分詞と不定詞

動詞は分詞や不定詞にすることによって、形容詞、副詞、名詞的に
使うことができます。
分詞、不定詞は動詞のように目的語や補語を持つことができます。

不定詞は動詞の語根に語尾iをつけます。

    例:fari (すること)

分詞は「能動、受動」と「現在、過去、未来」の組み合わせで6種類あります。
またそれぞれに、「形容詞、副詞、名詞」の語尾を付けることができます。

  ・能動現在分詞は接尾辞antをつけます。

      例:faranta (〜している〜)
          farante (〜しながら)  
          faranto (〜している人)

  ・能動過去分詞は接尾辞intをつけます。

      例:farinta (〜した〜)
          farinte (〜してしまって)
          farinto (〜した人)

  ・能動未来分詞は接尾辞ontをつけます。

      例:faronta (〜しようとする〜)
          faronte (〜しようとして)
          faronto (〜しようとする人)

  ・受動現在分詞は接尾辞atをつけます。

      例:farata (〜されている〜)
          farate (〜されながら)
          farato (〜されている人)

  ・受動過去分詞は接尾辞itをつけます。

      例:farita (〜された〜)
          farite (〜されてしまって)
          farito (〜された人)

  ・受動未来分詞は接尾辞otをつけます。

      例:farota (〜されようとする〜)
          farote (〜されようとして)
          faroto (〜されようとする人)

受動の文を作るには、動詞 esti と受動分詞とを組み合わせます。
動作を行っている主体は前置詞 de の後に置きます。

      例:S^i estas amata de c^iuj.
          (彼女はみんなに愛されている。)
           (She is loved by everyone.)

不定詞には原則的には「〜すること」という名詞用法しかありません。
分詞の名詞用法は、不定詞の名詞用法と意味の重複を避けるため、
「〜する人」という意味が与えられています。

不定詞を副詞的に使う方法

    不定詞を副詞用法的に使いたい場合は、前置詞 por を不定詞の前に付ける
    ことによって、「〜するために」という意味を作ることができます。

        例)Mi rajdis la trajnon por iri al s^inj^uku.
            私は新宿へ行くために列車にのりました。

    不定詞とともに使われる前置詞は他にもsen(〜しないで), 
    krom(〜するほかに), anstatau^(〜する代わりに)があります。

不定詞の特殊な用法

    同格修飾

        不定詞には形容詞用法はありませんが、同格として、名詞を修飾する
        ことができます。(〜するという〜)
        同格とは名詞や名詞句が名詞を修飾することです。

            例)la kapablo kompreni vian ordonon
                あなたの命じることを理解するという能力

            *  次の使い方はできません。
                la trajno iri al s^inj^uku  
                新宿に行くという列車

        列車のような具体名詞は不定詞によっては同格修飾されません。
        抽象名詞のみが不定詞によって同格修飾されます。

    移動を表す動詞の補足

        不定詞は iri, veni, kuri などの移動を表す動詞を補足する場合が
        あります。

            例)Mi iris ac^eti
                私は買い物に行った。

    形容詞の補足

        不定詞は形容詞を補足する場合があります。

        esti kapabla -i     (...する能力がある)
        esti preta -i       (...する準備ができている)
        esti ema -i         (...しがちだ)

英語との対比

    動名詞

        英語の動名詞(-ing)に当たるものとして、
        エスペラントには -ado という語尾があります。

            例)flugas 飛ぶ -> flugado 飛行

        これは文法上、名詞として作用します。
        不定詞はあくまでも動詞なので、それ対する修飾は、副詞になります。
        それに対して、-ado に対する修飾は、形容詞になります。

            例)Lernado de Esperanto estas grava.
                エスペラントの学習は重要だ。
                Lerni Esperanton estas grave. 
                エスペラント学ぶことは重要だ。

    分詞名詞

        エスペラントの -anto, -ato に当たる英語の語尾は -er, -ee です。

            例)        雇用する  雇用者    被雇用者
                (英語)employ    employer  employee
                (エス)dungi     dunganto  dungato

        -er, -ee 以外では次のような長い表現になってしまいます。

            エスペラント  英語
            -into         one who -ed
            -anto         one who -
            -onto         one who will -
            -ito          one who was -ed
            -ato          one who is -ed
            -oto          one who will be -ed

    分詞形容詞

        分詞形容詞(限定用法)

            エスペラント  英語
            -inta         which -ed
            -anta         -ing
            -onta         which will -
            -ita          -ed または which was -ed
            -ata          -ed または which is -ed
            -ota          which will be -ed

        複合時制(叙述用法)

            エスペラント  英語
            esti -inta    have -ed
            esti -anta    be -ing
            esti -onta    be about to -
            esti -ita     have been -ed
            esti -ata     be -ed
            esti -ota     be about to be -ed

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