循環型社会
工業的経済の限界を打開するための一つ方法は、工業製品から情報製品へ移行
することですが、もう一つの方法を紹介します。それは、工業製品の経済サイ
クルを生物の生態系のようにしてしまうことです。
現在の工業製品の経済サイクルは次のようになっています。
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|(資源の枯渇)|−−資源−−>| 生産者(企業)|
| | −−−−−−−−−
| | |
| 自然環境 | 商品
| | |
| | V
| | −−−−−−−−−
|(環境破壊) |<−廃棄物−−| 消費者(家計)|
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資源枯渇や環境破壊などの問題が生じています。
生物の世界では、植物が動物に食べられ、動物の糞や死がいを微生物が分解し、
微生物が分解してできた土壌の養分で植物が育つという、見事な循環を形成し
ています。これを生態系(エコロジー)といいます。この生産者=植物、消費
者=動物、分解者=微生物というサイクルに、人間の経済システムを当てはめ
るのです。
−−−−−−−−−
−−−資源−−−>| 生産者(企業)|
| −−−−−−−−−
−−−−−−−−− |
| 分解者(政府)| 商品
−−−−−−−−− |
A V
| −−−−−−−−−
−−−廃棄物−−−| 消費者(家計)|
−−−−−−−−−
すべての廃棄物は100%再資源化できるように、商品の生産段階で工夫をし
ておきます。
またエネルギー資源も一方的に資源を消費するだけの火力や原子力から、資源
を消費しない太陽光、風力、波力などに移行すべきです。
自動車などは燃料電池を利用するようにします。燃料電池とは、水素と酸素を
化学反応させて、電気を発生させる装置です。排気ガスは水なので、とてもク
リーンです。燃料となる水素は、太陽光、風力で作った電気で、水を電気分解
して作ります。
こういうシステムが完成することによって、消費者は安心してものを捨てるこ
とができるので、新たな工業製品をどんどん買うことができます。このように
して、工業製品経済の活性化が図られるのです。
参考:「電脳経済学」
分解者を民間が担ってもよいわけですが、その場合は、今までの生産者、消費
者という枠に当てはまらないのですから、その法人や労働者に対しては、所得
税を非課税にすべきでしょう。それほどまでに、これは優先的に進めなければ
ならない課題です。
でんし共産制社会
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