神の働き、
                                「魄」は肉体的生命をつかさどる活力。人が死ねば魂は遊離して
                                天上にのぼるが、なおしばらく魄は地上に残ると考えられていた。
碧              ヘキ・ヒャク    石英のようなほの白さが奥にひそむあお色→あおい。みどり。



114 PAK         長輩の男

父              フ              自分より年上の父。
夫              フ              成年に達したおとこ→おっと。
伯              ハク            長老の男→おじ。



115 PAK         平らにうすくひっつく

布              フ              平らに伸ばして、ぴたりと表面につくぬの
  怖            フ              何かに迫られた感じでおびえる→こわい。
敷              フ              平らにしく
普              フ              あまねく行き渡る
譜              フ              ことばや記録を、たいらな図面に書いたもの。
撫              ブ・フ          手のひらをつけて、なでる。
拊              フ              手のひらでぽんとたたく。
扶              フ              手の指四本をわきの下にぴたりと当てがってささえる→たすける。
甫              フ・ホ          苗を育てる平らな畑
舗・舖          ホ              平らにしく
補              ホ              布を破れめぴたりとあてがう→おぎなう。
  輔            ホ              車にくっつけたそえぎ→たすける。
捕              ホ              ぴたりと手を当ててとらえる。
哺              ホ              口中にぱくりと捕らえて、ほおやくちびるで押さえる→ふくむ。
浦              ホ              水がひたひたとせまる岸→うら。
  蒲            ホ              淡水の水ぎわに生じる草→がま。
圃              ホ              平らにならして苗の行き渡った畑
博              ハク            広く行き渡る
溥              ホ              ひろく行き渡る
薄              ハク            平らで、厚さが少ない
簿              ボ              薄い竹札や帳面。
縛              バク            ひもをぴたりとすきまなく物に当てる→しばる。
搏              ハク            ぱんと平面をうち当てる→うつ。
拍              ハク            手の面をぱんと当ててうつ。
  斧            フ              物を打ち破る道具として用いるおの。
迫              ハク            すきまがなくなりそうに近づく
泊              ハク            舟底が水底にせまってとまる。もやい(船と船とをつなぎ合せる)。
  舶            ハク            もやいして岸には着かない大きいふね。
箔              ハク            薄い竹のすだれ。金属を薄くたたき延ばしたもの。「金箔」
膚              フ              薄い平面をなす皮膚
巴              ハ              平らに腹ばいになる
把              ハ              手のひらをぴたりとあててにぎる。
歩              フ・ホ          ぱたぱたあるく。



116 PANG        パンと両方に張り出る

方              ホウ            左右に直線状に伸びる→方向。
肪              ボウ            からだがこえてぱんぱんに張る→肉のあぶら。
妨              ボウ            左右に手を張り出してじゃまする→さまたげる。
防              ボウ            左右に張り出た堤防→ふせぐ。
舫              ホウ            両側に張り出して並んだ二そうの舟。
紡              ボウ            右と左の両側から繊維あわせて糸をつくる→つむぐ。
芳              ホウ            植物のかおりが左右に上下にはり出て広がる→かんばしい。
放              ホウ            四方に広がる→はなれる。
倣              ホウ            似たものを左右に並べてくらべあわせる→ならう。
訪              ホウ            右に左にと歩いてたずね回る。
彷              ホウ            右に左にそれてさまよう。
坊              ボウ            本堂の左右に出た土べいや小室→まち、住居。
房              ボウ            左右に張り出たわき屋→へや。
旁              ボウ            両側に張り出したはし→かたわら。
傍              ボウ            両わき→かたわら。
膀              ボウ            左右に張ってふくれた内臓(膀胱)
榜              ボウ            両側に張り出た板や、両側につっぱるさお。
彭              ホウ            ぱんぱんに張りつめる→ふくれる。
膨              ボウ            肉体が太鼓のように張ってふくれる。
丙              ヘイ            左右にぴんと張る。
柄              ヘイ            ぴんとのび出ているえ。
病              ヘイ・ビョウ    手足がぴんと張って硬直する→やまい。
炳              ヘイ            火の光が四方に広がる→あきらか。
秉              ヘイ            ぴんとはった物を手に持つ。



139 PEK         たいら、平面に並ぶ

卑              ヒ              平らなしゃもじ→薄い→小さい→身分の低い者。
婢              ヒ              身分のひくい女中→はしため。
俾              ヒ・ヘイ        使用人→使い走りをさせる。
髀              ヒ              平らに肉がついているもも。
脾              ヒ              うすく平らに胃の下に付着している脾臓。
稗              ハイ            稲に比べて、背が低く粒が小さいひえ。
碑              ヒ              たいらな石。
裨              ヒ              小さいあてぎれ→おぎなう。
牌              ハイ            薄い板きれ。ふだ。
辟              ヘキ            人々を平伏させておさめる人。
璧              ヘキ            平らな玉→りっぱなもの。(完璧)
壁              ヘキ            たいらなかべ。
躄              ヘキ            両足が横に平らに開いて左右にすわったままで進む。
臂              ヒ              うすく平らに肉が付着している、ひじ。
嬖              ヘイ            卑と同系。身分の低い女中。
僻              ヘキ            中心線から横に平らにそれて片すみにかたよる。
避              ヒ              横に平らにそれて、さける。
譬              ヒ              本すじを進まず、横にさけて別の事がらで話す→たとえる。
闢              ヘキ            門のとびらを横に押しひらく。
襞              ヘキ            引っぱれば横に開くようにしてつけた、衣服のひだ。
癖              ヘキ            中心から片方にずれたくせ。
劈              ヘキ            横裂きにする。
擘              ハク            横にさく。低く平らなおやゆび。
平              ヘイ・ビョウ    たいら。
評              ヒョウ          ことばを平等にそろえてぶつけあう→あげつらう。
萍              ヘイ            水面にたいらに浮かんだ草→うきくさ。
坪              ヘイ            平らな土地→土地の面積の単位。
鮃              ヘイ            平たい魚→ひらめ。
並・竝          ヘイ            横にに並ぶ。
并              ヘイ            でこぼこなく並ぶ。
併              ヘイ            二人が並ぶ→あわせる。
餠・餅          ヘイ            まるくて平たい食品→もち。
駢              ヘン            二頭ならべて車を引かせる馬→ならべる。
屏              ヘイ            並べて立てたついたて。
瓶              ビン            二つ並べて上下させる井戸つるべ→水をくむ器→かめ。
兵              ヘイ            並べあわせて敵に向かう兵隊。
娉              ヘイ            男女を合わせる→嫁をもらいたいと申しこむ。
聘              ヘイ            人と人を合わせる→贈り物をして招く。



172 PAT         二つに分かれる

八              ハチ            左右二つにわけたさま→3回二つに分ける→8。
肺              ハイ            左右に分かれて呼吸の働きをする器官。
旆              ハイ            先端が二つに開くはた。
別              ベツ            わかれる。
癶              ハツ            左右に開いてはねる。
発・發          ハツ            左右にはらう→ぱっと離れてひらく。
撥              ハツ            左右に開いてはねる。
溌              ハツ            水をぱらっとふりかける→そそぐ。
廃・廢          ハイ            家が二つに割れてくずれる→すたれる。
抜・拔          バツ            おおいを分けひらいてぬき出す。
祓              フツ            左右にはらいのける→災いをはらい除く。
髪・髮          ハツ            発散するようにひらくかみの毛。
跋              バツ            草を左右にふみわけ、はねのけて進む。
貝              バイ            二つに割れる二枚貝。
敗              ハイ            二つにやぶれる。
狽              バイ            狼の一種。貝は二つに割れる意。
                                前足が短く後足が長くて自分では歩けず狼の背にのって歩く。
伐              バツ            二つにきる。
  閥            バツ            伐は力を誇る意。勢いを誇る家がら。
罰・罸          バチ・バツ      悪者を切ってこらす→しおき。
敝              ヘイ            割れてだめになる→やぶれる、つかれる。
  弊            ヘイ            やぶれる。
鼈              ベツ            横に平らに開いた姿のすっぽん。
拝・拜          ハイ            神前や身分の高い人の前で、組んだ両手を左右に分けて
                                両わきにもどす→おがむ。
半              ハン            二つにわける→半分。
判              ハン            二つにわける→見わける。(判別)
伴              ハン            一体を二つにわけたその片方→相棒。
畔              ハン            田と田を二つにわける境界→あぜ。
叛              ハン            仲間が二つに割れる→そむく。
拌              ハン            固まった物をわけてほぐす→かきまぜる。
絆              バン            かきまぜるように、ひもをぐるぐる巻いてからめる→きずな。
反              ハン            二つの物が逆方向にそりかえる。
辺・邊・邉      ヘン            両端。
藩              ハン            枝を逆方向にぐっと反らせて絡ませた生け垣→諸侯の領土。
攀              ハン            枝を逆方向にぐっと反らせて絡ませた生け垣→よじる、そる。
辨・弁          ベン            けじめをつけてわける。
辯・弁          ベン            理屈をわけてのべた議論。
班              ハン            わけた物。分割したグループ。
破              ハ              やぶる。



190 PUIR        二つに分かれる

飛              ヒ              羽を左右にひらいてとぶ。
非              ヒ              羽が左と右とにそむいたさま→左右に払いのけるという拒否の意味。
扉              ヒ              左右にわかれて開くとびら。
誹              ヒ              ことばを操って二つに仲をさく→そしる。
緋              ヒ              ぱっと左右に開ける感じ、つまり目のさめるような感じを与える糸や布の色→あざやかな赤色。
斐              ハイ            左と右と対称するもよう。
排              ハイ            左右におしひらく。
悲              ヒ              胸が裂けるようなせつない感じ→かなしい。
輩              ハイ            車が並ぶ→似たものが並ぶ→ともがら。
俳              ハイ            右と左にわかれてかけあいの芸を演じる人→役者。
霏              ヒ              雨や雪などが乱れ散り降る。
琲              ハイ            多くの真珠にひもを通して、二列にたらした飾り。
                                珈琲(コーヒー)は当て字。
妃              ヒ              王族の夫に連れ添ってペアをなす妻→きさき。
配              ハイ            人が酒つぼのそばにくっついて離れない→わりあてる→くばる。
弗              フツ            払いのけて強く否定する。
払・拂          フツ            左右に払いのける。
沸              フツ            水がわきたって左右にわかれる→わく。
怫              フツ            怒りがわき出る。
費              ヒ              財貨を支払って、ばらばらに分散させてしまう→ついやす。
分              フン・ブ・ブン  二つに切りわける。
貧              ヒン・ビン      財貨を分散しつくして、乏しくなった→まずしい。
芬              フン            香りが分散する→かんばしい。
紛              フン            小さい物が分散してみだれる→まぎらす。
頒              ハン            おおぜいにわけ与える。(頒布)
粉              フン            分散する小さいこな。
忿              フン            かっと破裂するように急におこる。
雰              フン            小さく分かれた雨→きり。
憤              フン            ふき出すように怒る→いきどおる。
噴              フン            ぱっとふき出す→ふく。
奮              フン            かっといきりたつ→ふるう。
奔              ホン            ぱっと駆け出す→はしる。
焚              フン            ほのおや煙をふき出してもえる。
勃              ボツ            ぱっと押しのけて頭を出す→急におこる。
丿              ヘツ            わける、はらう。



191 PUIR        太い

墳              フン            まるくふくれた土盛り。
本              ホン            太い根→もと。
笨              ホン            太い竹→のろい。
肥              ヒ              ふくれた→こえる。
盆              ボン            まるく平らな器。



173 PAN         放射状に開く、平らに広がる

片              ヘン            薄く平らなきれはし。
版・板          ハン            平らにした板。
販              ハン            品物を平らに並べて売る。
飯              ハン            粒がふやけてばらばらに煮えた玄米のめし。
般              ハン            中心からまるく平らに広がる。
搬              ハン            平らに広げる→はこぶ。
瘢              ハン            平らにへばりついた傷あと。
盤              バン            まるく平らに広がった皿。
磐              バン            平らに大きくすわった石→いわ。
槃              バン            まるく平らに広がった鉢。
鉢              ハチ・ハツ      広く大きな器。
釆              ハン            ばらばらに開いて散る。
番              バン            さっと、開きとじる動作の順序や回数。
蕃              ハン・バン      草が平らに広くはびこる→しげる。
旛・旙          ハン・ホン      平らに広がる旗。
幡              ハン            平らにひるがえる旗。
播              ハ              ばらまく。
燔              ハン            火の粉が広がってもえる→やく。
繙              ハン            書物を広げて読む→ひもとく。
扁              ヘン            薄く平らな名札。
篇              ヘン            文字を記す平らな竹簡→書物の部わけ。
編              ヘン            平らな竹簡を糸でつづる→あむ。
遍              ヘン            平らに広がる→行き渡る。
偏              ヘン            周辺に行き渡る→周辺は中央から離れる→かたよる。
繁              ハン            数多く広がる→しげる。
瓣・弁          ベン            放射状に開く花弁。
斑              ハン            撒き散らしたような、まだら模様。
煩              ハン・ボン      仕事が数多く広がる→わずらわしい。
便              ビン・ベン      平らに通ってさわりがない→都合のよい。たより。
鞭              ベン            ひらひらと波うつ、むち。



175 PAN         ひらひら、ひっくりかえる

翻・飜          ホン            ひらひらと、ひるがえる。
翩              ヘン            ひらひらと軽やかにただよう。
蝙              ヘン            ひらひら飛ぶこうもり。
変・變          ヘン            かわる。
返              ヘン            かえる。



174 PAR         かぶる、ななめ

皮              ヒ              動物の毛皮を手でからだにかぶせる→かわ。
                                かぶると、皮は斜めに垂れるので、斜めに傾く意を含む。
被              ヒ              かぶる。こうむる。
披              ヒ              垂らした皮を斜めに引き寄せ、ひらく。
波              ハ              傾斜してうねるなみ。
  婆            バ              腰が曲がって体が傾斜している老女。
頗              ハ              頭が一方に斜めにかたむく→かたよる。
跛              ハ・ヒ          足が不自由で体がななめになる→あしなえ。
疲              ヒ              病気やつかれで体が斜めに曲がる→つかれる。
  罷            ヒ              つかれる。やめる。
坡・陂          ハ              傾斜した坂。
  坂・阪        ハン            傾斜した坂。
彼              ヒ              こちらから向こうにななめに押しやる→あちら→かれ。
弁              ベン            頭にかぶるかんむり。
蔽              ヘイ            覆う。隠す。
幣・幤          ヘイ            覆う布。布は礼物や税に当てるので、貨幣の意。
瞥              ヘツ            目が片方に傾く→横目で見る。
市              ハイ            草がぱっと一面に広がって生える。
沛              ハイ            水草が広がる、水が一面に広がる、沼地。



200 PER         二つひっつく

匕              ヒ              二またのスプーン。
比              ヒ              人が二人くっついてならんだ姿→くらべる。
批              ヒ              つきあわせて、よしあしを決める。
妣              ヒ              父と並ぶ人→はは。
牝              ヒン            女性の性器が左右両壁がくっついて並んださま→めす。
毘              ヒ              二人がならぶ→そばについてたすける。
屁              ヒ              しりの両壁の並んだせまいすきまからもれ出るおなら。
庇              ヒ              軒にたるきを並べて差し出したひさし。ひさしが下をおおう→かばう。
陛              ヘイ            きちんと並んだ土の段。
必              ヒツ            両がわから締めつける→動く余地がない→そうならざるをえない
                                →かならず。
  筆            ヒツ            毛の束をぐっとひきしめて、竹の柄をつけたふで。
泌              ヒ・ヒツ        締めつけて液を出す。
秘・祕          ヒ              締めつけてぴったりふさぐ→ひそか、ひめる。
密              ミツ            入り口をしめてかくす→ひそか。
蜜              ミツ            はちが巣の中に封じこめたみつ。
瑟              ヒツ            多くの弦をびっしりと並べて張った楽器→大琴。
畢              ヒツ            ぴたりとすきまなくおさえる柄つきのあみ。
匹              ヒツ            二つで一組となるもの(匹敵)。動物を数える単位。(馬のしりが左右
                                二つにわかれてペアをなしていることから)
弼              ヒツ            両側から補正する、たすける。
鼻              ビ              狭い隙間から息が出入りする鼻。
賓              ヒン            主人と二人くっついて並ぶ客。
浜・濱          ヒン            水にすれすれにくっついたはまべ。
嬪              ヒン            夫と並んでペアをなす夫人。
頻              ヒン            すれすれにくっつく→間をおかずに物事がおこる。(頻発)
瀕              ヒン            水ぎわすれすれに接する→すれすれまで迫っている。(瀕死)
閉・閇          ヘイ            とびらをあわせて入り口をしめる。



223 PAP         枠をかぶせる、平らな面で覆う

法              ホウ            生活にはめられた枠→のり(法律)。
乏              ボウ            枠をかぶせる→動けない→金がなくて動きのとれない→とぼしい。
貶              ヘン            上から枠を被せて財貨の値うちをおさえて値をおとす→そしる。
泛              ハン            水面の上にかぶさるようにしてうく。
凡              ハン・ボン      広くおおう→およそ。
汎              ハン            水が大地を広がっておおう→あふれる、あまねく。
帆              ハン            広い面の布→ほ。
氾              ハン            堤防や外わくを越えて水が外へあふれる。
笵              ハン            竹のわく。
範              ハン            全体を包むわく。
犯              ハン            わくを破って外へ出る→おかす。



212 PLIM        ブルブルと震える

風              フウ            ゆれ動く空気の流れ→かぜ。
諷              フウ            声をふるわせて朗読する→うたう、いさめる。
鳳              ホウ            大風にのって羽ばたく大きな鳥→おおとり。
鵬              ホウ            大風にのって羽ばたく大きな鳥→おおとり。
嵐              ラン            山かぜ。




030 MIK         黒い、暗い、わからない

黒              コク            くろ。
墨              ボク            くろいすす→すみ。
黙・默          モク            くらい→声をださない→だまる。
灰              カイ            くろいはい。
恢              カイ            元は、悔(うつろな気持ち)と同意。後に、うつろにひろく
                                空間のあいている意に転じた。
晦              カイ            月のない暗い夜→みそか。
悔              カイ            心がくらい気持ちになる→くいる。
海              カイ            うすぐろい色のうみ。
誨              カイ            わからないことを言葉でとり除く→おしえる。
侮              ブ              見えない→目にもとめない→あなどる。
某              ボウ            知らない人→なにがし。
謀              ボウ            どうしたらよいかわからない→さぐり求める→はかる。
煤              バイ            くろいすす。
夢・梦          ム              はっきりと見えない→ゆめ。
薨              コウ            見えなくなる→死ぬ。



031 MIG         子を産む、産ませる

母              ボ              子どもをうみ育てる女親→はは。
拇              ボ              母のような太い指→おやゆび。
姆              ボ              母になぞらえて接する年上の女性→うば、あによめ。
姥              ボ・モ          乳母。養母。
毎              マイ            子をつぎつぎとうむ→次々と生じる事物を一つ一つさす指示詞→ごと。
  枚            マイ            同じような物を一つ一つかぞえる単位。
梅・楳          バイ            多くの実をならせ、女の安産をたすける木→うめ。
苺・莓          マイ            どんどん子株をふやすいちご。
媒              バイ            男女の中だちをして子をうませる→なかだち。
牧              ボク            家畜に子をうませる→かう、まき。
畝・畆          ホ              作物をうみ出す畑地のうね。



053 MOG         かぶせる、覆い隠す

帽              ボウ            頭を隠すかぶり物。
茂              モ              葉がおおいかぶさるように、こんもりとしげる。
霧              ム              物の姿を隠すきり。
蒙              モウ            草がおおいかぶさる→くらい、おおう。
朦              モウ            月がかすみや雲におおわれてかすむ。
濛              モウ            水気がおおう→小雨。
穆              ボク            ほんのりと暗く、見えにくくて、静まりかえったさま。



054 MOG         おかす、無理に求める

矛              ム              敵をおかして突く武器→ほこ。
務              ム              むりをしてつとめる。
茅              ボウ            先の細いほこ→細いほさきの出るいね科の植物→かや。
戊              ボ              ほこ。
卯・夘          ボウ            むりにおしわける。う(十二支の四番め)の意は仮借。
貿              ボウ            相手の手のうちをむりにおしあけて、利益をもとめる→あきなう。
牡              ボ              めすの陰門をおかす→おす。
冒・冐          ボウ            おかす。
目              ボク・モク      まぶたを押しのけて見る目。
眸              ボウ            まぶたを押しのけて見る目→ひとみ。



069 MOG         細い、かすかな

毛              モウ            細いけ。
髦              ボウ            眉まで垂れた髪→たれがみ。
旄              ボウ            毛でつくった旗飾り。
耗              コウ・モウ      小さく細る。
秒              ビョウ          細い稲の穂の先→非常に小さい単位。
杪              ビョウ          細いこずえ。
妙              ミョウ          女性の小がらで細く、なんとなく美しい姿→たえ。
眇              ビョウ          ほそ目。
渺              ビョウ          小さくて、よく見えない。
緲              ビョウ          かすか。
苗              ビョウ          細いなえ。
猫              ビョウ          声もからだも細いねこ。
描              ビョウ          細かいところをえがく。
錨              ビョウ          水中に隠れて見えにくい金属のおもり→いかり。
貌・皃          ボウ            おぼろげな姿。
藐              バク            小さくてかすか。はるか。とおい。
廟              ビョウ          ほのかに祖先の容貌を仰ぎ見る所→みたまや。



081 MUK         かぶる

木              ボク・モク      葉や花をかぶった立ち木。
沐              モク            頭から水をかぶる→体を洗う。



117 MAK         隠れて見えない

莫              バク            草原のくさむらに日が隠れる→くれる。ない。見えない。
暮              ボ              くれる。
漠              バク            水がない。(砂漠)
膜              マク            外から見えなくするまく。
幕              バク・マク      見えなくする布。
模・糢          モ              木でつくった型の上に粘土をかぶせ、押しつけてつくる鋳型。
墓              ボ              土をおおって死体を隠すはか。
寞              バク            何もなくて寂しい。
無              ム・ブ          見えない→ない。
蕪              ブ              茂って覆い隠す雑草。「かぶ」の意は「蕪菁」からの転義。
憮              ブ              失望して心中がむなしくなる。
亡              ボウ・モウ      姿を隠す、見えなくなる→ほろびる、ない。
虻              ボウ            小さくて見えにくい虫→あぶ。
芒              ボウ            見えにくい穂先。
盲              モウ            目がみえない。
肓              コウ            からだの内部の、よく見えない場所。横隔膜の上のかくれた部分。
氓              ボウ            目をつぶされた奴隷→無知な人々、支配される人民。
忘              ボウ            心中からなくなる→わすれる。
忙              ボウ            あれこれと追われて、心がまともに存在しない→いそがしい。
妄              ボウ・モウ      女性に心がまどわされ、われを忘れたふるまい→みだり。
荒              コウ            みのりの作物が何もない→あれる。
慌              コウ            心中がむなしくて自信をなくし落ち着かない→あわてる。
茫              ボウ            見えない→うつろでぼんやり。
网              モウ            物にかぶせておおい隠すあみ。
罔              モウ            あみ。
網              モウ            あみ。



118 MAK         さぐり求める

舞              ブ              手足を動かして神の恵みを求める→まう。
巫              フ              神前で舞って神に幸いを求める巫女。
誣              フ              何もないのに無理に話を作りあげて人の悪口を言う。
武              ブ              ない物を求めてがむしゃらに進む→たけだけしい。
賦              フ              乏しい財貨を無理に探り求める→取り立て、みつぎ、わかつ。
馬              バ              向こうみずにつき進む馬。
驀              バク            馬がむやみに前進する。
罵              バ              むやみにつきかかる→ののしる。
摸              ボ              さぐる→まねる。
慕              ボ              ないものを心で求める→したう。
募              ボ              求める→つのる。
謨              ボ              ことばをかわして、案などを探し求める→はかる。
望              ボウ            のぞむ。
明              ミョウ・メイ    見えないものを見えるようにする光→あかるい。
盟              メイ            神明にあかしをたてる→ちかう。
萌・萠          ボウ            見えなかった芽が外に出て見える→きざす、もえる。
孟              モウ            おおいをおかして子どもが成長する→かしら、はじめ。
猛              モウ            おし開いて出る→たける。
麻              マ              すりもんで繊維をとるあさ。
摩              マ              手ですりもむ→する。
磨              マ              石ですり、みがく。
魔              マ              麻は、こすってしびれさせる意。人をしびれさせる魔物。
靡              ビ              こすって小さくする。なびく。



140 MEK         かすかで見えない、分からないものを分からせる

名              メイ            薄暗いやみの中で自分の存在を声で告げる→な。
  銘            メイ            金属器にしるした名。
命              メイ            自分の気持ちや意志を声でわからせる→命じる。
                                →天から授かった生きる定め→いのち。
鳴              メイ            鳥が自分の所在をわからせる→声を出してなく。
冖              ベキ            おおい隠す。
冪・羃          ベキ            幕でおおい隠す。
冥              メイ            おおわれて暗い。
瞑              メイ            目をおおって見えない→ねむる、くらい。
幎              ベキ            おおい隠す布。
皿              ベイ・メイ      器にかぶせるふた→さら。
脈・脉          ミャク          細いかすかな血管。
派              ハ              川の細い支流→わかれ。
覓              ベキ            目を細めてさがす→もとめる。
買              バイ            見えない物を求めるように、財貨を求める→かう。
売・賣          バイ            買とは逆に、物をさし出して金を求める→うる。
眄              ベン            目を細めて流し目でみる。



176 MAN         長い線で囲む、囲みいっぱいに満ちる

宀              ベン            屋根や覆いをかぶせて囲む。
曼              マン            ながいたれ幕を目の上にかぶせてたらす→ながい。
蔓              マン            草がずるずるとながく広がる→つる。
幔              マン            ながいたれ幕。
慢              マン            ずるずるとだらけて伸びる心→おこたる、ゆるい。
謾              マン            ことばで真相を覆いかくす→あざむく。
漫              マン            水がながながと広がる→みちる。とりとめがない。
満・滿          マン            水が一面におおう→みちる。
懣              マン            気持ちが高ぶって胸の中いっぱいに詰まる→もだえる。
瞞              マン            目をおおい隠す→だます。
面              メン            まわりを線でぐるりととりまいた顔。
湎              メン            水にとりまかれる→おぼれる。
緬              メン            外側を線でかがる。細く長い糸。
麺・麪          メン            細長くのばすうどん。
綿・緜          メン            ながい繊維→わた。
万・萬・卍      バン・マン      長く長く続く数。
邁              マイ            どこまでも進んでいく。



177 MAT         小さい見えない

末              マツ            木の細く小さい部分→すえ
抹              マツ            こすって見えなくする→こする。塗って見えなくする。
沫              マツ            小さいしぶき
秣              マツ            小さく切ったまぐさ。
苜              モク            目がよくみえない。
蔑              ベツ            よく見えない目→相手を目にもとめない→無視する。
襪              ベツ            足先をかくして見えなくするくつした。
滅              メツ            見えなくなる→ほろびる。



192 MUIR        小さい、よく見えない、微妙な

微              ビ              目だたないようにしのびあるきする→かすか。
黴              バイ            うす黒い小さなかび。
徽              キ              小さい糸やひもを結んでつくったしるし→小さなしるし。
尾              ビ              細い毛の生えた尾。
未              ミ              まだ成長していない小枝→まだしていない。
味              ミ              口で微細に吟味する→あじ。
昧              マイ            暗くてよく見えない。「三昧」は梵語の音訳。
眛              マイ            目がよく見えない。
妹              マイ            小さいいもうと。
寐              ビ              目の見えない暗いねむりの中にはいる。
魅              ミ              見えない魔力で人をまどわす妖怪。
眉              ビ              細くて美しいまゆ毛。
媚              ビ              かぼそい女性のしぐさ→こびる。
美              ビ              微妙で繊細なうつくしさ。
麋              ビ              姿のよいしか→大形の鹿。
米              ベイ・マイ      小さいこめ粒→こめ。
迷              メイ            小さくて見えない→まよう。
謎              メイ            よくわからないこと→なぞ。
没・沒          ボツ            水の中に隠れて見えない→しずむ。
歿              ボツ            死んで骨と化しこの世に姿が見えなくなる→しぬ。
勿              ブツ・モチ      色がよくわからない→なかれ。
物              ブツ・モツ      色あいの定かでない牛→特色がない→いろいろなもの。
忽              コツ            心がぼんやりする→うっかりしているまに→たちまち。
吻              フン            口もとを隠してふさぐくちびる。
仏・佛          ブツ            よく見えない。「ほとけ」の意は「ブッダ」の音に当てた。
門              モン            閉じて中が見えない門。
文              ブン・モン      こまごまとかざりたてた模様。
紋              モン            糸でかがったもよう。
紊              ブン            色糸が交差して模様をなす→みだれる。
民              ミン            針を刺して目を見えなくした奴隷→たみ。
罠              ビン            隠れて見えないしかけあみ→わな。
泯              ビン            水に没して見えない→ほろびる。
眠              ミン            目が見えなくなってねむる。
昏              コン            物が見えないくらい夜→くらい、見えない。
婚              コン            結婚。古代は夜暗くなって結婚の式を営んだので昏を含む。
晩              バン            暗くて物の見えないころ。



193 MUIN        無理に取り出す

問              モン            わからないことを口で探り出す→とう。
聞              ブン            耳でわからないことを探る→きく。
悶              モン            心が閉じて、はけ口を求めてイライラする→もだえる。
捫              モン            手探りでさがす→なでる。
閔              ビン            問と同系で、弔問する。
憫              ビン            弔問する→あわれむ。
愍              ビン            憫と同じで、あわれむ。
免              メン            狭い産道からやっと胎児が抜け出る→まぬかれる。
娩              ベン            赤ん坊をうみおとす。
勉              ベン            むりをして力む→つとめる。
挽              バン            むりにひっぱる→ひく。
敏              ビン            力をこめる→行動がきびきびとはやい→さとい。



032 MLIG        上からくだる

麦・麥          バク            神からもたらされた穀物。
来・來・徠      ライ            麥の誤用。遠くから歩いてもたらされた麦→くる。
賚              ライ            上からもたらされた賜物→たまう。
埋              マイ            上から土をかぶせる→うめる。
狸・貍          リ              穴の中に体を埋める生き物→たぬき。
霾              バイ            空から土砂がふる。



012 LIK         すじ、すじめをたてる

里              リ              区切りの筋を入れて整理された畑や居住地
  浬            リ              海里。海上の距離をはかる単位。
理              リ              玉のすじめ→物事のすじみち→ことわり。
裏・裡          リ              すじめの模様の布地。衣服のうら地に用いたので、うらの意。
鯉              リ              すじもようのついた魚→こい。
厘              リン            土地にすじを付けて、小さく区切る→小さい単位。
釐              リ              田畑にすじめをつける
吏              リ              雑事や民政をすじみちたてて処理する役人
力              リョク          手足の筋肉をすじばらせてりきむ
肋              ロク            すじめのあらわな胸の骨
仂              ロク            ちからを入れる
勒              ロク            ぐいと力を入れて引く手綱
綾              リョウ          すじめのたった織り方をした絹
陵              リョウ          山の尾根のすじめ→おか。
崚              リョウ          山の尾根のすじめ→おか。
凌              リョウ          氷のすじめ
稜              リョウ          きわだってすじめのついたかど。
菱・蔆          リョウ          鋭い稜角(かど)のあるひしの実→ひし。



040 LOG         すべる、するりと離れる、ばらばらになる、まばら

流              リュウ          分散して長くのび広がる→ながれる。
旒              リュウ          流れるようにゆらゆらする吹きながしののぼり。
硫              リュウ          火山の噴出物が流れて生じる鉱物→いおう。
琉              リュウ          すべすべした宝石。
柳              リュウ          流れるようになびくやなぎ。
瑠・璢          リュウ          つるつるして、紫がかった紺色の玉。瑠璃。
瀏              リュウ          流れがきよく澄んでいる→きよい。
劉              リュウ          ばらばらに切り離す→ころす。
戮              リク            ばらばらに切ってころす。
勠              リク            分散した力を寄せ集めて一つにする→あわせる。
寥              リョウ          ばらばらにわかれる→さびしい。
蓼              リョウ          細い葉がまばらに生えた草→たで。



041 LOG         固く囲む、丸く固まる

牢              ロウ            しっかり小屋の中にとじこめる。
留・畄          リュウ          しこり固まって動かない→とどまる。
瘤              リュウ          血液がとどまって生じるこぶ。
溜・澑          リュウ          とどまって流れない水→たまる。
聊              リョウ          しばらくつかえて、とどまる→一時しのぎ→いささか。
老              ロウ            骨組みがかたくなって、動きがとれない→おいる。



059 LOG         ズルズル続く、からげる、ズルズルと垂らす粒状のもの

労・勞          ロウ            火をずるずると横に延焼させる
                                →エネルギーを消耗する仕事→つかれる。
癆              ロウ            体力を使いはたして衰弱する。
撈              ロウ            長く続けて、ずるずると引っぱる→すくう。
燎              リョウ          ずるずるつづいて燃えるかがりび。
瞭・暸          リョウ          かがりびの明るいことから→あきらか。
寮              リョウ          かがりびの明るいことから→まど→宿舎。
僚              リョウ          列をなす仲間。
繚              リョウ          まといついて、ずるずるつづ→まとう。
撩              リョウ          ずるずると引きよせる→からげる。
遼              リョウ          遠く長くつづく→はるか。
了              リョウ          長く続いたものをからげて、けりをつける。
料              リョウ          米粒をズルズルと間断なく垂らせて計る
                                →分量を決めて用いる穀物や液体。(材料)
薬・藥          ヤク            草などとつぶして粒状にしたくすり。
櫟・檪          レキ・ロウ      粒状の実がなる木→くぬぎ。
礫              レキ            ころころした小つぶの石。
轢              レキ            車でひきつぶす→ひく。
鑠              シャク          金属を粒状にとかす。
轣              レキ            石のごろごろしたみち。
療              リョウ          病根をすりつぶす→いやす。
廖              リョウ          ばらす。



093 LAG         透明な、けがれのない

良              リョウ          穀粒を水で洗い、きれいにする→よい
  狼            ロウ            良は冷たくすみきった意。冷酷な性質の動物→おおかみ。
郎              ロウ            清らかな男子→男子の美称。
朗・朖          ロウ            月が清くすんでいる→ほがらか。
浪              ロウ            清らかななみ。
糧・粮          リョウ          清らかにした米→かて。
露              ロ              透明にすけて見えるつゆ。
落              ラク            つゆがおちる。
鷺              ロ              すきとおるように白い鳥→さぎ。
涼・凉          リョウ          すんでつめたい→すずしい。
諒              リョウ          明らかにものをいう→まこと。
亮              リョウ          けがれがなくて明るい→あきらか。



094 LANG        二つ対をなす、二者間を横にとおる

両・兩          リョウ          二つで対をなすもの。
輌・輛          リョウ          両輪の車。
量              リョウ          穀物の重さを両天びんではかる。
梁              リョウ          左岸と右岸の柱の上に平らに渡す橋。
廊              ロウ            両方のへやを結ぶ通路。
略・畧          リャク          横に通る小道を設ける→はかる(計略)。
                                近道をとって横切ることから手数をはぶく。
  掠            リャク          略奪の略(他人の物を奪う)の意味→かすめる。
絡              ラク            横をつらねる糸→からまる。
路              ロ              横に連絡するみち。
  賂            ロ              ある路を通してもっていく財貨→まいない。
離              リ              二つの物がはなれる。



124 LENG        澄んできれいな

令              レイ            清らかなお告げ→命令。
玲              レイ            清らかな玉。玉の鳴るすずしい音。
冷              レイ            清らかな水玉や氷→つめたい。
鈴              レイ・リン      すんだ音を出す金属のすず。
聆              レイ            耳を澄ましてきく。
伶              レイ            清らかな人→音楽を奏する人、また、俳優。
怜              レイ            心が澄んでいて賢い→さとい。
羚              レイ            角が長くて、姿のきれいな羊の一種→かもしか。
鴒              レイ            水辺にすむ美しい小鳥。
領              リョウ          すっきりときわだった首筋、襟元。
                                襟首を持って衣を畳む→要点をおさえて処理する。すべおさめる。
嶺              レイ            人体の首にあたる高い峠。
麗              レイ            きれいな→うるわしい。
霊・靈          レイ            清らかな巫女、祭礼、魂。



125 LENG        数珠つなぎ、細い

櫺              レン            穴が水玉のようにつらなった格子。
囹              レイ            格子のはまったろうや。
零              レイ            数珠つなぎに落ちるしずく→小さな水玉→小さい→ゼロ。
澪              レイ            水に洗われて、細くなる。
苓              レイ            しずくが落ちるように、ぽとぽととおちる。
蛉              レイ            細くてすっきりしたとんぼ。
齢・齡          レイ            次々に並ぶ年→とし、よわい。
暦              レキ            日を次々と順序よく配列する→こよみ。
歴              レキ            並んだ点を次々と通る→へる。
瀝              レキ            しずくが続いてたれる→したたる、そそぐ。
隣・鄰          リン            連なった土べいや住居→となり。
鱗              リン            並んで連なった魚のうろこ。
憐              レン            心がある対象に引かれて、つらつらと思いがたえない→あわれむ。
儷              レイ            同列にならんだ人→なかま。肩をならべた夫婦。



148 LAT         切れ目、激しい刺激を与える

裂              レツ            布地を切りさく
烈              レツ            ほのおがいくつにも裂けてもえ広がる→はげしい。
剌              ラツ            なたで刈ろうとした柴が、ぱっとはね返る→もとる、はねる。
溂              ラツ            溌剌の溌につられて、剌にサンズイが付いた。
                                溌溂(ハツラツ)は溌剌(ハツラツ)と同じ。
辣              ラツ            ぴりっとはね返るように刺激する→からい、きつい。
瀬              ライ            激しくしぶきをはねる浅瀬
戻              レイ            激しく逆らう→もとる、もどす。
  涙・泪        ルイ            はらはらと落ちるなみだ。戻、はらはらとちる意。
励・勵          レイ            強い力をこめる→はげむ。
礪・砺          レイ            強い力をこめて激しくみがくといし。
癘              レイ            きびしくからだを痛めつける病気→らい病(ハンセン病)。
癩              ライ            きびしくからだを痛めつける病気→らい病(ハンセン病)。



149 LAT         ずるずるとつながる

列              レツ            つらなって並んだれつ
例              レイ            一つながりに並ぶ同列のもの→たとえ
洌              レツ            さらさらと連なって流れる清流→きよい。
連              レン            連なる。
  漣            レン            つらなる波→さざなみ。
  蓮            レン            株がつらなって生える植物→はす。
輦              レン            行列をなす車かご→こし(人がひく車)。
聯・聨          レン            連なる。
練              レン            生糸をやわらかくして中断しないようにする→ねる。
闌              ラン            棒を横に連ねて出入りを止めるもの→さえぎる。
欄              ラン            横に連ねて出入りを止める棒→手すり、かこい。
  蘭            ラン            群がりたって欄(手すり)のように並ぶ草。
爛              ラン            もえさかる→ただれる。
瀾              ラン            横に波がしらの連なる波。
頼              ライ            自分で処理せずにずるずると引き延ばす→たのむ。
嬾              ラン            ずるずると引き延ばす→おこたる。



208 LIP         同じ物が並ぶ

立              リツ・リュウ    人が両足を並べて地につけてたつ。
笠              リュウ          人が地に立つように、頭上にしっかりと乗せるかさ。
粒              リュウ          まるく小さいかたまりが同じ形をして並ぶ→つぶ。
拉              ロウ・ラツ      両手を対象につけてつかまえる。(拉致)
林              リン            木が並ぶ→はやし。
淋              リン            並んでたれる水滴→したたる。「さびしい」は日本だけの用法。
霖              リン            降り続く雨→ながあめ。
婪              ラン            際限もなくほしがる→むさぼる。
臨              リン            下に並ぶさまざまな物を上から見下ろす→のぞむ。
覧・覽          ラン            高い所から下のものをみまわす→みる。
廩              リン            作物を集めて入れたくら。
禀・稟          リン・ヒン      収納した作物→食糧。さずかった食糧→うける。
凜・凛          リン            禀は「ひと所に引き締めておさめる」意。
                                冷たい氷に触れて心身の引き締まる感じ→りりしい。
懍              リン            散漫な心を引き締めて内にしまいこむ→おそれる。



181 LUIR        同じ物が順序よく並ぶ

雷              ライ            雨雲の中に陰陽の気が積み重なって、ごろごろと音を出す→かみなり。
蕾              ライ            かさなって集まるつぼみ。
櫑              ライ            雷雲の形を彫刻した酒だる。
累              ルイ            つぎつぎと連なってかさなる。
  螺            ラ              幾重にも重なる巻貝→つび、うずまき。
塁・壘          ルイ            土を積み重ねてつくった臨時の小城→とりで。
磊              ライ            石がごろごろ重なっているさま。
耒              ライ            刃が三枚重なっているすき。
誄              ルイ            死者の功績を累々と重ね述べる。
類              ルイ            よくにて同じグループに属するもの→たぐい。
侖              リン            きちんとそろったさま。
倫              リン            きちんとした人間関係。
論              ロン            きちんとそろったことば。すじみちをきちんと整理して説く。
輪              リン            幅のそろった車輪。
綸              リン            絹糸をきちんとよりあわせたひも。
律              リツ            人間の行いをきちんと秩序だてたきまり。
率              ソツ・リツ      はみ出ないように中心線に引き締めてまとめる→ひきいる。
戌              ジュツ          刃物で作物を刈ってひとまとめに締めくくり、収穫する。
                                いぬ(十二支の十一番め)の意は仮借。
                                率ソツ(まとめる)と同系。



217 KLAM        切り立ってとがる

廉              レン            壁と床の間の角→角目をつける→いさぎよい。
                                けじめをたてて暴利をおさえる→やすい。
鎌              レン            草を刈って集める金属製の道具→かま。
剣・劍・劒・劔・剱
                ケン            両側が切りたっている刀。
険・險          ケン            山の頂きが剣のように切りたっている→けわしい。
嶮              ケン            山の尾根が切りたっている→けわしい。



150 LUAT        もつれる

乱・亂          ラン            もつれて、物事の筋道がとおらない→みだれる。
攣              レン            手足がもつれる→ひきつる。
恋・戀          レン            心がもつれてひかれる→こい。
蛮・蠻          バン            姿や生活が乱れもつれた、虫のような人種→未開人。
巒              ラン            きりがなく連なって続く山々→みね。
劣              レツ            手足がもつれて自由が利かない→おとる。
卵              ラン            もつれ連なった、魚か、かえるのたまご。



A06 TUG         つつく          070

逐              チク            後ろからつつくようにして、おい払う→おう。
琢              タク            とんとん叩いて玉の角をとる→みがく。
啄              タク            とんとんとつつく。



A07             こもる

温              オン            水気が中にこもって、むっとあたたかい
蘊              ウン            こもる



A08             両方から引っ張り合う

争・爭          ソウ            反対の方向に引っぱりあう→あらそう。
諍              ソウ            ことばで両方からとりあいをする→言いあらそう。
箏・筝          ソウ            両方から引きあって弦を張った琴。



A09             竜、筒状

竜・龍          リュウ          たつ。
槞              ロウ            獣を入れる細長いおり。
滝・瀧          ロウ            竜のうねるようなたき。
壟              ロウ            竜のうねるようなうね。
籠・篭          ロウ            筒型のかご。
隴              ロウ・リョウ    長い山なみ。



A10             余分にはみ出る

閏・閠          ジュン          定数よりはみでる→うるう(閏年)
潤              ジュン          余分にはみ出る水分→うるおう



A11             おおう、ふさぐ

屋              オク            おおい隠す屋根
握              アク            中の物が見えないように、外から手のひらをかぶせて、にぎる。
渥              アク            水をぴったりかこんで、外にもらさない→うるおう。
幄              アク            布でつくった屋根→天幕。
雍              ヨウ            外部との道をふさいで、内部をなごやかに保つ→やわらぐ、ふさぐ。
擁              ヨウ            抱いておおう→いだく。
壅              ヨウ            ふさいで出入りを止める→ふさぐ。
甕              オウ            中に酒や水をとじこめるかめ。
癰              ヨウ            外がふさがってうみの出ないできもの→はれもの。



A12             まるい

盧              ロ              まるいつぼ型の飯器。
蘆・芦          ロ              茎にまるい穴がとおっているあし。
廬              ロ              まるいつぼ型の小屋→粗末な小さい家。
炉・爐          ロ              つぼ型のまるいこんろ。
臚              ロ              まるく太った腹。
艫・舮          ロ              くぼんだ船尾。
轤              ロ              回転する円盤や車。
鑪・鈩          ロ              丸くわくで囲んだいろり。
顱              ロ              まるいあたま。
驢              ロ              驢馬(ろば)。
鱸              ロ              すずき。海にすむ魚の一種。
瀘              ロ              雲南省を流れる川名。瀘水(ロスイ)。
櫨・枦          ロ              ますがた。柱の上の方形の木。棟木(ムナギ)をささえるためのもの。



A13             端から端へ渡る

弥・彌          ビ              端から端へわたる→いよいよ。ますます。
弭              ビ              ゆはず。弓の端から端に弦を張ってひっかけるかぎ型の金具。
                                末端まで届く→端に届いて止まる。



A14             百

百              ヒャク          ひゃく。
佰              ヒャク          百人一組の隊。また、その隊長。
陌              ハク            百(たくさん)の阜(盛り土)→東西に通るあぜ道。
                                南北に通るあぜ道を阡(セン)という。



A15             千

千              セン            せん。
仟              セン            千人一組の隊。また、その隊長。
阡              セン            千(たくさん)の阜(盛り土)→南北に通るあぜ道。



A16             長くのびる

世・丗          セイ・セ        長くのびた期間→よ。世代。時代。社会。
泄              セツ・エイ      もれて、横にのびて流れる。
渫              セツ            横にのびて押して出す→水底の泥やごみをさらう。
紲              セツ            長いひもをつけて引っぱる→犬馬や罪人をつなぐ綱。
緤              セツ            犬馬をつなぐ綱。
曳・曵          エイ            引きずる。
洩              エイ・セツ      ずるずると尾をひいて漏れる。
絏              セツ            犬馬をつなぐ綱。



A18             ふるえる

辰              シン            二枚貝が開いて、弾力性のある肉が振動しているさま。
                                たつ(十二支の五番め)の意は仮借。
蜃              シン            おおはまぐり。
振              シン            ふる。
震              シン            ふるえる。
唇              シン            ふるえるくちびる。
脣              シン            ふるえるくちびる
娠              シン            胎児がびくびくと振動する→みごもる。
賑              シン            人や物が元気よく動く→にぎわう。
宸              シン            おごそかで、からだが震える御殿、天子。
晨              シン            太陽がふるいたってのぼるあさ。



A19             ひつじ、よい物、よい姿、欠けめない

羊              ヨウ            ひつじ。
養              ヨウ            羊肉のように力をつける食物→やしなう。
庠              ショウ          子どもを保育して養う家→学校。
祥              ショウ          神意がよい姿をとって外にあらわれた→さいわい。
詳              ショウ          欠けめなく行き届いて論じる→くわしい。
様・樣          ヨウ            姿やかたち。
佯              ヨウ            外面の姿→いつわる。
癢              ヨウ            羊肉を食べすぎると、かゆみをおこす→かゆい。
痒              ヨウ            かゆい。やまい。
恙              ヨウ            発病させる寄生虫→つつが。やまい。癢と同系。
翔              ショウ          羽を大きく広げてかっこよく飛びまう→かける。
象              ゾウ            姿の大きいゾウ。
像              ゾウ・ショウ    姿やかたち。
橡              ショウ          形の良い木→くぬぎ、とち。



A20             うし

牛              ギュウ          うし。ギュウという音は鳴き声をまねた擬声語。
吽              ゴウ            牛の鳴き声。牛の鳴き声をあらわす擬声語。
牟              ボウ・ム        牛の鳴き声。牛の鳴き声をあらわす擬声語。



A21             とら

虎・乕          コ              とら。
虍              コ              とらの声。とらのほえる声からきた擬声語。
琥              コ              虎の色の玉石。「琥珀」。虎の形にした玉の器。



A22             削り取る

剥              ハク            刀で表面をはぎとる。
録              ロク            青銅の表面を小刀で削り取り、文字をしるす。
緑              リョク          皮をはいだ青竹のようなみどり色。
禄・祿          ロク            削り取り、小片がこぼれおちる→神からのおこぼれ→さいわい。
碌              ロク            ぽろぽろ割れてできた小石。



A23             ほのお

炎              エン            ほのお。
焔              エン            ほのお。



A24             これ

惟              イ・ユイ        これ。ただ。ある点に限って心を注ぐ→おもう。
唯              イ・ユイ        これ→これだけ→ただ。
維              イ              これ。維新(これを新しくする)。つな。つなぐ。
誰              スイ            だれ。維(これ)に対する疑問詞。



A25             物を移す

卸              シャ            物を移して抵抗や負担を取り去る→おろす。
写・寫・冩      シャ            Aに書いた字をBの所に移す->うつす。
瀉              シャ            たまった水を他に移し出す→そそぐ。
潟              セキ            水の出入りするひがた。



A26             抜き取る

兪              ユ              中身をくりぬいてつくった丸木舟。じゃまな部分を抜きとる意。
                                前の段階をこえて進むさま→いよいよ、ますます。
癒              ユ              病根を抜き去る→いえる。
喩              ユ              疑問やしこりを抜き去る→さとす、たとえる。
諭              ユ              疑念やしこりをえぐりとって説く→さとす、たとえる。
輸              ユ              物を抜きとって車で運ぶ→うつす。「輸送」等。
踰              ユ              中間の段階を抜いて進む→越える。
逾              ユ              中間を抜いて向こうへ乗り越える。
愉              ユ              心中のしこりを抜きとる→たのしい。
覦              ユ              ぬすみ見る。うかがい見る。
揄              ユ              中身をぬきとる。
渝              ユ              中身がぬけて入れかわる。
瑜              ユ              玉石の中からぬきとった最も美しい部分。上質の玉。



A27             連続して刺す

栗              リツ            いがに針がつらなるくり。連続して刺す意。
慄              リツ            ひりひりと連続して刺激する感じ→ふるえる。おそれる。
篥              リツ・リキ      耳をさすようなかん高い音を出す楽器。「篳篥(シチリキ)」等。



A28             きちんとそろう

皆              カイ            みんな並んでそろう→みな。
楷              カイ            きちんとそろった模様のある木→きちんと整ったやり方。「楷書」等。
諧              カイ            ことばの音調がそろう→調和する、やわらぐ。
偕              カイ            何人かがいっしょにそろう→ともに。
階              カイ            きちんとそろえた段。
揩              カイ            表面をきちんとならす→ぬぐう。



A29             細かい

彗              スイ            細い穂や竹枝をそろえて手で持つ→ほうき。細かい意。
慧              ケイ・エ        細かい配慮→さとい。「智慧(知恵)」等。
穂・穗          スイ            ほ。穀物の茎の先が細かくわかれて実をつけ、
                                ほうきのような形をした部分。



A30             よく切れる

利              リ              よく切れる→事が都合よく運ぶ。
痢              リ              利は、よく通る意。便がよく通りすぎる。
犂・犁          レイ            牛に引かせ、土をきり開、するどいすき。
黎              レイ            鉄の農具のようなあさぐろい色→くろ。うすぐらい。「黎明」等。
梨              リ              さくさくと歯切れよく切れるなし。
悧              リ              頭がよくきれる→賢い。



A31             小さく細かい

児・兒          ジ・ゲイ        幼い子ども。
倪              ゲイ            小さい子ども。
睨              ゲイ            目を細めてにらむ。
霓              ゲイ            細いにじ。副虹(主虹の外側にできる細い虹)。
                                昔、にじにも雌雄があると考え、雄を虹、雌を霓といった。
猊              ゲイ            小形のしし。獅子座→高僧のすわる座。
貎              ゲイ            小形のしし。
鬩              ゲキ            子どものけんかのように互いにあらそう。
鯢              ゲイ            小形のめすくじら。雄を鯨、雌を鯢という。
麑              ゲイ            鹿の子。



A32             つなぐ

系              ケイ            ひもでつなぐ。つながりをもつ仲間。
係              ケイ            ひもでつなぐ→かかり。かかる。
継・繼          ケイ            切れた糸をつなぐ→つぐ。
繋              ケイ            つなぐ。
渓・溪          ケイ            糸のように長くつながる谷川。
鶏・鷄          ケイ            ひもでつないで飼った鳥→にわとり。
携・攜          ケイ            手やからだにつけて持つ→たずさえる。
計              ケイ            いくつもの数をつなぎ集める→はかる。
稽              ケイ            次々とかんがえあわせる。



A33             組む、双方が組み合う

冓              コウ            木や竹を前後左右同じ形に組んで積む。
構              コウ            木をうまく組んで前後平均するよう組みたてる→かまえる。
搆              コウ            組みたてる→かまえる。
溝              コウ            左右平均に組んだみぞ。
講              コウ            双方の言をかみ合わす→相手に解かるように説く。
購              コウ            売り手と買い手の双方がおりあって、代金を払って物をかう。
篝              コウ            木を組んだかがり火。
遘              コウ            双方から出てきてあう。
覯              コウ            両方からしかけたように、ぱったりであう。
媾              コウ            女と男が互いに組みあう。互いに縁を結び合う。



A34             少量をつまむ、切る

最              サイ            少量をつまむ→もっとも。(逆の意味に転じた)
撮              サツ            少量をつまむ→とる。
絶              ゼツ            ふっつりと横に切る→たえる。
脆              セイ            もろくて切れやすい→もろい。



A35             細長くつらなる

鹿              ロク            細長くつらなって列をなすしか。
麓              ロク            細長くつらなる山下の林→ふもと。
漉              ロク            細長くつらなってたれる汁→すくう、こす。



A36             すばやい動き

舜              シュン          炎のゆれや、足ぶみのようなすばやい動作。
瞬              シュン          目をすばやく動かす→またたく。
蕣              シュン          咲いてすぐ散るむくげ。



A37             みの

衰              スイ            みののように、小さくしおたれる→おとろえる。
蓑・簑・簔      サイ            端をそろえてない草の衣→みの。



A38             断片をつなぎあわせる

綴              テツ            つづる。
啜              テツ            つぎつぎと続けてすする。
畷              テツ            田の間をつづりあわすあぜ道→なわて。



A39             あご

頤              イ              あご。
姫              キ              あごのはった女性→ひめ。



A40             もりあがる

陸              リク            もりあがった台地。
隆              リュウ          もりあがる
睦              ボク            多くの者が仲よく集まる→むつむ。



A41             連なる

呂              リョ            連なるせぼね。
侶              リョ            同列に並んだ人→仲間。
梠              ロ              何段か重ねて、柱と軒の間をつなぐ木。
閭              リョ            一群に連なった集落の門→むら。
絽              リョ            しま模様の連なる織物。しまおり。
慮              リョ            次々と関連したことをつらねて考える→おもんぱかる。
虜              リョ            じゅずつなぎにしたとりこ
旅              リョ            隊列を組む→隊を組んで移動する→たび。



A42             丸く連なる、丸く縮まる

婁              ロウ            次々とつながる。
楼・樓          ロウ            一階二階とつながる木造の高い建物。
縷              ル              細々と連なる糸。
瘻              ロウ            連なるおでき。
僂              ロウ            丸く身を縮める→かがめる。
窶              ロウ            まずしくて、ちぢこまっている→やつれる。
簍              ロウ            竹であんだかご。
鏤              ロウ            細い模様をつらねて、金属にほりこむ→きざむ、ちりばめる。



A43             行きづまり

厄              ヤク            行きづまり→不吉な回り合わせ。
阨              ヤク            険しい道にはばまれて困る→困難、災難。
軛              ヤク            牛馬の行動を抑制して自由に動けなくするくびき。
扼              ヤク            きつくおさえつけて動けなくする→おさえつける。



A44             きちんと並べる

体・體・躰・軆  タイ・テイ      きちんと並んだ骨格→からだ。
礼・禮          レイ            形よく整えた祭礼。
履              リ              人が足で道をふみ歩く→ふむ。はく。
隷・隸          レイ            手もとに並べてくっつける。所属する。しもべ。(奴隷)



A45             くぼむ

凹              オウ            くぼみ。
窪              ワ              くぼむ。



A46             押しやる、退ける、横になびくように逃げる

狄              テキ            異民族扱いにして排斥する。異民族。
荻              テキ            横になびく草→おぎ。
逖              テキ            にげる。横にさけて、とおざかる。横になびく。



A47             相手

汝              ジョ            なんじ。
如              ジョ・ニョ      相手と同じ→ごとし。
恕              ジョ            相手を思いやる。



A48             やわらかい

奈              ナ              柔らかい、からなし(野生のりんご)。いかん。
捺              ナツ            柔らかくじりじりとおしつける→おす。おさえる。



A49             おおまか

魯              ロ              大まかで間ぬけ→おろか。
櫓              ロ              大きく雑な棒→船をこぐ道具。


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